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第132話 闇の獣人、石、金属、砂の神々に供物を捧げて冒険者の支援をする

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 カイザートレントと竜人を部下に加えることができた俺は、次に新たにできた精液ポーションを時間停止空間の中で、植物の女神アミリルスの兄弟と言われる砂、金属、石の神々に精液ポーションの精気を捧げることにした。

 時間停止空間の中とはいえ、体感時間では4週間。つまり一ケ月もヴァイソン村とノランディアの街の住人達を相手に射精しまくっていたことになる。

 特にノランディアの街の場合は人数が600人ほどで多かったので、彼等を慰める為に俺の精液を飲ませるのに随分と時間がかかってしまった。

 だがこれはこれで良かったのかもしれない。時間停止空間の中でも敵が襲い掛かってくることは十分にありえただろうが、俺の腕には常にアナントスが絡みついているし、時空の大精霊達や創造神の分身である馬鹿親父ことゴルンルプスとフェランさんが俺を守ってくれるからだ。だから何の気兼ねもなく人々を相手に射精しまくることができたというわけだ。

 しかしここで問題が生じた。邪神達は封じられた魔物だけじゃなくて異世界から魔物を召喚することもできるらしかったので、俺はともかく異世界から来た化け物などこの世界の冒険者には荷が重いに決まっている。

 それに異世界には知性をもったゴーレムやその進化した人工物、いわゆる水車や時計といったカラクリが知性をもったものが多く存在するらしい。

 中には人間やその他、知的生物を見下し、平気で抹殺しようとする凶暴な機械も存在するらしい。

 連中には精神操作性のアビリティは通用しないし、即死攻撃も通用しない。

 だが電撃や砂、水、圧倒的な物理攻撃なら通用する。

 ならば専門家の力を借りるしかない。機械といっても所詮は人間やその他、知的生物が作ったものなのだから、装甲を破壊するとか脆くするとかしたら、冒険者でも十分に勝算はある。

 そんなわけで異世界からの魔物、特に意志や知性をもった機械対策に、俺は精液ポーション172億8千万のほとんどを神々に献上することにした。

 石、金属、砂の神々にそれぞれ40億本ずつ。これで120億本消費した。

 残りの50億本で、植物、家屋、井戸、畑、道の神々に10億本ずつ献上。

 あと以前の残り4億本と今回の2億本の合計6億本を冥王様と門と扉の神にそれぞれ3億本ずつ献上した。

 また背後で死神が息を呑む気配がしたが、無視無視。

 ただこれでアナントスが「わしの分は?」といわんばかりに小さい蛇に変化したのをいいことに、頭をもたげてじっと俺を見つめてくるので、「また今度上げるから。っていうかあんた暇さえあれば俺の精液飲んでいるからそれで充分だろ!」と抗議したら、ブツブツと小声で文句を言い続けたので、仕方ないから8千万本の精液ポーションを捧げたら、満足そうに赤く細長い舌を何度も口の中に出し入れしながら引き下がってくれた。

 ただこれでヒョドリンが自分の主にまた精液ポーションを10億本捧げたと、腹心ならではの特殊能力で知ったのだろう。

 主~万歳~♪ と両腕に当たる枝を揺すりながらいきなり踊り出したのには驚いた。

 そして石、金属、砂の神々から送られてきたアビリティで、俺は装甲劣化のアビリティを手にいれることができたのだった。

 もともと装甲劣化自体はもっているのだが、相手は機械。金属の装甲劣化となると金属の神の恩恵による劣化系のアビリティの方が効率がいい。

 また逆に金属鎧の防御効果も上げることができる。それと同様に石の神の恩恵があれば大岩も道具なしで軽々と持ち上げることも十分可能だ。

 こうして俺は時間停止空間の中で、またアビリティを体感時間でまる一日整理することにした。

 やはり植物の女神アミリルス様ってコワイと思った。だって冒険者を戦えるように役に立つアビリティが欲しいって追加の10億本の精液ポーション捧げた時に願ったのは俺だけどさ…。

 「アルティメット・ブースター」って何よこれ…。30分限定で、全ての能力を2000上げる。ただし効果時間が過ぎるとすさまじい筋肉痛が全身を襲うので、パーフェクトヒールか、アルティメットヒール、竜王の息吹か覇王竜の息吹をかけないとショック死する危険性大、と出ましたよ…。

 これ、アルティメット・ブースターかけてはいさよならってわけにはいかないよな。姿を隠しても自在門とかで様子みておいてやらんと。そして治療しておかないとショック死するんだから目が離せない。

 あとはアミリルス様は石、金属、砂と三柱の兄弟神も復活させたことで(あまり想像つかないが、アミリルス様って石、金属、砂の神様達と地属性の関係なのか、兄妹関係にあるらしい。)大いに喜んでくれた。

 そしてアミリルス様は海神王様や冥王様と同じくらい、俺に好意をもってくれたらしい。防御系のアビリティも送ってくれた。もっともこれは俺が全属性の大精霊を眷属にしているからこそ使用できるのであって、ただ彼女の寵愛を受けたから使えるアビリティじゃないらしい。

 それで防御系のアビリティだが、冒険者を守るための「エレメンタル・ガード」も防御重視でいい感じだ。わかりやすく言うとレベル制はなしで、全属性の攻撃から対象者を守るための虹色のフィールドをかけるアビリティだ。

 もちろん全属性の攻撃だけじゃなくて溶岩や氷雪地帯でもダメージ受けないのがいい。効果時間は1時間。

 ドラゴンブレスさえも無効化できるのはいいな。これなら冒険者達も邪神の眷属の攻撃から守ることができるけど一人ずつにしかかけられないのが欠点だな。ま、範囲型で敵味方関係なしにかけちゃうのに比べたらマシか。

 ただ全属性攻撃を無効化できるだけあって、消費魔力も一人にかけるのに500万とすさまじい。これ10人にかけたら5000万だろ。うわー。こりゃ他人に「アビリティ付与」しても使いこなせないだろうな。

 それにあくまでも属性攻撃を防げるだけであって、物理的な攻撃はそのまま通るってのもネックだな。これをかけられた冒険者には慢心して敵に突っ込んだりしないように、事前に注意しておかないといけないな。

 ま、後は体から木の実や花、薬草を茂らせるなんて微妙なアビリティ(これ傍から見たらかなり恥ずかしい光景だから終身刑が決定した犯罪者にやるといいかも)や、植物系の強力なモンスターを召喚するアビリティが10以上。後は農民なら泣いて喜ぶ植物の成長速度を速めるアビリティ。

 育った植物が3倍~10倍にまで成長するアビリティもあった。ま、俺の精液ポーションを畑にかけて、時空魔法で時間進めれば豊作になるので、わざわざこれらのアビリティは使う必要ないかな。

 それに今の俺なら分身を2200体まで創造できるし。人海戦術で畑に射精しまくれば、少なくともその年は豊作間違いなしだしな。

 これで俺も冒険者達と関わることも増えるが、やはり必要以上に関わるべきじゃないと思う。

 もしも彼等と親しくなったら、いろいろな問題を解決する為の相談をもちかけられるだろう。

 それが俺の力でないと絶対に解決しない、というものなら協力するが…そうでない問題が殆どだ。

 それなら他の者に解決してもらった方がいい。寂しいがこうしないと冒険者に限らず俺の信者は俺に甘えて、もたれて悩みを解決する努力を怠ってしまう。

 これが一人や二人ならまだしも、俺の信者はもはやレナリアーラ王国内の全住民といっても過言ではない。

 だからよほどの偉業を為した者とかでない限り、もしくは国家間の問題(それも戦争や疫病や魔族・邪神、ダンジョンから溢れた怪物によるスタンピード現象や魔法に関する事件で国の冒険者やトラブル専門の業者や専門家でも解決できなかった案件に関係するもの)以外は関わらないようにしている。

 ただ…たまには冒険者にもいい装備とかくれてやってもいいと思う。

 冒険者は自由な存在。そういえば聞こえはいいが、彼等にも老人になる時期がくる。

 つまり冒険者として自由に振る舞っていられる時間は若い間だけなのだ。
 
 いつまでも冒険者として気ままに生きていくことなどできはしない。

 自由の代償といえばそれまでだが、いつかは冒険者専用の街とか作るのもいいかもしれない。

 今の俺なら20万人までなら暮らせる都市を作れるしな。もっとも期間は10年までで、期限が過ぎると消えてしまうので、その前に別の都市をつくらないといけないんだが。

 都市を維持するのに膨大な魔力が必要だから、いくつも都市を創ることはできないが、一つなら考えてもいいかもしれない。

 ただ冒険者の装備とか道具とか上げるのもいいが、転売されたりしないようにしないといけないな。

 もはら異世界から召喚された邪神や悪魔も来ているので、冒険者達もいやでも巻き込まれるだろうし。

 だからこうして支援する必要があるんだが、甘やかすのも程ほどにしないと。

 これは各地のギルドマスターに冒険者の教育をしっかりしろと言わないといけないな。

 本部はどこにすればいいのかは彼等で話し合えばいい。この俺がいる以上、スタンピードが起きても冒険者ギルドが滅びるなんて事態は起こさせない。

 とにかくまずは王都のギルドだな。脅すのはまずいので何か手土産をあげるべきか。

 俺は何かいいものはないかと闇の中の空間から良さそうなものを引っ張り出しては、アナントスと話し合ってギルドに属する冒険者が喜びそうなものを検討することにした。
 
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