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1話
しおりを挟むあるところに獅子獣人の一族が治める王国があった。次期国王となる獅子獣人の青年は容姿も頭も武術も長けた秀才で人望も厚かったが、一点、同族の異性を毛嫌いし中々伴侶をつくらないことが親や大臣達の悩みだった。
「ロワ様、またいつでも来てくださいね!」
「おう、またな。」
早朝、まだ人通りが少ない市場の石畳みを獅子獣人の青年が歩く。上質な赤いジャケットの前は開いていて、その下の金色の肉体美を強調していた。
彼の休日はこうして始まる。街の娼館で雌を抱いて一晩を過ごし、戻って寝る。立派なたてがみと穏やかな瞳の彼には雌の方から寄ってくる。次期国王にしては随分砕けた生活に思えるが、それが民に親近感を沸かせた。
「ロワ、また女遊びか。駄目とは言わないからお前が街に泊まるのはやめろ。何かあったらどうする。」
帰って早々国王である父親に出くわして、それまでの満足感が吹き飛んだ。
「ここでやろうが街でやろうがどうせ護衛が盗み見聞きしてるんだからかわらないだろ。」
それに、用意されるのはどうせ娼婦ではなく貴族の婚約候補。富か名誉にしか興味のない連中だ。
それなら、たとえ娼婦と客の関係であろうと愉しむことを目的とする街の娼館の方が遥かに気楽だ。次期国王の寵愛を受けられて光栄だとかどうとかよりも、たてがみを撫でられながら素直に肉体を褒められる方がずっと良いのだ。
「前のときは運が悪かっただけだ。皆が皆同じというわけではない。」
父親と仲が悪いということは決してない。だがこの話題は嫌いだった。聞き流して自室に戻り、ベッドに倒れ込む。
昨晩の相手の雌狼獣人。不快な気分を追いやろうとあの長いマズルと舌を使った口淫の感触を思い出す。
ロワには許嫁がいた。獅子獣人ではなかったが、思い返せばよく出来た娘だった。しかし当時15だった彼は”特別な異性”というものをよく理解できずにただの友人のような存在になっていて、武芸や民との交流を大事にしていたためか向こうから断られてしまった。
それはまだ良い。自分の気遣いが足りなかっただけ。問題はその次だった。
年上の同族の雌で、とても美しかった。同じ失敗はしまいと今度は精一杯彼女を愛したのだが、後に彼女の一族は彼女が雄を身籠ったら自分や父を暗殺し若き王を建て、その補佐という名目で政権を握ろうとしていたことが発覚。
すると彼女は問い詰められる前に渡していた合鍵を使って彼の部屋から金品を奪い盗ると一家で逃亡した。
「[[rb:娼婦 >あいつら]]が1番気楽なんだよ。その内誰かを身請けすりゃあ良いじゃねぇか。同族じゃなくても、人間の女とかなら多少混ざっても獅子の子が生まれるだろうし。」
市民も、いざ王の伴侶になるとなれば欲の牙を剥き出すかもしれない。その点娼婦は平等だ。お互い最初から一時の身体目的とわかっているから勘ぐる必要もない。
もう10代ではなくなり、周囲からは世継ぎのために結婚を迫られているが、それも気に食わなかった。
いつまでもこんな調子だからだろうか。ある休日の前日。ロワは仕事を終わらせて街へ行こうとしたところを父親に呼び止められる。
「また娼館か?」
「…そうだよ。」
「なら街に行く必要はないぞ、既に呼んである。心配するな、同族じゃない。隣国の貴族が雇っている者を紹介してもらった。…あのな、お前について行かなければいけない護衛の気持ちも考えろ。」
そう言って手招きし、絢爛なマントをなびかせロワの部屋に向かって歩く。どうやら既に部屋に入れているらしい。その強引さに不審感を抱いたものの、とりあえず黙ってついていく。
「あぁ、待たせたな。」
部屋の前には煌びやかな装束を着た緑の鱗の竜人と、白い清潔なローブ1枚を羽織ったユキヒョウ獣人がいた。薄灰色の体毛と同じ色の短い髪を生やしたブルーの目の彼は、猛獣系の中では見た目が幼いことが特徴のユキヒョウ一族の御多分に漏れず、あどけなさが色濃い。
「…その子が相手か?」
竜人が促すと、ユキヒョウの青年は前に出て一礼した。
「初めてましてロワ皇子。ニクスと言います。お相手できて光栄です。」
透き通った瑞々しい声。身長もロワより頭ひとつ分低いので余計に幼く見える。
「れっきとした男娼ですよ。経験もそれなりに積んでますし、きっと皇子にも気に入っていただけるかと。屈強で雄に興味がない牛獣人でもあっという間に搾られますから。」
「同族でもなければ雌でもない。これなら文句はないだろう?」
竜人と父親に言われ、そしてユキヒョウのニクスに見つめられてロワはため息を吐く。男娼を相手にしたことは初めてではないし、今まで護衛に余計な負担をかけていたことも事実なので仕方ない、と今回は従うことにした。
「では我々は失礼しよう。」
父親と竜人がいなくなったことを確認してからニクスを部屋に入れた。
赤い絨毯がしかれ、深みのある色合いの木の机や椅子、衣装箪笥や武器ケース、3人並んで寝れそうなくらい大きなベッドがある広い部屋。
ニクスは豪華な部屋に少し驚いた素振りを見せて、そしてにっこり笑ってもう一度会釈する。
「よろしくお願いします。精一杯尽くさせていただきます。」
ニクスは何の躊躇もなくパサリとローブを脱ぐ。背中側は薄灰色で特徴的な黒い斑点模様、腹側は白い毛並みの綺麗な身体があらわになる。
種族特有の長めの体毛に覆われ全身ふわふわなので筋肉や骨の凹凸がほぼわからず、それがより彼を幼く見えさせる。
ロワは同性愛者ではないが、その独特な魅力にそそられるものがある。ロワも全裸になってその鍛え上げられた肉体をあらわにすると、ニクスは遠慮なくうっとりとその体を眺めた。
「わぁ…雄々しいお身体ですね。」
娼館での時と同じ雰囲気に、ロワはいつもの調子を取り戻してきた。
「お前も抱き心地の良さそうな身体じゃないか。」
「えへへ…いっぱい抱いてくださいね。」
あの竜人が言うだけあって、あどけない見た目の中身はしっかりと染まっているらしい。次期王を前にしても物怖じせずに自ら一歩踏み出してくる。
「触っても良いですか?」
「もちろん。」
さわ…と引き締まった腹筋に両手を伸ばすニクスの身体には少し力が入っている。やはり緊張しているらしい彼を、ロワはギュッと胸に抱いた。
「まさかこんな弟みたいなやつが相手とは。」
丸い三角形の耳を撫でると嬉しそうに頬擦りしてくる。可愛い子だ。
「そんな奴にそそられてる俺も俺だがな。」
「僕…あなたのお相手ができて幸せです……すごい筋肉…分厚くて…」
ニクスはロワの胸筋を舐め始め、抱かれたまま身体を擦り始める。下っ腹あたりの弾力が少し固くなるのを感じ、そして自分の雄も熱を帯びていくのを感じながら今晩の”お客”の背中と腰を撫で回す。
「お優しくて…たくましくて…高貴なお方で…そんなお人の子供を孕めるなんて…本当に光栄です…」
「え?お前…雄だよな?」
「ふぇ?」
ニクスは動きを止めて数秒ロワの顔を見つめ、そして理解してまた微笑んだ。
「はい、雄ですよ。でも僕は…産めるんですよ。僕は辺境の一族出身で…時々そういう雄が生まれるそうです。僕の前は100年以上前らしいですけど。」
そしてそういう雄は異常に発情してしまう。そこで、事情があって子供がいない家庭の代理で子供を産むという商売を始めたのだ、とニクスは言った。
「僕は雄ですし商売ですから浮気にはなりませんし、僕は僕で自慰だけじゃ到底晴らせない欲を晴らせるんで。」
「それで…俺の子を孕みに来たと。あの親父め……」
もはや世継ぎが生まれれば何でも良いと来たか、とロワは不快感をあらわにする。それに、体質の問題があるとはいえ産んだ子を売るような者に頼るなんて、次期国王としていかがなものか。
そんなロワにお構いなくニクスは徐々にしゃがみながらみぞおち、腹筋、ヘソ周りと舐めていき、少し熱を持った肉棒に口を近付ける。
鈴口と彼の口が触れ合って、その甘い刺激がロワの不快感を押しやり興奮を一気に掻き立てる。熱烈なキスを受けた肉棒が臨戦態勢になろうとしたとき、ニュルンと亀頭が彼の口に捕らえられた。
彼は咥えるというより、吸い込んだ。吸い込まれて、弾力のあるニクスの口とざらついた舌、そして牙に擦れて快感が走り毛が逆立つのを感じる。
肉棒も一気に膨張してニクスの口の中を埋めていく。彼は顔を引くどころか舌の腹で裏筋を撫でながら首を左右に捻ってねぶる。
そしてロワの腰に手をおくとそのまま体積を増す肉棒を呑み込んでいき、その根本に口が触れると熱い口づけのように、あるいは乳を飲むようにチュピチュピと唇を動かしながら吸ってくる。
その快楽に、ロワは思わず身震いした。今まで受けたどの口淫よりも刺激が強い。
そしてその間も上目でこちらを見ながら舌を蠢かせてきてこちらの理性も一気に削ってくる。
「こりゃ…たまげたな……苦しくないのか?」
亀頭あたりには感じたことのない感触。思わず聞くと、ニクスはゆっくり顔を引いた。
ぶるん、と彼の短いマズルから大きな肉棒が吐き出される。その光景にさらにそそる。
「けほ…ロワ様のご立派で少し苦しかったけど、大丈夫です。」
ニクスは立ち上がって再びロワに寄りかかると、彼のへそまで届く巨根の先を手のひらで包んで優しく撫で回す。ニクスの手のきめ細かい毛に擦られて肉棒はビク、と震える。
「……きっと、元気な御子様を産みますから。だから…続けさせてください。」
ロワの不快を感じ取ったらしいニクスが静かに言った。
人身売買を禁じている国の次期国王が人身売買まがいなことをするなど言語道断。が、油断すれば今にも呻いてしまいそうな快楽に対し身体は正直で。
この状態で綺麗事を言っても説得力皆無である。それにロワの鼻には本来男娼からは匂わないはずの甘い匂いがうっすらと漂ってきていて、理性の内側では今すぐこのユキヒョウを襲いたい、というドス黒い欲が疼き始めている。
ニクスがロワの胸筋を舐める。ロワの毛が逆立ち、あちこちの筋肉に緊張が走る。犯したい…
ニクスは1人で商売をしているわけではない。彼を連れていた緑鱗の竜人が主なのだろう。次期国王との取引が泡に帰してしまったら、ニクスが責められてしまうのかもしれない。
その可能性が言い訳として頭に浮かんだ途端に欲が湧き上がって、ロワは牙を食いしばる。慣れているはずなのに、しかも相手は雄なのに、ロワは今までにないほど興奮していた。
ついに耐えかねたロワがニクスを抱き上げれば彼は嬉しそうに笑う。可愛い顔して恐ろしい男娼だ。
今すぐ行為に移りたい欲を抑えつつベッドに座らせたニクスに背を向けさせ、後ろから抱いて彼の腹を撫でる。
「あう…お優しいんですね…」
ニクスのふわふわな尻尾が身体を撫でるのを感じながら、彼の首を毛並みに逆らって舐める。ニクスは身震いした。
「これは…」
「んっ…どうかしました?」
「いやなんでもない。」
舐め上げられた毛は当然逆立つ。その内、首の真ん中あたりだけ毛の癖が強く元の向きに戻るのが早い。ニクスの頬と下っ腹を撫でながら反対側も舐めると、やはり同じように真ん中だけ早く戻る。
…首輪の跡だ。彼が普段、隷属の象徴たる首輪をつけられている証拠。
これも、国王たる父親の企みなのだろうか。そう考えつつ、ニクスの胸を撫で、先走りを漏らしている己の肉棒を彼の背に押し付ける。
覗き見ればニクスの男根も固くそそり勃っていた。本来雌から漂うはずの匂いも強くなっている。
乳首を指の腹でこねられ身をよじるニクスは、どこか初々しい。程よい弾力の尻を揉めば身体をビクつかせて甘い声を漏らした。
「あっ…ロワ様…あんまり焦らさないで…」
「欲しいか?」
「欲しい…です…」
ニクスは離れると四つん這いになって誘うように腰を上げ、ふさふさなしっぽが肉棒を撫でる。彼はさらに押し付けてきて竿と玉袋が彼の尻に持ち上げられる。
いつもならもう少し前戯をするが、今までにない可愛さのニクスにかなり興奮していたロワは早々と本番に移ることにする。
彼の尻尾を上げるとそこだけ毛がない、綺麗なピンクの穴がヒクヒクと疼いていた。確かに、慣れている穴だ。
その少し下には柔らかそうなニクスの玉袋と固くしこった体格相応の肉棒。挿れてほしくてたまらない、という意思をニクスの身体中が示している。
いつもは娼婦たちを喘がせる自慢の肉棒をニクスの可愛らしくも淫やかな穴にそっとあてがい、片手で支えながらぐにっと押し込む。
雌にはない肉の抵抗。ニクスの肉が凹んで、そして雄槍の先がめり込んだ。むにゅる、と熱い肉が包み込み、擦れてロワは思わず身震いした。
ニクスの中はきついのに柔らかく、押し進めるとぐわっと広がって受け入れてくる。それに肉壁が不規則に波打ち、きついせいかヒダが擦れるような感触もある。
雌顔負けの具合の良さだ。ニクスの穴がしっかりと肉棒を咥え込んだので、彼の腰を両手で掴んで引き寄せつつ腰を突き出し、彼の腹に一物を突き進めていく。
「あっ…ロワ様の…おっきぃ……もっと…もっと深く入れて…」
口で息をし目を細めて催促するニクス。彼の腰を鷲掴みにしていた両手に力を入れて、一気に根本まで突き入れた。
「おぉうっ…!」
「はっは、ほんとに入っちまった。」
ニクスがビクビクと身体を震わせ、その振動が快楽となってロワに伝わっていく。限界まで入っているらしく、先端を肉壁に押し付けている感触があった。
「入れられただけで感じてんのか?」
ニクスの股間の肉棒からはすでに粘液が垂れ始めている。
「はぁっ…あぅっ…」
「良い夜になりそうだ。」
「はっ…はい……遠慮なく…してください…ロワ様の精液…お腹にいっぱいください……」
ロワの口角が吊り上がる。
「完璧ないか。じゃあお望み通りに。」
腰を引くと、彼の身体もついてくる。それくらい、ニクスの中はぴったりと俺を締め付けている。だから彼の腰を抱えて力強く腰を動かさなければならない。
もっちりと肉が雄槍に絡んで引っ張られ、それに逆らって引き抜く時の肉壁との摩擦が雄槍に強烈な快感をすり込む。
鍛え上げられた身体の、立派なたてがみを携えた獅子獣人が華奢なユキヒョウの少年の下っ腹を片手で抱え剛直を抜き挿ししているという状況に浸りながらも、少し角度をつけて彼の肉棒のちょうど裏側あたりをグリッと押す。王たるもの、相手も愉しませなければ。
「あっ…あぁっ…!」
やはりここも開発されているらしいニクスは嬌声を上げて締め付けてくる。ロワはボタボタと白濁を漏らしているニクスの雄をそっとにぎった。
「あぅっ…ごめんなっ…さいっ…汚しちゃって…」
「そんなの気にしない。もっとイッてしまえ。気持ちいいんだろ?」
「はいっ…ロワ様…逞しくて…優しくて…僕…あふっ…」
グイと腰を引けば離すまいと肉がついてきて、それを押し戻すと咀嚼するかのような締め付け。彼の名器と特有の可愛さに俺は雄相手とは思えないほど興奮していた。
根本まで突き入れてから、巨根が収まっているニクスの下っ腹を押すと彼は声をあげて震える。
「ひとまわり小さいお前とこんなことしてるのを国民に見られたら見限られちまいそうだがな。」
「でもっ…僕が良くなるように…気遣って…あっ……最後まで…してくれますか…?」
「ここまできてやめねーよ。」
「やった…うれしい…です…ロワ様の御子を孕めるなんて…光栄です……」
激しくなりすぎないように、奥を直接突き上げないように彼の中をかき混ぜる。手の中のニクスの雄がビクビクと震えたので、それて合わせて収縮するのをたのしみながら根本まで入れたまま少し待ってやった。
やはり雄にしては具合が良すぎる。いや、雌より良いかもしれない。二形ではないから穴は同じだが、おそらく今肉棒が収まっているのは別の場所なのだろう。
彼の尻を押さえて肉棒をずるりと引き抜けば、雄からはしないはずの甘い匂いが漂い、肉棒は愛液のようなものにまみれている。
ニクスの身体を見る。やはり見た目に雌の要素はない。しかしこの匂いのせいなのか、彼のなりふりのせいなのか魅力的に見えた。
地位も名誉も関係なく、ただ求めている。容姿も能力も申し分ない。雄であるという点以外では理想的な相手。子供ができて腹を大きくしたニクスを思い浮かべると興奮が再燃する。
「俺の子を産みたいか?」
「はい…!」
行為で少し乱れた彼の身体を撫でると、彼は顔を恍惚とさせた。
「じゃあ、」
ロワはベッドに仰向けになってさらけ出す。ニクスはすぐに理解して、彼の股間にまたがった。初めはロワに背を向けて。ロワに彼の方を言われると、少し恥ずかしそうに目線を逸らしながら身体をロワの方に向けた。
そして彼よりひとまわり小さな手で彼の巨根を掴み、自分の穴にあてがうと腰を下ろす。
肉棒が再びニクスの身体に飲み込まれていき、波打つ肉壁と擦れて2人に至上の快楽を送った。
「あっ…ふぅ…」
全て収めるとロワの股間に座り込んで、彼の胸板を愛撫しながら一息つく。
「どうした?それだけじゃ俺は果てないぞ。」
「わかってます…んんっ」
ニクスは目をギュッとつぶって腰を浮かせる。さっきよりも中が強く締まり、搾り取ろうとしているようである。そして中程まで抜くと再び腰を下ろす。
「んっふぅ…」
小さくも程よく柔らかい彼の尻の感触が心地良い。ニクスはリズム良く腰を上下し始めた。
「あっ…ふぅっ…!ロワ様…!」
彼の脇腹から太ももにかけて撫でると、きつく締め付けてくるニクスの中が更に蠢き、彼の息も荒くなる。
「撫でられるの好きか?」
「はいっ…はぁぁっ…!あっ…」
「いいぞ…その調子だ。」
くちゅ、くちゅ、という肉棒と肉壁が擦れる音とベッドが軋む音、そして彼の喘ぎが部屋に響く。
種付けしてもらうために健気に腰を動かし、その刺激に喘ぐニクスを下から眺めながら、彼に肉棒をもみくちゃにされる快感を愉しむ。
何度も亀頭にぶつかっている奥の柔らかい壁。その先が子供を作る空間なのだろう。同性愛者ではなかったはずなのに、そう思うと彼のその空間を自分の精液で満たして孕ませたくなってくる。
ニクスが腰を上下させるたびに振れる、ニクスの雄槍。張り詰めているそれを見て、ロワはそっと身体を起こして彼が上下するたびにその雄が自分の腹に擦れるようにしてやる。
「あっ…うぁぁっ…ロワ様…あっ…僕…僕のが…ロワ様のお腹に当たって…あぁっ…」
「遠慮すんな。もっと擦れ。」
ロワがニクスの背中に腕を回してやると倒れ込むように身体を重ね、そして腰を前後に振りながらロワの腹に自分の雄を擦り付ける。
こんなこと、ロワは誰にもさせたことがない。しかしニクスに対しては全く嫌悪感が湧かなかった。まだ遠慮しているニクスの顔を自分の頬に触れるほど引き寄せれば、ニクスはようやく体重をかけて愉しみ始めた。
「いい子だ。気持ち良いか?」
「は…はい…あっ…そこ撫でちゃ…」
ニクスの背中から尻尾の付け根を撫でれば彼の動きが遅くなり、肉棒への締め付けが強くなる。耐えようとしているのだろう。
「良いぞ。」
ロワが彼の耳元で囁いて腰をぐっと引き寄せながら少し身体を揺らすと、ロワを抱くニクスの腕に力が入って、身体も強張った。
「あ…あぁっ!…あぅっ…うぅ…」
腹に挟まれているニクスの雄がビクビクと震えて温かいものが広がっていく。雄を腹の中に受け入れながら外からも刺激され、ニクスはロワの胸板に顔を埋めながら射精の快感に耐える。
何から何までが可愛らしい。こんな感情はいつぶりだろうか。いや、初めてかもしれない。恋愛とはまた違うが、抱かれたまま射精の余韻に震えるニクスがとても愛らしく思える。そして今までの快楽と興奮と、肉棒の脈動に合わせて収縮する彼の肉壁からの快楽で、ロワの雄にも限界が近づいてくる。
「あぅぅ…ごめんなさい…ロワ様のお腹が…」
少し身体を離すと、ねちょり、とニクスの白濁が互いの腹の間で糸を引く。
「気持ちよかったか?いっぱい出たな。」
子供のようによしよしと撫でるとニクスは恍惚とした表情を浮かべる。
「可愛い奴め。孕ませてやる。」
ずん、と下から突くとニクスはのけぞって声をあげた。そして片腕でニクスを抱き寄せ、もう片方の手で己を支える。
「抱きしめられるのも好きか?遠慮しなくていいぞ。」
返事を聞く前に、少し足の位置を変えてニクスを突き上げる。その刺激に耐えようと彼も抱きしめてくる。しかしちゃんと”お役目”は忘れることなく腰を動かした。
「いいぞニクス…出したかったらもっと声を出して良いんだぞ。」
「うぁ…はぁっ…気持ちいいですっ…あっ…ふ…んあぁっ!」
腹が擦れ、ニクスの精液が擦れて淫やかな水音が加わる。今度は中の方で達したらしいニクスの肉壁に容赦なく逸物を擦り付けて快感を貪る。
「いいぞ…お前最高だよ…俺もそろそろ…」
こんなに熱い行為は久しぶりだ。ニクスの首にも付いている毛並みの跡を舌で舐めるとそれだけで嬌声をあげる。この弟のような可愛いニクスを、もっとたっぷり可愛がってやりたいと思う。
「うあっ…ロワ様っ…!」
「あぁ…しっかり孕むんだぞ…」
行為は激しくなっていく。熱と快感は急激に膨れ上がっていき、限界に達したところでロワは身体を完全に起こしてニクスを両腕で抱きしめると彼の最奥を突き上げる。
快感が爆発し、互いの身体が痙攣する。同時に肉棒がカッと熱くなって激しく脈動、ニクスの中で精液を噴き出した。
「あっ…はあぁっ!ロワ様…あっ…!熱いの…いっぱい…!」
「あー…こりゃもう戻れねぇ…」
乳房がないから密着するとより温もりを感じる。そして一滴も漏らすまいと締め付けるニクスの肉壁。背徳的な興奮と、ニクスの身体が与えてくる快感。
経験したことのない快楽に、肉棒はこれでもかと暴れて子種を注ぎ、その度にニクスが喘いで身体を震わせる。そしてそれが更なる快楽と興奮を生む。
これはもう、ニクスでしか味わえない夜。まだ出会って間もないのに、この不憫で健気なニクスを自分のものにしたいという欲求でいっぱいで。
ニクスを股間に押しつけながら、永遠に続きそうな快楽が収まるのを待った。
「あふっ…ロワ様の…まだビクビクしてる…」
「あぁ…最高だよニクス…お望み通り、たらふく出してやったぞ。」
「はい…お腹の中にはっきり感じます…ロワ様の精液…ロワ様…僕が孕んで…赤ちゃんが生まれたら…可愛がってくださいね…」
「あぁ。約束する。」
ロワはふーっと息を吐いて、前屈みになってニクスを寝かせると彼の中から逸物を引き抜いた。少し開いた彼のピンクの穴から今注いだ白濁が溢れてくる。
罪悪感が残るかと思ったらそうでもなく、種付けしてやったという満足感でいっぱいになる。雄なのに孕めるというのは理性では中々理解できなくとも、どうやら本能はニクスを子を産ませるべき存在と認識したらしい。
ニクスは股を開いたまま、まだ息を荒げていた。そんな彼の横に寝そべって、余韻に浸りながら彼を愛撫する。
「…何人産んだんだ。今まで。」
「2人です…」
「子供は今どうしてる。」
「…わかりません。でもお金待ちの家の子なので不自由はしてないはずです。僕は…」
「ニクス、」
頬に手を添えて顔を上げさせ、青色の綺麗な瞳をじっと覗き込んだ。
「次期国王の俺は無闇に種付けできない。それくらいはわかるだろ?」
ニクスは頷く。
「でも今、お前に思いっきり種付けした。つまりお前は俺の子を、いずれこの国を治める子を孕むかもしれない。だからニクス、お前は当分の間ここにいろ。お前を守らなければならないからな。そしてだ。」
ロワはニクスを抱き寄せて、自分の精液で満たされているであろう彼の腹を撫でる。
「さすがに、次期国王が金で子供を産ませたっていうのが知れたら…少なくともみんなが俺を見る目が変わる。ニクス、お前が産む子供ではなくお前を買おう。あの竜人は、いくらでお前を売ってくれると思う?」
「僕を買うって…でも僕…」
「家に帰る予定があるのか?」
ニクスは答えなかった。事実それはなかったし、ここまで踏み込む客は初めてでどう取り繕えば良いかわからなかった。
「これからはずっとここにいて、俺の相手だけをして、俺の子だけ産んで、昼間は子供達と過ごす。もう首輪を着ける必要もない。どうだ、悪くないだろ。」
「それは…」
図星という図星を突かれたニクスは口籠もる。
ロワはそんな彼をポン、ポンとあやしながら額を優しく舐める。またとないチャンス。欲しているのは金でも名誉でもなく愛情だけだと確信できる、理想の相手だ。性別だけが想定外だったが、今のロワには気にならなかった。
「まぁ俺に任せろって。お前はただ、一言答えてくれれば良いんだ。」
ロワは起き上がって、仰向けのニクスに覆い被さる。ニクスは無意識に股を開いた。
「すぐじゃなくても良いけどな。どの道、俺の子を産んでくれるんだろう?」
ひたり、とニクスの臀部に熱と硬さを取り戻した雄槍が充てられる。
「あ……」
犯される。筋骨隆々の獅子獣人に覆い被さられて、雄を押し当てられているその状況に、ぞわりと興奮が這い上がる。
「まさかさっきので終わりかと思ったのか?折角なんだ、愉しもうじゃないか。」
さっきよりもすんなりと、剛直が肉を掻き分けて奥へ侵入する。ロワの身体を抱こうとするニクス手を、ロワはベッドに縫い付ける。そして再び奥まで挿れられ呼吸を乱すニクスの胸を舐め上げた。
「ひゃう……」
胸を、首を、脇をベロベロ舐めて、肉棒が埋まっている腹を舐めるとニクスは悶えた。ニクスの中もキュンと締まる。
「おやおや、これだけでこの有り様か。なら覚悟しとけ、獅子獣人の夜はこんなもんじゃないぞ。」
相手を果たさせるための技術を身につけているとはいえ、今まで契約のための淡白な行為しかしてこなかったニクスは誰かに責められることに慣れていなかった。
ズン、とロワが腰を一往復させて、ニクスは自分の手のひらを優しく拘束する大きな手のひらを無意識に握った。
「ロワ…様…」
体重がかかった雄槍がニクスの腹の中をえぐり奥を突く。ニクスは喘ぎ、彼の肉棒からはまた粘液が垂れる。同性愛者ではなかったはずなのに、ロワにはその様子がとても愛らしく思えた。
開きっぱなしで嬌声を漏らすニクスの口。快楽で目を細めながら、その視線はロワに向けている。ニクスの肉壁と擦れている下半身だけでなく、ロワの胸の中にも何かが急速に膨れて、ロワは背中を曲げてニクスの顔を舐める。
応えるようにニクスの腹の中も不規則に波打つ。快感に後押しされて、ロワはニクスの口を貪った。ニクスは驚いたが、口を開いて受け入れた。
牙同士が擦れ、舌が舐め合う。ロワは肉棒を根元まで挿れるとそこで動きを止め、ニクスの手を離して彼の後頭部と背を抱いた。
解放された両腕はロワの逞しい背中に周り、愛撫して彼を昂らせる。たまらずロワが腰振りを再開させる。
熱い接吻を交わしながら、快楽の中でニクスは初めて行為を愉しんだ。結合部からは、さっきの精液が擦れるいやらしい音が鳴っている。子作りにはもう十分なのに、なおも自分を突く肉棒が、急に愛おしくなる。
「んんっ…」
奥を突かれて声を出そうとしてもロワが許さない。お腹の中も雌のように感じ、内側から刺激されて雄の方も感じている。ニクスは何度もその身体を恨んだが、今はそれが与えてくる二重の快楽に浸かっていた。
そして、何度も1番感じるところを突かれて、ニクスは身体を震わせながらボタボタと精液を漏らす。するとロワがようやくニクスを接吻から解放し、今度は抱き寄せて密着して激しく腰を打ちつける。
「あっ…やっ……」
「どうした…我慢なんてするなよ…」
そしてニクスはロワに突かれながら絶頂して身体を震わせた。
「そうだ…それで良い…そのまま俺のものになれ…」
雄を受け入れたまま絶頂して射精し身体を震わせたのに、ロワは幻滅することなくそれすら愉しんでいる。そしてニクスは思った。ここまで晒しても受け入れてくれる彼のためなら、何人だって産んでも良い……
2度目の子種の油送。それが終わると、今度はニクスの方から煽って行為が再開される。何度も、何発もお腹の奥で受けているうちに、ニクスは快楽と温もりの中に沈んでいった。
「ふふ…おやすみニクス…」
ほとんど意識がないニクスを抱きしめて、そっと頬を撫でれば幼子のように瞳を閉じて寝息を立てる。
「俺が幸せにしてやるからな。」
○○○
「…おー、あいつをあんなに本気にさせるとは、やるな。さ、我々は覗き部屋から撤退するとしよう。」
「では陛下、契約成立…でよろしいのでしょうか。」
「あぁ。あの子の面倒は当分こちらで見る。子が無事生まれたらまた連絡するから…」
「はい、その時ニクスを引き取りに向かいます。」
「あぁ。本音をいうと、2、3人くらい欲しいところだが…予約で埋まっているところに割り込みさせて貰っているのだから仕方ない。」
「恐縮です。ニクスを必要とする人は多いですから。」
続く
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「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
愛を知らない少年たちの番物語。
あゆみん
BL
親から愛されることなく育った不憫な三兄弟が異世界で番に待ち焦がれた獣たちから愛を注がれ、一途な愛に戸惑いながらも幸せになる物語。
*触れ合いシーンは★マークをつけます。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
完結·助けた犬は騎士団長でした
禅
BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。
ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。
しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。
強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ……
※完結まで毎日投稿します
見捨てられ勇者はオーガに溺愛されて新妻になりました
おく
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目を覚ましたアーネストがいたのは自分たちパーティを壊滅に追い込んだ恐ろしいオーガの家だった。アーネストはなぜか白いエプロンに身を包んだオーガに朝食をふるまわれる。
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