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浴室
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ランド領地から手紙が届いてから数日が過ぎた雨の降る夜、レイモンドの風呂の世話に複数名の使用人が動いている。
浴槽に頭を預けたレイモンドは頭と体を洗われ湯に浸かり目蓋を閉じて自分の気持ちを考えていた。
フェリシアに婚約相手がいることを聞いた時に湧いた感情、湯に揺れる白い体と豊かな乳房と木陰で笑うエルマリアに見惚れ、芽生えた感情。
両家の意向で婚約期間は短く、自分のやる気の無さから逢瀬の回数は少なくしてエルマリアに対する嫌悪感を出さないようよく見ていなかった。
木陰で椅子ごと上げられ驚いた顔と自然な笑顔で葉に触れたエルマリアがレイモンドの目蓋の裏に浮かんでいる。 白粉だと思っていた肌は化粧も薄く、赤い唇は紅ではなかった。レイモンドの顔を美男子と言ったり歪んでいると言ったり、風呂では恥ずかしそうに腹を下したとうなじを赤くさせたエルマリアに対し嫌悪感はなかった。
レイモンドはそんなエルマリアを思い浮かべ頬が緩む。
「レイ」
突然聞こえたフェリシアの声に目蓋を開き、振り返ると使用人服を身につけたフェリシアが浴室の扉の前に立っていた。静かな浴室にはフェリシアとレイモンドがいるだけだった。
「…フェリシア…」
「レイ!」
濡れた床を駆けたフェリシアは倒れ込むように湯のなかのレイモンドの胸に抱きつく。とっさに抱き止めたレイモンドはこの状況が理解できず狼狽える。
「ここで…なにを…」
「レイ!どうして会いに来てくれないの!?毎晩窓の鍵は開けているのに…私…待っているのに…」
レイモンドは抱きつくフェリシアを引き離し、久しぶりにその姿を見つめる。美しく愛らしかった桃色の髪は結い上げて帽子に入れ隠している。
「…あ…フェリシア…」
フェリシアは呆けているレイモンドの頬を包み口を合わせる。
「会いたかったの。使用人に頼んで入れてもらったの…おじ様には知られないわ」
「…そうか…」
「レイ…嬉しくないの?」
「いや…驚いただけだ…会いに行くと言ったのに…約束を破った…ごめん」
レイモンドは鼓動を落ち着かせようといつものように接する。それほどフェリシアの行動は常軌を逸していた。
「監視されているの?アプソは部屋にいなかったわ」
「ああ…騒動があっただろう?アプソは忙しい」
「なら!すぐに会いに来てくれてもいいじゃない!外に見張りがいるわけでもないし…会いに来れたのに来なかったのね…」
レイモンドはフェリシアの雰囲気が変わったことを察した。
「悪かったと言ったろう?領地の仕事を回されたし…俺も忙しかった」
「子爵令嬢とは会うのに?」
フェリシアは明日のことを言っている。
「父上の命令なんだ…それに俺たちは夫婦…」
頬を叩く高い音が浴室に響く。フェリシアは激情のままレイモンドを殴った。
「夫婦…?子爵令嬢は…あの下人の欲を受けているんでしょう!?レイは下人の後にあの女を抱くの!?穢らわしい!」
「…フェリシア…」
興奮したフェリシアは息を切らしながら叫んだ。
「お前の使用人は偽薬を渡された…エルマリアは体調を崩しただけで…あの男に抱かれていない」
「そんなことを信じるの!?前のレイだったらあの女の言い分なんて信じなかった!私のことを信じてくれていた!私を愛していると何度も何度も言ったじゃない!私に吐き出せない欲をケリーに…私との未来のためにそうして耐えていたのでしょう?私を守ると…全てから守るって!レイの嘘つき!」
「もう信じられない!」
レイモンドは堪らず叫んだ。自分のなかに溜まったものを吐き出したかった。
「レイ…?私のことを愛していないの?なぜ…そんなことを言うの?あの女がなにを言ったの?お金?そのせい?私よりお金が大切?」
責めるようなフェリシアの青い瞳がひたとレイモンドを見つめる。
「俺に嘘を吐いた」
「嘘…?なに?なんの嘘…?」
「ランディ・ランド」
「叔父様…届いた手紙になにか書いてあったの?叔父様のことは信じないで!少女の私に触れるような人よ!」
「どこに触れた?」
フェリシアはいつもの優しいレイモンドがいないことに気づき始めた。
「ど…こっ…て…言わせないで…思い出したくない!」
「頭を撫でられただけじゃないのか?」
フェリシアはレイモンドの言葉に体を揺らす。
「…え?」
「両親の死に悲しむ姪を慰めていただけじゃないのか?お前はそれを…誤解したのか?それともはじめから俺を騙していたのか?」
「…薄暗い寝室で私の体に触ったの!かわいそうにって!胸や尻や…体を!」
「その寝室にランド家の執事とランディの妻もいたと聞いたがフェリシアは見ていないのか?」
「え…?」
フェリシアは寝台の脇に置かれた蝋燭の灯りが届く範囲しか記憶になかった。 優しい面差しの叔父が慰めるように何度も撫でた…レイモンドの言うとおり頭を何度も…何度も…
「他に人が…?」
レイモンドはフェリシアの表情の変化を見逃さなかった。冷めていく心はかつて熱が籠っていた濃緑の瞳から輝きを消した。
「フェリシア…騒ぎにしたくなければ今すぐ俺の部屋から出ていってくれ」
フェリシアははじめてレイモンドに拒絶され震えながら浴室から飛び出した。
「フェリシア様」
待っていたハンナが走るフェリシアを受け止める。
「ハ…ハンナ…部屋にもど…戻るわ」
フェリシアはふらつく体を支えられながら自室に戻った。
「…フェリシア様?レイモンド様となにを…」
「レイは…レイは…」
フェリシアは窓から外を眺める。暗闇のなか雨粒がガラスを叩く音が聞こえる。
「レイは子爵令嬢に私に会うなと言われたようなの。父親の子爵に言い付けて…共同事業を止めさせる…お金で人を雇って私を襲わせると脅しているそうなの」
「なんて!非道な…貴族令嬢がそんなことを言うなんて…」
フェリシアはハンナに振り返り体を震わせて抱きつく。
「レイは私を守るために仕方なく会っているのよ…おじ様まで騙して…」
「旦那様に報告しましょう!フェリシア様にそんなことを…許せません!」
「駄目よ!おじ様は子爵家のお金を必要としているの!私より子爵令嬢を選ぶわ」
「そんな…どうやってフェリシア様を守れば…」
「うっうっ…皆が頼りなの…レイは私を侯爵夫人にしたいのにって……どうしたらいいの…」
ハンナは慰めるようにフェリシアの背を撫でる。
「旦那様に頼れないなら…フェリシア様を慕う者を集めます…皆で解決策を…」
「ありがとう…ハンナ…ありがとう」
「エルマリア」
蝋燭の灯りも消えている部屋のなか、ザザは眠るエルマリアを見下ろし声をかける。
「待ってろ」
ザザは眠り薬を飲ませたエルマリアの頬に触れ、豊かな乳房を掴んで夜着の上から乳首に吸い付き、赤い唇に口を合わせて金色の頭を撫でる。
雨が夜を一段と暗くさせ、わずかな音も消してくれる。 ザザはエルマリアの寝室からテラスへ出て暗闇のなか目的の部屋を見上げる。
浴槽に頭を預けたレイモンドは頭と体を洗われ湯に浸かり目蓋を閉じて自分の気持ちを考えていた。
フェリシアに婚約相手がいることを聞いた時に湧いた感情、湯に揺れる白い体と豊かな乳房と木陰で笑うエルマリアに見惚れ、芽生えた感情。
両家の意向で婚約期間は短く、自分のやる気の無さから逢瀬の回数は少なくしてエルマリアに対する嫌悪感を出さないようよく見ていなかった。
木陰で椅子ごと上げられ驚いた顔と自然な笑顔で葉に触れたエルマリアがレイモンドの目蓋の裏に浮かんでいる。 白粉だと思っていた肌は化粧も薄く、赤い唇は紅ではなかった。レイモンドの顔を美男子と言ったり歪んでいると言ったり、風呂では恥ずかしそうに腹を下したとうなじを赤くさせたエルマリアに対し嫌悪感はなかった。
レイモンドはそんなエルマリアを思い浮かべ頬が緩む。
「レイ」
突然聞こえたフェリシアの声に目蓋を開き、振り返ると使用人服を身につけたフェリシアが浴室の扉の前に立っていた。静かな浴室にはフェリシアとレイモンドがいるだけだった。
「…フェリシア…」
「レイ!」
濡れた床を駆けたフェリシアは倒れ込むように湯のなかのレイモンドの胸に抱きつく。とっさに抱き止めたレイモンドはこの状況が理解できず狼狽える。
「ここで…なにを…」
「レイ!どうして会いに来てくれないの!?毎晩窓の鍵は開けているのに…私…待っているのに…」
レイモンドは抱きつくフェリシアを引き離し、久しぶりにその姿を見つめる。美しく愛らしかった桃色の髪は結い上げて帽子に入れ隠している。
「…あ…フェリシア…」
フェリシアは呆けているレイモンドの頬を包み口を合わせる。
「会いたかったの。使用人に頼んで入れてもらったの…おじ様には知られないわ」
「…そうか…」
「レイ…嬉しくないの?」
「いや…驚いただけだ…会いに行くと言ったのに…約束を破った…ごめん」
レイモンドは鼓動を落ち着かせようといつものように接する。それほどフェリシアの行動は常軌を逸していた。
「監視されているの?アプソは部屋にいなかったわ」
「ああ…騒動があっただろう?アプソは忙しい」
「なら!すぐに会いに来てくれてもいいじゃない!外に見張りがいるわけでもないし…会いに来れたのに来なかったのね…」
レイモンドはフェリシアの雰囲気が変わったことを察した。
「悪かったと言ったろう?領地の仕事を回されたし…俺も忙しかった」
「子爵令嬢とは会うのに?」
フェリシアは明日のことを言っている。
「父上の命令なんだ…それに俺たちは夫婦…」
頬を叩く高い音が浴室に響く。フェリシアは激情のままレイモンドを殴った。
「夫婦…?子爵令嬢は…あの下人の欲を受けているんでしょう!?レイは下人の後にあの女を抱くの!?穢らわしい!」
「…フェリシア…」
興奮したフェリシアは息を切らしながら叫んだ。
「お前の使用人は偽薬を渡された…エルマリアは体調を崩しただけで…あの男に抱かれていない」
「そんなことを信じるの!?前のレイだったらあの女の言い分なんて信じなかった!私のことを信じてくれていた!私を愛していると何度も何度も言ったじゃない!私に吐き出せない欲をケリーに…私との未来のためにそうして耐えていたのでしょう?私を守ると…全てから守るって!レイの嘘つき!」
「もう信じられない!」
レイモンドは堪らず叫んだ。自分のなかに溜まったものを吐き出したかった。
「レイ…?私のことを愛していないの?なぜ…そんなことを言うの?あの女がなにを言ったの?お金?そのせい?私よりお金が大切?」
責めるようなフェリシアの青い瞳がひたとレイモンドを見つめる。
「俺に嘘を吐いた」
「嘘…?なに?なんの嘘…?」
「ランディ・ランド」
「叔父様…届いた手紙になにか書いてあったの?叔父様のことは信じないで!少女の私に触れるような人よ!」
「どこに触れた?」
フェリシアはいつもの優しいレイモンドがいないことに気づき始めた。
「ど…こっ…て…言わせないで…思い出したくない!」
「頭を撫でられただけじゃないのか?」
フェリシアはレイモンドの言葉に体を揺らす。
「…え?」
「両親の死に悲しむ姪を慰めていただけじゃないのか?お前はそれを…誤解したのか?それともはじめから俺を騙していたのか?」
「…薄暗い寝室で私の体に触ったの!かわいそうにって!胸や尻や…体を!」
「その寝室にランド家の執事とランディの妻もいたと聞いたがフェリシアは見ていないのか?」
「え…?」
フェリシアは寝台の脇に置かれた蝋燭の灯りが届く範囲しか記憶になかった。 優しい面差しの叔父が慰めるように何度も撫でた…レイモンドの言うとおり頭を何度も…何度も…
「他に人が…?」
レイモンドはフェリシアの表情の変化を見逃さなかった。冷めていく心はかつて熱が籠っていた濃緑の瞳から輝きを消した。
「フェリシア…騒ぎにしたくなければ今すぐ俺の部屋から出ていってくれ」
フェリシアははじめてレイモンドに拒絶され震えながら浴室から飛び出した。
「フェリシア様」
待っていたハンナが走るフェリシアを受け止める。
「ハ…ハンナ…部屋にもど…戻るわ」
フェリシアはふらつく体を支えられながら自室に戻った。
「…フェリシア様?レイモンド様となにを…」
「レイは…レイは…」
フェリシアは窓から外を眺める。暗闇のなか雨粒がガラスを叩く音が聞こえる。
「レイは子爵令嬢に私に会うなと言われたようなの。父親の子爵に言い付けて…共同事業を止めさせる…お金で人を雇って私を襲わせると脅しているそうなの」
「なんて!非道な…貴族令嬢がそんなことを言うなんて…」
フェリシアはハンナに振り返り体を震わせて抱きつく。
「レイは私を守るために仕方なく会っているのよ…おじ様まで騙して…」
「旦那様に報告しましょう!フェリシア様にそんなことを…許せません!」
「駄目よ!おじ様は子爵家のお金を必要としているの!私より子爵令嬢を選ぶわ」
「そんな…どうやってフェリシア様を守れば…」
「うっうっ…皆が頼りなの…レイは私を侯爵夫人にしたいのにって……どうしたらいいの…」
ハンナは慰めるようにフェリシアの背を撫でる。
「旦那様に頼れないなら…フェリシア様を慕う者を集めます…皆で解決策を…」
「ありがとう…ハンナ…ありがとう」
「エルマリア」
蝋燭の灯りも消えている部屋のなか、ザザは眠るエルマリアを見下ろし声をかける。
「待ってろ」
ザザは眠り薬を飲ませたエルマリアの頬に触れ、豊かな乳房を掴んで夜着の上から乳首に吸い付き、赤い唇に口を合わせて金色の頭を撫でる。
雨が夜を一段と暗くさせ、わずかな音も消してくれる。 ザザはエルマリアの寝室からテラスへ出て暗闇のなか目的の部屋を見上げる。
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