1 / 8
第一章
第一話 プロローグは突然に
しおりを挟む
そして誰も居なくなるげぇむ 【物語ノですげぇむ】
ここはどこだ?
ありふれた言葉、でもそう思わずにはいられないシチュエーションに僕は陥っていた。どこか近代的なこざっぱりとした洋館の天井が目に映る。身体を起こして立ち上がり、辺りを見回すと暖炉の上に謎の詩が書かれていた。
「十人の小さな兵隊さん」
小さな兵隊さんが10人、食事に行ったら1人が喉をつまらせて、残り9人
小さな兵隊さんが9人、寝坊をしてしまって1人が出遅れて、残り8人
小さな兵隊さんが8人、旅行に行ったら1人が残ると言い出して、残り7人
小さな兵隊さんが7人、薪割りしたら1人が自分を割ってしまって、残り6人
小さな兵隊さんが6人、丘で遊んでたら1人が蜂に刺されて、残り5人
小さな兵隊さんが5人、裁判所に行ったら1人が裁判官を目指すと言って、残り4人
小さな兵隊さんが4人、海に行ったら燻製ニシンに食べられて、残り3人
小さな兵隊さんが3人、動物園に歩いて行ったら熊に抱かれて、残り2人
小さな兵隊さんが2人、日向ぼっこしてたら日に焼かれて、残り1人
小さな兵隊さんが1人、1人になってしまって首を吊る、そして誰もいなくなった
不気味な、よく分からない詩だ。もしかしたら裏に教訓的な何かが隠されているのかもしれないが、直接的な意味しか読み取れなかった。そこそこ勉強はできる方なんだけどなぁ。中学生に読ませるもんじゃないだろ、これ。他に変わったものがないかと周りを見渡すが、個室にこの詩よりも特徴的なものはなかった。さて、このミステリーじみたこの状況、僕はどうするのが正解なんだ?扉から外に出てみるのがいいのか、それともここで待っているのがいいのか。窓の外を見ると、波が水平線の彼方まで広がっていた。沈みかけていく太陽に溶け込んで、綺麗なオレンジ色に輝いている。綺麗なのはまあいいことだけど、波と太陽しか見えないとなると助けを呼ぶのもなんだか現実的じゃない感じがした。我慢強いタイプではないし、一度部屋を出てみることにする。動いてみないと、何も始まらないって言うし。そろりそろりと扉を開けると、同じような扉がずらりと並んでいた。下にはふかふかのカーペットが敷かれている。不意に正面の扉が開き、同い年くらいの女の子が出てきた。
「は、はじめまして・・・。」
女の子は若干おびえたように挨拶してくる。とりあえず一人じゃないことに安心しながら、なるべく怖がらせないように挨拶を返した。
「はじめまして。僕の名前は雪平涼。君の名前は?」
「林桜子、です。雪平さんも気づいたらここに?」
三つ編みヘアの気の弱そうな人。それが初対面で抱いた感想だった。
「うん。それと、タメ口でいいよ。多分年近いでしょ?僕は中一。」
「ほんとに?私も中一なの。『偶然』、だね。」
聞きたいことは沢山あるが、何から話せばいいか迷い会話が止まってしまう。波の音だけが静かに響いていた。
「とりあえず・・・移動する?あっちに広間って書いてあるドアプレートがある。他にも誰かいるなら、あの奥に移動してそうな感じがしない?」
「そう、だね。行ってみよう。」
廊下を進み、いかにもヨーロッパって感じの洋館にそぐわない日本語で書かれたドアプレート、その下のドアを開ける。そして『偶然』は、『必然』に変わった。
「七人目と八人目か。やっぱりというかなんというか、見た感じ同い年だな。」
「うわびっくり。つとむんのいったとおりじゃん!」
「・・・よろしく。」
「貴方達、緊張感ってものを知らなくて?」
「あと二人いるってことでいいのか?」
「ま、ジュースでも飲んで気楽に行こうぜ!」
明るい空間に、これまた知らない『中学生』が集められていた。長身で金髪の男の子に勧められたジュースをとりあえず手に取る。奥にあるドリンクバーからとったらしい。明るいけど不気味な場所だし、まだ口はつけない方がいいかな?
「ありがとう。みんなも気づいたらここに?」
「ああ。でも以外と悪くねえぞ。冷暖房に飲み物も完備されてる。」
「日本の中学一年生・・・なんだよね?学校同じだったりするのかな?」
「さあな。だったら一人くらい知り合いいそうなもんだが・・・。」
『皆さん、お静かに!』
いきなり爆音のスピーカーが鳴り響いた。黒縁メガネをかけた男の子とお嬢様風の女の子が咄嗟に耳を塞ぐ。逆にギャルっぽい女の子は内容を聞こうと切り替えたのか真剣な表情をした。
『君たちを以下の容疑から告発する。つまり、君たちが各々違う場所、時刻に起こした犯罪・・・平たく言うと殺人だ。』
殺人だって!?全員が不信感を露わにする。それもそうだ、僕たち・・・少なくとも僕は、殺人なんかしたことない。そんなこと僕が一番よく分かってる。次に流れるスピーカーの音声を待つが、その次は流れなかった。その代わり、中央の机からホログラムの女性が現れる。見た感じは、少し年上くらい。ど派手な髪色にピエロ風のメイクをしていた。
「・・・ここから先は主人公含む登場人物には聞かせられないかなっ♪みなさまようこそ【物語ノですげぇむ】へ!」
ふわっと舞い降りた天使のように美しい女性は悪魔のような笑みを浮かべる。
「今回のげぇむは【そして誰も居なくなるげぇむ】!それではルール説明に入るぞっ☆・・・ほらそこの二人も入って、全員ワタシの周りの席に座ってね♪」
視線の先を見ると、そっくりな見た目をした男女が入ってくるところだった。どちらも生真面目そうな見た目をしている。双子かな?中央の机を取り囲んだ椅子に、誰からともなく座り出した。各椅子の正面には、トロピカルジュースのようなものが置かれている。最後に桜子ちゃんが座ったところで、上から紙が降ってきた。
ルール
1 このゲームは九人の『被害者』が一人の『犯罪者』を見つけるゲームです。
2 『犯罪者』を見つけたら『被害者』はランダムに選ばれた個室の中にある『断罪の銃』で打ち抜いて下さい。それが『被害者』の勝利条件です。銃弾は二弾。
3 『犯罪者』はほかの参加者を全員殺せば勝利です。
4 『犯罪者』が勝利した場合、一人残らず生き返ることはありません。
5 『被害者』が勝利した場合、全員が生き返ります。
6 『犯罪者』は普通の人間と能力は変わらない運営側の人間である。
7 各個室には鍵がかけられる。
8 島内の備品は自由に使用してよい。
9 『被害者』はゲームに参加している間、原作及び関連作品の内容に関する記憶が一時的に消去される
10 参加者は外部と連絡を取ってはならない
「質問がある人はワタクシ、アンノウンまでお願い!ワタクシは『犯罪者』にもそれ以外の人の質問も、平等に答えるよ♪」
質問たって・・・こんなよく分かんないゲームにいきなり参加させられてはいそうですかっていかないだろ。それに全員殺せば?そんな無法地帯なのかここ?いや、その前に倫理観とかあるし、僕まだ死にたくないんだけど・・・
「それは残念!でも未来の退屈つぶしの為に、過去の君たちは犠牲になってね☆素敵な物語を楽しみにしてるよ♪」
それってどういう
「アンノウン、断罪の銃ってのはなんだ?」
僕の追及を遮るように、メガネをかけた男の子が質問する。
「各自の部屋のうち誰か一人の引き出しに入ってるピストルだよっ☆『犯罪者』の部屋かもしれないから気を付けてね♪」
いや僕まだ話してるんだけど・・・そう思っている間にもちょっと太った男の子から質問が出る。
「睡眠や入浴は個室でいいにしても、食事はどうしたらいいんだよ。最低限、食材や調理器具はないのか?」
「それは食堂の隣のキッチンにあるよ♪三日分くらいはあるけど、それまでには決着がつくかな!」
それからもいくつか細かい質問が出たが、この状況を解決するに至る何かはなかった。この世界にいる間僕たちが生きていた世界は止まっていること、ここは孤島で出られないこと、犯罪者の殺人手段は問わないこと・・・いかにもなデスゲームだ。だけど、自分が参加者の一人となれば『定番だな』とか思っている場合じゃないのは明らか。なんでこのゲームに参加することになったんだろうとか、それを考えるのも野暮というものだろう。参加することは決まってしまっているのだから。ボクは先ほど自分の中に湧いてきた文句やらなんやらを一度しまい込み、冷静になってきた脳をフル回転させ、この状況に置かれた自分を奮い立たせる。・・・そうだ、なんか特別なことがしたいって思ってたところなんだ。イカれた『犯罪者』、楽しんでる未来人から逃げずに戦って勝ってやる。
「それではゲームスタート!ほかに聞きたいことがあったら、いつでも名前を呼んでねっ☆」
ホログラムが消える。そしてゲームに、物語に放り出された僕たちだけが取り残された。
「とりあえず・・・自己紹介、しない?あーしら、お互いのこと何も知らないし、手がかりも掴まなきゃじゃん。」
ギャル風の女の子がそう言い、みんなが同意すると、その子から時計周りに自己紹介することが決まった。
「あーしは神楽坂恵美。中一。・・・あと何言ったらいいんだろ。短い間だけどよろしく。」
メイクは派手だしちょっと怖いけど、意外と頭がよく優しそうな感じがした。こういうとき一番に動き出せるのは凄いなと、素直に思う。女の子はポニーテールを揺らし、隣の席に目を移した。
「オレは砂糖キラ。同じく中一。キラはカタカナで『さとう』は甘い方の砂糖。こんなことにはなったけど、ゲームはゲーム、勝ったらいいんだから楽しくいこうぜ。よろしくな!」
最初にジュースを差し出してきた男の子がそう挨拶する。そしてのどが渇くのかトロピカルジュースに口をつけ・・・大きくせき込んだ、詰まらせたのか?桜子ちゃんがハンカチを渡そうとしたそのとき、キラくんの顔が紫色になり、直後真っ白になって・・・彼の身体が、ガタンと音を立てて倒れた。
ここはどこだ?
ありふれた言葉、でもそう思わずにはいられないシチュエーションに僕は陥っていた。どこか近代的なこざっぱりとした洋館の天井が目に映る。身体を起こして立ち上がり、辺りを見回すと暖炉の上に謎の詩が書かれていた。
「十人の小さな兵隊さん」
小さな兵隊さんが10人、食事に行ったら1人が喉をつまらせて、残り9人
小さな兵隊さんが9人、寝坊をしてしまって1人が出遅れて、残り8人
小さな兵隊さんが8人、旅行に行ったら1人が残ると言い出して、残り7人
小さな兵隊さんが7人、薪割りしたら1人が自分を割ってしまって、残り6人
小さな兵隊さんが6人、丘で遊んでたら1人が蜂に刺されて、残り5人
小さな兵隊さんが5人、裁判所に行ったら1人が裁判官を目指すと言って、残り4人
小さな兵隊さんが4人、海に行ったら燻製ニシンに食べられて、残り3人
小さな兵隊さんが3人、動物園に歩いて行ったら熊に抱かれて、残り2人
小さな兵隊さんが2人、日向ぼっこしてたら日に焼かれて、残り1人
小さな兵隊さんが1人、1人になってしまって首を吊る、そして誰もいなくなった
不気味な、よく分からない詩だ。もしかしたら裏に教訓的な何かが隠されているのかもしれないが、直接的な意味しか読み取れなかった。そこそこ勉強はできる方なんだけどなぁ。中学生に読ませるもんじゃないだろ、これ。他に変わったものがないかと周りを見渡すが、個室にこの詩よりも特徴的なものはなかった。さて、このミステリーじみたこの状況、僕はどうするのが正解なんだ?扉から外に出てみるのがいいのか、それともここで待っているのがいいのか。窓の外を見ると、波が水平線の彼方まで広がっていた。沈みかけていく太陽に溶け込んで、綺麗なオレンジ色に輝いている。綺麗なのはまあいいことだけど、波と太陽しか見えないとなると助けを呼ぶのもなんだか現実的じゃない感じがした。我慢強いタイプではないし、一度部屋を出てみることにする。動いてみないと、何も始まらないって言うし。そろりそろりと扉を開けると、同じような扉がずらりと並んでいた。下にはふかふかのカーペットが敷かれている。不意に正面の扉が開き、同い年くらいの女の子が出てきた。
「は、はじめまして・・・。」
女の子は若干おびえたように挨拶してくる。とりあえず一人じゃないことに安心しながら、なるべく怖がらせないように挨拶を返した。
「はじめまして。僕の名前は雪平涼。君の名前は?」
「林桜子、です。雪平さんも気づいたらここに?」
三つ編みヘアの気の弱そうな人。それが初対面で抱いた感想だった。
「うん。それと、タメ口でいいよ。多分年近いでしょ?僕は中一。」
「ほんとに?私も中一なの。『偶然』、だね。」
聞きたいことは沢山あるが、何から話せばいいか迷い会話が止まってしまう。波の音だけが静かに響いていた。
「とりあえず・・・移動する?あっちに広間って書いてあるドアプレートがある。他にも誰かいるなら、あの奥に移動してそうな感じがしない?」
「そう、だね。行ってみよう。」
廊下を進み、いかにもヨーロッパって感じの洋館にそぐわない日本語で書かれたドアプレート、その下のドアを開ける。そして『偶然』は、『必然』に変わった。
「七人目と八人目か。やっぱりというかなんというか、見た感じ同い年だな。」
「うわびっくり。つとむんのいったとおりじゃん!」
「・・・よろしく。」
「貴方達、緊張感ってものを知らなくて?」
「あと二人いるってことでいいのか?」
「ま、ジュースでも飲んで気楽に行こうぜ!」
明るい空間に、これまた知らない『中学生』が集められていた。長身で金髪の男の子に勧められたジュースをとりあえず手に取る。奥にあるドリンクバーからとったらしい。明るいけど不気味な場所だし、まだ口はつけない方がいいかな?
「ありがとう。みんなも気づいたらここに?」
「ああ。でも以外と悪くねえぞ。冷暖房に飲み物も完備されてる。」
「日本の中学一年生・・・なんだよね?学校同じだったりするのかな?」
「さあな。だったら一人くらい知り合いいそうなもんだが・・・。」
『皆さん、お静かに!』
いきなり爆音のスピーカーが鳴り響いた。黒縁メガネをかけた男の子とお嬢様風の女の子が咄嗟に耳を塞ぐ。逆にギャルっぽい女の子は内容を聞こうと切り替えたのか真剣な表情をした。
『君たちを以下の容疑から告発する。つまり、君たちが各々違う場所、時刻に起こした犯罪・・・平たく言うと殺人だ。』
殺人だって!?全員が不信感を露わにする。それもそうだ、僕たち・・・少なくとも僕は、殺人なんかしたことない。そんなこと僕が一番よく分かってる。次に流れるスピーカーの音声を待つが、その次は流れなかった。その代わり、中央の机からホログラムの女性が現れる。見た感じは、少し年上くらい。ど派手な髪色にピエロ風のメイクをしていた。
「・・・ここから先は主人公含む登場人物には聞かせられないかなっ♪みなさまようこそ【物語ノですげぇむ】へ!」
ふわっと舞い降りた天使のように美しい女性は悪魔のような笑みを浮かべる。
「今回のげぇむは【そして誰も居なくなるげぇむ】!それではルール説明に入るぞっ☆・・・ほらそこの二人も入って、全員ワタシの周りの席に座ってね♪」
視線の先を見ると、そっくりな見た目をした男女が入ってくるところだった。どちらも生真面目そうな見た目をしている。双子かな?中央の机を取り囲んだ椅子に、誰からともなく座り出した。各椅子の正面には、トロピカルジュースのようなものが置かれている。最後に桜子ちゃんが座ったところで、上から紙が降ってきた。
ルール
1 このゲームは九人の『被害者』が一人の『犯罪者』を見つけるゲームです。
2 『犯罪者』を見つけたら『被害者』はランダムに選ばれた個室の中にある『断罪の銃』で打ち抜いて下さい。それが『被害者』の勝利条件です。銃弾は二弾。
3 『犯罪者』はほかの参加者を全員殺せば勝利です。
4 『犯罪者』が勝利した場合、一人残らず生き返ることはありません。
5 『被害者』が勝利した場合、全員が生き返ります。
6 『犯罪者』は普通の人間と能力は変わらない運営側の人間である。
7 各個室には鍵がかけられる。
8 島内の備品は自由に使用してよい。
9 『被害者』はゲームに参加している間、原作及び関連作品の内容に関する記憶が一時的に消去される
10 参加者は外部と連絡を取ってはならない
「質問がある人はワタクシ、アンノウンまでお願い!ワタクシは『犯罪者』にもそれ以外の人の質問も、平等に答えるよ♪」
質問たって・・・こんなよく分かんないゲームにいきなり参加させられてはいそうですかっていかないだろ。それに全員殺せば?そんな無法地帯なのかここ?いや、その前に倫理観とかあるし、僕まだ死にたくないんだけど・・・
「それは残念!でも未来の退屈つぶしの為に、過去の君たちは犠牲になってね☆素敵な物語を楽しみにしてるよ♪」
それってどういう
「アンノウン、断罪の銃ってのはなんだ?」
僕の追及を遮るように、メガネをかけた男の子が質問する。
「各自の部屋のうち誰か一人の引き出しに入ってるピストルだよっ☆『犯罪者』の部屋かもしれないから気を付けてね♪」
いや僕まだ話してるんだけど・・・そう思っている間にもちょっと太った男の子から質問が出る。
「睡眠や入浴は個室でいいにしても、食事はどうしたらいいんだよ。最低限、食材や調理器具はないのか?」
「それは食堂の隣のキッチンにあるよ♪三日分くらいはあるけど、それまでには決着がつくかな!」
それからもいくつか細かい質問が出たが、この状況を解決するに至る何かはなかった。この世界にいる間僕たちが生きていた世界は止まっていること、ここは孤島で出られないこと、犯罪者の殺人手段は問わないこと・・・いかにもなデスゲームだ。だけど、自分が参加者の一人となれば『定番だな』とか思っている場合じゃないのは明らか。なんでこのゲームに参加することになったんだろうとか、それを考えるのも野暮というものだろう。参加することは決まってしまっているのだから。ボクは先ほど自分の中に湧いてきた文句やらなんやらを一度しまい込み、冷静になってきた脳をフル回転させ、この状況に置かれた自分を奮い立たせる。・・・そうだ、なんか特別なことがしたいって思ってたところなんだ。イカれた『犯罪者』、楽しんでる未来人から逃げずに戦って勝ってやる。
「それではゲームスタート!ほかに聞きたいことがあったら、いつでも名前を呼んでねっ☆」
ホログラムが消える。そしてゲームに、物語に放り出された僕たちだけが取り残された。
「とりあえず・・・自己紹介、しない?あーしら、お互いのこと何も知らないし、手がかりも掴まなきゃじゃん。」
ギャル風の女の子がそう言い、みんなが同意すると、その子から時計周りに自己紹介することが決まった。
「あーしは神楽坂恵美。中一。・・・あと何言ったらいいんだろ。短い間だけどよろしく。」
メイクは派手だしちょっと怖いけど、意外と頭がよく優しそうな感じがした。こういうとき一番に動き出せるのは凄いなと、素直に思う。女の子はポニーテールを揺らし、隣の席に目を移した。
「オレは砂糖キラ。同じく中一。キラはカタカナで『さとう』は甘い方の砂糖。こんなことにはなったけど、ゲームはゲーム、勝ったらいいんだから楽しくいこうぜ。よろしくな!」
最初にジュースを差し出してきた男の子がそう挨拶する。そしてのどが渇くのかトロピカルジュースに口をつけ・・・大きくせき込んだ、詰まらせたのか?桜子ちゃんがハンカチを渡そうとしたそのとき、キラくんの顔が紫色になり、直後真っ白になって・・・彼の身体が、ガタンと音を立てて倒れた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
湖の民
影燈
児童書・童話
沼無国(ぬまぬこ)の統治下にある、儺楼湖(なろこ)の里。
そこに暮らす令は寺子屋に通う12歳の男の子。
優しい先生や友だちに囲まれ、楽しい日々を送っていた。
だがそんなある日。
里に、伝染病が発生、里は封鎖されてしまい、母も病にかかってしまう。
母を助けるため、幻の薬草を探しにいく令だったが――
ひみつを食べる子ども・チャック
山口かずなり
児童書・童話
チャックくんは、ひみつが だいすきな ぽっちゃりとした子ども
きょうも おとなたちのひみつを りようして やりたいほうだい
だけど、ちょうしにのってると
おとなに こらしめられるかも…
さぁ チャックくんの運命は いかに!
ー
(不幸でしあわせな子どもたちシリーズでは、他の子どもたちのストーリーが楽しめます。 短編集なので気軽にお読みください)
下記は物語を読み終わってから、お読みください。
↓
彼のラストは、読者さまの読み方次第で変化します。
あなたの読んだチャックは、しあわせでしたか?
それとも不幸?
本当のあなたに会えるかもしれませんね。
絆の輪舞曲〜ロンド〜
Ⅶ.a
児童書・童話
キャラクター構成
主人公:水谷 陽太(みずたに ようた)
- 年齢:30歳
- 職業:小説家
- 性格:おっとりしていて感受性豊かだが、少々抜けているところもある。
- 背景:幼少期に両親を失い、叔母の家で育つ。小説家としては成功しているが、人付き合いが苦手。
ヒロイン:白石 瑠奈(しらいし るな)
- 年齢:28歳
- 職業:刑事
- 性格:強気で頭の回転が速いが、情に厚く家族思い。
- 背景:警察一家に生まれ育ち、父親の影響で刑事の道を選ぶ。兄が失踪しており、その謎を追っている。
親友:鈴木 健太(すずき けんた)
- 年齢:30歳
- 職業:弁護士
- 性格:冷静で理知的だが、友人思いの一面も持つ。
- 背景:大学時代から陽太の親友。過去に大きな挫折を経験し、そこから立ち直った経緯がある。
謎の人物:黒崎 直人(くろさき なおと)
- 年齢:35歳
- 職業:実業家
- 性格:冷酷で謎めいているが、実は深い孤独を抱えている。
- 背景:成功した実業家だが、その裏には多くの謎と秘密が隠されている。瑠奈の兄の失踪にも関与している可能性がある。
水谷陽太は、小説家としての成功を手にしながらも、幼少期のトラウマと向き合う日々を送っていた。そんな彼の前に現れたのは、刑事の白石瑠奈。瑠奈は失踪した兄の行方を追う中で、陽太の小説に隠された手がかりに気付く。二人は次第に友情と信頼を深め、共に真相を探り始める。
一方で、陽太の親友で弁護士の鈴木健太もまた、過去の挫折から立ち直り、二人をサポートする。しかし、彼らの前には冷酷な実業家、黒崎直人が立ちはだかる。黒崎は自身の目的のために、様々な手段を駆使して二人を翻弄する。
サスペンスフルな展開の中で明かされる真実、そしてそれぞれの絆が試される瞬間。笑いあり、涙ありの壮大なサクセスストーリーが、読者を待っている。絆と運命に導かれた物語、「絆の輪舞曲(ロンド)」で、あなたも彼らの冒険に参加してみませんか?
おねしょゆうれい
ケンタシノリ
児童書・童話
べんじょの中にいるゆうれいは、ぼうやをこわがらせておねしょをさせるのが大すきです。今日も、夜中にやってきたのは……。
※この作品で使用する漢字は、小学2年生までに習う漢字を使用しています。
放課後モンスタークラブ
まめつぶいちご
児童書・童話
タイトル変更しました!20230704
------
カクヨムの児童向け異世界転移ファンタジー応募企画用に書いた話です。
・12000文字以内
・長編に出来そうな種を持った短編
・わくわくする展開
というコンセプトでした。
こちらにも置いておきます。
評判が良ければ長編として続き書きたいです。
長編時のプロットはカクヨムのあらすじに書いてあります
---------
あらすじ
---------
「えええ?! 私! 兎の獣人になってるぅー!?」
ある日、柚乃は旧図書室へ消えていく先生の後を追って……気が付いたら異世界へ転移していた。
見たこともない光景に圧倒される柚乃。
しかし、よく見ると自分が兎の獣人になっていることに気付く。
ホスト科のお世話係になりました
西羽咲 花月
児童書・童話
中2の愛美は突如先生からお世話係を任命される
金魚かな? それともうさぎ?
だけど連れてこられた先にいたのは4人の男子生徒たちだった……!?
ホスト科のお世話係になりました!
魔法アプリ【グリモワール】
阿賀野めいり
児童書・童話
◆異世界の力が交錯する町で、友情と成長が織りなす新たな魔法の物語◆
小学5年生の竹野智也(たけのともや) は、【超常事件】が発生する町、【新都心:喜志間ニュータウン】で暮らしていた。夢の中で現れる不思議な青年や、年上の友人・春風颯(はるかぜはやて)との交流の中でその日々を過ごしていた。
ある夜、町を突如襲った異変──夜にもかかわらず、オフィス街が昼のように明るく輝いた。その翌日、智也のスマートフォンに謎のアプリ【グリモワール】がインストールされていた。消そうとしても消えないアプリ。そして、智也は突然見たこともない化け物に襲われる。そんな智也を救ったのは、春風颯だった。しかも彼の正体は【異世界】の住人で――。
アプリの力によって魔法使いとなった智也は、颯とともに、次々と発生する【超常事件】に挑む。しかし、これらの事件が次第に智也自身の運命を深く絡め取っていくことにまだ気づいていなかった――。
※カクヨムでも連載しております※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる