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第177話 闇の獣人、馬鹿親父とフェランさんに頼みごとをする

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 アミリルス様の所から戻った俺は、コア・ブランチの下で眠るアナントスを呼び出して、魔皇神とアミリルス様と俺を巡って、お互いに殺し合いや戦闘行為、口論などを控えるように頼みこんだ。

 そして以前、魔皇神からもらったカードを使って、彼の領域に行ってアナントスと同じ事を頼み込んだ。
 
 彼は笑顔で了承してくれた。急いでいるからすぐに帰ったが、その時に薬を一つもらった。

 何の薬かと思ってラベルを見たら、「神々召喚の薬。文字通り、ラフィアスが精液ポーションを捧げた神や神々を何度でも、それこそ消費MPゼロで呼び出せる薬。普通は生贄とか代価が必要だが、精液ポーションを捧げているので不要。ラフィアス・ゾルトロンドのみに効果が出る。彼以外の者が飲んでも効果なし」

 要するにアミリルス様と喧嘩したら、これでアナントスや魔を司る神である自分を呼べというわけですね? わかります…。だけどアミリルス様もアナントスも魔皇神も俺をすごく気にっているのに、まともな説得なんて通じるだろうか?

 そんな状態の彼等に神々を召喚させたら、火に油を注ぐようなものだろう。

 ならばアミリルス様よりも高位の神に頼むしかない。幸いなことに俺はその神に心当たりがある。

 馬鹿親父のゴルンルプスと外見美少女だけど、元・爺さんのフェランさんに、アナントス、魔皇神、アミリルス様の三柱の神々に、口論とか喧嘩とか仲違いしないように彼等二人に誓うようにしてほしい、と頼んでみた。

 基本的に、一級創造神の分身である馬鹿親父と二級創造神の分身のフェランさんは、この世界の女王神のメランティア様よりも高位の神々だ。

 だから魔皇神たちが俺を巡って奪い合いになって、神としての力を使って殺し合いになったら、この世界の各地に封じられている、全ての邪神を解き放った時と同じくらい、悲惨な状況になる。

 それはさすがにまずいので、あの三柱の神々にそういうことはしないようにと、ゴルンルプスとフェランさんに誓わせるように頼んでみた。

 基本的にこの二柱の創造神の分身は、俺の危機以外には動かない。

 だが逆を言えば、魔皇神、アナントス、アミリルス様の三柱の神々は俺に本気で惚れている。

 恋をすること自体が狂気であり、精神の病である、と昔の詩人が言っていたそうだ。

 その詩人の兄や母親は医者だったそうだけど、あまりに古い記録なのでその詩人の名前もわかっていない。

 だが的を得ているよな。俺に関する事で彼等が暴走するのだけは避けたい。

 そう言って熱心に親父たちに頼んでみたら、二人共笑顔で了承して俺の前から消えた。

 そして5分ほど待っていたら、二人がまた現れて俺を巡って争わないように誓約させた、と断言してくれた。

 どんな方法使ったのかわからないけど…うん、聞かない方がいいよな。聞いたらそれはそれで、まずいような感じがするので何をしたのかは聞かないでおこう。


 ここは気分を紛らわせる為に、神々召喚の薬とやらを飲むべく、感触変化の魔法を自分にかけて飲んだら、体全体に針が刺さったような痛みを感じた。

 でも感触変化の魔法のおかげで気持ちいい。あれ? 俺ってマゾヒストでもないのに痛いけど気持ちいいって状態になっているな。

 それも2,3分ほどで消えました。


 使者二人と共に翌日にはエルモーラ王国に出発することにした。

 もちろん女王や宰相レヴィン達にも話したが、すでに二人共使者二人の事は知っているようだった。

 だが世界情勢が混乱しており、俺が異世界から召喚されたバケモノ達を始末するのに邪魔になるから、今までこのエルモーラ・グリシャールの二国の使者については伏せていたようだった。

 だから俺が次の日にはこの二人を伴っていく。空を飛んでいくから馬車は不要だということ。

 俺には護衛は不要。むしろ邪魔だということを伝えたら、どこか寂しそうな顔をしながらも了承してくれた。

 というのも、この二国の使者は俺を迎えに来て、二国に家屋、畑、井戸の三大神の祝福を授けてほしいのと、俺に各村や街を浄化したり、住民達を全員まとめて癒してほしいからだ。

 つまり主役は俺であり、女王や姫、宰相の表敬訪問ではないということだ。

 それでも国としてのプライドや見栄があるが、だからってゾロゾロと蟻の行列のようにお世話係とかメイドとか騎士といったお飾りは今回は必要ない。

 そもそも時間停止ができて、10万人が住める都市を魔法で創造できる俺を止められるはずがない。

 こっちはこっちでさっさと二国の井戸にポンプを付けて、畑には害虫除けの結界とか、マンドラゴラやスーパーマイコニドを置いたりしたいし、家屋や倉庫には「腰痛緩和」の結界とかいろいろやっておきたいんだよ。

 「君を止めることは我々には不可能だが、おねがいだからエルモーラ・グリシャールの両国で暴れたりしないでくれよ?」

 と、レヴィンが俺を抱きしめて何度もキスしてくれる。ごめんなレヴィン。俺、最近では下半身の性的な事でまた新たに愛人ができちまったよ。言い訳になるけど、あんたらとセックスしてもすぐに気絶しちゃうんだもの。

 だからこっちも細心の注意を払わないといけないんだけど、そういう細かい気配りばかりするセックスもいいけどもっと、欲望のままに腰を動かしてバコバコやりまくるタイプのセックスが俺好みなんだよな。

 だから、相手が神様ならそんな心配りしなくてもいいから、女神様と一発やりたいなんて書いちゃったかもな。

 それが植物の大女神アミリルス様だとわかったら、きっと女王も姫もレヴィンも気絶するだろうな。

 ただでさえ蛇の神にして誓約を司る神のアナントスが俺の婚約者を名乗っているというのに。

 そして他の神達の助力があったといえど、魔皇神も性奴隷にしちまったからな。

 でも片方が蛇の姿で、もう片方が獣人の雄の神様っていうのに不満があったのかもしれない。

 とにかく時間停止かけて、俺は女王と宰相をそれぞれ一人ずつ抱いてやりました。

 感触変化で身も心も気持ちよくなった二人は、完全に俺の性奴隷と狂信者を兼ねた存在になっていました。

 こうして二人を気絶させて、体の汗や愛液などを浄化魔法ピュリファイできれいにしてから、二人をそれぞれの部屋のベッドに寝かせてやりました。

 やっぱりすごいよな、感触変化の魔法って。ハードセックスを長時間やったら、お互いの性器とか傷んだりして性病になりやすいんだけど、液体吸収・浸透魔法も同時にかけているので、俺の射精した精液が子宮内部(レヴィンの場合は腸内)に吸い込まれて、体がに備わっている回復力も桁違いに上がっているから、特に問題はない。

 明日はいよいよエルモーラ王国行きだ。結界を二重に張っているから、魔物が集団であの王国の村や街を襲っても結界は破れない。

 問題は異世界から召喚された魔物や怪物や人間なんだよな。

 とりあえず王城ジスニーヴァインの隠し部屋に転移して、これからの事を考えてみることにした。

 王城で寝泊りしている人間にはほとんど知られていない、この隠し部屋。セレソロインに頼んで、手入れしてもらっているせいか、全く汚れていないし、ほこりも積もっていなかった。

 ベッドの上に横たわる。たまにはこうして部屋の中で寝ころんで、いろんな事を考ええみることは大切だと思うんだよな。

 どうせ時間停止かけているから、現実には一秒も経っていないし。

 で、王国に行ったら…まず各村や街から浄化と癒しをするべきだろうか。

 それとも王都の方から先にやるべきだろうか。もうそろそろ今年も終わって本格的な冬がくる。

 エルモーラ王国はレナリアーラ王国に比べて貧富の差が激しいので、国力はレナリアーラ王国やグリシャール帝国よりも衰えている。

 それならアミリルス様に頼んで、エルモーラ王国にだけしか育たない特産品とかについて話し合ってみるのもいいかもしれないな。

 もちろんセックスしながらになるけど。そういう淫らなオプションを付けないと、俺に失望したり、俺にドン引きしてくれるんじゃないかと期待してのことだ。

 そして彼女の呼び出しを受ける度に願い事を叶えるようにしたのも、そういう条件にしたら滅多に呼ばないだろうと思ったからだ。

 だけどまさか、俺が彼女を抱きにいくことでその回数分だけ願いを叶えるようにしてくれたとは、完全に予想外だった。

 彼女の呼び出しは一日10回まで、と制限を俺が付けたのに対して…俺の方から彼女を抱きに行くことについての回数は決まっていない。

 しかも彼女のいる空間へ参入する権利をもらったが、これも何度でも行けるし滞在期間も無期限ときた。

 つまり彼女の空間に何度でも行けて、好きなだけやりまくることができるということだが…。

 俺と彼女の間に子供ができて死んでからは、セックスの快楽よりも子供を失ったことの衝撃が大きい。

 とても今は彼女を積極的に抱きにいける気分じゃない。

 もっとも彼女の方から呼び出しを受けたら、アミリルス様を性の快楽に目覚めさせた元凶として、彼女とのセックスに付き合うつもりだが、愛人以上の関係になるつもりは全くない。

 いくらヒョドリンやドラフォールさんと知り合えたとしても。薔薇の入った水晶玉をくれて、その水晶玉をもっている限り、植物に関する存在なら自在に創造や召喚ができるとしてもだ。

 …結局、彼女が俺に飽きるまでは付き合うしかないのかな? いや、諦めちゃ駄目だ。きっと他にいい男神がいるだろうから、そいつを探して彼女とくっつけてしまえばいんじゃないかな?

 そうなるとまずは行動しないとな。とりあえず彼女の兄弟ともいうべき、砂、金属、石の神々に精液ポーションを大量にお供えして、召喚してみるか。

 そうすれば彼女の好みとか、初恋の神とか知ることができるかもしれない。

 そう考えていたら何か飲みたくなってきた。

 別に喉が渇いたわけじゃない。覇王竜のマントを装備しているし、万が一盗まれたり、脱ぐように言われたとしても、すでに飲食不要、睡眠不要、入浴不要、排泄不要のアビリティを別に獲得しているからな。

 それでも気分的に飲み物が欲しくなることがあるので、早速だけど限界突破の薬とか飲み続けてみました。

 もちろん感触変化の能力と液体吸収・浸透魔法を同時に発動してから300本ほど飲んでみました。

 痺れとか痛みとかが相変わらず襲ってきたけど、感触変化のおかげで気持ちいいとも感じられる。

 そしてアミリルス様との付き合い方についても、やはり覇王竜のマントの効果はいま、装備しているものが100倍の効果だから、マントの効果を増幅させることや、「王者の霊衣」で精液の質を上げるのは止めよう。

 少なくとも彼女とセックスしている間にそんな事したら、多分永遠に付き纏われるだろうからな。

 王者の霊衣も増幅効果なしの普通の効果が出るようにしておくか。

 そんな訳で10本ずつ限界突破の薬を10本飲む度にパーフェクト・ヒールを胃腸にかけていたんだけど、さすがに今まで飲んだ数を合わせて1000本ほど飲んだせいか、胃腸も大分頑丈になったようだった。

 だが違和感を体から感じられる。限界突破の薬の影響だろうか?

 ステータス・ボードを開いても特に異常はないようだった。そもそもパーフェクト・ヒールを定期的にかけている上に、覇王竜の装備シリーズを身に着けているのだから、病気になることはありえない。

 体が成長しているのだろうか? と思いながら俺は改めてステータス・ボードを開いてしばらくの間、ボードに表示された大量の情報を睨んでいた。


 
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