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第37話 闇の獣人、インテリジェンス・シリーズでストレスが溜まる

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 地下150階層へと下りた俺を待ち構えていたのは、大きな緑色のドラゴンだった。

 グリーンドラゴンなら雑魚ですでに倒したのだが、こいつは違う。竜王の叡智で鑑定してみると――

 「フォレスト・ドラゴン。森の中で生まれた植物を操る能力に長けた地属性のドラゴン。この個体は背中から木を生やしており、ある程度ダメージを受けると眷属を召喚してくるので注意が必要。弱点は火」

 と、出ました。しかしただ燃やすのはつまらないので、様子見でそこら辺を走り回ってみることにした。

 すると背中に生えている木から見た事もない果実が俺目掛けて飛んできた。

 慌てて念動のアビリティでフォレスト・ドラゴンの方へと投げ返す。

 すると空中で果実が爆発した。しかも何か紫の毒々しい煙まで出てる…。あれ食らったらまずかったかも。

 何て考えていると、またいくつもの果実が俺の方へと飛んでくる。全部は投げ返す余裕はないので、土魔法で地面を隆起させて分厚い壁を作り上げてみた。

 結構魔力を使うけど、今の俺ならこの程度の範囲と強度ではぜんぜん疲労しない。

 果実は次々に壁に当たっては爆発していく。それでもうんと強度を上げておいたので即席とはいえ、土の壁はびくともしない。

 だが背筋にゾッとしたものを感じた俺は、時空魔法で空高い場所へと転移した。

 直後、たった今まで俺がいた場所…土の防壁がフォレスト・ドラゴンの吐き出したブレスによって跡形もなく吹き飛んでいるのが、これほど空高い場所にいても見ることができた。

 …危なかった。そりゃ地下150階層のボスだもんな。キングドラゴンよりも強いんだから、俺が作った即席の土の壁じゃ壊されても当然か。

 フォレスト・ドラゴンは俺がいない事に気づいたのか、長い首を巡らせて辺りを探している。俺がはるか空高い所にいるとは思っていないようだ。

 そういえばこいつ、ドラゴンなのに羽がないんだよな。まあ地属性だから仕方ないんだけど。

 でも生えている角といい、吐き出すブレスといい、一流のドラゴンである事には違いない。例え空を飛ぶことはできなくても、こいつはまぎれもなくドラゴンだと言っていい。

 しかし…こりゃどうしたものかな。今までの植物系のモンスターは燃やしたり潰したりしたけど、こいつはこの階層のボスだから、そんな事はしたくない。かといって即死系の魔法とかは通用しないだろうしな。

 そんな事を考えていると、俺が空中にいる事に気づいたフォレスト・ドラゴンがブレスを放ってきた。

 慌てて回避するが、第二弾のブレスが飛んできた。って吐くの早すぎだってば!

 咄嗟に俺は時空魔法で空間操作の魔法を使って、ブレスを一旦吸い取ってから、フォレスト・ドラゴンの背後の空間からブレスを放出してやった。

 まさか自分の吐き出したブレスが背後から飛んでくるとは思わなかったんだろう。まともに浴びたフォレスト・ドラゴンは横倒れになって目を閉じた。

 そこで俺は時空魔法でこいつの周囲の空気を全部消して、周囲の空気が入り込まないようにドーム状の結界を展開してやった。これで10分ほど待ってみてから、竜王の叡智を使って鑑定してみると、「死亡」と出ていた。

 まさか生き返ったりはしないよな? と、おそるおそる近づきながらフォレスト・ドラゴンの遺体に生えている木を鑑定してみた。

 「フォレスト・ドラゴンの羽が変化したもの。この竜の意志に従って、毒にも薬にもなれる果実を瞬時に実らせることができる」

 と、出た。そうか。こいつも昔は羽が生えていたのか。それがどうして木になったのかはわからない。

 わからないが、ここでそれを考えても時間の無駄なので、俺は闇の中の空間にフォレスト・ドラゴンの遺体を収納しておくことにした。



 続く151階層は魔法で知性をもったインテリジェンス・ウェポンの階だった。

 宙に浮いた剣が俺目掛けて襲い掛かってくる。念動のアビリティの練習も兼ねて、俺は襲い掛かってくるインテリジェンス・ウェポンをことごとくへし折ってやった。

 鑑定してみたら全部鋼鉄製の武器だった。よかった。これで念動のアビリティの練習ができる。

 ちなみにこれから以降の階は全部インテリジェンス・ウェポンやアーマー、シールドなどの階だった。

 まとめてみると、152階層がインテリジェンス・ニードル。知性を持った針の階。全部念動でへし折った。

 153階。インテリジェンス・ダガ―。知性を持った短剣の階。全部念動で(以下略)。

 154階。インテリジェンス・スピア。知性を持った槍の階。全部念動で(以下略)。

 155階。インテリジェンス・アクス。知性を持った斧の階。全部念動で(以下略)。

 156階。インテリジェンス・クロウ。知性を持った爪の階。全部念動で(以下略)。

 157階。インテリジェンス・アロー。知性を持った矢の階。全部念動で(以下略)。

 158階。インテリジェンス・ロッド。知性を持った杖の階。全部念動で(以下略)。

 159階。インテリジェンス・メイス。知性を持った鉾の階。全部念動で(以下略)。

 160階。インテリジェンス・ウェポンズ。今までの階層で出てきた知性をもった武具のオンパレード。全部念動で(以下略)。

 …とまあ、こんな感じかな? 宝箱も20個ほど手に入れたけど、後のお楽しみの為にまだ一つも開けていない。俺は楽しみは後にとっておく主義なんでね。

 で、お次の階層はというと…

 161階。インテリジェンス・ヘルム。知性を持った兜の階。全部念動のアビリティで破壊した。

 162階。インテリジェンス・アーマー。知性を持った鎧の階。全部念動で(以下略)。

 163階。インテリジェンス・ガントレット。知性を持った籠手の階。全部念動で(以下略)。

 164階。インテリジェンス・シールド。知性を持った盾の階。全部念動で(以下略)。

 165階。インテリジェンス・サバトン。知性をもった足専用の鎧の階。全部念動で(以下略)。

 166階。インテリジェンス・マント。知性をもったマントの階。全部念動でバラバラにした。

 167階。インテリジェンス・ブーツ。知性をもった靴の階。臭くなかった。全部念動で(以下略)。

 168階。インテリジェンス・リュック。知性をもった鞄の階。全部念動で(以下略)。

 169階。インテリジェンス・ローブ。知性をもった外套の階。全部火魔法で燃やした。

 170階。161階からのインテリジェンス・シリーズのオンパレード軍団。全部時空魔法で潰して、さらにこいつらの周囲を結界で覆ってから、徐々に結界を狭めていって圧縮させて滅ぼした。

 宝箱が出たけど、ヘルムやアーマーといったものが勢揃いしていただけで鑑定する気も失せたので、宝箱ごと闇の中の空間に収納しておいた。


 続いての171階層だが、うんざりすることにまたインテリジェンス・シリーズが続いていました…



 171階。インテリジェンス・リング。知性をもった指輪の階。全部念動で(以下略)。

 172階。インテリジェンス・リボン。知性をもったリボンの階。全部念動で(以下略)。

 173階。インテリジェンス・ネックレス。知性をもった首飾りの階。全部念動で(以下略)。

 174階。インテリジェンス・ハット。知性をもった帽子の階。全部念動で(以下略)。

 175階。インテリジェンス・ブレスレット。知性をもった腕輪の階。全部念動で(以下略)。

 176階。インテリジェンス・グラス。知性をもった眼鏡の階。全部念動で(以下略)。

 177階。インテリジェンス・イヤリング。知性を持った耳飾りの階。全部念動で(以下略)。

 178階。インテリジェンス・ベルト。知性をもった腰帯の階。全部念動で(以下略)。

 179階。インテリジェンス・ウォレット。知性をもった財布の階。全部念動で(以下略)。

 180階。171階からのインテリジェンス・シリーズが大集合。ストレス解消を兼ねて全部火魔法で焼き尽くした。

 また宝箱も30個ほど出たけど、楽しみは後にとっておくことにして…。

 地下181階層は、ドラゴンが沢山出没した。一気に10体も出るとは大盤振る舞いですな。久しぶりに闇魔法で全部即死させた。いやー。やっぱりいいねぇ、この感じ。遺体は傷つけないし、高く売れるし。インテリジェンス・シリーズって倒したら、どれも大して価値のない装備品ばっかりなんだから、遠慮なく壊していったけど、宝箱があまり出なかったから、ストレス溜まる一方だったんだよな。

 それに比べたら、ここは天国みたいなもんだ。おっと浮かれている場合じゃなかった。

 地下182階層はレッサーデーモンの軍勢が出ました。100体以上出るとは倒し甲斐があるわ。鑑定する間もなく、その魔のオーラといい、角や羽、尻尾の生えた目。俺をみる上から目線。うん、殺すのに罪悪感とかためらいとかぜんぜんないわ。

 というわけでこいつらも時空魔法で心臓止めて瞬殺。信じられないって顔しながら絶命していきましたよ。

 地下183階。ここはでっかいスライムが何体かいたけど、闇魔法で闇の中の空間に全部吸い込んで闇そのものに変換して消しておきました。

 地下184階。ここはグリフォンが何匹か出没したけど、闇魔法で即死させて、直後に出てきた宝箱と一緒に闇の中の空間に大切に収納しておきました。グリフォンって結構有名だけど、強力なモンスターだから、滅多に見ないんだとか。だから遺骸だけでもかなりの価値があるんだと。

 その羽とか肉とか魔力を帯びていて、ステータスUPのポーション作成に最適らしい。

 話を戻して次の地下184階。ここは多頭蛇のヒュドラが5体ほどいたけど、ダンジョン・コアの分身が作った塔の中にすでにいたんで、あの時と同様にヴァンパイア・ロードの石化の魔眼で石に変えてから、念動のアビリティで石になったヒュドラ同士をぶつけて粉々にしてやりました。

 次の地下185階。ここはジュエル・ドラゴンという宝石でできたドラゴンの一種が出た。

 その名もクリスタル・ドラゴン。水晶でできたドラゴンはとても美しいので、俺は躊躇なく闇魔法全開で稼働エネルギーを完全に、根こそぎ吸収して行動・戦闘不能にして、更に念の為にマジック・ブレードで体は傷つけず、エネルギー体だけを斬りまくってから闇の中の空間に収納しておいた。

 186階。イエロークリスタル・ドラゴン。マジック・ブレードでこいつのエネルギー体だけ斬りまくって戦闘不能にしてから闇の中の空間に収納。

 187階。ブルークリスタル・ドラゴン。マジック・ブレードでこいつのエネルギー体だけ斬りまくって戦闘不能にしてから闇の中の空間に収納。

 188階。トパーズ・ドラゴン。マジック・ブレードでこいつのエネルギー体だけ斬りまくって戦闘不能にしてから闇の中の空間に収納。

 189階。ペリドット・ドラゴン。マジック・ブレードでこいつのエネルギー体だけ斬りまくって戦闘不能にしてから闇の中の空間に収納。

 190階。ルチルクォーツ・ドラゴン。マジック・ブレードでこいつのエネルギー体だけ斬りまくって戦闘不能にしてから闇の中の空間に収納。

 191階。マラカイト・ドラゴン。マジック・ブレードでこいつのエネルギー体だけ斬りまくって戦闘不能にしてから闇の中の空間に収納。

 192階。オニキス・ドラゴン。マジック・ブレードでこいつのエネルギー体だけ斬りまくって戦闘不能にしてから闇の中の空間に収納。

 193階。レッドクリスタル・ドラゴン。マジック・ブレードでこいつのエネルギー体だけ斬りまくって戦闘不能にしてから闇の中の空間に収納。

 194階。ルビードラゴン。マジック・ブレードでこいつのエネルギー体だけ斬りまくって戦闘不能にしてから闇の中の空間に収納。
   
 195階。サファイア・ドラゴン。マジック・ブレードでこいつのエネルギー体だけ斬りまくって戦闘不能にしてから闇の中の空間に収納。
 
 196階。エメラルド・ドラゴン。マジック・ブレードでこいつのエネルギー体だけ斬りまくって戦闘不能にしてから闇の中の空間に収納。

 197階。ブルーダイヤモンド・ドラゴン。マジック・ブレードでこいつのエネルギー体だけ斬りまくって戦闘不能にしてから闇の中の空間に収納。

 198階。グリーンダイヤモンド・ドラゴン。マジック・ブレードでこいつのエネルギー体だけ斬りまくって戦闘不能にしてから闇の中の空間に収納。

 199階。ダイヤモンド・ドラゴン。ダイヤモンドでできた三つ首の竜で、上の階層の他の宝石竜よりも倍以上のでかさがありました。でもその分だけ、でかい図体しているから背後に時空魔法で転移してからマジック・ブレードでこいつのエネルギー体だけ斬りまくって戦闘不能にしてから闇の中の空間に収納。

 …さすがにここまで連続して斬りまくるとは思わなかった。各階層に一匹だけしかいなかったのが幸運だったな。

 でなきゃ途中でレヴィンの部屋に帰っていたかも。今日は結構探索したので、すでに夜の7時過ぎているので、今日はここまでにしておく。

 明日はいよいよ地下200階層だな。いや、ダンジョンコアの分身の灰色のボールに俺の精液を転移しまくっておいたから、今は300階層まであるんだけど。

 とにかく俺はまた小言を言うレヴィンに各種ドラゴンの遺体の一部を見せて黙らせると、念入りにレヴィンを性的にじっくりと慰めて、レヴィンが快感のあまりに大声を出すほど気持ちよくさせてから、例によって泥眠の魔眼を使って眠らせてから、俺も影の中にいるレオンフレイムに任せて寝ることにした。

 久しぶりに影の中から出られたレオンフレイムは嬉しそうに尻尾を振りながら、ベッドの脇で寝そべるのを確認した俺は睡魔の導くままに、眠りの世界へと旅立っていった。
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 後書きです。インテリジェンス・シリーズは一つ一つが魅力的で、いくらダンジョンの中でも出会い頭に念動のアビリティで潰したり、へし折ったりするのはラフィアスくらいです。

 というのも、これらのアイテムは本当に綺麗で外見も美しいからです。だから普通は自分のものにしたいとか、弱らせて自分の使い魔にしたいとか考えるでしょう。そういう外見上の美しさを利用して、探索者を殺す生きたトラップが、彼等インテリジェンス・シリーズです。自分の魅力をしっかり自覚しているんですね。それくらいの知性はある彼等でも、暗殺者としての訓練を受けたラフィアスには傷一つ負わせることはできなかったようです。

 もっとも別の意味で彼にダメージ与えたといえるのかもしれませんが…。

 そろそろ地下200階層です。エロ展開ありなので、興味のある人以外は読まない方向でお願いします。
 それでは読んでいただいてありがとうございました。
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