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10歳
淫夢の誘惑1
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※この回は性的な表現が多めになっております。ご注意ください。
「最近、レイモンド兄様帰って来ませんねえ。お忙しいのかしら。」
「そうだね、生徒会の仕事が忙しいって言ってたよ。前帰って来た時は少しやつれていた気がするし、心配だよね。」
レイモンドはローゼリアが初めてクローヴィスとお茶会をした週末に帰って来て以来、邸に顔を出していなかった。その間約二ヶ月。レイモンドが学園に入学してから初めての事だった。
「心配ですわね。何か元気の出る物を送って差し上げたいわ。」
「じゃあ刺繍のハンカチなんてどうかな。大分腕が上がっただろう?きっと兄さんも喜ぶよ。」
「じゃあ、そうするわ!ありがとうクラウス兄様。」
ーーーーーーーーー
「ローゼリア…」
何もない空間。そこにローゼリアが一人佇んでいた。レイモンドを見つけると、花が咲くようにふわりと笑った。
ああ、またこの夢だ。早く冷めてくれ。こんなの僕が望んでいる事じゃない。
ローゼリアはレイモンドに駆け寄ると、腰のあたりに抱きついた。
「レイモンド兄様、好き。愛してるの。」
ローゼリアはスルスルとドレスを脱ぐと、一糸纏わぬ姿になった。
「レイモンド兄様。兄様の、好きにして良いのよ?」
ローゼリアは子供とは思えぬ妖しい笑みを浮かべ、レイモンドにしなだれ掛かる。傷一つない真っ白な素肌に、蕾のような可愛らしい胸の頂。まだ毛も生えていない秘部。ゴクリと喉を鳴らし、レイモンドはローゼリアの肌に触れた。
「…あ、」
ローゼリアの色めいた声に思わず動きが止まった。
違う、僕は、こんな事したいんじゃない。ローゼリアは僕の妹で、7歳も年下で、まだ子供なんだ。やめろ、やめてくれ。
「妹じゃなければ、子供じゃなければ良いの?」
目の前のローゼリアは瞬く間に成長すると、レイモンドと同じ年頃になった。大人びた顔立ちに、手では包みきれない程に大きく育った乳房。その頂点には触ってくれと言わんばかりに赤く腫れ上がった蕾。胸の付け根にある二つの黒子がまた色気を倍増させていた。
「レイモンド様…お慕いしているのです。どうか、あなたの好きに…」
その言葉で理性をなくしたレイモンドはローゼリアを押し倒し…
「やめろ!!!」
レイモンドは飛び起きた。目を開ければ何時もの遼の寝室。汗だくのレイモンドはホッと息を吐いた。またこの夢だ。ここ二ヶ月もの間ほぼ毎晩、レイモンドはこの悪夢にうなされていた。これは自分の願望なのか。レイモンドは毎晩それに悩まされていた。
可愛い妹、ローゼリア。彼女の花咲くような笑顔はレイモンドを幸せにし、その笑顔を守る為ならばどのような事でもしようと誓った。確かに初めて会った時はその美しさに目を奪われたし、たった5歳の少女にドキドキする自分が恥ずかしかった。もしかしたら初恋だったのかもしれない。しかし、兄様兄様と慕ってくれるローゼリアに対して生まれた感情は兄としての親愛。決して、不埒なものなどではない。そう自信を持って言えたはずなのに、今では確証が持てない。
「くそ、一体なんだっていうんだ…」
「おはようございます、若様。」
「オスカーか…いつからいた。」
「やめろとの叫び声がしましたので、安全の確認のために入らせていただきました。」
「そうか…気が付かなかった。」
「…また悪夢ですか?ここ二ヶ月頻繁にうなされていらっしゃいます。最近に至っては毎日です。普通ではありません。一体どのような夢かお聞きしても?」
「それは、言えない…なんでもないんだ、本当に…。湯浴みの準備をしてくれ。汗で気持ちが悪い。」
「…畏まりました。」
まだ物言いたげなオスカーに退室を促し、レイモンドは深いため息を吐き、己の昂りを無理やり鎮めた。
ーーーーーーーーー
「おはようございます、レイモンド様!」
「おはようございます!」
「ご機嫌いかがですか?レイモンド様。」
「…ああ、おはよう」
「「キャー!」」
レイモンドが学園の門を潜ると次々に女生徒達が話しかけて来た。それを煩わしく思いながらも、無下にすることもできず律儀に挨拶を返した。無表情ながら優しさが垣間見えるその態度に、女達は益々レイモンドに夢中になるのだ。
「…はあ。」
「…おはようございます、レイモンド様。今日もなんだかお疲れのご様子ですね。大丈夫ですか?」
教室に入り席に着いた所でレイモンドに声をかけたのはローデリカ=リッツ子爵令嬢。アメジストの様な瞳に艶のある金髪。その真っ直ぐな明るいブロンドヘアーは光の加減によっては銀髪にも見える。顔立ちはいたって普通。何処にでもいる令嬢だった。
「ああ、ローデリカ嬢…おはよう。いや、なんでもないんだ。心配ない。」
レイモンドはローデリカを見て薄く微笑んだ。彼の顔を見れば媚を売り出す他の令嬢とは違い、ローデリカはレイモンドをただの同級生として扱ってくれた。彼が気を許せる数少ない女性の友人だった。ローデリカを恋愛対象として見てはいない。それなのに、今日のレイモンドは何故か彼女に目が行った。響の似た名前に、銀にも見える金髪。顔は似ても似つかないのに、何故かローゼリアと重なって見えた。そして視線は下がり、彼女の豊かな胸を見てレイモンドは思わず喉を鳴らした。
「?どうしました?レイモンド様。」
「…はっいや、何でもない。すまない、ボーッとしていた。」
「ふふ、レイモンド様でもそのような時があるのですね。」
「ああ…」
本当にどうしてしまったというのだ。性欲が、抑えられない。初めて感じる衝動に、レイモンドは戸惑いつつもいつもと同じように授業を受けた。
「最近、レイモンド兄様帰って来ませんねえ。お忙しいのかしら。」
「そうだね、生徒会の仕事が忙しいって言ってたよ。前帰って来た時は少しやつれていた気がするし、心配だよね。」
レイモンドはローゼリアが初めてクローヴィスとお茶会をした週末に帰って来て以来、邸に顔を出していなかった。その間約二ヶ月。レイモンドが学園に入学してから初めての事だった。
「心配ですわね。何か元気の出る物を送って差し上げたいわ。」
「じゃあ刺繍のハンカチなんてどうかな。大分腕が上がっただろう?きっと兄さんも喜ぶよ。」
「じゃあ、そうするわ!ありがとうクラウス兄様。」
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「ローゼリア…」
何もない空間。そこにローゼリアが一人佇んでいた。レイモンドを見つけると、花が咲くようにふわりと笑った。
ああ、またこの夢だ。早く冷めてくれ。こんなの僕が望んでいる事じゃない。
ローゼリアはレイモンドに駆け寄ると、腰のあたりに抱きついた。
「レイモンド兄様、好き。愛してるの。」
ローゼリアはスルスルとドレスを脱ぐと、一糸纏わぬ姿になった。
「レイモンド兄様。兄様の、好きにして良いのよ?」
ローゼリアは子供とは思えぬ妖しい笑みを浮かべ、レイモンドにしなだれ掛かる。傷一つない真っ白な素肌に、蕾のような可愛らしい胸の頂。まだ毛も生えていない秘部。ゴクリと喉を鳴らし、レイモンドはローゼリアの肌に触れた。
「…あ、」
ローゼリアの色めいた声に思わず動きが止まった。
違う、僕は、こんな事したいんじゃない。ローゼリアは僕の妹で、7歳も年下で、まだ子供なんだ。やめろ、やめてくれ。
「妹じゃなければ、子供じゃなければ良いの?」
目の前のローゼリアは瞬く間に成長すると、レイモンドと同じ年頃になった。大人びた顔立ちに、手では包みきれない程に大きく育った乳房。その頂点には触ってくれと言わんばかりに赤く腫れ上がった蕾。胸の付け根にある二つの黒子がまた色気を倍増させていた。
「レイモンド様…お慕いしているのです。どうか、あなたの好きに…」
その言葉で理性をなくしたレイモンドはローゼリアを押し倒し…
「やめろ!!!」
レイモンドは飛び起きた。目を開ければ何時もの遼の寝室。汗だくのレイモンドはホッと息を吐いた。またこの夢だ。ここ二ヶ月もの間ほぼ毎晩、レイモンドはこの悪夢にうなされていた。これは自分の願望なのか。レイモンドは毎晩それに悩まされていた。
可愛い妹、ローゼリア。彼女の花咲くような笑顔はレイモンドを幸せにし、その笑顔を守る為ならばどのような事でもしようと誓った。確かに初めて会った時はその美しさに目を奪われたし、たった5歳の少女にドキドキする自分が恥ずかしかった。もしかしたら初恋だったのかもしれない。しかし、兄様兄様と慕ってくれるローゼリアに対して生まれた感情は兄としての親愛。決して、不埒なものなどではない。そう自信を持って言えたはずなのに、今では確証が持てない。
「くそ、一体なんだっていうんだ…」
「おはようございます、若様。」
「オスカーか…いつからいた。」
「やめろとの叫び声がしましたので、安全の確認のために入らせていただきました。」
「そうか…気が付かなかった。」
「…また悪夢ですか?ここ二ヶ月頻繁にうなされていらっしゃいます。最近に至っては毎日です。普通ではありません。一体どのような夢かお聞きしても?」
「それは、言えない…なんでもないんだ、本当に…。湯浴みの準備をしてくれ。汗で気持ちが悪い。」
「…畏まりました。」
まだ物言いたげなオスカーに退室を促し、レイモンドは深いため息を吐き、己の昂りを無理やり鎮めた。
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「おはようございます、レイモンド様!」
「おはようございます!」
「ご機嫌いかがですか?レイモンド様。」
「…ああ、おはよう」
「「キャー!」」
レイモンドが学園の門を潜ると次々に女生徒達が話しかけて来た。それを煩わしく思いながらも、無下にすることもできず律儀に挨拶を返した。無表情ながら優しさが垣間見えるその態度に、女達は益々レイモンドに夢中になるのだ。
「…はあ。」
「…おはようございます、レイモンド様。今日もなんだかお疲れのご様子ですね。大丈夫ですか?」
教室に入り席に着いた所でレイモンドに声をかけたのはローデリカ=リッツ子爵令嬢。アメジストの様な瞳に艶のある金髪。その真っ直ぐな明るいブロンドヘアーは光の加減によっては銀髪にも見える。顔立ちはいたって普通。何処にでもいる令嬢だった。
「ああ、ローデリカ嬢…おはよう。いや、なんでもないんだ。心配ない。」
レイモンドはローデリカを見て薄く微笑んだ。彼の顔を見れば媚を売り出す他の令嬢とは違い、ローデリカはレイモンドをただの同級生として扱ってくれた。彼が気を許せる数少ない女性の友人だった。ローデリカを恋愛対象として見てはいない。それなのに、今日のレイモンドは何故か彼女に目が行った。響の似た名前に、銀にも見える金髪。顔は似ても似つかないのに、何故かローゼリアと重なって見えた。そして視線は下がり、彼女の豊かな胸を見てレイモンドは思わず喉を鳴らした。
「?どうしました?レイモンド様。」
「…はっいや、何でもない。すまない、ボーッとしていた。」
「ふふ、レイモンド様でもそのような時があるのですね。」
「ああ…」
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