19 / 103
1話
19
しおりを挟む
休日前の夜。私はデートの待ち合わせ、ならぬ、本屋で結構な時間過ごしていた。もちろん女友達と待ち合わせでもなく。そこは料理本コーナー。まわりは若い女の人だらけだ。
メニューの研究。うちの店で出してた料理中心じゃそろそろ底が見えてきそうだし。何せあれだけの調理道具。もっとバリエ増やさねば。
熟読(…って立ち読み)。厳選した一冊をレジで清算。浮かれる人ごみを尻目にさっさと改札へ。携帯が鳴った。
「あ、あたし。ひさしぶり。ねーねー、今暇?」
着信、ゆな。数少ない同郷の友。珍しくないがちょっと会ってなかったな。
「んー。何?」
暇だけど、もう電車乗るモードなんですけど。冷静な私。
「ねー、今新宿勤めだよねー。あたし新宿いんだけどぉ。ごはんどうよ」
お誘いか。早く言ってよー。もう乗っちゃいそうな気分なのに。
「えーと、もう家付近なんだよね。明日じゃだめ?」
て、軽い嘘。明日ってその気も無いのに。近所に来てるから会おうってだけだもの。『じゃ、ま、いっかぁ……』そんなのりだろうと。
だけど。
「ん、そっかぁ。ざーんねん。あしたー。いいよ。久しぶりに会おう」
あれ、そうくるか。となると断るわけにいかない。
「うーーん」
半日くらいなら……。ぼんやりそう思った(イヤなんかい!)。
「あのー。ひとり連れてくけど。遠慮無しに話そう。あした、12時。ポルカでヨロ」
「なによ、ひとりって」
「ん。あたしのコンヤクシャ」
さらっとそう言われて。
「え? っとそんなのいたっけ」
ぶしつけな返し。
「いたいた。急にそうなったのー。紹介したいし。もち式にも出てよね」
「あ、う、うん、も、もちろん。……あ、おめでと」
「ん。あんがと。じゃー詳しいことはまた明日」
パツッと切れた。しばらく会ってなかったと思ったら……。結婚のご報告? そーいうお年頃なのよね。ぅーー、現実味あるじゃん。
でも別にカナシくないしっ。
私はちょっと驚いたけど顔に出すまでも無くホームに向かった。
次の祝日。約束の店で私を待っていたのは、腕くみカポォ……超らぶらぶなふたり。旧友と、はじめて見るその人は、黒ぶち眼鏡のとっても優しそうな人。
……この子、こういう趣味だったっけ? 全然ちゃうやん!
「ね、こちら……みのがきさん。で、こっちが、いちかわ、かなえちゃん」
「はじめまして。……みのがきさとしと申します」
「あ、ど、どうも。いちかわです」
わー、なんかやだ、こういうの。胸の奥がムズい。まあ、趣味はともかく、とってもあまったるいらぶらぶ光線。まわりにもその空気伝わるくらいの。
「ねー、かなえ、新宿のーでかいビルに派遣してんだよねえ。ちょっと話してたらさとくん仕事で行ったことあるって」
「え」
「あ、どうも。申し遅れましたが僕……」
と言って、その人は名刺を差し出した。
「あ、ど、どうも」
つられて私も乙女な財布から名刺を出した。ちょっと恥ずかしい。
「あ、……ハケン? じゃなくて?」
その人が声出して言うもんだからゆなが覗き込む。
「えー、かなえ、何この名刺ぃ」
「ん、あ、話せば長いんだけどぉ」
また照れる。おいおい、そう言えば正式部署名何だっけ? 家族に見せびらかすくらいしか考えてなかった名刺の存在が何だか眩しい。
「あー、ちょっと、色々事情がありまして、一応、しゃ、社員になりました」
うつむいて答えた。
「えーーー……、すごぉぉぉぉぉい! 商社じゃん。地元からでも入った子知らないよ」
と、オーバーな反応。田舎モン丸出しじゃん。私も知らないよ。いいよ、その話題は。かーっと熱くなる。
思わぬ展開だ。早く切り返さなきゃ。
「それは置いといてさ、何、キミタチ。その、し、式とかさ」
「あ、そうそう。空けといてよねえ。3月なんだけどさ。こっちで挙げるから」
「うん。おめでとう」
「ありがとう」
「ありがとうございます」
ほ。話を戻して。ゆなは幸せそうにカレシの腕を取って馴れ初めから話した。その人は穏やかに頷いてて、食事の後勘定済ませて出て行った。
「いーの? デートじゃなかったの?」
完全にその姿が見えなくなって私は言った。
「違う、違う。昨夜も一緒にいたの。何か早く紹介したくってさ。それでねーー」
それからゆなは私を連れ出し、2人自由が丘の街をあっちこっち歩きまくった。
「ねーー、これがほしぃんだぁ。あたし、料理がんばっちゃおうかなぁって」
インテリアショップと言うかキッチン雑貨のあるお店で、フードプロセッサーを指して言う。
そう、これが本題。お祝いのおねだりかい。ゆなはくねくねして人が変わったようだ。化粧とかじゃなく、雰囲気が。なんだかほわっとしてる。
この子、昔は結構マニアック系? コスプレとかそっち系だった。趣味が変わったんだろうか。あの優男風な男の人……。
何となく聞く勇気が無くて私はいーよ―と答えていた。
「式は会費制だからーー。お祝儀包まなくていいから」
「ハイハイ」
べたべたくっついてくる。
「なんかぁー、ハケンだし一人暮らしだし、言いにくかったけど。いいよね、正社員さんなら。よかったじゃんー。あたしからもおめでとう」
またまたドキッ。
「いやー、そのー、何て言うか」
実は私また料理関係の仕事することになって……とうっかり言いそうなのをこらえる。
別にこらえる必要なんて無いのに。
「あ、ありがとう。ま、まあ、ぼちぼち」
何がぼちぼち?
「じゃ、たのむね」
「う、うん」
そしてその商品と値段を頭にとどめ彼女と別れた。
恋すると女は変わる。
目の当たりにして私はしみじみした。自分の部屋の、小さなキッチンで。チョコレート溶かしながら。
その昔ゆなは架空の人物に恋するオタク少女だった。上京してちょっと方向変わったとはいえ……。何? あのしあわせオーラ。料理するからフードプロセッサー欲しい、だって。
思いながら手は勝手に動く。ネットにつないで料理系のページを探る。傍らには昨日買った本が。
素人なのに料理本並みのブログがづらづら出てくる。見るたびに思うけど、すごすぎ。この人たち、『無償で』作ってるんだよね。もちろん器も自前だ。私なんてホント……。足元にも及ばない? ただただ、ラッキーとしか言いようが無い。
―――もっともっと頑張らねば。
派遣じゃないって言っても会長の気まぐれ(?)ひとつでつながってるようなものだ。いつどうなるかわかんない。でも、今の身分に恥じないよう、名刺くらいさらっと出せるくらい自信もたなくては。
妙にやる気になって私は、デザートの試作を3つも作ってしまった。
そして朝。私は室長に言われるまですっかり忘れていた。
「一昨日から業者の方が入られたようなの。作業は終わってるようだけど午前中にもう一度来られるから確認して差し上げて」
「あ、は、はい」
確認? ていうか、作業って。リフォームみたいなの? 会長が言ってた……。
何を確認するんだろう……。
よくわからなくて上に上がると、ドアが開いていて。
「お、おはようございます」
「おはよう」
会長がすぐそこに立っていて。ちょっと驚いた私は中を見る間もなく、
「一応、改造は終わったようだが、キミの都合の悪いところがあれば言いなさい。担当の者がもう一度来るから」
改造? 『かいぞう』ってなんだそりゃ。くすっと笑いそうになって私は案内されたドアの向こうを見上げた。
「えーーー」
と、お次はびっくり。すっかり忘れていたとはいえ。いきなり――。正味1日半でこんなに変わるか?
まるで―――。昨日さんざん連れ回されたお店とだぶるようなフル装備のキッチンスタジオがそこにあった。
いや、ついおとといまでのもすごかったんだけどね。
ピカピカのステンレスの台が入れ替わっていて。
新品の調理家電一式が納められた棚、長―い作業台と、白いアイランドカウンター。
一通り見渡して私は思わずその大理石風の天板を撫でていた。
―――何なのー? 会長の一声でこんなにカネかけたことできんの?
そしてぱっと窓の方を見ると、白いデスクとパソコン、電話が。
「あ、これは?」
近寄ると、書類一式(といっても殆ど白紙)がそこにあった。デスクと言うか洒落たカウンター風で、傍らに引出しが備えてある。
「今日からキミはここで業務をしなさい」
「え?」
その言葉に押されるようにドアを出ると、がらんと広い会長室……。隅っこにあった申し訳程度の秘書机はきれいさっぱりなくなってる。
――――えぇぇぇーーーー!!
私は叫んだ。もちろん心の中で。
ーーー今日から、ここで。この中、『だけ』で? なんでっ?
「業者、昼前には来ると思うから、キミが立ち会って」
素っ気無く、会長は遠い窓際の席についた。
メニューの研究。うちの店で出してた料理中心じゃそろそろ底が見えてきそうだし。何せあれだけの調理道具。もっとバリエ増やさねば。
熟読(…って立ち読み)。厳選した一冊をレジで清算。浮かれる人ごみを尻目にさっさと改札へ。携帯が鳴った。
「あ、あたし。ひさしぶり。ねーねー、今暇?」
着信、ゆな。数少ない同郷の友。珍しくないがちょっと会ってなかったな。
「んー。何?」
暇だけど、もう電車乗るモードなんですけど。冷静な私。
「ねー、今新宿勤めだよねー。あたし新宿いんだけどぉ。ごはんどうよ」
お誘いか。早く言ってよー。もう乗っちゃいそうな気分なのに。
「えーと、もう家付近なんだよね。明日じゃだめ?」
て、軽い嘘。明日ってその気も無いのに。近所に来てるから会おうってだけだもの。『じゃ、ま、いっかぁ……』そんなのりだろうと。
だけど。
「ん、そっかぁ。ざーんねん。あしたー。いいよ。久しぶりに会おう」
あれ、そうくるか。となると断るわけにいかない。
「うーーん」
半日くらいなら……。ぼんやりそう思った(イヤなんかい!)。
「あのー。ひとり連れてくけど。遠慮無しに話そう。あした、12時。ポルカでヨロ」
「なによ、ひとりって」
「ん。あたしのコンヤクシャ」
さらっとそう言われて。
「え? っとそんなのいたっけ」
ぶしつけな返し。
「いたいた。急にそうなったのー。紹介したいし。もち式にも出てよね」
「あ、う、うん、も、もちろん。……あ、おめでと」
「ん。あんがと。じゃー詳しいことはまた明日」
パツッと切れた。しばらく会ってなかったと思ったら……。結婚のご報告? そーいうお年頃なのよね。ぅーー、現実味あるじゃん。
でも別にカナシくないしっ。
私はちょっと驚いたけど顔に出すまでも無くホームに向かった。
次の祝日。約束の店で私を待っていたのは、腕くみカポォ……超らぶらぶなふたり。旧友と、はじめて見るその人は、黒ぶち眼鏡のとっても優しそうな人。
……この子、こういう趣味だったっけ? 全然ちゃうやん!
「ね、こちら……みのがきさん。で、こっちが、いちかわ、かなえちゃん」
「はじめまして。……みのがきさとしと申します」
「あ、ど、どうも。いちかわです」
わー、なんかやだ、こういうの。胸の奥がムズい。まあ、趣味はともかく、とってもあまったるいらぶらぶ光線。まわりにもその空気伝わるくらいの。
「ねー、かなえ、新宿のーでかいビルに派遣してんだよねえ。ちょっと話してたらさとくん仕事で行ったことあるって」
「え」
「あ、どうも。申し遅れましたが僕……」
と言って、その人は名刺を差し出した。
「あ、ど、どうも」
つられて私も乙女な財布から名刺を出した。ちょっと恥ずかしい。
「あ、……ハケン? じゃなくて?」
その人が声出して言うもんだからゆなが覗き込む。
「えー、かなえ、何この名刺ぃ」
「ん、あ、話せば長いんだけどぉ」
また照れる。おいおい、そう言えば正式部署名何だっけ? 家族に見せびらかすくらいしか考えてなかった名刺の存在が何だか眩しい。
「あー、ちょっと、色々事情がありまして、一応、しゃ、社員になりました」
うつむいて答えた。
「えーーー……、すごぉぉぉぉぉい! 商社じゃん。地元からでも入った子知らないよ」
と、オーバーな反応。田舎モン丸出しじゃん。私も知らないよ。いいよ、その話題は。かーっと熱くなる。
思わぬ展開だ。早く切り返さなきゃ。
「それは置いといてさ、何、キミタチ。その、し、式とかさ」
「あ、そうそう。空けといてよねえ。3月なんだけどさ。こっちで挙げるから」
「うん。おめでとう」
「ありがとう」
「ありがとうございます」
ほ。話を戻して。ゆなは幸せそうにカレシの腕を取って馴れ初めから話した。その人は穏やかに頷いてて、食事の後勘定済ませて出て行った。
「いーの? デートじゃなかったの?」
完全にその姿が見えなくなって私は言った。
「違う、違う。昨夜も一緒にいたの。何か早く紹介したくってさ。それでねーー」
それからゆなは私を連れ出し、2人自由が丘の街をあっちこっち歩きまくった。
「ねーー、これがほしぃんだぁ。あたし、料理がんばっちゃおうかなぁって」
インテリアショップと言うかキッチン雑貨のあるお店で、フードプロセッサーを指して言う。
そう、これが本題。お祝いのおねだりかい。ゆなはくねくねして人が変わったようだ。化粧とかじゃなく、雰囲気が。なんだかほわっとしてる。
この子、昔は結構マニアック系? コスプレとかそっち系だった。趣味が変わったんだろうか。あの優男風な男の人……。
何となく聞く勇気が無くて私はいーよ―と答えていた。
「式は会費制だからーー。お祝儀包まなくていいから」
「ハイハイ」
べたべたくっついてくる。
「なんかぁー、ハケンだし一人暮らしだし、言いにくかったけど。いいよね、正社員さんなら。よかったじゃんー。あたしからもおめでとう」
またまたドキッ。
「いやー、そのー、何て言うか」
実は私また料理関係の仕事することになって……とうっかり言いそうなのをこらえる。
別にこらえる必要なんて無いのに。
「あ、ありがとう。ま、まあ、ぼちぼち」
何がぼちぼち?
「じゃ、たのむね」
「う、うん」
そしてその商品と値段を頭にとどめ彼女と別れた。
恋すると女は変わる。
目の当たりにして私はしみじみした。自分の部屋の、小さなキッチンで。チョコレート溶かしながら。
その昔ゆなは架空の人物に恋するオタク少女だった。上京してちょっと方向変わったとはいえ……。何? あのしあわせオーラ。料理するからフードプロセッサー欲しい、だって。
思いながら手は勝手に動く。ネットにつないで料理系のページを探る。傍らには昨日買った本が。
素人なのに料理本並みのブログがづらづら出てくる。見るたびに思うけど、すごすぎ。この人たち、『無償で』作ってるんだよね。もちろん器も自前だ。私なんてホント……。足元にも及ばない? ただただ、ラッキーとしか言いようが無い。
―――もっともっと頑張らねば。
派遣じゃないって言っても会長の気まぐれ(?)ひとつでつながってるようなものだ。いつどうなるかわかんない。でも、今の身分に恥じないよう、名刺くらいさらっと出せるくらい自信もたなくては。
妙にやる気になって私は、デザートの試作を3つも作ってしまった。
そして朝。私は室長に言われるまですっかり忘れていた。
「一昨日から業者の方が入られたようなの。作業は終わってるようだけど午前中にもう一度来られるから確認して差し上げて」
「あ、は、はい」
確認? ていうか、作業って。リフォームみたいなの? 会長が言ってた……。
何を確認するんだろう……。
よくわからなくて上に上がると、ドアが開いていて。
「お、おはようございます」
「おはよう」
会長がすぐそこに立っていて。ちょっと驚いた私は中を見る間もなく、
「一応、改造は終わったようだが、キミの都合の悪いところがあれば言いなさい。担当の者がもう一度来るから」
改造? 『かいぞう』ってなんだそりゃ。くすっと笑いそうになって私は案内されたドアの向こうを見上げた。
「えーーー」
と、お次はびっくり。すっかり忘れていたとはいえ。いきなり――。正味1日半でこんなに変わるか?
まるで―――。昨日さんざん連れ回されたお店とだぶるようなフル装備のキッチンスタジオがそこにあった。
いや、ついおとといまでのもすごかったんだけどね。
ピカピカのステンレスの台が入れ替わっていて。
新品の調理家電一式が納められた棚、長―い作業台と、白いアイランドカウンター。
一通り見渡して私は思わずその大理石風の天板を撫でていた。
―――何なのー? 会長の一声でこんなにカネかけたことできんの?
そしてぱっと窓の方を見ると、白いデスクとパソコン、電話が。
「あ、これは?」
近寄ると、書類一式(といっても殆ど白紙)がそこにあった。デスクと言うか洒落たカウンター風で、傍らに引出しが備えてある。
「今日からキミはここで業務をしなさい」
「え?」
その言葉に押されるようにドアを出ると、がらんと広い会長室……。隅っこにあった申し訳程度の秘書机はきれいさっぱりなくなってる。
――――えぇぇぇーーーー!!
私は叫んだ。もちろん心の中で。
ーーー今日から、ここで。この中、『だけ』で? なんでっ?
「業者、昼前には来ると思うから、キミが立ち会って」
素っ気無く、会長は遠い窓際の席についた。
2
お気に入りに追加
1,202
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
この誓いを違えぬと
豆狸
恋愛
「先ほどの誓いを取り消します。女神様に嘘はつけませんもの。私は愛せません。女神様に誓って、この命ある限りジェイク様を愛することはありません」
──私は、絶対にこの誓いを違えることはありません。
※子どもに関するセンシティブな内容があります。
※7/18大公の過去を追加しました。長くて暗くて救いがありませんが、よろしければお読みください。
なろう様でも公開中です。
三百年地縛霊だった伯爵夫人、今世でも虐げられてブチ切れる
村雨 霖
恋愛
父が腰巾着をしていた相手の家に、都合よく使われるために嫁がされたマリーゼ。
虐げられる日々の中、夫の愛人に殺されかけたのをきっかけに、古い記憶が蘇った。
そうだ! 私は前世で虐げられて殺されて、怒りで昇天できずに三百年ほど地縛霊になって、この世に留まっていたのだ。
せっかく生まれ変わったのに、私はまた虐げられている。
しかも大切な人の命まで奪われてしまうなんて……こうなったら亡霊時代の能力を生かして、私、復讐します!
※感想を下さったり、エールを送ってくださった方々、本当にありがとうございます!大感謝です!
だってお義姉様が
砂月ちゃん
恋愛
『だってお義姉様が…… 』『いつもお屋敷でお義姉様にいじめられているの!』と言って、高位貴族令息達に助けを求めて来た可憐な伯爵令嬢。
ところが正義感あふれる彼らが、その意地悪な義姉に会いに行ってみると……
他サイトでも掲載中。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
奪い取るより奪った後のほうが大変だけど、大丈夫なのかしら
キョウキョウ
恋愛
公爵子息のアルフレッドは、侯爵令嬢である私(エヴリーヌ)を呼び出して婚約破棄を言い渡した。
しかも、すぐに私の妹であるドゥニーズを新たな婚約者として迎え入れる。
妹は、私から婚約相手を奪い取った。
いつものように、妹のドゥニーズは姉である私の持っているものを欲しがってのことだろう。
流石に、婚約者まで奪い取ってくるとは予想外たったけれど。
そういう事情があることを、アルフレッドにちゃんと説明したい。
それなのに私の忠告を疑って、聞き流した。
彼は、後悔することになるだろう。
そして妹も、私から婚約者を奪い取った後始末に追われることになる。
2人は、大丈夫なのかしら。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる