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丘へ6
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ゾルダーク領にあるゾルダーク公爵邸は小さな山を有した敷地があり、森に加え川が流れ自然が溢れる場所だ。邸から馬に乗り川の近くにある花畑に向かい、今は空色と子がオットーに手向ける花を選んでいる。俺はそれを横で見ながら集められる花置き場になっている。
「黄色に白…薄い赤に薄い紫…このくらいでいいかしら、ね。母様」
空色の隣に座り込んでいるクレアが俺の足の上に広がる花を見ながら話している。
「ふふ、たくさんね。紐は持っているの?」
「テオが持ってるわ」
クレアの言葉に空色は頷いている。レオンは花畑から離れた場所で花を探しているようだ。テオの姿もない。
「テオは深い緑の花を探すと言うの」
クレアの言葉に理由を知る。オットーの老いた髪は深い緑だったことをテオは知ったらしい。
「見たことがないわ」
「私も」
「ハンクは見たことがある?」
花を摘みながら見上げる空色の瞳は笑み、木漏れ日に光り輝き美しさを増している。
「ないな」
俺は異国からも花を取り寄せているが、そんな色の花は知らん。口を合わせたくても子が邪魔だな。
「母上」
レオンがハロルドと共に川の方から現れ呼んだ。
「ち…お祖父様…なにして……」
これが俺の罰らしいからな。こいつも驚くほど俺らしくないか。
「ふふふ、レオン。綺麗な花を見つけたのね。お祖父様に渡して」
胡座をかいた俺の膝の上には布が敷かれ、その上に花が溢れる。レオンは空色の指示通り濃い紫の花を手に花畑に踏み入り俺の膝の上に置いた。
「やっぱり緑の花はなかった」
レオンはクレアの隣に座り、ハロルドから水筒を受け取っている。
「テオはどこまで行ったのかしら…」
クレアの不安そうな声にレオンが答える。
「ニックが一緒だから迷わないよ。諦めて戻ってくる」
「あっテオ!」
いち早く片割れを見つけ手を振るクレアの視線の先に耳を傾けると足音が届く。
「見つけた?」
クレアの問いにテオが答える。
「花はなかった、から…綺麗な深い緑の葉の木の枝を折った」
その言葉に首を傾げ見てみると、テオの手には赤い花と艶のある深い緑の葉がついた枝があった。あれは奥まった場所にある木だなと頭を過る。
「綺麗!真っ赤な花が可愛い」
はしゃぐ子が見せろと手を伸ばしている。
「折るなよ」
テオはクレアに花のついた木の枝を渡した後、俺の膝に乗る花に視線を移した。
「お前が紐を持っていると聞いた。出せ」
もう十分花は摘んだ。この後はオットーの墓に向かい、墓参りを終えたら俺達は小屋に向かう。
「母様、この枝も一緒に束ねられるかしら」
空色は俺の膝に広がる花を手に取り纏めている。多彩な花が集まり空色は鼻を近づけ匂いを嗅いだ。
「クレア、この花束の…ここに入れるわ」
空色の作った花束を支えるように深い緑の葉をつけた木の枝。それを見たテオは懐から出し持っていた黒い紐で茎と枝を離れないよう巻いてきつく縛っている。空色は微笑みながらそれを見つめている。
「できたわね。ふふ、立派な花束ね、テオ」
「うん…僕が持ってく」
空色はテオの紺色の頭に手を伸ばし撫で、髪に絡んだ緑の葉を払う。俺はそれを見て、こいつが自ら木に登ったと察しニックに視線を送る。俺の視線を捉えたニックの緑の瞳がそうだと答えている。テオに視線を戻し、どこか傷でも作っていないか確認するが無いようだ。
「行くぞ」
俺の言葉に子らが立ち上がり、俺は空色に手を伸ばす。空色の瞳が笑んで俺の手を掴み立ち上がり見下ろす。俺は座り込んだまま動かず、子らが離れていくのを待った。
「ハンク?」
動かない俺の頬を花の匂いをつけた柔らかい手のひらが触れる。
「ああ、木漏れ日がな…お前に降り注ぎ…美しい」
俺の言葉に頬を染める空色を見つめ額を指差し願う。
「ふふ」
空色は体を屈めて俺の額に口を落とした。
花畑からオットーの眠る墓地まで馬を歩かせ半時、私は初めて訪れるゾルダークの使用人の墓地の広さに驚く。ハンクと手を繋ぎながら歩き、辺りを見回す。
「疲れたか?」
「疲れてないわ。座って花を摘んで馬に乗っていただけだもの」
オットーの墓に花を手向けた後はハンクと共に小屋に行く。一度邸に寄って、荷物を持ち馬で向かう。私達は一晩、小屋で過ごす。ハンクはその後、レオンを連れて町へ行く予定を立てている。
「あそこだ」
周りに置かれた石よりも新しい墓石がある場所で立ち止まる。テオは花束を墓石の前に置き動かなくなった。レオンもクレアも口を閉ざしてオットーの墓石を見つめている。私はその三人の背を見つめ、満足するまで待とうと思っていたのにハンクの手が腰を掴み私の体を子供達から離していく。ハンクに導かれながら馬の方へ進む。
「せっかちよ」
私の声は届いているはずなのにハンクは口を閉ざしている。見上げると口の端しが僅かに上がっているように見えて愛しさが溢れる。楽しみにしていたのよ。王都を発ってから機嫌がいいもの。
「乗せるぞ」
ハンクは私を馬に乗せようと手を伸ばして腰を掴んだ。大きな手が私を持ち上げる。馬体を跨ぎ手綱を掴んでハンクを待つ。視線を濃い紺色に移し見つめていても黒い瞳は私を見上げて動かない。
「どうしたの?行くのでしょう?」
何故かしら…?眉間にしわが増えているし、口も曲げてる。
「ハンク?」
「…行くぞ」
ハンクは馬に乗り上げ片腕を私の腹に回し、馬の腹を軽く蹴り駆けた。緩やかな斜面を巧みに馬を操り邸へ向かっている。ハンクの雰囲気が変わった。明らかに何か起こったのだと、不安になり首を傾げ振り返っても子供達の様子は変わらずオットーの墓の前にある。ソーマだけが僅かに動き出したのを確認して私は視線をハンクに戻す。逞しい胸に頭を預け顔を見ても表情が固くなってしまった。困ったことが起きていないといい。
邸に着くとハンクは私を抱いたまま離さず部屋に入れた。当主の寝室にある大きな寝台に私を下ろしたハンクは体を屈めて私の編上げの長い靴の紐をほどき始める。
「ハンク?」
何度目かの尋ねに黒い瞳が私を見上げながら靴を脱がせる。靴下まで脱がし私の足を持ち、優しく触れる。黒い瞳は視線を下ろし晒された素足をしつこく見つめ何かを探しているよう。
「傷はないな…」
ハンクの小さな呟きが聞こえた。
「痛くないわ」
私の声に顔を上げたハンクは随分真剣な表情で目元険しく見つめている。私も同じように眉間に力が籠ってしまう。
「動くな…嫌がるなよ」
ハンクは私の履いているトラウザーズの腰紐を緩め、手を忍ばせた。驚いた私の体は揺れる。太い指が秘所に触れた後、トラウザーズから抜いた。意味のわからない行動に首を傾げる私の視界に血で濡れたハンクの指が見えた。
「え!?なっ…」
「ああ…月の物が始まった」
そんな…七日も早く来てしまったの?…ハンク…どうして気づいたのかしら…
「馬に乗せるとき血の匂いが漂った」
…私の下腹さえまだ痛みが始まらないのに…でもそろそろ痛み出すわね。
私は懐からハンカチを取り出し、ハンクの指の汚れを拭き取りながら考える。とても楽しみにしていたのに困ったわ。血の原因が足にあるかもしれないから見ていたのね。
「メイドを呼ぶ」
そうね、着替えなくてはならないわ。でも…
「ハンク」
立ち上がったハンクの黒い瞳が私を見下ろす。
「ごめんなさい」
したくもない花摘に付き合うほど小屋へ行くのを楽しみにしていたのに。
「謝ることじゃない。痛みは?」
私は下腹を撫でながら、少しと答える。私も楽しくて嬉しくて幸せで下腹の痛みに気づいていなかった。今は感じ始めている。ハンクは手を伸ばして私の頬に触れる。私はいつものように大きな手に頬を擦り寄せる。
「側にいる」
「ええ」
ハンクはジュノを呼ぶため寝室から出ていった。
「黄色に白…薄い赤に薄い紫…このくらいでいいかしら、ね。母様」
空色の隣に座り込んでいるクレアが俺の足の上に広がる花を見ながら話している。
「ふふ、たくさんね。紐は持っているの?」
「テオが持ってるわ」
クレアの言葉に空色は頷いている。レオンは花畑から離れた場所で花を探しているようだ。テオの姿もない。
「テオは深い緑の花を探すと言うの」
クレアの言葉に理由を知る。オットーの老いた髪は深い緑だったことをテオは知ったらしい。
「見たことがないわ」
「私も」
「ハンクは見たことがある?」
花を摘みながら見上げる空色の瞳は笑み、木漏れ日に光り輝き美しさを増している。
「ないな」
俺は異国からも花を取り寄せているが、そんな色の花は知らん。口を合わせたくても子が邪魔だな。
「母上」
レオンがハロルドと共に川の方から現れ呼んだ。
「ち…お祖父様…なにして……」
これが俺の罰らしいからな。こいつも驚くほど俺らしくないか。
「ふふふ、レオン。綺麗な花を見つけたのね。お祖父様に渡して」
胡座をかいた俺の膝の上には布が敷かれ、その上に花が溢れる。レオンは空色の指示通り濃い紫の花を手に花畑に踏み入り俺の膝の上に置いた。
「やっぱり緑の花はなかった」
レオンはクレアの隣に座り、ハロルドから水筒を受け取っている。
「テオはどこまで行ったのかしら…」
クレアの不安そうな声にレオンが答える。
「ニックが一緒だから迷わないよ。諦めて戻ってくる」
「あっテオ!」
いち早く片割れを見つけ手を振るクレアの視線の先に耳を傾けると足音が届く。
「見つけた?」
クレアの問いにテオが答える。
「花はなかった、から…綺麗な深い緑の葉の木の枝を折った」
その言葉に首を傾げ見てみると、テオの手には赤い花と艶のある深い緑の葉がついた枝があった。あれは奥まった場所にある木だなと頭を過る。
「綺麗!真っ赤な花が可愛い」
はしゃぐ子が見せろと手を伸ばしている。
「折るなよ」
テオはクレアに花のついた木の枝を渡した後、俺の膝に乗る花に視線を移した。
「お前が紐を持っていると聞いた。出せ」
もう十分花は摘んだ。この後はオットーの墓に向かい、墓参りを終えたら俺達は小屋に向かう。
「母様、この枝も一緒に束ねられるかしら」
空色は俺の膝に広がる花を手に取り纏めている。多彩な花が集まり空色は鼻を近づけ匂いを嗅いだ。
「クレア、この花束の…ここに入れるわ」
空色の作った花束を支えるように深い緑の葉をつけた木の枝。それを見たテオは懐から出し持っていた黒い紐で茎と枝を離れないよう巻いてきつく縛っている。空色は微笑みながらそれを見つめている。
「できたわね。ふふ、立派な花束ね、テオ」
「うん…僕が持ってく」
空色はテオの紺色の頭に手を伸ばし撫で、髪に絡んだ緑の葉を払う。俺はそれを見て、こいつが自ら木に登ったと察しニックに視線を送る。俺の視線を捉えたニックの緑の瞳がそうだと答えている。テオに視線を戻し、どこか傷でも作っていないか確認するが無いようだ。
「行くぞ」
俺の言葉に子らが立ち上がり、俺は空色に手を伸ばす。空色の瞳が笑んで俺の手を掴み立ち上がり見下ろす。俺は座り込んだまま動かず、子らが離れていくのを待った。
「ハンク?」
動かない俺の頬を花の匂いをつけた柔らかい手のひらが触れる。
「ああ、木漏れ日がな…お前に降り注ぎ…美しい」
俺の言葉に頬を染める空色を見つめ額を指差し願う。
「ふふ」
空色は体を屈めて俺の額に口を落とした。
花畑からオットーの眠る墓地まで馬を歩かせ半時、私は初めて訪れるゾルダークの使用人の墓地の広さに驚く。ハンクと手を繋ぎながら歩き、辺りを見回す。
「疲れたか?」
「疲れてないわ。座って花を摘んで馬に乗っていただけだもの」
オットーの墓に花を手向けた後はハンクと共に小屋に行く。一度邸に寄って、荷物を持ち馬で向かう。私達は一晩、小屋で過ごす。ハンクはその後、レオンを連れて町へ行く予定を立てている。
「あそこだ」
周りに置かれた石よりも新しい墓石がある場所で立ち止まる。テオは花束を墓石の前に置き動かなくなった。レオンもクレアも口を閉ざしてオットーの墓石を見つめている。私はその三人の背を見つめ、満足するまで待とうと思っていたのにハンクの手が腰を掴み私の体を子供達から離していく。ハンクに導かれながら馬の方へ進む。
「せっかちよ」
私の声は届いているはずなのにハンクは口を閉ざしている。見上げると口の端しが僅かに上がっているように見えて愛しさが溢れる。楽しみにしていたのよ。王都を発ってから機嫌がいいもの。
「乗せるぞ」
ハンクは私を馬に乗せようと手を伸ばして腰を掴んだ。大きな手が私を持ち上げる。馬体を跨ぎ手綱を掴んでハンクを待つ。視線を濃い紺色に移し見つめていても黒い瞳は私を見上げて動かない。
「どうしたの?行くのでしょう?」
何故かしら…?眉間にしわが増えているし、口も曲げてる。
「ハンク?」
「…行くぞ」
ハンクは馬に乗り上げ片腕を私の腹に回し、馬の腹を軽く蹴り駆けた。緩やかな斜面を巧みに馬を操り邸へ向かっている。ハンクの雰囲気が変わった。明らかに何か起こったのだと、不安になり首を傾げ振り返っても子供達の様子は変わらずオットーの墓の前にある。ソーマだけが僅かに動き出したのを確認して私は視線をハンクに戻す。逞しい胸に頭を預け顔を見ても表情が固くなってしまった。困ったことが起きていないといい。
邸に着くとハンクは私を抱いたまま離さず部屋に入れた。当主の寝室にある大きな寝台に私を下ろしたハンクは体を屈めて私の編上げの長い靴の紐をほどき始める。
「ハンク?」
何度目かの尋ねに黒い瞳が私を見上げながら靴を脱がせる。靴下まで脱がし私の足を持ち、優しく触れる。黒い瞳は視線を下ろし晒された素足をしつこく見つめ何かを探しているよう。
「傷はないな…」
ハンクの小さな呟きが聞こえた。
「痛くないわ」
私の声に顔を上げたハンクは随分真剣な表情で目元険しく見つめている。私も同じように眉間に力が籠ってしまう。
「動くな…嫌がるなよ」
ハンクは私の履いているトラウザーズの腰紐を緩め、手を忍ばせた。驚いた私の体は揺れる。太い指が秘所に触れた後、トラウザーズから抜いた。意味のわからない行動に首を傾げる私の視界に血で濡れたハンクの指が見えた。
「え!?なっ…」
「ああ…月の物が始まった」
そんな…七日も早く来てしまったの?…ハンク…どうして気づいたのかしら…
「馬に乗せるとき血の匂いが漂った」
…私の下腹さえまだ痛みが始まらないのに…でもそろそろ痛み出すわね。
私は懐からハンカチを取り出し、ハンクの指の汚れを拭き取りながら考える。とても楽しみにしていたのに困ったわ。血の原因が足にあるかもしれないから見ていたのね。
「メイドを呼ぶ」
そうね、着替えなくてはならないわ。でも…
「ハンク」
立ち上がったハンクの黒い瞳が私を見下ろす。
「ごめんなさい」
したくもない花摘に付き合うほど小屋へ行くのを楽しみにしていたのに。
「謝ることじゃない。痛みは?」
私は下腹を撫でながら、少しと答える。私も楽しくて嬉しくて幸せで下腹の痛みに気づいていなかった。今は感じ始めている。ハンクは手を伸ばして私の頬に触れる。私はいつものように大きな手に頬を擦り寄せる。
「側にいる」
「ええ」
ハンクはジュノを呼ぶため寝室から出ていった。
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