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第26話 闇の獣人、従魔を紹介して宰相に仰天される

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 あれから闇の転移魔法で俺は王城の中でも一際高い尖塔に戻ってきていた。影の中には勃起できなくなるまで逝きまくってご満悦の従魔、レオンフレイムがいる。もちろん淫獣の魔眼は解除ずみだ。あと万一、戦闘があるかもしれないので俺とレオンフレイムには竜王の息吹と浄化魔法・ピュリファイをかけてある。

 もちろん俺の服も貴族・王族の護衛用の例の立派な制服だ。竜王のマントもこの制服に合うので装備している。

 そして尖塔のバルコニーから透視のアビリティを発動させると、ちょうどレヴィンの部屋から2、3人の男が出ていく所だった。

 部屋の中に一人残ったレヴィンは、テーブルの方へと移動すると椅子の一つに座って肩肘をついてため息をつくのが見えた。

 俺はすぐに室内に転移した。もちろんテーブルから離れた所に移動している。いきなり現れた俺に驚いた顔をしたレヴィンだが、ふう、とため息をつくと短く「お帰り」と明らかに疲れを感じさせる声で言った。

 「こっちはボル将軍を追撃しようとしていたオーク・ジェネラルの群れを全滅させた。後援の魔物も少しいたから、そいつらもまとめて退治した。俺が一番恐れていたのはオーク・ジェネラルの群れが戻ってこないことで、新たな追撃部隊が編制されて王都に攻め込んでくることだった。

 だから東の山脈に行って魔物達を間引いてきた。その途中で魔銀鋼の獅子、ミスリル・レオンと戦闘になってな。ぶちのめして従魔にした。そいつを調教するのに時間がかかってな。遅くなったのはそのせいだ」

 そう言いながら俺は影の中に合図を送る。ここへ来る前にすでに打ち合わせはしてあるので、すぐにレオンフレイムが四つ足の獅子の姿で影の中から現れた。

 『貴様が主の恋人を名乗る獣人か。我はミスリル・レオン族のレオンフレイムだ。くれぐれも我が主を裏切ったりするなよ? そのような事をしたら灰になるまで我の炎で焼き尽くしてくれるから覚悟しておけ』

 姿を現すなり、物騒なことを言うレオンフレイム。どうやら俺の恋人=性行為を好きなだけやれるということで嫉妬しているらしい。だからっていきなり初対面で喧嘩腰にならなくても。

 ほら、レヴィンったら椅子から落ちそうになっているじゃないか。

 幸いなことに椅子の手もたれに捕まってどうにか自制心を総動員しているけれど。

 「そ、それが君の従魔か。うんそうだね。ミスリル・レオンといったら弱くてもS級のモンスターだけど、ドラゴンを退治できる君なら倒せてもおかしくないよね、ハハハハ…」

 どこか遠い目でうつろな表情になっているレヴィン。あれ、やっぱりこいつを紹介するのって時期尚早だったか?

 「それで…ボル将軍と配下の連中どうだった? 汗臭い連中にしがみつかれるのが嫌で遠距離から王城ごとまとめて浄化魔法のピュリファイとりゅ、いやヒーリングを範囲拡大して治したんだけど」

 「ああ、そうだね。うん。おかげで全員手足の欠損で苦しんだり、悲しんだりしていた者は全員笑顔になった。つまり全快したということだ。でもね…」

 何故かレヴィンが半眼になる。あれ、なんか悪い事したかな? でも癒しの魔法使ったんだし。家屋や建築物を破壊したわけじゃないからそんな顔しなくても。

 「君の魔法で治ったのはボル将軍達だけじゃないんだよ。精神病を患っていた貴婦人や貴人も全快した。昔からやんちゃが過ぎて失明していた少年がいてね。今ではもう立派な大人だったけど、目が見えるようになって家族と一緒にパーティーを開いている。さらに夫を失って傷心で塞ぎこんでいた老婦人。逆に妻を事故や病気で失ってやはり塞ぎこんでいた老紳士が不思議な光を浴びてからは前向きになった」

 えっ、そうなの? まさかそこまで影響があるとは思わなかった。

 「これは報告された極一部の例に過ぎない。王城内には牢獄がある。そこに閉じ込められて死ぬまで牢屋に入っていなければいけない者達もいる。彼等は食事も拒否して牢番が無理矢理飲ませた水だけを飲んで、ただ死ぬのを願っていた。自分の罪の深さを自覚していたから。だがそれではいけない。償わせてくれ、と言うようになってきた」

 「そ、そうだったんだ。それは大変な騒ぎですね…。って俺のせいだし。ごめんよレヴィン! まさかそこまで影響あるとは思わなくって! 実際東の方に嫌な気配感じて時間なかったからなんだけど! でもあんたに迷惑かけたことは間違いないから謝るよ! ほんとごめん!」

 必死に頭を下げて謝罪する俺。レヴィンが近づいてきた。こりゃ殴られるな、と思ったが殴られるのは小さな頃から暗殺者ギルドで慣れている。最近では頻度は減ってきたが、局長に殴られているしな。これくらい平気だ、と思ったその時。
 
 彼は俺の頭の上に手を置いて撫で始めた。

 「君の方で反省しているのなら、私の方からは特に言うことは何もない。だが今度からは事前に言っておいてくれないか? それで現実が変わらないかもしれないが、私としては覚悟ができているかどうかでまるで違うのでね」

 あ、やっぱり釘刺された。それって遠回しに使うなっていうことだよね? 

 「ごめん。でもやっぱり事前に言っても俺、困っている人がいたらまた全員まとめて治療すると思うな。局長に何度叱られても、レヴィンに嫌われてもこれだけは譲れない。俺だって昔は弱くて、踏みにじられる側だったんだから。だからレヴィンに迷惑かけるのは嫌だからこれ以上俺といて迷惑なら、もう俺との付き合いは――」

 だがそれ以上は言えなかった。強引に顎を持ち上げられてレヴィンにキスされて喋れなかったからだ。

 「君は必要以上に自分を責め続ける所があるな。無鉄砲で考え無しに動く所も君の欠点だが、それ以上に自分を責めるのも君の悪い癖だと思うよ」

 「…はい。それは局長に何度も指摘されています。でもなかなか直らなくて…」

 再度、俺の口がレヴィンの口で塞がれて何も言えなくなる。

 「私は何度も言ったけど、忘れているようだからまた言わせてもらおうか。君が私の事をどう思っていようと関係ない。私は君を愛している。例え何度迷惑をかけられようとだ。特に今回の例のように多くの人々が救われているのだから、君が自分自身を責める事はない。違うかね?」

 「レヴィン…その、ありがとう」

 何て言ったらいいのかわからないから、こう言うことしかできなかった。
 
 「どうやら今の君は鬱に近い状態だね。今は何も言わずに、とりあえずこれでもしゃぶってもらおうか。元気の出る魔法のミルクも飲めるしね」

 と、いいながら彼はいそいそと服を脱ぐとすでに勃起していた肉棒を俺の口の中に入れていく。

 俺に拒否権はないので、レオンフレイムを影の中に下がらせると、素直にレヴィンの最も大切な分身をゆっくりと丁寧に舐めていく。

 「そこで、君のおかげで助かったボルザヴァール将軍だが、女王陛下にきつく叱責されてね。さすがに深く反省していて、今では軍紀違反をした者が入る独房に自ら入ったよ。今では将軍補佐の狐の獣人のレティアラという娘が将軍の代わりに軍を率いている。彼女とボルザヴァール将軍は婚約しているから、手を出さないようにね」

 俺は誰にでも手を出す尻軽男じゃないぞ!? と言いたかったが、レヴィンの大切なモノを舐めているので我慢することにした。しかし豹と狐の獣人が婚約か。生まれてくる子供はどっちに似るんだろうな?

 「あと君のお陰で助かった兵士達や貴人・貴婦人達はぜひとも君と会いたいそうだが、君が東の山脈へ行って魔物退治をしていて、いつになったら帰るかわからないので丁重にお断りしたよ。女王にもヴェルゼ嬢と一緒に説明したら、宝物庫に連行されてね。ヴェルゼ嬢も話には聞いていたが、あそこまで大粒の、しかもカットされたダイヤモンドは初めて見たらしい。女王と一緒に驚いていたからね。…くっ!」
 
 俺のフェラチオで絶頂を迎えたレヴィンは俺の口内に大量の白濁液を放出していく。それが収まると、照れ隠しのつもりなのか、また俺の頭を撫でてくる。

 「ああ、すまない。あまりにも気持ちよかったので話を中断させてしまった。それで話の続きだが…、君が献上した紫と緑のダイヤモンドを見た女王陛下と大臣達。そしてヴェルゼ嬢はすごく驚いてね。全員一致で君を国賓としてもてなすことに決定した。

 問題は君の功績が大きいことだね。だって君は貧民街の住民を癒しただけでなく、彼等の住居や衣服を綺麗にした上に、東と西の区画にそれぞれ金貨1000枚も寄付したそうじゃないか。その上ドラゴンを6体も倒すし、国宝級の大きな、それも濁りのない透明度のあるダイヤモンドを二つも献上し、さらにボルザヴァール将軍と配下の者達と王城の敷地内に住む者達を無償で癒して浄化した。

 これでもはや君の事を悪く言う者はいなくなった。少なくとも、表向きはね。もともと君に猜疑心を抱いていた大臣達も腰痛や痔の痛み、さらに老眼やボケや円形脱毛症や程度の差はあれどハゲさえも治ったのだから。もはやこの王城ジスニーヴァインに住む者達は貴人や貴婦人はおろか、侍女やメイド達や侍従達はもちろん、近衛騎士団や親衛隊。さらに地豹将軍の配下達も君の味方。いや信者といった方が正解かもね」

 ぜんぜん自覚のない俺は結構間抜けな顔をしていたと思う。レヴィンのモノをしゃぶるのをやめて、彼の顔を見つめていることしかできなかった。

 「いや…確かに俺はそういう事はしたけどさ。貧民街の人達を癒したのも半分は俺の魔力を増大させる為であって
そこまで賞賛されるほどじゃないと思うけどな。ドラゴン倒したのもマジックアイテム欲しかったからだし。ダイヤモンドを寄付したのもそのせいだしな。あと大臣達を治したのも偶然だって。本命はボルザヴァール将軍だったんだから。範囲拡大したからたまたまそのおまけで回復しただけだよ?」

 俺は慌ててレヴィンのものから口を離して訂正する。俺は聖人君子じゃないんだってことを理解してもらいたかった。少なくともレヴィンにはわかってもらいたかった。

 彼は続けてくれ、と目で促してきたので俺は再度彼の肉棒を舐め始める。

 レヴィンは先程までの疲れた顔は消えて、うっとりと気持ちよさそうに俺が彼のムスコをしゃぶるのを見つめている。

 俺は必死に彼を逝かせることに集中した。気持いいせいか、俺の頭を優しく撫でる彼の手の動きが俺にとっても気持ちいい。レヴィンの機嫌が直って本当によかったよ。どういうわけか俺は最近、レヴィンを悲しませたくないと思うようになっている。

 俺の方から誘惑して断れないようにして、俺を抱かせるようにしたんだけど。

 だからレヴィンが俺の体目当てに惚れこむのも当然なんだけど。もう、それだけの関係じゃなくなりつつある。

 最初は後ろ盾が欲しかったからなんだけどな。なんかレヴィンのいる日々が当然になりつつあるような。

 でも俺って元・暗殺者だし。仕事とはいえ、他の女と平気でセックスしたりするしな。

 やっぱり俺みたいな裏街道まっしぐらの人間には宰相とは不釣り合いだろうな。

 なんて考えていたら、またレヴィンの「うぅっ…」というくぐもった声が聞こえてきた。

 その直後、俺の口内にまたレヴィンの熱い白い体液が次々に撃ち出されていく。

 精液を飲むことに慣れきっている俺は、噎せることもなくレヴィンの放った子種を飲み込んでいく。

 レヴィンの精液って結構濃くて沢山出るから好きなんだよな。

 それに肉棒も固くてまだまだ精液を射精できますよ、といわんばかりだ。

 そのままレヴィンのものをしゃぶっていると、彼はまた俺の頭を撫でながら続けた。

 「それで、だ。この王城内に住む者達は君の信者のようになっているのはもうわかったとは思う。

 だがその…一部の貴婦人達は君の立てた功績と君自身の噂を聞いてね。結論から言えば君に抱かれたいと思っている貴婦人が結構多いんだよ。もちろん女王が君に手出しするなと厳命したから、表立って誘惑してきたりはしないだろうけどね」

 そこまで言うと、また沈痛な顔になってしまったレヴィンがため息をついた。

 「つまりだ。君にいつでもいいから会いにきてください。そして私を抱いてください、という内容の恋文を出す令嬢や貴婦人が出始めてね。もちろんそのままゴミ箱に捨てても構わないんだけど。女の執念というのは恐ろしいからね。これで断り続けたら、次はどんな方法で君とのセックスをしようかと思うと、ちょっと不安になってくるんだよね」

 そう言いながら宰相はベッドの上を見る。つられて俺もベッドの上に置かれた手紙の束を見た。

 結構多いな…少なくとも10通以上あるぞ、あれ。

 「手紙は一応、私の方で目を通させてもらったけれど。どうも強姦でもいいから、抱いてほしい。この国の英雄を救い、重鎮たちを癒したラフィアス様の熱い精液を私の子宮の中に流してくださいという内容だったり、ラフィアス様のダンジョン内でどういう事をしているのか、私を抱きながら話してください、といった内容の手紙ばかりなんだけど、どうするかね?」

 そこで俺は妙案がひらめいた。まさに天啓ではないかというグッドアイデア。

 「レヴィン。この手紙の中で一番地位が高くて、俺に積極的なのは誰だかわかるか?」

 「確か…リルファーラ公爵令嬢だったかな。彼女が君に熱を上げている貴婦人の中で一番熱心で身分が高い。それがどうかしたかね?」

 「それじゃ俺が明日になったら彼女に会いにいくよ。大丈夫。いい考えが浮かんだんだ。多分、彼女を俺が抱いたら、彼女と同じような目に遭いたくなる貴婦人はきっと少ないと思うだろうな」

 意地悪そうにニヤリと笑う俺をレヴィンはしげしげと見つめている。

 「悪だくみをしている顔をしているな。まあ君の事だから彼女達を脅す程度だろうが、ほどほどにしておきたまえよ?」

 俺はレヴィンに頷くと、服を脱ぎ始めた。今日はレヴィンを忙しく働かせたんだから、俺が受けになって彼を慰めてあげないといけない。

 レヴィンに竜王の息吹をかけて彼のムスコを元気一杯にさせると、宰相はすぐに俺の後ろの穴につっこんできた。
もちろん事前に浄化魔法のピュリファイはかけてあるので性病になることはない。

 激しく腰を振る宰相を余所に、俺は明日になったらリルファーラ公爵令嬢に対してどう可愛がってやろうか。そんな事を考えていた。

 
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 後書きです。次回は18禁要素はありません。この世でラフィアスがもっとも恐れ、苦手とする「あの人」が
登場します。もしもラフィアスが映画「ジョーズ」を見たらジョーズのテーマを聞いて「これ、あの人のテーマだー!」とか言うでしょうね。そして時間の問題で彼女に知られて殴られる。彼にとってあの人はジョーズ以上の恐ろしいクリーチャーのようです。
 
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