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第44話 闇の獣人、宝集めの為にいろんな意味で鬼畜外道になる
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あれから120分間、俺は覇王竜のマントの重ね着をしたのと、覇王竜の精気のアクティブ効果。
さらに連射のアビリティと定期的にかけていた倍速の時空魔法の併用効果で、見事に6000回の射精を終了させて、モンスターの早期復活と宝箱のドロップ率の確定化をダンジョン・コアの分身に実行させることができるようになった。
おかげで覇王竜の精気のアビリティレベルは20レベルになった。結構上がったな。それに倍速のアビリティもかけまくったせいか、15レベルになっていた。
これは結構使えるから、また次回にここに来た時に使用することに決定だな。
『おめでとうございます。今まで射精してきたエネルギーや精液ポーションのエネルギーをを合計しますと…そうですね。これでモンスターの早期復活と宝箱のドロップ確定が80回まで実行可能となりましたけれど…。確か特定のモンスターの落とす宝箱が欲しいんでしたよね? それでどんなモンスターの落とす宝箱が欲しいんですか?』
「まずはリビング・ホイールの落とす魔法の馬車の模型だな。後はゴールドドラゴンの落とす「ゴールドクリスタル・エッグ」だな。これをそれぞれ10個ずつ手に入れたい。いろんな奴に分け与えてやりたいからな」
『そういうことですか。わかりました。では早速復活させますね。あと、連絡用にこの腕輪を身につけておいてください。装備する前に射精してその精液を吸い込ませれば、私とラフィアスさん以外に会話が漏れることはありませんので。例え神であってもよほど多くの神々と力を併せない限り、盗聴は不可能です。会話は声に出さずに念じるだけで十分ですよー』
目の前の空間に綺麗な一対のブレスレットが現れる。とぼけた口調だけど、やっぱりこのダンジョンの神といってもいい存在なんだな、こいつ。正確にはコアの分身であって本体にはまだ会っていないんだけど。
早速俺は覇王竜の精気をアクティブになるように念じて、2つのブレスレットに射精してみた。何しろ量が量なので、すぐに精液まみれになるので念動のアビリティを使って浮かせている。
水晶と思われる宝玉が淡い光を放つ。それはすぐに消えたが、精液まみれになると思っていたブレスレットは意外にも綺麗なままだった。
どうやら器用にブレスレットの周囲の空間に散った俺の精液を吸収したらしい。早速装備してみる。
フリーサイズなので腕にはめ込むような感じだが悪くない。
「この腕輪は左右両方の腕に付けていないとまずいのか?」
『いいえ、片方の腕だけで十分ですよ。残りは予備として闇の中の空間にでもしまっておいてください』
言われて頷いた俺は、踵を返すと黄金竜を倒す為に階段へと歩いていった。
「こちら、ラフィアス。聞こえるか? 黄金竜倒して宝箱もゲットした。ゴールドクリスタル・エッグも入っていて、宝箱ごと回収した。ついでに黄金竜の死体もな。というわけであと9回ほど復活させてやってくれ」
『了解しました。それでは次の連絡をお待ちしていますね』
腕輪に語り掛けるようにしてコアの分身と連絡を取り合う俺。そういえば今までこいつと連絡を取り合うってことはなかったな。なんてことを考えていると、目の前の空間に光と共に黄金竜が現れた。
そうか。復活する所は初めてみるけど、こういうもんなのか。意外と綺麗なもんだな。
もっとも俺によってこいつは殺されるんだけどな。それも永遠に何千回も何万回も殺すわけじゃないから、許してくれな。
そう思いながら俺は闇魔法のデスを起動した。キョロキョロと周囲を見回す黄金竜が次の瞬間に、全身をビク! と震わせると目を瞑りながら倒れ伏した。
そして宝箱が現れて、俺はまた宝箱の蓋を開けて、ちゃんとゴールドクリスタル・エッグが入っている事を確認する。後は黄金竜の遺体と宝箱を闇の中の空間に収納する。
続いてダンジョン・コアの分身に作業が終了したと伝えてから、また復活した黄金竜を始末して宝箱を回収する。
こうしてゴールドクリスタル・エッグを新たに10個手に入れた俺は、次に塔の外でウロウロしているリビング・ホイールを退治しては宝箱を回収するという作業を繰り返した。
こいつのいる場所って砂漠だから、宝箱とか砂の中に埋もれないように注意する必要があったけど、どうにか10個の魔法の馬車の模型とこいつの遺体を回収することができた。
なんといっても全長50メートルだからな。しかも魔法生物だし。何かに使えないかと思って収納しているんだけど、何に使えるのかまだわかっていない。でもこのまま放置してダンジョンに吸収させるのは勿体ない感じがして我慢できないんだよな。
貧乏性? 放っといてくれ。後でこいつの遺体を回収しておくんだったー! と後悔するよりかはまだマシだろうが。
「こちら、ラフィアス。お陰様で魔法の馬車とリビング・ホイールの遺体をそれぞれ10個ずつ回収し終えた。他に回収したいのがあるんだが、いいか?」
『こちらダンジョンコアの分身です。どうやら目的は果たせたようで何よりですね♪ それで他に回収したいものがあるって何でしょうか? まだあと60回はできますよ♪』
「それはよかったな。で、復活させてほしいのは地下200階の覇王竜だ。こいつの持っている装備品、および宝箱を回収しておきたい」
…急に無言になったのか、返事が返ってこない。また呼びかけるとやっと返事が返ってきた。
『えぇっ!? それってちょっと前にラフィアスさんが倒した覇王竜ですよね!? 何でまたそんな強敵の装備品なんて欲しがるんですか? もう二つも持っているじゃないですか!』
「いやこいつのもっている装備品を機能限定にして、いつか魔族と対抗するための人員に渡して戦力強化しておきたいんだよ。特に覇王竜の額飾りなんて飲食不要・睡眠不要でうちの局長に渡しておけば喜んでくれると思うし。
確かに全部装備すれば強いけど、そこまで強化しないで少しだけ強くなってもらうっていう意味では覇王竜のアイテムシリーズは最適だからな」
『どうでしょうかね。人間は欲深い生物ですよ? 覇王竜の装備品の一つでも分け与えたら、シリーズの一つだということが時間の問題でわかってしまいます。そうなったら残りの装備品も欲しいと思うようになるでしょうね。そしてラフィアスさんを殺してでも奪い取ろうとする輩が、必ず現れますよ? 保障してあげます。私は500年の間ずっと見てきたんですから。モンスターがドロップしたアイテムを奪い合い、殺し合う冒険者達の醜い本性をね』
「意外とドライなんだな、お前。だったら覇王竜の指輪を必ず一緒に装備するように、事前に誓約させればいい。魔術で縛り上げておけば奪い合いなんて起きないさ。
それに覇王竜の指輪って装備していると、時間の問題で竜族と親しくなって、悪人だと改心するように毎日のようにしつこく諫言されるそうじゃないか。そしてさらに改心しないでいると、拉致されて封印されるんだろ?」
『それは…そうですけど。でも…別の意味でラフィアスさんが嫌われると思いますよ? 幸いあなたは暗殺者として訓練を受けて性的な事にも抵抗はありませんが、世の中には性的な事には全く縁がなくてそう言う事には過剰反応して、娼婦や娼館で働く人達、そして性的な事に関する人々を露骨に差別する人がいます。
特に覇王竜のマントなんて普通の男性が装備したら、完全勃起したまま止まらなくなるじゃないですか。そんなアダルト製品なんて他の人に分け与えたら、変態が増殖するだけでラフィアスさんが白い目で見られるだけだと思いますよ?』
「その辺りも俺に理解を示してくれて、装備シリーズをそれぞれどういう機能があるのかを事前に説明してから渡すようにするさ。…逆を言えば俺に理解を示さない奴は見捨てるってことになるんだけどな」
俺の決心は固いと思ったのか、深いため息をつくダンジョンコアの分身だった。
『わかりました。しかし今までの装備品とは比べ物にならないほど高性能ですから、それだけ大量のエネルギーを使います。よって覇王竜を即座に復活させるのに、一般的なボスや他モンスターの復活のエネルギーの15回分の復活エネルギーが必要になります。ラフィアスさんの場合はあと4回だけ、覇王竜を復活させることが可能です。これがキングドラゴンや他のモンスター及び宝箱なら、ここまで大量のエネルギーを消耗しないんですが…。諦めて他のモンスターを復活させますか? それなら60回復活させられますけど?』
「いや、俺は覇王竜を倒したい。今は覇王竜シリーズが必要な者はいなくても、将来、必要になるかもしれないだろう? それに何らかのマジックアイテムの材料になるかもしれないじゃないか。お前だって俺みたいに世の中の全てそ知り尽くしているというほど思い上がってはいないだろ?」
再度のため息が頭の中に響く。もう何を言っても無駄だと思ったのだろう。ダンジョンが小さく震えたのが獣人である俺にはわかった。
『今、覇王竜を復活させました。あと3回だけ復活させられます。それが終わったら、再度私の分身の中にラフィアスさんの肉棒を突っ込んで射精してエネルギーを補充するか、時間経過による復活しかありません』
「それで充分だ。ありがとうコアの分身…って何か長くて言いにくいな。…決めた。今からお前はコア・ブランチだ! ブランチは枝。本体の分身の意味でお前にはピッタリだろ? これからはコア・ブランチと呼ぶからな」
すると脳裏でキャーッと歓声が響き渡った。よっぽど嬉しかったんだろうな。うん、気持ちはわかるけど落ち着けよコラ。覇王竜の額飾りを装備していなかったら、頭痛に悩まされている所だぞ?
『す、素敵ですぅ! まさか本当に名前を付けてくれるとは思いませんでした! これからもよろしくお願いしますね、ラフィアスさん!』
もともとテンション高いのに、さらにテンション高いコア・ブランチの思念を受けながら俺は地下200階層へと転移した。
玉座の間というのかわからない。だって玉座って普通は城の中にあるもんだろう? でもここは荒地だけの階層だからな。そこに置かれた玉座がポツンと存在している。
そこに座って相変わらず自慰行為に励む覇王竜。何しろ俺には時間があまりないので時空魔法で時間を止める。
時間停止は時空魔法を30レベルまで上げたので、最高でも30分は止められる。
見ればドランギル・ランドバーゼルは自分のモノをしごいている姿勢で停止していた。流石に時間を止められたら為す術がないか。どうやらドランギルは時空魔法は使えないみたいだな。覇王竜シリーズも無敵じゃない。うん、いい教訓になった。
俺はその間にかなりの魔力を注いで作った闇の球を20個以上作って、奴の頭上や周囲に設置する。
そして時間停止を解除した。自分のモノをしごいていたドランギルは急に出現した闇の球をまともに浴びて絶叫する。
これは魔法攻撃じゃない。攻撃とは敵にダメージを与えるものだが、俺の作った闇の球は肉体を傷つけずに生気を急速に、かつ大量に吸収するためのものだ。よって魔法攻撃とは覇王竜シリーズが認識しない。
例え認識したとしても魔法攻撃が半減されるだけだ。こいつのもつアビリティにも同じ魔法攻撃半減があるが、重複しないし、これだけ大量にこいつに浴びせていれば半減しても意味がないのだ。
かといってこいつの装備しているマントは巨人に殴られても、踏まれても平気というすさまじい物理攻撃に対する防御力があるからな。魔剣で攻撃しても、魔法攻撃半減で大幅に威力が削られて時間の無駄だから魔法で殺すのが一番効率がいいのだ。
うつ伏せになって倒れているドランギルを俺は覇王竜の叡智で鑑定してみる。
すると「瀕死」と出た。まだ生きているか。やっぱり地下200階層のボスだけはある。
俺はまた生気を吸収する闇のボールを大量に作って、連射のアビリティをアクティブにして連射する。
連射のアビリティはレベル30になっているので、2つの光球が現れて、闇の球を高速連射するのは何だか奇妙な感じだな。相殺されないのがすごい。これも覇王竜の装備シリーズのおかげなのかもしれないが。
俺自身の連射と2つの光球の連射。合計3連射の闇の球の猛攻撃を受けたドランギルはとうとう血反吐を吐いて動かなくなった。
再度、覇王竜の叡智で鑑定してみる。すると今度こそ「死亡」と出ていた。
念の為に闇でできた生気を吸い続けるダーク・チェインを作って、ドランギルの両手と両足を縛りつける。
そして俺が近づくとドランギルの遺体の側に宝箱が現れた。蓋を開けてみると俺が装備している覇王竜シリーズと色こそ違うがやたらとでかいダイヤモンドが入っていたので、闇の中の空間に収納する。
後はドランギルから覇王竜の額飾りとマント、指輪を取っていく。いくら隠蔽の効果があってもこちらはすでに同じ指輪を2つもっている上に、覇王竜の額飾りも装備しているので、最初から指にはめられているのは見えていた。
そして隠し扉は前回見つけていたので、そこから剣とブーツを回収する。
それが終わると覇王竜の剣でこいつのエネルギーを念の為に斬って斬って斬りまくる。すでにマントは外しているので、防御効果はない。
ピクリとも動かないその姿にやっと安堵した俺は、こいつの体を担ぐと、無造作に闇の中の空間に全裸の竜人の遺体を放り込んで収納した。
こういった感じで残りの3回は、闇魔法のマスターランクになって初めて使用可能になれる、死体操作を使って、最初に衰弱死させたドランギルの遺体と、2回目に闇の球で生気を吸いまくって殺したドランギルの遺体を操ることができたので、そいつらを使ってドランギルを拘束して倒すという戦法で倒しまくりました。
そんでコア・ブランチに連絡して次のドランギルを復活させて、また時間を止めて1stドランギルと2ndドランギルの遺体を操ってこいつの両腕を抑え込ませて、後は最初と同じように魔力を込めた闇の球を以前の倍の量で作ってこいつの頭上から降らせてやった。
時間停止を解除したこいつの表情は驚愕に満ちていた。そりゃそうだろうな。生前の記憶がない状態で自分と同じ姿をした二人の竜人に左右から拘束されているとわかったと同時に、上から闇の球の雨のごとき猛攻撃。
ドランギルを拘束している二人はすでに死んでいるので闇の球をまともに浴びても、全く問題ない。
こうして新たに復活したドランギルは為す術もなく死亡。見事に死体達の仲間入りを果たした。
もちろんこいつの宝箱は回収して、装備品もはぎ取って隠し扉にあった物も回収しておきましたとも。
こういう感じで、4回に渡ってドランギルを始末しては覇王竜シリーズを回収しました。
宝箱にあったシリーズと、こいつが装備していたものをいれると、合計8つシリーズが手に入った。意外と簡単に終わったな。
まだ夜中だし。後はどうすればいいか。とりあえず俺は新たに入手した覇王竜シリーズ8つに装備していた2つの覇王竜の指輪を使って、俺以外は装備しても、機能はあっても全く発揮されないように制限する作業を開始することにした。
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------後書きです。闇魔法で死体を操る…結構ダークですね。特に自分が倒された時の遺体が動いて、しかも複数の遺体が自分を拘束して攻撃、防御はおろか身動きさえもままらなないという…これ、ドランギルから見れば立派なホラーですよね。もっとも覇王竜の額飾りを装備しているから発狂とか恐慌にはならないんですが。
闇魔法のアルティメットクラスはいろんな意味でやばいです。鑑定したらいろいろ詳しいこともわかるのでしょうが、ラフィアスは本能的に恐れていてそれを実行していません。今は帝国の第三皇子が来るのでそれどころではないと言って誤魔化している状態です。
また長くなってきたので今回はここまで。読んでくださってありがとうございます。
さらに連射のアビリティと定期的にかけていた倍速の時空魔法の併用効果で、見事に6000回の射精を終了させて、モンスターの早期復活と宝箱のドロップ率の確定化をダンジョン・コアの分身に実行させることができるようになった。
おかげで覇王竜の精気のアビリティレベルは20レベルになった。結構上がったな。それに倍速のアビリティもかけまくったせいか、15レベルになっていた。
これは結構使えるから、また次回にここに来た時に使用することに決定だな。
『おめでとうございます。今まで射精してきたエネルギーや精液ポーションのエネルギーをを合計しますと…そうですね。これでモンスターの早期復活と宝箱のドロップ確定が80回まで実行可能となりましたけれど…。確か特定のモンスターの落とす宝箱が欲しいんでしたよね? それでどんなモンスターの落とす宝箱が欲しいんですか?』
「まずはリビング・ホイールの落とす魔法の馬車の模型だな。後はゴールドドラゴンの落とす「ゴールドクリスタル・エッグ」だな。これをそれぞれ10個ずつ手に入れたい。いろんな奴に分け与えてやりたいからな」
『そういうことですか。わかりました。では早速復活させますね。あと、連絡用にこの腕輪を身につけておいてください。装備する前に射精してその精液を吸い込ませれば、私とラフィアスさん以外に会話が漏れることはありませんので。例え神であってもよほど多くの神々と力を併せない限り、盗聴は不可能です。会話は声に出さずに念じるだけで十分ですよー』
目の前の空間に綺麗な一対のブレスレットが現れる。とぼけた口調だけど、やっぱりこのダンジョンの神といってもいい存在なんだな、こいつ。正確にはコアの分身であって本体にはまだ会っていないんだけど。
早速俺は覇王竜の精気をアクティブになるように念じて、2つのブレスレットに射精してみた。何しろ量が量なので、すぐに精液まみれになるので念動のアビリティを使って浮かせている。
水晶と思われる宝玉が淡い光を放つ。それはすぐに消えたが、精液まみれになると思っていたブレスレットは意外にも綺麗なままだった。
どうやら器用にブレスレットの周囲の空間に散った俺の精液を吸収したらしい。早速装備してみる。
フリーサイズなので腕にはめ込むような感じだが悪くない。
「この腕輪は左右両方の腕に付けていないとまずいのか?」
『いいえ、片方の腕だけで十分ですよ。残りは予備として闇の中の空間にでもしまっておいてください』
言われて頷いた俺は、踵を返すと黄金竜を倒す為に階段へと歩いていった。
「こちら、ラフィアス。聞こえるか? 黄金竜倒して宝箱もゲットした。ゴールドクリスタル・エッグも入っていて、宝箱ごと回収した。ついでに黄金竜の死体もな。というわけであと9回ほど復活させてやってくれ」
『了解しました。それでは次の連絡をお待ちしていますね』
腕輪に語り掛けるようにしてコアの分身と連絡を取り合う俺。そういえば今までこいつと連絡を取り合うってことはなかったな。なんてことを考えていると、目の前の空間に光と共に黄金竜が現れた。
そうか。復活する所は初めてみるけど、こういうもんなのか。意外と綺麗なもんだな。
もっとも俺によってこいつは殺されるんだけどな。それも永遠に何千回も何万回も殺すわけじゃないから、許してくれな。
そう思いながら俺は闇魔法のデスを起動した。キョロキョロと周囲を見回す黄金竜が次の瞬間に、全身をビク! と震わせると目を瞑りながら倒れ伏した。
そして宝箱が現れて、俺はまた宝箱の蓋を開けて、ちゃんとゴールドクリスタル・エッグが入っている事を確認する。後は黄金竜の遺体と宝箱を闇の中の空間に収納する。
続いてダンジョン・コアの分身に作業が終了したと伝えてから、また復活した黄金竜を始末して宝箱を回収する。
こうしてゴールドクリスタル・エッグを新たに10個手に入れた俺は、次に塔の外でウロウロしているリビング・ホイールを退治しては宝箱を回収するという作業を繰り返した。
こいつのいる場所って砂漠だから、宝箱とか砂の中に埋もれないように注意する必要があったけど、どうにか10個の魔法の馬車の模型とこいつの遺体を回収することができた。
なんといっても全長50メートルだからな。しかも魔法生物だし。何かに使えないかと思って収納しているんだけど、何に使えるのかまだわかっていない。でもこのまま放置してダンジョンに吸収させるのは勿体ない感じがして我慢できないんだよな。
貧乏性? 放っといてくれ。後でこいつの遺体を回収しておくんだったー! と後悔するよりかはまだマシだろうが。
「こちら、ラフィアス。お陰様で魔法の馬車とリビング・ホイールの遺体をそれぞれ10個ずつ回収し終えた。他に回収したいのがあるんだが、いいか?」
『こちらダンジョンコアの分身です。どうやら目的は果たせたようで何よりですね♪ それで他に回収したいものがあるって何でしょうか? まだあと60回はできますよ♪』
「それはよかったな。で、復活させてほしいのは地下200階の覇王竜だ。こいつの持っている装備品、および宝箱を回収しておきたい」
…急に無言になったのか、返事が返ってこない。また呼びかけるとやっと返事が返ってきた。
『えぇっ!? それってちょっと前にラフィアスさんが倒した覇王竜ですよね!? 何でまたそんな強敵の装備品なんて欲しがるんですか? もう二つも持っているじゃないですか!』
「いやこいつのもっている装備品を機能限定にして、いつか魔族と対抗するための人員に渡して戦力強化しておきたいんだよ。特に覇王竜の額飾りなんて飲食不要・睡眠不要でうちの局長に渡しておけば喜んでくれると思うし。
確かに全部装備すれば強いけど、そこまで強化しないで少しだけ強くなってもらうっていう意味では覇王竜のアイテムシリーズは最適だからな」
『どうでしょうかね。人間は欲深い生物ですよ? 覇王竜の装備品の一つでも分け与えたら、シリーズの一つだということが時間の問題でわかってしまいます。そうなったら残りの装備品も欲しいと思うようになるでしょうね。そしてラフィアスさんを殺してでも奪い取ろうとする輩が、必ず現れますよ? 保障してあげます。私は500年の間ずっと見てきたんですから。モンスターがドロップしたアイテムを奪い合い、殺し合う冒険者達の醜い本性をね』
「意外とドライなんだな、お前。だったら覇王竜の指輪を必ず一緒に装備するように、事前に誓約させればいい。魔術で縛り上げておけば奪い合いなんて起きないさ。
それに覇王竜の指輪って装備していると、時間の問題で竜族と親しくなって、悪人だと改心するように毎日のようにしつこく諫言されるそうじゃないか。そしてさらに改心しないでいると、拉致されて封印されるんだろ?」
『それは…そうですけど。でも…別の意味でラフィアスさんが嫌われると思いますよ? 幸いあなたは暗殺者として訓練を受けて性的な事にも抵抗はありませんが、世の中には性的な事には全く縁がなくてそう言う事には過剰反応して、娼婦や娼館で働く人達、そして性的な事に関する人々を露骨に差別する人がいます。
特に覇王竜のマントなんて普通の男性が装備したら、完全勃起したまま止まらなくなるじゃないですか。そんなアダルト製品なんて他の人に分け与えたら、変態が増殖するだけでラフィアスさんが白い目で見られるだけだと思いますよ?』
「その辺りも俺に理解を示してくれて、装備シリーズをそれぞれどういう機能があるのかを事前に説明してから渡すようにするさ。…逆を言えば俺に理解を示さない奴は見捨てるってことになるんだけどな」
俺の決心は固いと思ったのか、深いため息をつくダンジョンコアの分身だった。
『わかりました。しかし今までの装備品とは比べ物にならないほど高性能ですから、それだけ大量のエネルギーを使います。よって覇王竜を即座に復活させるのに、一般的なボスや他モンスターの復活のエネルギーの15回分の復活エネルギーが必要になります。ラフィアスさんの場合はあと4回だけ、覇王竜を復活させることが可能です。これがキングドラゴンや他のモンスター及び宝箱なら、ここまで大量のエネルギーを消耗しないんですが…。諦めて他のモンスターを復活させますか? それなら60回復活させられますけど?』
「いや、俺は覇王竜を倒したい。今は覇王竜シリーズが必要な者はいなくても、将来、必要になるかもしれないだろう? それに何らかのマジックアイテムの材料になるかもしれないじゃないか。お前だって俺みたいに世の中の全てそ知り尽くしているというほど思い上がってはいないだろ?」
再度のため息が頭の中に響く。もう何を言っても無駄だと思ったのだろう。ダンジョンが小さく震えたのが獣人である俺にはわかった。
『今、覇王竜を復活させました。あと3回だけ復活させられます。それが終わったら、再度私の分身の中にラフィアスさんの肉棒を突っ込んで射精してエネルギーを補充するか、時間経過による復活しかありません』
「それで充分だ。ありがとうコアの分身…って何か長くて言いにくいな。…決めた。今からお前はコア・ブランチだ! ブランチは枝。本体の分身の意味でお前にはピッタリだろ? これからはコア・ブランチと呼ぶからな」
すると脳裏でキャーッと歓声が響き渡った。よっぽど嬉しかったんだろうな。うん、気持ちはわかるけど落ち着けよコラ。覇王竜の額飾りを装備していなかったら、頭痛に悩まされている所だぞ?
『す、素敵ですぅ! まさか本当に名前を付けてくれるとは思いませんでした! これからもよろしくお願いしますね、ラフィアスさん!』
もともとテンション高いのに、さらにテンション高いコア・ブランチの思念を受けながら俺は地下200階層へと転移した。
玉座の間というのかわからない。だって玉座って普通は城の中にあるもんだろう? でもここは荒地だけの階層だからな。そこに置かれた玉座がポツンと存在している。
そこに座って相変わらず自慰行為に励む覇王竜。何しろ俺には時間があまりないので時空魔法で時間を止める。
時間停止は時空魔法を30レベルまで上げたので、最高でも30分は止められる。
見ればドランギル・ランドバーゼルは自分のモノをしごいている姿勢で停止していた。流石に時間を止められたら為す術がないか。どうやらドランギルは時空魔法は使えないみたいだな。覇王竜シリーズも無敵じゃない。うん、いい教訓になった。
俺はその間にかなりの魔力を注いで作った闇の球を20個以上作って、奴の頭上や周囲に設置する。
そして時間停止を解除した。自分のモノをしごいていたドランギルは急に出現した闇の球をまともに浴びて絶叫する。
これは魔法攻撃じゃない。攻撃とは敵にダメージを与えるものだが、俺の作った闇の球は肉体を傷つけずに生気を急速に、かつ大量に吸収するためのものだ。よって魔法攻撃とは覇王竜シリーズが認識しない。
例え認識したとしても魔法攻撃が半減されるだけだ。こいつのもつアビリティにも同じ魔法攻撃半減があるが、重複しないし、これだけ大量にこいつに浴びせていれば半減しても意味がないのだ。
かといってこいつの装備しているマントは巨人に殴られても、踏まれても平気というすさまじい物理攻撃に対する防御力があるからな。魔剣で攻撃しても、魔法攻撃半減で大幅に威力が削られて時間の無駄だから魔法で殺すのが一番効率がいいのだ。
うつ伏せになって倒れているドランギルを俺は覇王竜の叡智で鑑定してみる。
すると「瀕死」と出た。まだ生きているか。やっぱり地下200階層のボスだけはある。
俺はまた生気を吸収する闇のボールを大量に作って、連射のアビリティをアクティブにして連射する。
連射のアビリティはレベル30になっているので、2つの光球が現れて、闇の球を高速連射するのは何だか奇妙な感じだな。相殺されないのがすごい。これも覇王竜の装備シリーズのおかげなのかもしれないが。
俺自身の連射と2つの光球の連射。合計3連射の闇の球の猛攻撃を受けたドランギルはとうとう血反吐を吐いて動かなくなった。
再度、覇王竜の叡智で鑑定してみる。すると今度こそ「死亡」と出ていた。
念の為に闇でできた生気を吸い続けるダーク・チェインを作って、ドランギルの両手と両足を縛りつける。
そして俺が近づくとドランギルの遺体の側に宝箱が現れた。蓋を開けてみると俺が装備している覇王竜シリーズと色こそ違うがやたらとでかいダイヤモンドが入っていたので、闇の中の空間に収納する。
後はドランギルから覇王竜の額飾りとマント、指輪を取っていく。いくら隠蔽の効果があってもこちらはすでに同じ指輪を2つもっている上に、覇王竜の額飾りも装備しているので、最初から指にはめられているのは見えていた。
そして隠し扉は前回見つけていたので、そこから剣とブーツを回収する。
それが終わると覇王竜の剣でこいつのエネルギーを念の為に斬って斬って斬りまくる。すでにマントは外しているので、防御効果はない。
ピクリとも動かないその姿にやっと安堵した俺は、こいつの体を担ぐと、無造作に闇の中の空間に全裸の竜人の遺体を放り込んで収納した。
こういった感じで残りの3回は、闇魔法のマスターランクになって初めて使用可能になれる、死体操作を使って、最初に衰弱死させたドランギルの遺体と、2回目に闇の球で生気を吸いまくって殺したドランギルの遺体を操ることができたので、そいつらを使ってドランギルを拘束して倒すという戦法で倒しまくりました。
そんでコア・ブランチに連絡して次のドランギルを復活させて、また時間を止めて1stドランギルと2ndドランギルの遺体を操ってこいつの両腕を抑え込ませて、後は最初と同じように魔力を込めた闇の球を以前の倍の量で作ってこいつの頭上から降らせてやった。
時間停止を解除したこいつの表情は驚愕に満ちていた。そりゃそうだろうな。生前の記憶がない状態で自分と同じ姿をした二人の竜人に左右から拘束されているとわかったと同時に、上から闇の球の雨のごとき猛攻撃。
ドランギルを拘束している二人はすでに死んでいるので闇の球をまともに浴びても、全く問題ない。
こうして新たに復活したドランギルは為す術もなく死亡。見事に死体達の仲間入りを果たした。
もちろんこいつの宝箱は回収して、装備品もはぎ取って隠し扉にあった物も回収しておきましたとも。
こういう感じで、4回に渡ってドランギルを始末しては覇王竜シリーズを回収しました。
宝箱にあったシリーズと、こいつが装備していたものをいれると、合計8つシリーズが手に入った。意外と簡単に終わったな。
まだ夜中だし。後はどうすればいいか。とりあえず俺は新たに入手した覇王竜シリーズ8つに装備していた2つの覇王竜の指輪を使って、俺以外は装備しても、機能はあっても全く発揮されないように制限する作業を開始することにした。
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------後書きです。闇魔法で死体を操る…結構ダークですね。特に自分が倒された時の遺体が動いて、しかも複数の遺体が自分を拘束して攻撃、防御はおろか身動きさえもままらなないという…これ、ドランギルから見れば立派なホラーですよね。もっとも覇王竜の額飾りを装備しているから発狂とか恐慌にはならないんですが。
闇魔法のアルティメットクラスはいろんな意味でやばいです。鑑定したらいろいろ詳しいこともわかるのでしょうが、ラフィアスは本能的に恐れていてそれを実行していません。今は帝国の第三皇子が来るのでそれどころではないと言って誤魔化している状態です。
また長くなってきたので今回はここまで。読んでくださってありがとうございます。
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弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
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