58 / 103
3話
18
しおりを挟む
『空港なう~』
『そっか、いよいよなんだ~。それにしても飛行機乗れない子に飛行機出張ですか。宇部なら新幹線通ってるよね?九条くんSだなあ。専属シェフの女の子に商品企画とか地方視察とか。あ、ごめん、SってスパルタのSね(笑)』
『アハ。そうなんです~~泣泣。薬貰ってきたんですけど不安で不安で』
『乗り物酔いって意外と多いよね。イタリアにいい薬あるんだけどなあ。トラベルガムっていうんだけど』
『ガム?』
『うん。ミント系のもっとキョーレツなヤツ。ビリビリくるよ。でも、日本では見たことないなあ。眠気覚ましのガムにもそんなのあるよね?ガムで気をそらす、音楽聴いてリラックス、アイマスクつけて寝ちゃえー!でどうですか』
『んー。そうします。ガム、ちょっくら探ってみます』
『お気をつけて。幸運を祈ります』
このやさしい文面。癒される~~。
神経の緊張とやらがほぐれた気がするわ?
朝いちのチャット。
さすがイケメンシェフ。女の子の気持ちわかってる~。
会長もちょっとは見習ってよね。同い年なんだから。
ガラケーを閉じてふうと小さくため息。
あああ、ここに来るの、高広くんに会って以来か。
ええ。ついに来ました、出発の日。私は今羽田空港にいるのだ。
ビッグバードの名にふさわしい、世界のどの空港にも負けていないぴかぴかの建物、グルメな店店店……。
でも全然ときめかない……窓の外に見えるあやつらのせいで……。
あの金属製のにっくき胴体!
私にはあの機体がでかいバッタに見えるわ……。
おっと、見ちゃダメ。ガムガム、ガムを探すのだ。酔い止めは一応飲んでおいたが。念のため。
ガムたくさんあるのね。えーと、ストロング系……。
「あれえ? 市川さんじゃん」
でかい声と同時に背中をたたかれ、私は振り返った。
「佐野さん!」
びつくり。前の職場の人だ。
「何? 市川さんもお出かけ?」
「ええ。出張」
「へえ。俺、岡山なんだよ。友達の結婚式。市川さんは?」
「広島です」
「何? みやげ物でも?」
「いえ。ガムをちょっと・・」
「そう。よかったらお茶しない?」
えっと一瞬思ったがまた緊張にかられるのもいやなので従うことにした。「は、はあ」
「すみません、ちょっとこれ買ってきます」
一番効きそうなストロングハード系のガムを購入。
「えっと、出発ロビーにもあったよな。そこでどう」
「ええ」
「いやぁ~、会社で会わないのに、妙なとこで会うもんだね」
ホントにね。
「俺おごりまーす。市川さんにコーヒー入れてもらったお礼」
お言葉に甘え、チェックインしたあと中のカフェへ。私はお決まりのカフェラテを注文してもらった。
窓際の下のフロアが見渡せるカウンター席に座る。この席、はじめて来るが中々の眺めだ。
「その後どう? 市川さん」
「え、まあぼちぼち」
「俺らの部署、あのあとちょっとした修羅場だったんだよ。コーヒー入れる入れないで女子ともめてさ」
「って、どういう……」
「ついつい調子よく『コーヒー入れてーー』連発しちゃうわけよ、俺ら。そしたら女子どもがきれちゃってさ、『私らコーヒーなんか入れるために働いてるんじゃない!』とかわけわかんない主張するわけ。課長交えて話し合いまでしたんだよ」
「えーーー、それは、すみませんでした」
「あはは、市川さんがあやまることないじゃん」
さわやかに笑う。この佐野さんもそうだけど、前の職場、若い人が多くて雰囲気はよかった。
女の人は……ひそかに私、嫌がられてた? なんかそんな感じが今したんだけど。
「で、今は男が交代制で入れてるの。俺、けっこううまく入れれるようになったんだぜ?」
え、男が交代?
「何とかの巧妙ってヤツ? 市川さんは順調らしいじゃん。そうそう、うちの会長、まだ30代だったんだな。俺しらなかったよ」
! どきーん。
「新年度に事業計画発表されたじゃん? あんとき知ったんだよなー。課長にバカにされたけど。呼び名は会長だけど実質CEOみたいなもんだって。もうじきグループ統合するじゃん? それまで現経営陣で引っ張って、来年あたりごっそり入れ替わるらしい。会長はそういうの専門の人なんだってね。そのためによその企業にいたの辞めて戻ってきたって」
へーやっぱそうなんだ。
その事業なんとか。私も聞いたはずだけど何故耳に残ってないんだろう?
ていうか、会長の顔くらい知っとけ! 最初から正社員の人は。
「ふふふ、その会長に気に入られるなんて市川さんすごいじゃん。コーヒー好きって聞いたけど、マジな話なんだね。ねーねー、どんな人?」
えっ。
それを今ここで言わすか?
「うーー、そうですねえ……」
口ごもってると彼は勝手に話をつないだ。
どうやら別に返答なんて求めてないらしい。
ちなみにでかいアイスキャラメルマキアートを飲んでる。この人ラテアートのオーダー一番多かったんだよね。乙女男子か。
「俺思ったんだけどさ、そんなにコーヒー好きならうちの社内にこーいう店入れてくれてもいいと思わない?」
「は?」
「スペース空いてんじゃん? ねえ、市川さんさー、それとなく会長に言うとかできねーの?」
なるあきくんに?
うちの会社にカフェをもってこいと?
……いいかもしんない。
「お、面白いですね」
「だしょ? 汐留のT不動産にはあるんだよね。これがかっこいい店なんだわさ」
へーそうなんだ。知らなかった。
「自分で入れるのもいいんだけどさー、やっぱ店で飲みたいときってあるじゃん?」
まあ、そうよね。
うちの会社のすぐ近くにもたくさんあるけどね。
「そうですね」
彼はにっと笑って顔を近づけた。
おのずと身を引く私。飲みかけたところだったのでずずっと音がした。
「ねー? 市川さんいい感じらしいじゃん? いつだったか、『お付きの人』にお姫さま抱っこされて医務室に運び込まれたんだろ?」
「えっ」
今度はごっくんとえらい大きな音が響く。
むろん私の体の中でだ。
ニヤニヤ笑う佐野さん。
ちょっ……お付きの人ぉ?
『お姫さま抱っこ』!?
「うちの会社3月で派遣社員の扱い辞めたじゃん? それまで医務室の受付にいた派遣社員のおしゃべりなおばちゃん。そのおばちゃんが言ってたんだ。『すんごいイケメンが女の子抱えてきて、びっくりした!』がっつり韓流らしくてさ~、そういうの目がないわけよ。しばらくあちこち触れ回ってたよ~。『ちょっとぉ~、会長室の秘書さんらしいわよぉ~。おとこまえっ』」
なんだと!?
そのとき。
頭の中で何かと何かが結びついた。
いつごろからかなんとな~く気になっていたちらちら視線。
なんだろう? と思いつつやり過ごしていた。
もしかして、これ?
これが原因だったんだー!
「すげえじゃん。お姫さま抱っこなんて~。会長付きの人かな? 市川さん、がんばれーー」
お・ひ・め・さ・ま・だっ・こ!
オイオイ、いい年の男が恥ずかしげもなくそんな単語使うなー!
ていうか、お付きの人って何?
そんな人、いた?
会長室には基本会長と私しかいないんですけど。
つまり、お付きの人なんて存在しない。
もしかして。
なるあきくんをお付きの人だと思って言ってるの?
30代の会長は別にいることになってる?
まあ、あの風貌で会長とは誰も思わないよね……。
いや。
ちょっと待て。
記憶をたどる私。
およそ半年前のあの日。
私、気がついたら隣のホテルのベッドに寝かされてたよね?
えーと?
てことはなにか? 私、あのとき、なるあきくんにお姫さま抱っこされて運ばれたの~~?
『そっか、いよいよなんだ~。それにしても飛行機乗れない子に飛行機出張ですか。宇部なら新幹線通ってるよね?九条くんSだなあ。専属シェフの女の子に商品企画とか地方視察とか。あ、ごめん、SってスパルタのSね(笑)』
『アハ。そうなんです~~泣泣。薬貰ってきたんですけど不安で不安で』
『乗り物酔いって意外と多いよね。イタリアにいい薬あるんだけどなあ。トラベルガムっていうんだけど』
『ガム?』
『うん。ミント系のもっとキョーレツなヤツ。ビリビリくるよ。でも、日本では見たことないなあ。眠気覚ましのガムにもそんなのあるよね?ガムで気をそらす、音楽聴いてリラックス、アイマスクつけて寝ちゃえー!でどうですか』
『んー。そうします。ガム、ちょっくら探ってみます』
『お気をつけて。幸運を祈ります』
このやさしい文面。癒される~~。
神経の緊張とやらがほぐれた気がするわ?
朝いちのチャット。
さすがイケメンシェフ。女の子の気持ちわかってる~。
会長もちょっとは見習ってよね。同い年なんだから。
ガラケーを閉じてふうと小さくため息。
あああ、ここに来るの、高広くんに会って以来か。
ええ。ついに来ました、出発の日。私は今羽田空港にいるのだ。
ビッグバードの名にふさわしい、世界のどの空港にも負けていないぴかぴかの建物、グルメな店店店……。
でも全然ときめかない……窓の外に見えるあやつらのせいで……。
あの金属製のにっくき胴体!
私にはあの機体がでかいバッタに見えるわ……。
おっと、見ちゃダメ。ガムガム、ガムを探すのだ。酔い止めは一応飲んでおいたが。念のため。
ガムたくさんあるのね。えーと、ストロング系……。
「あれえ? 市川さんじゃん」
でかい声と同時に背中をたたかれ、私は振り返った。
「佐野さん!」
びつくり。前の職場の人だ。
「何? 市川さんもお出かけ?」
「ええ。出張」
「へえ。俺、岡山なんだよ。友達の結婚式。市川さんは?」
「広島です」
「何? みやげ物でも?」
「いえ。ガムをちょっと・・」
「そう。よかったらお茶しない?」
えっと一瞬思ったがまた緊張にかられるのもいやなので従うことにした。「は、はあ」
「すみません、ちょっとこれ買ってきます」
一番効きそうなストロングハード系のガムを購入。
「えっと、出発ロビーにもあったよな。そこでどう」
「ええ」
「いやぁ~、会社で会わないのに、妙なとこで会うもんだね」
ホントにね。
「俺おごりまーす。市川さんにコーヒー入れてもらったお礼」
お言葉に甘え、チェックインしたあと中のカフェへ。私はお決まりのカフェラテを注文してもらった。
窓際の下のフロアが見渡せるカウンター席に座る。この席、はじめて来るが中々の眺めだ。
「その後どう? 市川さん」
「え、まあぼちぼち」
「俺らの部署、あのあとちょっとした修羅場だったんだよ。コーヒー入れる入れないで女子ともめてさ」
「って、どういう……」
「ついつい調子よく『コーヒー入れてーー』連発しちゃうわけよ、俺ら。そしたら女子どもがきれちゃってさ、『私らコーヒーなんか入れるために働いてるんじゃない!』とかわけわかんない主張するわけ。課長交えて話し合いまでしたんだよ」
「えーーー、それは、すみませんでした」
「あはは、市川さんがあやまることないじゃん」
さわやかに笑う。この佐野さんもそうだけど、前の職場、若い人が多くて雰囲気はよかった。
女の人は……ひそかに私、嫌がられてた? なんかそんな感じが今したんだけど。
「で、今は男が交代制で入れてるの。俺、けっこううまく入れれるようになったんだぜ?」
え、男が交代?
「何とかの巧妙ってヤツ? 市川さんは順調らしいじゃん。そうそう、うちの会長、まだ30代だったんだな。俺しらなかったよ」
! どきーん。
「新年度に事業計画発表されたじゃん? あんとき知ったんだよなー。課長にバカにされたけど。呼び名は会長だけど実質CEOみたいなもんだって。もうじきグループ統合するじゃん? それまで現経営陣で引っ張って、来年あたりごっそり入れ替わるらしい。会長はそういうの専門の人なんだってね。そのためによその企業にいたの辞めて戻ってきたって」
へーやっぱそうなんだ。
その事業なんとか。私も聞いたはずだけど何故耳に残ってないんだろう?
ていうか、会長の顔くらい知っとけ! 最初から正社員の人は。
「ふふふ、その会長に気に入られるなんて市川さんすごいじゃん。コーヒー好きって聞いたけど、マジな話なんだね。ねーねー、どんな人?」
えっ。
それを今ここで言わすか?
「うーー、そうですねえ……」
口ごもってると彼は勝手に話をつないだ。
どうやら別に返答なんて求めてないらしい。
ちなみにでかいアイスキャラメルマキアートを飲んでる。この人ラテアートのオーダー一番多かったんだよね。乙女男子か。
「俺思ったんだけどさ、そんなにコーヒー好きならうちの社内にこーいう店入れてくれてもいいと思わない?」
「は?」
「スペース空いてんじゃん? ねえ、市川さんさー、それとなく会長に言うとかできねーの?」
なるあきくんに?
うちの会社にカフェをもってこいと?
……いいかもしんない。
「お、面白いですね」
「だしょ? 汐留のT不動産にはあるんだよね。これがかっこいい店なんだわさ」
へーそうなんだ。知らなかった。
「自分で入れるのもいいんだけどさー、やっぱ店で飲みたいときってあるじゃん?」
まあ、そうよね。
うちの会社のすぐ近くにもたくさんあるけどね。
「そうですね」
彼はにっと笑って顔を近づけた。
おのずと身を引く私。飲みかけたところだったのでずずっと音がした。
「ねー? 市川さんいい感じらしいじゃん? いつだったか、『お付きの人』にお姫さま抱っこされて医務室に運び込まれたんだろ?」
「えっ」
今度はごっくんとえらい大きな音が響く。
むろん私の体の中でだ。
ニヤニヤ笑う佐野さん。
ちょっ……お付きの人ぉ?
『お姫さま抱っこ』!?
「うちの会社3月で派遣社員の扱い辞めたじゃん? それまで医務室の受付にいた派遣社員のおしゃべりなおばちゃん。そのおばちゃんが言ってたんだ。『すんごいイケメンが女の子抱えてきて、びっくりした!』がっつり韓流らしくてさ~、そういうの目がないわけよ。しばらくあちこち触れ回ってたよ~。『ちょっとぉ~、会長室の秘書さんらしいわよぉ~。おとこまえっ』」
なんだと!?
そのとき。
頭の中で何かと何かが結びついた。
いつごろからかなんとな~く気になっていたちらちら視線。
なんだろう? と思いつつやり過ごしていた。
もしかして、これ?
これが原因だったんだー!
「すげえじゃん。お姫さま抱っこなんて~。会長付きの人かな? 市川さん、がんばれーー」
お・ひ・め・さ・ま・だっ・こ!
オイオイ、いい年の男が恥ずかしげもなくそんな単語使うなー!
ていうか、お付きの人って何?
そんな人、いた?
会長室には基本会長と私しかいないんですけど。
つまり、お付きの人なんて存在しない。
もしかして。
なるあきくんをお付きの人だと思って言ってるの?
30代の会長は別にいることになってる?
まあ、あの風貌で会長とは誰も思わないよね……。
いや。
ちょっと待て。
記憶をたどる私。
およそ半年前のあの日。
私、気がついたら隣のホテルのベッドに寝かされてたよね?
えーと?
てことはなにか? 私、あのとき、なるあきくんにお姫さま抱っこされて運ばれたの~~?
0
お気に入りに追加
1,202
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

王族に婚約破棄させたらそりゃそうなるよね? ……って話
ノ木瀬 優
恋愛
ぽっと出のヒロインが王族に婚約破棄させたらこうなるんじゃないかなって話を書いてみました。
完全に勢いで書いた話ですので、お気軽に読んで頂けたらなと思います。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

罪なき令嬢 (11話作成済み)
京月
恋愛
無実の罪で塔に幽閉されてしまったレレイナ公爵令嬢。
5年間、誰も来ない塔での生活は死刑宣告。
5年の月日が経ち、その塔へと足を運んだ衛兵が見たのは、
見る者の心を奪う美女だった。
※完結済みです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる