闇の獣人 女神の加護で強く生き抜きます（１８禁）

第１１３話 闇の獣人、魔物活性化対策の為にあちこちの隠れダンジョンを攻略する

　元・廃村のヴァイソン村と元・廃墟の街ノランディアの合同パーティーで、めでたくセルロンとリアーナの結婚式は終わった。

　クラーケンの肉は結構美味だったらしくて、俺の信頼は絶頂に達しており、もはや全裸で村や街を徘徊しても歓迎されそうな雰囲気だった。いや、例えであって本当に全裸で無意味に徘徊しないけどな。

　そして一晩明けて午前４時頃に、俺は背後の死神に冥王様がどんなプレゼントをするのかと聞いてみたら、未だに審議中であって、難航しているとのこと。
　
　そこで朝になってレヴィンのモノをしゃぶったりして適度に彼の性欲を発散させた（ただしレヴィンはアナントスが俺の腕に絡みついているのをみて始終、恐縮していた）後で、今度は王都ジェルロンドの薬局や医療施設に行って
手紙と共に金貨１０００枚を配っておいた。

　医療施設や薬局になんで金を置いたのかというと…実は俺が悪魔に対抗するためとはいえ、何度も竜王の息吹や覇王竜の息吹を王都全体にかけてしまったために、病人や怪我人が少なくなってしまったからだ。

　だから病気や怪我を癒すのが仕事の彼等は稼ぎが少なくなるのは火をみるより明らかだったので、今更ながらではあるが、決してわざとやったことじゃないのでこのお金あげるから生活の足しにしてちょうだいね、という内容の手紙を置いてきた。

　時間停止させて置いてきたのには理由がある。忙しいからと手紙に書いておいてあるが、実際にその通りだった。何しろ薬屋とか施療院とか併せて王都には３０か所ほどある。

　これは冒険者の数が多いのと、王都の人口のせいなんだが…全部を回るのに時間停止でもしないと一日じゃ回りきれないからだ。

　それに今の俺には金貨１０００枚を３０か所に配って、合計して３万枚ほど消費しても、痛くもかゆくもない。

　こうして時間停止空間の中を歩きながら、俺は人の少なくなった薬局や医療施設の責任者の勤務室にそっと、手紙と金を置いてきた。

　その後は死神に聞いてレナリアーラ王国内にある隠しダンジョンの攻略をしてみた。

　おそらく敵は俺の強さというか、大精霊達と契約していてまともに戦えば勝ち目がないと判断したのだろうとのことだった。

　だから何か騒動を起こすのならダンジョンのスタンピード現象が一番高い。

　そしてそれは邪神達なら他の小規模のダンジョンでもスタンピードを発生させることができるというものだった。

　ならばこちらから出向いて隠しダンジョンを潰していくしかない。

　そんな訳で俺はまた時間停止をかける前に女王と姫に、王都中の薬局や医療施設に詫び状と金貨１０００枚を置いてきたから、問い合わせきたら適当にあしらっておいてね、というメッセージを送っておいた。

　いいことしているんだから、後は女王と姫の仕事だ。

　後は王都から一番近いダンジョンを攻略していった。ただ潰しただけじゃもったいないから、実際にダンジョン内に入ってみたんだが…地下１０階層まで潜ってもロクなお宝はないわ、出てくるのがオーガやトロールといった雑魚しか出てこないわで、まともに戦う気が失せた俺は片っ端から寿命を奪っては、連中の遺体を闇の中の空間に放り込んでいった。

　そして地下２０階層。ボスキャラはボーンドラゴンだったので、竜王の息吹を試しにかけてみたら、あっさりと一回かけただけで浄化されてしまった。

　いや、この場合は俺の魔力が強くなったからだろうな。奥にある宝箱を鑑定してみると、罠付きだったがアナントスが先んじて解除して開けてしまった。

　何か言いたそうな俺を「婚約者を危険な目に遭わせるわけにはいかんじゃろ？　決して出番がなかったから罠を解除したわけじゃないぞ？」と言い訳していたが、嘘だな。絶対に出番なかったから、手持ち無沙汰になったから罠を解除したに決まってる。

　まあ罠を解除する手間が省けたからいいけど。そして出てきたものはみすぼらしい旗だった。

　だがこの旗…王城の宝物庫で回収した壊れたアイテムと同じ感じがする。

　確か以前は壊れた剣、壊れた短剣に弓、全身鎧、壊れた盾と腕輪と杖と槍と斧と額飾りとマントとペンダントと指輪とポーション瓶だったな。

　それでこの旗を「霊魂解析」してみたら、旗の他に矢とナイフ、手袋に仮面、服とイヤリング、メイスにハルバード、トゲ付き棍棒に、ただの棍と三つに折れる棒と鞭とチョーカーの収納してあるダンジョンが脳内に表示された。

　どれも結構近いし、一つのダンジョンに３つ以上収納されているので、俺は回収しては「海神王の槍」でダンジョンごと吹き飛ばすという行為を繰り返して、これらのアイテムを集めていった。

　そして精液濃度５万倍にして射精し続けること二週間。またかよ！　と思ったけど、いつかはこれらのアイテムにお世話になるかもしれないし、アナントスも恩は売れる時に売った方がいいと言うし。

　死神もまた新たな神を復活させれば、冥官達も俺に祝福するのを反対することができなくなるから、面倒でもやった方がいいというので、また王都ジェルロンドのコア・ブランチの前で「王者の霊衣」を最大の５万倍にしてから旗を最初に射精しまくって本来の力を取り戻すようにしました。

　これで二週間ほどかかったかな。時間停止空間の中でやったから、現実には一秒も経っていないんだけどね。

　で、また光る男女が出てきたのであらかじめマーキングしておいた、こいつらの先輩の神様達を全員、呼び出して彼等を引き取ってもらった。

　確かにいいことをしたんだけどさ…。隠しダンジョンも２０以上潰したし。でも世界中にまだ１００か所以上あるんだよな、これが。どれも小規模で最下層が３０階層くらいまでしかないダンジョンばかりなんだけどね。

　やっぱり財力とか魔力が必要以上にあると隠しておきたがるのが人情ってもんで、そういう類いの人間はダンジョンとか作ったりして、最下層に隠しておきたがるらしい。どうしてもお宝が欲しければ実力者にだけ譲ってやるということだな。

　ま、俺は鑑定しまくって罠とか突破したし、モンスターは全部寿命を奪ってアンデッドは支配して知識吸収しまくった挙句に浄化したから実力者ということでお宝を沢山ゲットしたけど。

　しかし大抵の宝箱にある財宝って何で金貨ばっかりなんだろうな。おかげで金貨入りの宝箱も１００を超えてからは数えるのを止めたよ。

　こうして疲れた思いでいると、セレソロインからそろそろ精液ポーションの空き瓶が一杯になるのでまた使ってほしいという要請がきた。

　そういえば王城の連中あいてに射精しまくったのと、今回の件で合計して３週間ほど経ったんだよな。時間停止空間の中にいると現実との時間差に悩むことがあるんだよな。

　とりあえず死神に聞いてみたら、弱っていて俺に味方してくれそうな神様というと道の神、池と泉の神、門と扉の神がいいとのこと。

　それならばとこの三週間に分身達が射精しまくった精液ポーションの１００億本の内、それぞれ３０億本を道の神と池と泉の神、門と扉の神に献上しておいた。

　後はどうなろうと知らん。ただこうして味方を増やしておけば冥王様が喜ぶとのことなので、余った１０億本の精液ポーションの精気は、また冥王様に捧げることにした。

　背後で俺の担当の死神が息を呑んだような気配がしたが、無視。

　こうして１００億ポーション全部使いきったが、全部神々に捧げたんだから誰にも文句は言わせない。

　それに全員俺に忠誠も誓っていない神様ばかりだから、アビリティが増えることはないだろうし。

　例えきたとしてもフェランさんや馬鹿親父が阻止してくれるから大丈夫だろう。

　うんうんと頷いていたらエペランから念話が来た。

　『あるじさまー。あのね、エルモーラ王国から手紙が来てね。うちの国にも井戸とか祝福してほしいっていうお願いの為の使者がエルモーラ王国から３日以内に王都のジェルロンド、だっけ？　そこに到着するんだって』

　エペランの報告に俺は邪神絡みの内容じゃないかという予感がしたので、時間停止空間の中で何かいいアビリティはないかとステータス・ボードを開いて調べてみることにした。