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フェリシア
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真夜中にレイモンドの部屋の扉が鳴り、許可を得た女は薄く開け、身を滑らせ中へと入る。
「なんだ?」
「レイモンド様」
レイモンドは眉間にしわを寄せて女を見る。ケリーは頬を染めながら懐から手紙を出した。
「フェリシア様からです」
レイモンドは手紙を受け取りテーブルに置いた。
「最近は…いつもの時間にいらっしゃらないですね。欲は溜まっていませんか?」
顔も見ずに犯した使用人がフェリシアの専属使用人だと知ったレイモンドは驚いたが、上級使用人を抱くための金もなく下級使用人に手を出すしかなかった。抱かれたことをフェリシアに告げていない女に安堵した。
「そんな気分じゃない」
フェリシアの顔がちらつき萎えてしまうなどとは言えず、残念そうな顔をする女から視線を逸らして手紙を広げる。
手紙からはフェリシアの甘い匂いが漂い存在を主張するようだった。
「返事を待っています」
「フェリシアには静かに過ごすよう言っただろう?それは数日の話じゃない…数か月の話だ」
「とても不安そうです」
「わかっているが…これ以上エルマリアをぞんざいに扱うとシモンズへ戻ってしまう。結婚したといっても純潔なんだ…次の相手に証明書を渡せる…エルマリアはフローレンを出ていったって構わない…そんな感じだ。シモンズは爵位に興味がないとは聞いていたがエルマリアまで……このままではフローレンは落ちぶれる。お前だって職を失いたくはないだろう?」
レイモンドには考える時間が必要だった。愛するフェリシアから聞き続けた嘘の話を自身のなかでどうにもできなかった。少し距離を置きたかった。
「シモンズ子爵令嬢とは離婚されないのですか?」
「今はできないと言っている」
「フェリシア様に待てと…」
「そうだ。今はエルマリアの機嫌をとり…許可を得たら…閨も共にして次の嫁ぎ先のことなど考えられないようにしたら…いいなりだろう…傷物で嫁ぐのは令嬢の恥になる。フローレンにはエルマリアの持参金が必要なんだ」
レイモンドは愛を語る手紙を畳み、女に出ていくよう手を振った。そのとき扉が叩かれアプソが顔を出した。
「おや?ほお…レイモンド様、フェリシア様の使用人になんの用で?」
「手紙のやり取りも禁止か?…渡されただけだ」
アプソはレイモンドに近づき手紙をとりあげ広げる。
「アプソ…やめろ」
「…ふむ…読んでいて恥ずかしいな…必死か。レイモンド様がはっきりと拒絶しないから仕方ないのですが」
「拒絶などできるか…フェリシアだぞ…お前だって長い付き合いだろう?」
「ええ…離れた位置から観察していました。ケリー、手紙は受け取ったが…なぜまだいる?」
「あ…失礼します」
アプソは閉じられた扉を見つめる。
「レイモンド様、いくら金を渡せないからとケリーに手を出すとは」
「なんの話だ」
「とぼけるとは…無駄なことをするのですね」
「…たまたま見つけた女があれだった…顔も見ずに吐き出したんだ…わからないだろう」
「戯れもいいのですが、エルマリア様と仲は深められそうですか?旦那様が気にしています。もちろん我らも」
「職を失うからか?」
「ちゃんと理解しているじゃないですか。なぜ初日からしてくれなかったのかと責めたいくらいです」
レイモンドはアプソに対してなにも言い返せなかった。
「エルマリア様はフローレンに見切りをつけて他家へ嫁ぎたいでしょうね。シモンズの至宝と言われ、滅多に表に出なかったエルマリア様の人気は高い。白い肌にたわわな乳房は…令息の申し込みは多いでしょう」
「アプソ、意地悪を言うな。エルマリアがこの邸を出ていかないよう気を遣う。大切にする…フェリシアは…ランドから返信は来たか?」
「旦那様は早馬を出しましたがあちらは急いでいないでしょう…ですが問題がなければそろそろ到着します。ランドが受け入れるならば旦那様をどう説得してフェリシア様をこの邸に置くのですか?」
アプソの意地悪そうなつり目がレイモンドを見る。
「フェリシアは…ランドに戻す」
レイモンドの返事が予想と違いアプソは細目を見開き眼鏡の位置を直す。
「やっと現実を理解されましたか。フローレンは生き残れるのかと不安でしたよ」
「冷たいやつだな、アプソ」
「私はフェリシア様よりフローレン侯爵家のほうが大切ですよ」
「ケリー!レイは?なんて?」
フェリシアの部屋に戻ったケリーは困ったように眉尻を下げる。
「数か月、我慢をしてほしいと…シモンズ子爵令嬢の持参金が失くなってはフローレンは終わりだと…」
「そんな…数か月…おじ様はその間に私をランド領に戻すわ…嫌よ!」
「ですがフェリシア様、このままではフローレン侯爵家が没落してしまいます…奥様が集めた高額な絵画も売りに出したそうです」
廊下の絵画は安いものに代えられただけだったとフェリシアはフローレン侯爵家の窮状を理解しはじめたがレイモンドを想う心は止められなかった。
「それでも…レイがあの女と閨をするのは耐えられない!本当の夫婦になってしまうわ…」
「子爵令嬢は未だ純潔です。離婚してもフローレン侯爵家が有責…持参金も戻り次の家に嫁ぐ…レイモンド様はそれを阻止しようとしているのでしょう」
「純潔…でも子爵令嬢はレイと楽しそうに話していたわ…レイは国で一番の美男子と言われるほどなのよ…彼女がフローレンから離れると思えないわ…私がいなくなるのを待っているのよ!」
「…子爵令嬢が純潔ではなく…その相手がレイモンド様でないなら」
「ケリー?なにを言っているの?」
「子爵令嬢がそばに置いている男は風呂の世話までしているようです。洗濯女だったカイナ一人では難しいですから…あの男は金で寂しい女を抱くような男…そんな男を近くに置くなんて…穢らわしい…貴族令嬢の考えることではないです」
「子爵令嬢は知らないのかも」
「いえ…レイモンド様がその事実を伝えたそうですが気にする素振りはなかったと聞きました」
フェリシアは両手で口を覆う。
「…彼女は知っていて?やっぱり…純潔はその男に捧げてレイに責任を取らせるつもり?結婚したもの…誰でもレイが相手と思うわ…まさか…もう?」
「わかりません。子爵令嬢の部屋にはカイナがいるか鍵を閉めてしまいます。情事の汚れなどカイナに任せればいい…だからカイナを選んだのでしょうか?」
「そんな女にレイを取られるの?私は…ランドに戻されて…?」
「フェリシア様」
フェリシアはケリーに抱きつき、本格的に泣き始めた。
「いや…いや…う…皆と離れたくない…ここが私の…居場所なのにぃ…うぅ…」
ケリーはフェリシアの背中を撫でる。
「フェリシア様…シモンズに有責があれば持参金の返金もなく離婚ができます…」
「…ケリー…なにを言っているの?」
フェリシアはケリーの胸で小さく呟く。
「純潔の検査をもう一度受けさせ…旦那様も…子爵令嬢が純潔でなかったら…黙ってはいられないでしょう」
「…そんなことできるの…?」
「疑惑を作ればいいだけです…フェリシア様…ずっと…ずっと…フローレンで暮らせます」
フェリシアはケリーの言葉に希望を持つ。
「そうよ…私はずっとレイのそばにいたの…これからもそうよ…」
「なんだ?」
「レイモンド様」
レイモンドは眉間にしわを寄せて女を見る。ケリーは頬を染めながら懐から手紙を出した。
「フェリシア様からです」
レイモンドは手紙を受け取りテーブルに置いた。
「最近は…いつもの時間にいらっしゃらないですね。欲は溜まっていませんか?」
顔も見ずに犯した使用人がフェリシアの専属使用人だと知ったレイモンドは驚いたが、上級使用人を抱くための金もなく下級使用人に手を出すしかなかった。抱かれたことをフェリシアに告げていない女に安堵した。
「そんな気分じゃない」
フェリシアの顔がちらつき萎えてしまうなどとは言えず、残念そうな顔をする女から視線を逸らして手紙を広げる。
手紙からはフェリシアの甘い匂いが漂い存在を主張するようだった。
「返事を待っています」
「フェリシアには静かに過ごすよう言っただろう?それは数日の話じゃない…数か月の話だ」
「とても不安そうです」
「わかっているが…これ以上エルマリアをぞんざいに扱うとシモンズへ戻ってしまう。結婚したといっても純潔なんだ…次の相手に証明書を渡せる…エルマリアはフローレンを出ていったって構わない…そんな感じだ。シモンズは爵位に興味がないとは聞いていたがエルマリアまで……このままではフローレンは落ちぶれる。お前だって職を失いたくはないだろう?」
レイモンドには考える時間が必要だった。愛するフェリシアから聞き続けた嘘の話を自身のなかでどうにもできなかった。少し距離を置きたかった。
「シモンズ子爵令嬢とは離婚されないのですか?」
「今はできないと言っている」
「フェリシア様に待てと…」
「そうだ。今はエルマリアの機嫌をとり…許可を得たら…閨も共にして次の嫁ぎ先のことなど考えられないようにしたら…いいなりだろう…傷物で嫁ぐのは令嬢の恥になる。フローレンにはエルマリアの持参金が必要なんだ」
レイモンドは愛を語る手紙を畳み、女に出ていくよう手を振った。そのとき扉が叩かれアプソが顔を出した。
「おや?ほお…レイモンド様、フェリシア様の使用人になんの用で?」
「手紙のやり取りも禁止か?…渡されただけだ」
アプソはレイモンドに近づき手紙をとりあげ広げる。
「アプソ…やめろ」
「…ふむ…読んでいて恥ずかしいな…必死か。レイモンド様がはっきりと拒絶しないから仕方ないのですが」
「拒絶などできるか…フェリシアだぞ…お前だって長い付き合いだろう?」
「ええ…離れた位置から観察していました。ケリー、手紙は受け取ったが…なぜまだいる?」
「あ…失礼します」
アプソは閉じられた扉を見つめる。
「レイモンド様、いくら金を渡せないからとケリーに手を出すとは」
「なんの話だ」
「とぼけるとは…無駄なことをするのですね」
「…たまたま見つけた女があれだった…顔も見ずに吐き出したんだ…わからないだろう」
「戯れもいいのですが、エルマリア様と仲は深められそうですか?旦那様が気にしています。もちろん我らも」
「職を失うからか?」
「ちゃんと理解しているじゃないですか。なぜ初日からしてくれなかったのかと責めたいくらいです」
レイモンドはアプソに対してなにも言い返せなかった。
「エルマリア様はフローレンに見切りをつけて他家へ嫁ぎたいでしょうね。シモンズの至宝と言われ、滅多に表に出なかったエルマリア様の人気は高い。白い肌にたわわな乳房は…令息の申し込みは多いでしょう」
「アプソ、意地悪を言うな。エルマリアがこの邸を出ていかないよう気を遣う。大切にする…フェリシアは…ランドから返信は来たか?」
「旦那様は早馬を出しましたがあちらは急いでいないでしょう…ですが問題がなければそろそろ到着します。ランドが受け入れるならば旦那様をどう説得してフェリシア様をこの邸に置くのですか?」
アプソの意地悪そうなつり目がレイモンドを見る。
「フェリシアは…ランドに戻す」
レイモンドの返事が予想と違いアプソは細目を見開き眼鏡の位置を直す。
「やっと現実を理解されましたか。フローレンは生き残れるのかと不安でしたよ」
「冷たいやつだな、アプソ」
「私はフェリシア様よりフローレン侯爵家のほうが大切ですよ」
「ケリー!レイは?なんて?」
フェリシアの部屋に戻ったケリーは困ったように眉尻を下げる。
「数か月、我慢をしてほしいと…シモンズ子爵令嬢の持参金が失くなってはフローレンは終わりだと…」
「そんな…数か月…おじ様はその間に私をランド領に戻すわ…嫌よ!」
「ですがフェリシア様、このままではフローレン侯爵家が没落してしまいます…奥様が集めた高額な絵画も売りに出したそうです」
廊下の絵画は安いものに代えられただけだったとフェリシアはフローレン侯爵家の窮状を理解しはじめたがレイモンドを想う心は止められなかった。
「それでも…レイがあの女と閨をするのは耐えられない!本当の夫婦になってしまうわ…」
「子爵令嬢は未だ純潔です。離婚してもフローレン侯爵家が有責…持参金も戻り次の家に嫁ぐ…レイモンド様はそれを阻止しようとしているのでしょう」
「純潔…でも子爵令嬢はレイと楽しそうに話していたわ…レイは国で一番の美男子と言われるほどなのよ…彼女がフローレンから離れると思えないわ…私がいなくなるのを待っているのよ!」
「…子爵令嬢が純潔ではなく…その相手がレイモンド様でないなら」
「ケリー?なにを言っているの?」
「子爵令嬢がそばに置いている男は風呂の世話までしているようです。洗濯女だったカイナ一人では難しいですから…あの男は金で寂しい女を抱くような男…そんな男を近くに置くなんて…穢らわしい…貴族令嬢の考えることではないです」
「子爵令嬢は知らないのかも」
「いえ…レイモンド様がその事実を伝えたそうですが気にする素振りはなかったと聞きました」
フェリシアは両手で口を覆う。
「…彼女は知っていて?やっぱり…純潔はその男に捧げてレイに責任を取らせるつもり?結婚したもの…誰でもレイが相手と思うわ…まさか…もう?」
「わかりません。子爵令嬢の部屋にはカイナがいるか鍵を閉めてしまいます。情事の汚れなどカイナに任せればいい…だからカイナを選んだのでしょうか?」
「そんな女にレイを取られるの?私は…ランドに戻されて…?」
「フェリシア様」
フェリシアはケリーに抱きつき、本格的に泣き始めた。
「いや…いや…う…皆と離れたくない…ここが私の…居場所なのにぃ…うぅ…」
ケリーはフェリシアの背中を撫でる。
「フェリシア様…シモンズに有責があれば持参金の返金もなく離婚ができます…」
「…ケリー…なにを言っているの?」
フェリシアはケリーの胸で小さく呟く。
「純潔の検査をもう一度受けさせ…旦那様も…子爵令嬢が純潔でなかったら…黙ってはいられないでしょう」
「…そんなことできるの…?」
「疑惑を作ればいいだけです…フェリシア様…ずっと…ずっと…フローレンで暮らせます」
フェリシアはケリーの言葉に希望を持つ。
「そうよ…私はずっとレイのそばにいたの…これからもそうよ…」
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