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商隊2
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「本当に今から行くのかい?明日明るくなってからでも…」
「いえ、酷い怪我なら早く治してあげた方がいいと思うので、今から行ってきます。サイモンさんも着いてきてくれますし、大丈夫ですよ。」
「そうかい…それにしても、今回の護衛がハズレだったとはねえ…前回は気の良い奴らばかりだったから今回もそうかと思ってたよ。私が提案した事とはいえ心配だねえ。まあ盗賊よりはマシだけど。」
「ハズレ、ですか?」
「ああ、サイモンは護衛を選ぶ時は実力だけじゃなくてある程度の人柄もみるんだ。道中トラブルを防ぐためにね。ほら、商売は信用第一だからさ。ここ数回は護衛も同じ奴を使っていてね、冒険者にしては礼儀正しい奴らだったよ。でも今回は一組新しいのを入れたらしい。どうやらそいつらがハズレみたいでね。」
「なるほど。でも今から行くのは馴染みの護衛さんなんですよね?だったら大丈夫ですよ。」
「そうだね…でも気をつけていくんだよ。」
「ありがとうございます。じゃあちょっと行ってきますね。」
心配するサリサに見送られ、香織はサイモンと共に村の外に出た。
サイモンの困り事というのは、馴染みの護衛の一人が負った怪我だった。その護衛は道中襲ってきた魔物と戦闘中に利き腕を負傷したという。仲間のヒールとポーションで傷自体は癒えたものの、痺れや痛みが残り満足に動かせなくなってしまったらしい。
「利き腕が使えないとなれば冒険者を引退せざるを得ません。怪我の後遺症が治せるだけの実力を持った治癒師は金もかかりますから、一冒険者の稼ぎではとても依頼できないんですよ。ですが彼との付き合いも長く…なんとかしてやりたいと思ってましてね。完治させてくれというわけではありません。ただ、痛みだけでも取れないものかと…」
「なるほど、話は分かりました。やるだけやってみますね。」
「お願いします。あ、このテントですよ。ちょっと話を通してきますから待っていてください。」
「分かりました。」
テントの前で一人残された香織は頭上に広がる星空を見上げた。ここは日本の様に夜のネオンは存在しない。香織を照らすのは、少し欠けた月と夜空に広がる星々のみだ。
テントから少し離れた所に焚き火とそれを囲む男達が見える。10人程いるだろうか、村から差し入れされた食事を取っているようだ。
天の川の様な星の群生を眺めていると、サイモンがテントから顔を出した。
「お待たせしました。さあ入って。」
「お邪魔します。」
香織はこの世界のテントに初めて足を踏み入れた。中は広く、三人入っても圧迫感は感じない。魔石のランプがテントの奥に座る一人の男を照らしていた。
(こ、怖い…)
優男風のサイモンの隣にいるとますますその強面が目立つ。優しい印象を与えるはずの垂れた眼は、彼の手にかかればその強面をさらに強調する武器でしかない。頬を走る傷跡と相まって、その筋の人間にしか見えない。歳は30代だろうか、10代で冒険者を始める事が多いことを考えると、かなりのベテランだろう。彼の側に立てかけられた大剣から、前衛のアタッカーであることが分かる。確かに利き腕を負傷すれば、これ以上冒険者を続ける事はできないだろう。
目の前の情報から様々なことが頭をよぎるが、そんな事は全て吹き飛んでしまうくらいには、顔が怖い。
「ぴえ…」
「あ!こ、怖がらなくても大丈夫ですよ、彼、顔は怖いですけどとても面倒見が良くて優しいんです。この護衛のリーダーなんです。ほら、アレクも少しはにこやかにしてくれよ、怖がらせてどうするんだ。」
「あ、ああ…」
アレクと呼ばれた男は、その凶悪な目つきのまま、ニタリと微笑んだ。その微笑みはまさにいたぶる子羊を見つけた悪魔、いや魔王。香織の顔は益々青ざめた。
二人の様子を見たサイモンはやれやれと呆れたようにため息を吐いた。
「アレク…僕が余計なことを言った様だ。さっきの無表情の方がまだマシだよ。」
「む…」
「カオリ、大丈夫ですか?えーっと、いや、本当に、怖くないから…ね?」
「…あ、は、はい。すみません。ちょっと驚いてしまって…大丈夫です。」
香織はスーハースーハーと何度か深呼吸をして心を落ち着かせると、男の向かいに座った。どんなに顔が怖くても、患者は患者。ならば香織のすることはひとつだ。
「は、初めまして。治癒師のカオリといいます。腕の傷を見て欲しいとサイモンさんに依頼されて来ました。傷を見せていただいても?」
「あ、ああ…構わないが。傷自体はもう癒えているんだ。」
そういって男はシャツの右袖をまくった。その前腕には赤みのある大きな傷跡が残っていた。傷跡の皮膚はまだ薄く、少しの切り傷でまた出血してしまいそうな程もろい。
「血は止まり皮膚も塞がった。だが傷が思いの外深かったようでな…思うように動かないんだ。」
「痛みや痺れも残っていると聞きましたが。」
「ああ、それもある。触った感覚はないのに、いつまでもピリピリと痛むんだ。」
「分かりました。ちょっと詳しく見ますね。」
香織は診察魔法で男の傷を診た。
(やっぱり神経が断裂してる。ポーションは傷を塞ぐだけで断裂した神経まては元に戻せないのか。)
「原因は分かりました。治せると思いますよ。」
「ほ、本当か?」
「はい。ちょっと失礼しますね。『ハイヒール』」
断裂した神経や血管を繋ぎ直すようなイメージで香織は魔法を唱えた。香織の掌から放たれた優しい光がおさまると、男の腕にあった傷跡はずいぶんと薄くなっていた。
「どうでしょうか。ちょっと動かしてみてください。違和感や痺れはありますか?」
「いや…すごいな。おかしなところなどない。本当に…治ったのか、俺の腕は…」
「もう大丈夫だと思いますよ。ここを出立するのは三日後ですよね?それまでに剣を振るって腕の動きを確認してくださいね。前と感覚が少し違うかもしれませんし。」
「ああ…感謝する、カオリ。二度と剣は握れないと…この恩は必ず返す。」
「いえ、それが仕事ですから。お代もちゃんと頂きますし。治療一回で銀貨一枚になります。」
「んぶ!!」
「?サイモンさん、どうかしましたか?」
「い、いやいやいや!安すぎるでしょ!!王都でこれだけの治療を受けたら一回で金貨10枚、いや20はするよ!?しかも何回も通院してやっと治るんだ!そ、それを銀貨一枚って!!」
「え?で、でも村ではこの金額でやっていますし…」
「いや…俺も安すぎると思うぞ…今すぐには無理だが、相場の金貨20枚はきちんと払わせてもらう。それでも安いくらいだが…」
「いやいや!そんなに貰えませんよ!困ります、一人だけ高額請求なんて、信用に関わりますよ!」
「しかし…それでは俺の気が済まない。とりあえず今の俺の有金をすべて…」
「そ、そうだ、私、トルソンの街まで商隊の馬車に乗せてもらう予定なんです。でもサイモンさんが護衛の冒険者の中に一組荒っぽいのがいて心配だって…だから街に着くまで、その人達から私を守ってください、勿論馬車の護衛は最優先で。治療費として銀貨一枚と私個人の護衛、それでどうでしょう?依頼主のサイモンさんの許可が貰えればですけど。」
「僕は構わないよ。戦闘中は勿論こちらを優先してもらうけど、それ以外の時間はアレクはカオリの側にいるといい。元々この後はアレク抜きでスケジュールを立てていたから特に問題はないさ。…でも本当にそんなので良いの?さっきの治療の対価としてはまだ足りないけど…」
「いいんです、本当に。修行の旅なので…」
「む…カオリがそう望むのなら…」
「なら是非お願いします。」
「いえ、酷い怪我なら早く治してあげた方がいいと思うので、今から行ってきます。サイモンさんも着いてきてくれますし、大丈夫ですよ。」
「そうかい…それにしても、今回の護衛がハズレだったとはねえ…前回は気の良い奴らばかりだったから今回もそうかと思ってたよ。私が提案した事とはいえ心配だねえ。まあ盗賊よりはマシだけど。」
「ハズレ、ですか?」
「ああ、サイモンは護衛を選ぶ時は実力だけじゃなくてある程度の人柄もみるんだ。道中トラブルを防ぐためにね。ほら、商売は信用第一だからさ。ここ数回は護衛も同じ奴を使っていてね、冒険者にしては礼儀正しい奴らだったよ。でも今回は一組新しいのを入れたらしい。どうやらそいつらがハズレみたいでね。」
「なるほど。でも今から行くのは馴染みの護衛さんなんですよね?だったら大丈夫ですよ。」
「そうだね…でも気をつけていくんだよ。」
「ありがとうございます。じゃあちょっと行ってきますね。」
心配するサリサに見送られ、香織はサイモンと共に村の外に出た。
サイモンの困り事というのは、馴染みの護衛の一人が負った怪我だった。その護衛は道中襲ってきた魔物と戦闘中に利き腕を負傷したという。仲間のヒールとポーションで傷自体は癒えたものの、痺れや痛みが残り満足に動かせなくなってしまったらしい。
「利き腕が使えないとなれば冒険者を引退せざるを得ません。怪我の後遺症が治せるだけの実力を持った治癒師は金もかかりますから、一冒険者の稼ぎではとても依頼できないんですよ。ですが彼との付き合いも長く…なんとかしてやりたいと思ってましてね。完治させてくれというわけではありません。ただ、痛みだけでも取れないものかと…」
「なるほど、話は分かりました。やるだけやってみますね。」
「お願いします。あ、このテントですよ。ちょっと話を通してきますから待っていてください。」
「分かりました。」
テントの前で一人残された香織は頭上に広がる星空を見上げた。ここは日本の様に夜のネオンは存在しない。香織を照らすのは、少し欠けた月と夜空に広がる星々のみだ。
テントから少し離れた所に焚き火とそれを囲む男達が見える。10人程いるだろうか、村から差し入れされた食事を取っているようだ。
天の川の様な星の群生を眺めていると、サイモンがテントから顔を出した。
「お待たせしました。さあ入って。」
「お邪魔します。」
香織はこの世界のテントに初めて足を踏み入れた。中は広く、三人入っても圧迫感は感じない。魔石のランプがテントの奥に座る一人の男を照らしていた。
(こ、怖い…)
優男風のサイモンの隣にいるとますますその強面が目立つ。優しい印象を与えるはずの垂れた眼は、彼の手にかかればその強面をさらに強調する武器でしかない。頬を走る傷跡と相まって、その筋の人間にしか見えない。歳は30代だろうか、10代で冒険者を始める事が多いことを考えると、かなりのベテランだろう。彼の側に立てかけられた大剣から、前衛のアタッカーであることが分かる。確かに利き腕を負傷すれば、これ以上冒険者を続ける事はできないだろう。
目の前の情報から様々なことが頭をよぎるが、そんな事は全て吹き飛んでしまうくらいには、顔が怖い。
「ぴえ…」
「あ!こ、怖がらなくても大丈夫ですよ、彼、顔は怖いですけどとても面倒見が良くて優しいんです。この護衛のリーダーなんです。ほら、アレクも少しはにこやかにしてくれよ、怖がらせてどうするんだ。」
「あ、ああ…」
アレクと呼ばれた男は、その凶悪な目つきのまま、ニタリと微笑んだ。その微笑みはまさにいたぶる子羊を見つけた悪魔、いや魔王。香織の顔は益々青ざめた。
二人の様子を見たサイモンはやれやれと呆れたようにため息を吐いた。
「アレク…僕が余計なことを言った様だ。さっきの無表情の方がまだマシだよ。」
「む…」
「カオリ、大丈夫ですか?えーっと、いや、本当に、怖くないから…ね?」
「…あ、は、はい。すみません。ちょっと驚いてしまって…大丈夫です。」
香織はスーハースーハーと何度か深呼吸をして心を落ち着かせると、男の向かいに座った。どんなに顔が怖くても、患者は患者。ならば香織のすることはひとつだ。
「は、初めまして。治癒師のカオリといいます。腕の傷を見て欲しいとサイモンさんに依頼されて来ました。傷を見せていただいても?」
「あ、ああ…構わないが。傷自体はもう癒えているんだ。」
そういって男はシャツの右袖をまくった。その前腕には赤みのある大きな傷跡が残っていた。傷跡の皮膚はまだ薄く、少しの切り傷でまた出血してしまいそうな程もろい。
「血は止まり皮膚も塞がった。だが傷が思いの外深かったようでな…思うように動かないんだ。」
「痛みや痺れも残っていると聞きましたが。」
「ああ、それもある。触った感覚はないのに、いつまでもピリピリと痛むんだ。」
「分かりました。ちょっと詳しく見ますね。」
香織は診察魔法で男の傷を診た。
(やっぱり神経が断裂してる。ポーションは傷を塞ぐだけで断裂した神経まては元に戻せないのか。)
「原因は分かりました。治せると思いますよ。」
「ほ、本当か?」
「はい。ちょっと失礼しますね。『ハイヒール』」
断裂した神経や血管を繋ぎ直すようなイメージで香織は魔法を唱えた。香織の掌から放たれた優しい光がおさまると、男の腕にあった傷跡はずいぶんと薄くなっていた。
「どうでしょうか。ちょっと動かしてみてください。違和感や痺れはありますか?」
「いや…すごいな。おかしなところなどない。本当に…治ったのか、俺の腕は…」
「もう大丈夫だと思いますよ。ここを出立するのは三日後ですよね?それまでに剣を振るって腕の動きを確認してくださいね。前と感覚が少し違うかもしれませんし。」
「ああ…感謝する、カオリ。二度と剣は握れないと…この恩は必ず返す。」
「いえ、それが仕事ですから。お代もちゃんと頂きますし。治療一回で銀貨一枚になります。」
「んぶ!!」
「?サイモンさん、どうかしましたか?」
「い、いやいやいや!安すぎるでしょ!!王都でこれだけの治療を受けたら一回で金貨10枚、いや20はするよ!?しかも何回も通院してやっと治るんだ!そ、それを銀貨一枚って!!」
「え?で、でも村ではこの金額でやっていますし…」
「いや…俺も安すぎると思うぞ…今すぐには無理だが、相場の金貨20枚はきちんと払わせてもらう。それでも安いくらいだが…」
「いやいや!そんなに貰えませんよ!困ります、一人だけ高額請求なんて、信用に関わりますよ!」
「しかし…それでは俺の気が済まない。とりあえず今の俺の有金をすべて…」
「そ、そうだ、私、トルソンの街まで商隊の馬車に乗せてもらう予定なんです。でもサイモンさんが護衛の冒険者の中に一組荒っぽいのがいて心配だって…だから街に着くまで、その人達から私を守ってください、勿論馬車の護衛は最優先で。治療費として銀貨一枚と私個人の護衛、それでどうでしょう?依頼主のサイモンさんの許可が貰えればですけど。」
「僕は構わないよ。戦闘中は勿論こちらを優先してもらうけど、それ以外の時間はアレクはカオリの側にいるといい。元々この後はアレク抜きでスケジュールを立てていたから特に問題はないさ。…でも本当にそんなので良いの?さっきの治療の対価としてはまだ足りないけど…」
「いいんです、本当に。修行の旅なので…」
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