くるみの木のパン屋さん2

雪村みおり

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「カカリの病気びょうきをなおす効果こうかがあるし、おばさんがつくったパンなら、ばあちゃんも元気げんきになるかとおもって、それでぼく…………。ごめんなさい」


 そんなフウタくんのはなしいたくるみおばさんは、いたたまれない気持きもちになりました。

「いいわよ。もう、ゆるしてあげる。ただし、二度にどとそういうことはやっちゃだめよ!」

「うん。もう、しません」

「よし。フウタくん、さきいえかえっていて。わたしはこれからパンをつくって、あなたのいえってくわ。おばあさんに、パンをべさせてあげるの」

「えっ、でも、そんなことおばさんにわるいよ」

「そんなことない。わたしも、おばあさんに元気げんきになってもらいたいもの!」

 
 くるみおばさんは、パンをつくりはじめました。

 くだいたカカリを入れてねって、生地きじかたちととのえます。

 そして、自分じぶんはたけから立派りっぱなにんじんを数本すうほんとってきて、にんじんクリームをつくります。
 そのクリームを生地きじのあなからながしこみ、かたちをしっかりととのえて、かまどの中にれました。


 しばらくして、にんじんカカリパンがきあがりました。

 くるみおばさんは、きたてのパンをふくろにたくさんつめこんで、フウタくんのいえへむかいました。
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