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リラとグレイ4
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「みんな俺が一言二言話すだけで、烈火の如く怒るんだ。でも俺の言い分もきっと間違っていない、やり方が、言い方が悪かっただけなんだ。だからカオリ、お前が俺の話を聞いて、俺が間違っているか判断してくれ。俺が正しいと思ったらリラの説得を頼みたい。頼む、誰かに話を聞いてもらいたいんだ…」
「はあ…。言っておきますけど、私立場的にも、年齢的にもリラ寄りですからね。」
「分かってる!そのカオリが納得したとなれば、俺の主張が正しかったと証明できるだろう!?だから頼む、話だけでも聞いてくれ!このままだとリラが、アンが…うおおおおーん!」
「うーん…ちょっと落ち着いてください。『鎮静』」
「うおおおー…ん、ん?なんか心が…」
「落ち着きましたか?そんな興奮した状態で話し合いも何もないですよ。まずは落ち着いて、それから話を聞かせてください。衝動で口を開いていては誰も説得できませんよ。」
「カオリ…ありがとう!さすが治癒師カオリだ!!」
「うーん。重ね掛けしておくか…『鎮静』」
「はふうん」
すっかり力が抜けてフニャフニャになってしまったゲイリーを治療室のベッドに座らせ、香織も向かいのベッドに腰掛けた。
「ゲイリーさん朝ごはん食べました?」
「いや…リラ達が心配で…アリーナも怖かったし…」
「理性的な考えをするにはまずは三代欲求を満たすことからですよ。お腹が空くとイライラするでしょう?はい、これならそのまま食べられますから。」
「…ありがとう…」
香織は調理しなくてもそのまま食べられるものをいくつか選んでゲイリーに差し出した。まだ暖かいパンに、採れたてのトマトや胡瓜。少し味気ないだろうが、診療所にキッチンはないのだから仕方がない。住居スペースである二階に上がればあるだろうが、時間もかかるしやめておいた。そのままでも、焼きたて採れたては充分美味しいのだから。
太く立派な胡瓜も、ゲイリーが持つと小さく見える。ゲイリーはガリガリとたったの二口でそれを平らげると、ホッと息を吐いた。鎮静の魔法はよく効いているようで、ゲイリーは興奮することなく、パンを齧りながらポツリポツリと自分の気持ちを話し出した。
「俺は、リラとアンが大切だ…俺の宝だ。」
「はい。」
「アリーナの事だって愛している。アリーナと一緒になって、子供も産まれて…俺は幸せだった。リラが、この幸せに憧れるのもよく分かる。」
「そうですね。」
「俺だってこれが普通の、当たり前の幸せだと思っていたんだ…ベンが産まれるまでは。あの時の出産で、アリーナは死にかけた…いや、カオリがこの村を訪れていなかったら…死んでいただろう。違うか?」
「そうですね…危なかったと思います。」
「リラやアンの時は安産だったんだ。出産の時は苦しそうにしていたが、産んだら数日で元気になった。子供を産むことがこんなに危険なことなんて、思わなかったんだ…」
「この村では出産で命を落とす方はいなかったんですか?」
「いた、いたが…どこか他人事だと思っていた。健康に子供を産むのは当たり前で、そういう人達は運が悪かったのだと…」
「…」
「今回のアリーナを見て、俺が間違っていたと気付いたんだ。子供を産むのは簡単なことじゃない、命がけのことなんだ。…カオリが旅立てばまたこの村は治癒師のいない村になる。その時、リラやアンが子供を産んで何かあったら…俺はそれが怖い。」
「ゲイリーさん…」
「リラもアンもいつかは好きな人ができて家を出る。寂しいが分かっていたことだ。でも、結婚したら皆子供を産むだろう?その事を考えたら…どうしても許せなかったんだ。あの時のグレイは…俺の目にはいつかリラを殺すかもしれない男にしか見えなかった。」
ゲイリーは今度は男泣きでなく、静かに涙を流した。ゲイリーが娘を思う気持ちは本物なのだろう。だからこそ、怖くなった。家族を持つという当たり前の幸せは、実は女性の命を賭けた戦いの末に得られるものなのだ。
「俺は村を守るため魔物を狩り続けた。俺の隣で命を落とす同胞を何人も見てきた。命は重いんだ。死んでしまったら、もう二度と会えない。…俺は俺の家族が死ぬのが怖い。」
ゲイリーはそれ以上口を開くことはなく、ただ静かに泣き続けた。
ゲイリーの涙がやっと止まった頃、それを見守っていた香織が静かに口を開いた。
「ゲイリーさん、アリーナさんは不幸ですか?」
「え?」
「あなたと結婚して、子供を産んで…そして死にかけたわけですけど、アリーナさんはそれを後悔していましたか?」
「…いや、アリーナはいつも笑っていた。ベンが元気に生まれてきてくれて良かったと、喜んでいた。」
「アリーナさんが死にかけて、あなたはそれを自分のせいだと思ったんですか?結婚なんてしなければ良かった?子供なんていらなかった?」
「そんな事ない!リラとアンは愛しくて…もちろんベンの事も愛している。いなければ良かったなんて、そんな事一度も思った事なんてない。アリーナと結婚した事も後悔なんてしたことはない。」
「子供を産まず生涯独身で過ごす女性も世の中にはいます。彼女達は家庭を築く以外の幸せを見出し、自らその道を選んだんです。でもリラは違いますよね?彼女は愛する人と結婚して、子供を産んで家族を作る事を望んでいます。ゲイリーさんの勝手な心配でその幸せを壊すのは、親の権利の範疇を超えていると私は思います。」
「それは…その通りだ…」
「確かに出産は危険です。何が起こるか、それこそ神にしかわかりません。昨日まで元気に動いていたお腹の子が、次の日亡くなる事だってある。生まれた子供に障害がある事だってある。出産で命を落とす事だってある。それが誰にでも起こり得る事だと自覚できずに、覚悟なく子供を産む女性も多くいるでしょう。
でもリラは違います。出産は危険な事だと、アリーナさんを見て知ったでしょう。それでもリラの夢は変わりません。」
「リラ…」
「リラはもう覚悟を決めています。愛する人と一緒になり、その人の子供を産みたいと願っている。精神的に自立した彼女を、もう親のあなたがあれこれ干渉することはできないと、私は思います。」
「…俺は間違っているのか…?娘を、心配する事が間違っていると?」
「心配することは間違っていません。やり方が間違っているのです。感情に任せてグレイ君を敵視するのは間違っています。あなたが話し合うべきなのは、グレイ君じゃなくてリラ本人でしょう?」
「リラと…でも、話を聞いてくれるか…」
「ゲイリーさんが落ち着いて話ができれば、きっとリラも聞いてくれます。今夜、また訪ねてきてください。ちゃんと話し合いましょう?ゲイリーさんが暴走しそうになったら、私がまた鎮静をかけてあげますから。」
「…わかった。カオリ、話を聞いてくれてありがとう。俺は冷静じゃなかった。今ならきちんと二人と向き合えそうだ。」
「それは良かったです。じゃあ夜までは、家に帰って赤ちゃんのお世話をしてくださいね。鎮静かかってて緊張感ゼロなので、絶対に狩に出てはダメですよ。すぐ死にますからね?」
「ははは…わかった。今ならベンの面倒も見れるような気がする。いつもは俺が話しかけるとすぐ泣いてしまうんだが…」
「声が大きいんじゃないですか?赤ちゃんビックリしますよ。」
「ああ、よくアリーナにも言われるよ。この鎮静の効果が消える前に急いで家に帰らねば!ありがとうカオリ、さすが治癒師だ!!!」
「持続時間はそんなに長くないみたいね…」
「はあ…。言っておきますけど、私立場的にも、年齢的にもリラ寄りですからね。」
「分かってる!そのカオリが納得したとなれば、俺の主張が正しかったと証明できるだろう!?だから頼む、話だけでも聞いてくれ!このままだとリラが、アンが…うおおおおーん!」
「うーん…ちょっと落ち着いてください。『鎮静』」
「うおおおー…ん、ん?なんか心が…」
「落ち着きましたか?そんな興奮した状態で話し合いも何もないですよ。まずは落ち着いて、それから話を聞かせてください。衝動で口を開いていては誰も説得できませんよ。」
「カオリ…ありがとう!さすが治癒師カオリだ!!」
「うーん。重ね掛けしておくか…『鎮静』」
「はふうん」
すっかり力が抜けてフニャフニャになってしまったゲイリーを治療室のベッドに座らせ、香織も向かいのベッドに腰掛けた。
「ゲイリーさん朝ごはん食べました?」
「いや…リラ達が心配で…アリーナも怖かったし…」
「理性的な考えをするにはまずは三代欲求を満たすことからですよ。お腹が空くとイライラするでしょう?はい、これならそのまま食べられますから。」
「…ありがとう…」
香織は調理しなくてもそのまま食べられるものをいくつか選んでゲイリーに差し出した。まだ暖かいパンに、採れたてのトマトや胡瓜。少し味気ないだろうが、診療所にキッチンはないのだから仕方がない。住居スペースである二階に上がればあるだろうが、時間もかかるしやめておいた。そのままでも、焼きたて採れたては充分美味しいのだから。
太く立派な胡瓜も、ゲイリーが持つと小さく見える。ゲイリーはガリガリとたったの二口でそれを平らげると、ホッと息を吐いた。鎮静の魔法はよく効いているようで、ゲイリーは興奮することなく、パンを齧りながらポツリポツリと自分の気持ちを話し出した。
「俺は、リラとアンが大切だ…俺の宝だ。」
「はい。」
「アリーナの事だって愛している。アリーナと一緒になって、子供も産まれて…俺は幸せだった。リラが、この幸せに憧れるのもよく分かる。」
「そうですね。」
「俺だってこれが普通の、当たり前の幸せだと思っていたんだ…ベンが産まれるまでは。あの時の出産で、アリーナは死にかけた…いや、カオリがこの村を訪れていなかったら…死んでいただろう。違うか?」
「そうですね…危なかったと思います。」
「リラやアンの時は安産だったんだ。出産の時は苦しそうにしていたが、産んだら数日で元気になった。子供を産むことがこんなに危険なことなんて、思わなかったんだ…」
「この村では出産で命を落とす方はいなかったんですか?」
「いた、いたが…どこか他人事だと思っていた。健康に子供を産むのは当たり前で、そういう人達は運が悪かったのだと…」
「…」
「今回のアリーナを見て、俺が間違っていたと気付いたんだ。子供を産むのは簡単なことじゃない、命がけのことなんだ。…カオリが旅立てばまたこの村は治癒師のいない村になる。その時、リラやアンが子供を産んで何かあったら…俺はそれが怖い。」
「ゲイリーさん…」
「リラもアンもいつかは好きな人ができて家を出る。寂しいが分かっていたことだ。でも、結婚したら皆子供を産むだろう?その事を考えたら…どうしても許せなかったんだ。あの時のグレイは…俺の目にはいつかリラを殺すかもしれない男にしか見えなかった。」
ゲイリーは今度は男泣きでなく、静かに涙を流した。ゲイリーが娘を思う気持ちは本物なのだろう。だからこそ、怖くなった。家族を持つという当たり前の幸せは、実は女性の命を賭けた戦いの末に得られるものなのだ。
「俺は村を守るため魔物を狩り続けた。俺の隣で命を落とす同胞を何人も見てきた。命は重いんだ。死んでしまったら、もう二度と会えない。…俺は俺の家族が死ぬのが怖い。」
ゲイリーはそれ以上口を開くことはなく、ただ静かに泣き続けた。
ゲイリーの涙がやっと止まった頃、それを見守っていた香織が静かに口を開いた。
「ゲイリーさん、アリーナさんは不幸ですか?」
「え?」
「あなたと結婚して、子供を産んで…そして死にかけたわけですけど、アリーナさんはそれを後悔していましたか?」
「…いや、アリーナはいつも笑っていた。ベンが元気に生まれてきてくれて良かったと、喜んでいた。」
「アリーナさんが死にかけて、あなたはそれを自分のせいだと思ったんですか?結婚なんてしなければ良かった?子供なんていらなかった?」
「そんな事ない!リラとアンは愛しくて…もちろんベンの事も愛している。いなければ良かったなんて、そんな事一度も思った事なんてない。アリーナと結婚した事も後悔なんてしたことはない。」
「子供を産まず生涯独身で過ごす女性も世の中にはいます。彼女達は家庭を築く以外の幸せを見出し、自らその道を選んだんです。でもリラは違いますよね?彼女は愛する人と結婚して、子供を産んで家族を作る事を望んでいます。ゲイリーさんの勝手な心配でその幸せを壊すのは、親の権利の範疇を超えていると私は思います。」
「それは…その通りだ…」
「確かに出産は危険です。何が起こるか、それこそ神にしかわかりません。昨日まで元気に動いていたお腹の子が、次の日亡くなる事だってある。生まれた子供に障害がある事だってある。出産で命を落とす事だってある。それが誰にでも起こり得る事だと自覚できずに、覚悟なく子供を産む女性も多くいるでしょう。
でもリラは違います。出産は危険な事だと、アリーナさんを見て知ったでしょう。それでもリラの夢は変わりません。」
「リラ…」
「リラはもう覚悟を決めています。愛する人と一緒になり、その人の子供を産みたいと願っている。精神的に自立した彼女を、もう親のあなたがあれこれ干渉することはできないと、私は思います。」
「…俺は間違っているのか…?娘を、心配する事が間違っていると?」
「心配することは間違っていません。やり方が間違っているのです。感情に任せてグレイ君を敵視するのは間違っています。あなたが話し合うべきなのは、グレイ君じゃなくてリラ本人でしょう?」
「リラと…でも、話を聞いてくれるか…」
「ゲイリーさんが落ち着いて話ができれば、きっとリラも聞いてくれます。今夜、また訪ねてきてください。ちゃんと話し合いましょう?ゲイリーさんが暴走しそうになったら、私がまた鎮静をかけてあげますから。」
「…わかった。カオリ、話を聞いてくれてありがとう。俺は冷静じゃなかった。今ならきちんと二人と向き合えそうだ。」
「それは良かったです。じゃあ夜までは、家に帰って赤ちゃんのお世話をしてくださいね。鎮静かかってて緊張感ゼロなので、絶対に狩に出てはダメですよ。すぐ死にますからね?」
「ははは…わかった。今ならベンの面倒も見れるような気がする。いつもは俺が話しかけるとすぐ泣いてしまうんだが…」
「声が大きいんじゃないですか?赤ちゃんビックリしますよ。」
「ああ、よくアリーナにも言われるよ。この鎮静の効果が消える前に急いで家に帰らねば!ありがとうカオリ、さすが治癒師だ!!!」
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