くるみの木のパン屋さん2

雪村みおり

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 フウタくんのいえでは、おばあさんがくるしそうに、ベッドでねていました。


「ばあちゃん。くるみおばさんが、ばあちゃんのためにパンをってきてくれたんだよ」

 フウタくんがはなしかけると、おばあさんはそっと目をけました。

「まぁ、くるみさん……。ありがとう……」

「カカリは病気びょうきによくきます。カカリのがたくさん入ったにんじんカカリパンをべて、元気げんきになってくださいね。おだいじに」

 そううと、くるみおばさんは夜道よみちかえっていきました。

 その日はなんだか心配しんぱいで、よくねむれませんでした。




 つぎの日もあさはやくから、くるみおばさんはパンをつくりはじめました。


 パンがきあがるころ、だれかがドアをノックしました。

 そこには、しろいきをはきながら、フウタくんがっていました。


「おばさん、昨日きのうはありがとう。今朝けさ、ばあちゃんのねつがって、すっかり元気げんきになったんだ。おばさんのおかげだよ」

 はなしいたくるみおばさんは、フウタくんの手をとって大喜おおよろこびしました。 
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