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えーい、言ってしまえ! ドキドキついでだっ!
「私、見ました、弟さん。会長とマツキヨで待ち合わせした、あの日です!」
「え?」
目が合って、ほんの少し間が空いた。
「どこかな?」
「新宿です。あっち側。弟さん、ホストクラブで働いてたんですよ!」
言っちゃった!
胸がドキドキなんてもんじゃない。鳩になった気分。
だけど彼の表情はさほど変わらない。
……あれぇ?
「おやおや、それはそれは」
くすくす笑い出す。「キミ、そんな店にも出入りしてるのか」ゆっくり立ち上がった。
--は?
握手するみたいにすっと手を差し出してきたかと思うと、きょとんとしている私の手を掴みすごい力で引き寄せた。
「きゃっ」
もろに胸にぶつかって、別の意味で心臓がどきんと鳴った。
ちょ、なに?
ぎゅっと腕を回されて。
私のすぐ目の前に高そうなネクタイピンが光ってる。
「や、やめ……」
ああ、ダメ。胸がぴとっとくっつけられて。
やめろぉおーー。ドクンドクンしてるの丸わかりじゃん!
「キミは案外男好きだよね。体の方は男慣れしてないのに……。店で私といるとき、よく物色してるな? 男を見てるんだろ?」
えーーー?
なにそれ?
話をそらすなーーー。
ぶっしょくて。
女の子はみんなイケメン好きですけど?
見ちゃいけないの??
やだ、ドキドキとまんないじゃん!
ちょ、離してーーー。まだ午前中っ……。
「平気で携帯をいじってるし。いい度胸してるな。私もそれなりに女性と付き合ってきたが……今までそんな女は一人もいなかったぞ。キミが初めてだ」
え。汗。そんな……。携帯いじり? それってデフォでは? 何がそんなにいけないの??
「キミは素朴で明るくてほっとさせられる反面、タンポポが綿毛をあちこちに飛ばすように移り気なのが玉にきずだな」
なんじゃ、そりゃー。
たんぽぽだなんて、どーせ、垢抜けませんよっ。
「ホストクラブか」
ぐぐっと私の肩に回した手に力がこもる。男の力だ。かないっこねーー。うっ、いたっ……。
「キミもそんな店に行くんだな。高広に似た男がいたのかな? 弟は、『中身はともかく』、外見はかなりいいからね。それ風の男は歌舞伎町に大勢いそうだね」
---中身はともかく??
って、ちがうっちゅーに! 本人なんだって! 妙な勘違いするなーーー! つーか、離してよっ!
「ち、ちが、ご本人ですよ? あの、そ、そーだ、吉永さんに聞いてくださいっ! 吉永さんも証人です!」
絶対覚えてるはずだ。
「吉永くん? 彼女に誘われたのかい? あのあたりはキミらにとってはパラダイスだろうな。フフ。一体何をして過ごすんだ?」
ちょ、だから違うんだって! 今ここに吉永さん呼んでくりっ! 離せええーーー。
「キミは面食いかい?」
はあ?
ぎゅうっと抱きしめられた隙間を広げるように、私は必死で顔を上げた。
きっと興奮して真っ赤だ。でもそんなこと気にしちゃいられないわ。
「な、なにをおっしゃるんですか。違います。本人なのっ」
「藤島くんや弟のような男がタイプなのかな?」
えっ……。
かぁぁーーーっと頭に血が上った。
何この斜め上発言。
そんな……。そんな風にとられちゃうの? 何故ーーー。
おじさんってば、何を誤解してるんだ?
「違いますっ」
私はもうありったけの力を込めて彼の胸を押した。
「ば、ばかにしないでっ。本人なんだからっ」
情けないことに。
馬鹿にしないでと言いつつ、いかにもばかっぽい発言しかできないのだ。
しかしそれでも踏ん張る私。
「本当ですっ。しょっちゅうこの辺うろついてるの」
ああ、あのとき高広くんを写メってたらーーー! 米子の彼のことも疑われなくてすんだのに。悔やまれるぅーーーー。
「わかった、わかった」
くっ。何その子供をなだめるようなポーズ。ひたすらくやしい……。「じゃ、その旨を興信所に言っておこう」
この金持ち、金の使い道間違ってるぞ。一体どんな探偵雇ってるんだか。
案外私みたいな素人をバイトで使ってるようなとこに頼んだ方が見つかったりして?
「そ、そうですよっ、会長が山口へ行かれたらどうですか?」
「私が? 何故」
「ま、待ち伏せしてるかもしれませんよ?」
「フ、私はダメだよ。もう別の予定が入ってる」
完全に上から目線……。聞いてよ、もう。
「まあ、私の行動が筒抜けだろうというところは鋭いね。キミのいうとおりかもしれない。弟は、そこら辺の技術者とはスキルが違うからね」
「だから、たまにはこの辺歩いてみてくださいよ……」
いるんだって。会社の近くでばったり。ねえ、それが一番自然でしょ? 高広くんもそう思ってるかもしれないよ?
「まあね、灯台下暗しと言うからね」
「そうですよ……。気分転換にもなりますよ。ね?」
「ハイハイ」
だが、勢いを失った私の発言は更に軽くあしらわれ、ぜんぜん違う方向に持っていかれるのだ。「そうそう。山口で思いだした」
「宇部の施設の資料を渡しておこう。まあ、向こうでまた説明があると思うが、機内ででも目を通しておいて。報告書だからといって気張らずになるべくキミの言葉であるがままを伝えて欲しい。もしまとめるのが面倒なら、画像をそのまま社内クラウドに上げるか私のPCに送ってくれればいい。あと、キミ用のボイスレコーダーが秘書室に置いてあるからそれを使ってくれ」
と、さっさと封筒を出してきて渡された。
「はあ……」
何、この流れ。毎度毎度、馬鹿にしすぎだって!
確かに報告書なんて書いたことないけど、一応短大卒業してるんだよ? レポートの類くらいできるって。
そりゃまあ、会長からすればそんなものスクラップブックに毛が生えた程度だろうけどさ。ブツブツ。
「あくまでもキミの目線で撮ってきてくれ。ブログの要領でね」
えっ。
更にとどめをさされて、私は言葉を失ってしまった。ヤツはしたり顔だ。くやしぃぃぃ~~。
「会長、お車の準備ができました」
「ん。よし」
またタイミングよく室長が呼びに来るし。もうお出かけの時間かよ。
「ふ、じゃ、行ってくるよ」
ちらっとこっちを見やって。すっかりいつもの調子に戻ってしまった。回復はやっ。
「……あの、お帰りは。何かご用意しておきましょうか」
「そうだな。では飲み物の用意でもして待っててくれ」
「はい……」
バタンとドアの向こうに消える。
馬鹿にされてもこけにされても。
そんな言い方されると胸がきゅんとなる私。
---待っててくれ。
このひとことにやられる。
ふぅん、じゃあ、仕込んだ甘酒で和スイーツでも作っとこうか……。なんて頭の中じゃレシピ浮かべてたりして。
彼も彼なら私も私だ。
あーあ。
もっとうまく立ち回れないものかな。
一人残った部屋で、彼がいつの間にか外してたメタルフレームのメガネとピースの小さな箱を黒いレザーのトレーに載せ会長の机の上においた。
輝きが違うオールメタルフレーム。間違っても5990円で売ってる代物じゃない。
これかけて来たってことは、夕べ芸者遊びにでもつき合わされたのかな……?
大変だねえ。
がんばってね、なるあきくん。
弟と再会する日は間違いなく近いぞ。
「私、見ました、弟さん。会長とマツキヨで待ち合わせした、あの日です!」
「え?」
目が合って、ほんの少し間が空いた。
「どこかな?」
「新宿です。あっち側。弟さん、ホストクラブで働いてたんですよ!」
言っちゃった!
胸がドキドキなんてもんじゃない。鳩になった気分。
だけど彼の表情はさほど変わらない。
……あれぇ?
「おやおや、それはそれは」
くすくす笑い出す。「キミ、そんな店にも出入りしてるのか」ゆっくり立ち上がった。
--は?
握手するみたいにすっと手を差し出してきたかと思うと、きょとんとしている私の手を掴みすごい力で引き寄せた。
「きゃっ」
もろに胸にぶつかって、別の意味で心臓がどきんと鳴った。
ちょ、なに?
ぎゅっと腕を回されて。
私のすぐ目の前に高そうなネクタイピンが光ってる。
「や、やめ……」
ああ、ダメ。胸がぴとっとくっつけられて。
やめろぉおーー。ドクンドクンしてるの丸わかりじゃん!
「キミは案外男好きだよね。体の方は男慣れしてないのに……。店で私といるとき、よく物色してるな? 男を見てるんだろ?」
えーーー?
なにそれ?
話をそらすなーーー。
ぶっしょくて。
女の子はみんなイケメン好きですけど?
見ちゃいけないの??
やだ、ドキドキとまんないじゃん!
ちょ、離してーーー。まだ午前中っ……。
「平気で携帯をいじってるし。いい度胸してるな。私もそれなりに女性と付き合ってきたが……今までそんな女は一人もいなかったぞ。キミが初めてだ」
え。汗。そんな……。携帯いじり? それってデフォでは? 何がそんなにいけないの??
「キミは素朴で明るくてほっとさせられる反面、タンポポが綿毛をあちこちに飛ばすように移り気なのが玉にきずだな」
なんじゃ、そりゃー。
たんぽぽだなんて、どーせ、垢抜けませんよっ。
「ホストクラブか」
ぐぐっと私の肩に回した手に力がこもる。男の力だ。かないっこねーー。うっ、いたっ……。
「キミもそんな店に行くんだな。高広に似た男がいたのかな? 弟は、『中身はともかく』、外見はかなりいいからね。それ風の男は歌舞伎町に大勢いそうだね」
---中身はともかく??
って、ちがうっちゅーに! 本人なんだって! 妙な勘違いするなーーー! つーか、離してよっ!
「ち、ちが、ご本人ですよ? あの、そ、そーだ、吉永さんに聞いてくださいっ! 吉永さんも証人です!」
絶対覚えてるはずだ。
「吉永くん? 彼女に誘われたのかい? あのあたりはキミらにとってはパラダイスだろうな。フフ。一体何をして過ごすんだ?」
ちょ、だから違うんだって! 今ここに吉永さん呼んでくりっ! 離せええーーー。
「キミは面食いかい?」
はあ?
ぎゅうっと抱きしめられた隙間を広げるように、私は必死で顔を上げた。
きっと興奮して真っ赤だ。でもそんなこと気にしちゃいられないわ。
「な、なにをおっしゃるんですか。違います。本人なのっ」
「藤島くんや弟のような男がタイプなのかな?」
えっ……。
かぁぁーーーっと頭に血が上った。
何この斜め上発言。
そんな……。そんな風にとられちゃうの? 何故ーーー。
おじさんってば、何を誤解してるんだ?
「違いますっ」
私はもうありったけの力を込めて彼の胸を押した。
「ば、ばかにしないでっ。本人なんだからっ」
情けないことに。
馬鹿にしないでと言いつつ、いかにもばかっぽい発言しかできないのだ。
しかしそれでも踏ん張る私。
「本当ですっ。しょっちゅうこの辺うろついてるの」
ああ、あのとき高広くんを写メってたらーーー! 米子の彼のことも疑われなくてすんだのに。悔やまれるぅーーーー。
「わかった、わかった」
くっ。何その子供をなだめるようなポーズ。ひたすらくやしい……。「じゃ、その旨を興信所に言っておこう」
この金持ち、金の使い道間違ってるぞ。一体どんな探偵雇ってるんだか。
案外私みたいな素人をバイトで使ってるようなとこに頼んだ方が見つかったりして?
「そ、そうですよっ、会長が山口へ行かれたらどうですか?」
「私が? 何故」
「ま、待ち伏せしてるかもしれませんよ?」
「フ、私はダメだよ。もう別の予定が入ってる」
完全に上から目線……。聞いてよ、もう。
「まあ、私の行動が筒抜けだろうというところは鋭いね。キミのいうとおりかもしれない。弟は、そこら辺の技術者とはスキルが違うからね」
「だから、たまにはこの辺歩いてみてくださいよ……」
いるんだって。会社の近くでばったり。ねえ、それが一番自然でしょ? 高広くんもそう思ってるかもしれないよ?
「まあね、灯台下暗しと言うからね」
「そうですよ……。気分転換にもなりますよ。ね?」
「ハイハイ」
だが、勢いを失った私の発言は更に軽くあしらわれ、ぜんぜん違う方向に持っていかれるのだ。「そうそう。山口で思いだした」
「宇部の施設の資料を渡しておこう。まあ、向こうでまた説明があると思うが、機内ででも目を通しておいて。報告書だからといって気張らずになるべくキミの言葉であるがままを伝えて欲しい。もしまとめるのが面倒なら、画像をそのまま社内クラウドに上げるか私のPCに送ってくれればいい。あと、キミ用のボイスレコーダーが秘書室に置いてあるからそれを使ってくれ」
と、さっさと封筒を出してきて渡された。
「はあ……」
何、この流れ。毎度毎度、馬鹿にしすぎだって!
確かに報告書なんて書いたことないけど、一応短大卒業してるんだよ? レポートの類くらいできるって。
そりゃまあ、会長からすればそんなものスクラップブックに毛が生えた程度だろうけどさ。ブツブツ。
「あくまでもキミの目線で撮ってきてくれ。ブログの要領でね」
えっ。
更にとどめをさされて、私は言葉を失ってしまった。ヤツはしたり顔だ。くやしぃぃぃ~~。
「会長、お車の準備ができました」
「ん。よし」
またタイミングよく室長が呼びに来るし。もうお出かけの時間かよ。
「ふ、じゃ、行ってくるよ」
ちらっとこっちを見やって。すっかりいつもの調子に戻ってしまった。回復はやっ。
「……あの、お帰りは。何かご用意しておきましょうか」
「そうだな。では飲み物の用意でもして待っててくれ」
「はい……」
バタンとドアの向こうに消える。
馬鹿にされてもこけにされても。
そんな言い方されると胸がきゅんとなる私。
---待っててくれ。
このひとことにやられる。
ふぅん、じゃあ、仕込んだ甘酒で和スイーツでも作っとこうか……。なんて頭の中じゃレシピ浮かべてたりして。
彼も彼なら私も私だ。
あーあ。
もっとうまく立ち回れないものかな。
一人残った部屋で、彼がいつの間にか外してたメタルフレームのメガネとピースの小さな箱を黒いレザーのトレーに載せ会長の机の上においた。
輝きが違うオールメタルフレーム。間違っても5990円で売ってる代物じゃない。
これかけて来たってことは、夕べ芸者遊びにでもつき合わされたのかな……?
大変だねえ。
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