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1.Farewell to the Beginning
15:夏休みという名の
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新延暦519年 8月 某日
あの事件、事件と呼ぶには、いささか迫力の足りない一件から1ヶ月。
夏休みを満喫している俺たちは、今日も海に行く予定だ。
実際のところはというと、三日前まで宿題に追われていて、
別の意味で満喫していた。
それもこれもレオが悪い。期末試験で赤点を取り、
終業式が終わった後に、一人で補習を受けていた。
何故か補習の予定が無い俺とジェナスが、レオの宿題に駆り出され、
ようやく終わったところだった。
とはいえ夏休みだろうが関係ない。
宿題と補習を早々に片づけた俺たちに、
待っていたのは、地獄の訓練である。
端的に言えば部活動みたいなものである。
そう、海にも行くのだ。海は海でも 仮想の、だが。
そして今日も早朝より、厳しい訓練が始まる。
「おはようございます!教官殿!」
「おはようございます!コロメ様!」
「おはよう、姉さん」
三者三様の挨拶だったが、
目を付けられたのは、褐色のチャラ男君だった。
「レオ君、昨日も言ったわよね。教官と呼びなさいと」
「し、失礼しました!教官殿!」
「わかればよろしい」
これが学徒動員というやつなのだろうか。
嫌な時代になったものだ。
なんだよレオ。
俺にとっちゃ姉さんは姉さんであって、
教官だろうと姉さんなんだよ。
教官と呼ばない俺にお咎めは無かったが、
レオの恨めしそうな視線が俺を咎めに来る。
知ったこっちゃなかったが。
「それじゃ今日も 仮想で夜まで模擬戦ね♪
大丈夫、一応尿瓶も用意しておくけど休憩はとるから♪」
そう言って教官は俺たちに、メダーラケーブルの装着を促す。
今日日、尿瓶なんて単語を姉さんの口から聞くとは思わなかった。
そもそも事の発端は、このノリノリの教官に扮した姉さんの提案にある。
自分も夏休み中は手が空くから、訓練に付き合えると申し出があった。
久々に姉さんと訓練できるとなれば、入学後の成長を見せられる。
良い機会だと思ってGOサインを出したが最後、後の祭りだった。
レオに補習があるとわかれば、
夏休み開始2週間で終わらせるハードスケジューリング。
その間俺とジェナスは、自身の宿題とレオの宿題の消化を、
同じく2週間の期限付きで命じてきた。
教官の命令は絶対である。
学長に夏休み期間のコンソール貸し切りに始まり。
上位権限に手を加え、いつもは無機質な 出発地点が、
瞬時に日差しの照り付ける、真夏の海へと変貌していった。
ついでにリミッターの制限を一部解除して、致命傷以外のダメージは、
戦場のそれと同義に変更されている。
何が恐ろしいって、その全てが正式な手順で申請され、
全てに許可が下りていることにある。
今更姉さんの権力に驚くことは無かったが、
行使している権力の方向性には、一考の余地があると思う。
いや、余地しかないか。
まあ色々言いたいことはあるが、訓練を見てもらえるのは有難い。
「暑すぎない?」
確かに、と二人も頷いている。
接続が終わり、 出発地点に下り立った4人。
燦燦と降り注ぐ太陽の光は、 現実と遜色の無い刺激を与えてくる。
目の前に広がる広大な海。照りつける光。そよぐ風。
自分に与えられるすべての情報が、 仮想と感じさせない。
視界の右上に点滅する 接続中の文字が無ければ、
現実と間違えても不思議はなかった。
そんな中、姉さんはパラソルやらビーチベッドを、木陰の辺りに生成していた。
――― 擬人化―――
3人が 擬人装甲を纏う。
「それじゃ昨日の続きね。二人共、殺すつもりでやっちゃっていいわよ♪」
茶目っ気たっぷりで殺意を促す教官殿。
昨日の続きとは、
ジェナスとレオがコンビを組み、
俺を殺しにかかるというものだった。
「それくらいの気概でやらないと、逆にこっちが殺されちゃうからね」
「力量差があるのは分かってます。いつでも本気ですよ俺は!」
少し困った顔で、語気から本気モードを伝えてくるジェナス。
レオもあの一件以降俺達と仲良くなり、すっかり訓練仲間が定着している。
猪突猛進、ワンパターンなのも改善の兆しが見え、
バリエーションが出てきている。
「あたしは向こうで日光浴してるから。
休憩の合図が出るまで手を休めちゃだめよ?」
姉さんの衣服はあっという間に際どいビキニへ。
水着のチョイスといい年齢にそぐわないスタイルといい、
本当にこの教官がアラフォーなのか。疑問だ。
「ムルト君?何か言ったかしら?」
・・・化け物め。思考まで読めるのか?
「何も言ってないよ、早めに休憩くれよな」
姉さんは返事はせず、ニヤリとして木陰に歩いて行った。
一時の間をもって 擬人装甲を纏っていない姉さんの安全を確認する。
「さて、やりますか」
言いながら二人に対して構えると、即座にスタート。
猛ダッシュからの足払いを仕掛けたのはレオ。
しゃがんだレオの後ろには、ジェナスが渾身の右ストレートを放ってくる。
昨日組んだばかりの即席コンビだと言うのに、そこそこ息は合っている。
右ストレートの軌道から離脱しつつ、レオの払ってきた足を片手で受け止める。
そのまま足を掴み後方に投げ捨てる。うん、良い飛距離だ。
肉壁が消えたジェナスは、俺の反撃を警戒してガードを選択。
いくら硬いジェナスの 擬人装甲と言えど、
関節の装甲が薄いのは人体のそれと同じだ。
ガードしているジェナスの視界から、
消えるように後方へ回り込み、膝裏への回し蹴り。
金属同士がぶつかり合う鋭い音。流石に硬いが、問題ない。
膝が折れ、背後からの攻撃に対応しようと振り向くジェナス。
俺の打点まで落ちてきたジェナスの顎は、
下から突き上げる掌底を諸に喰らい、10m程浮いた。
後方ではうまく着地したレオが、また猛ダッシュで接近中だ。
ダッシュしているのに両手を俺に向けている。おかしい。
次の瞬間、両手が光ったと思うとレオは3mほどの棒を手にしていた。
具現化使えんのかよ。
銃器じゃないからまだましだが。
肉体強化に続き先を越されたという疎外感が、
俺に精神的ダメージを与える。
接近したレオは連続突きに足技を絡めてきたが、
ぎこちない棒術とそこそこの足技が中途半端な攻めになり、全く脅威に感じられなかった。
これなら体術だけのほうが、ましだと思える。
連続突きの合間を縫って打ち込んできた右足を難なく掴み、
先程同様今度は海へ投げ飛ばす。
おお! 仮想と言えどしっかり再現されている。
海上で石ころのように2、3度跳ねたレオは、大の字になって浮かんでいる。
二人とも 気絶したようだ。
「ふぅ」
二人の攻めを難なく往なせたのは確かだが、そもそもの経験値に差がある。
これだとあまり俺の訓練になってない気がする。
まずレオは 肉体強化していると言っても、基礎値が低い。
1を1.2倍したところでたかが知れている。
ただ試合形式の訓練を結構な数こなしていたようで、
ある程度の試合勘は持ち合わせているようである。
基本はまっすぐな攻めしかしないくせに、時折突拍子もない事をしてくる。
その普段とのギャップを活かせればレオの強みになる。
棒術は・・・無くても問題ないだろう。
使えるに越したことはないが、体術程のセンスは感じられない。
総評として、全体的な伸びしろはあると思う。
対するジェナスはその性格も、習得してきた近接戦闘も、
共に護身に特化している。
それに強力な 肉体強化を持っている。
折角レオというアタッカーがいるのだ。
レオの隙をカバーする戦い方のほうが、
ジェナスの強みである護りを活かせるはずだ。
そしてジェナスは大きな弱点、というか爆弾を抱えている。
彼はレオと違って実戦に近い訓練はしていなかったようで、
トリッキーな攻撃への対応がどうしても一歩遅れる。
そしてその攻撃すらも補う装甲が、逆に弱点になってしまっている。
本人は気づいていないが、無意識のうちに装甲に頼った動きになり、
いざという時、装甲を貫く火力に対応できなかった時。
ジェナスは死ぬ。
先程顎にヒットさせた掌底は、ジェナスの頭部を吹き飛ばすような威力じゃない。
むろん 肉体強化もできない俺の火力じゃ、そんな芸当は出来ない。
そんな低火力だから、一時的な脳震盪で済んだのだ。
姉さんや親父辺りだったら、今頃頭だけその辺に転がっているだろう。
ジェナスは将来、軍に入りたいとも言っていた。
それを否定する気はいない。
だがせめて、自身だけでも守る力は付けてほしい。
考え事に耽っていると、いつの間にかジェナスとレオが立ち上がっていた。
少し息を切らせてはいたが、まだまだやれる!そんな覇気が感じられた。
「次、いくか?」
静かに発した掛け声を後に、砂塵が舞う。
けたたましく鳴り響く金属音が、第2ラウンドの鐘代わりになった。
あの事件、事件と呼ぶには、いささか迫力の足りない一件から1ヶ月。
夏休みを満喫している俺たちは、今日も海に行く予定だ。
実際のところはというと、三日前まで宿題に追われていて、
別の意味で満喫していた。
それもこれもレオが悪い。期末試験で赤点を取り、
終業式が終わった後に、一人で補習を受けていた。
何故か補習の予定が無い俺とジェナスが、レオの宿題に駆り出され、
ようやく終わったところだった。
とはいえ夏休みだろうが関係ない。
宿題と補習を早々に片づけた俺たちに、
待っていたのは、地獄の訓練である。
端的に言えば部活動みたいなものである。
そう、海にも行くのだ。海は海でも 仮想の、だが。
そして今日も早朝より、厳しい訓練が始まる。
「おはようございます!教官殿!」
「おはようございます!コロメ様!」
「おはよう、姉さん」
三者三様の挨拶だったが、
目を付けられたのは、褐色のチャラ男君だった。
「レオ君、昨日も言ったわよね。教官と呼びなさいと」
「し、失礼しました!教官殿!」
「わかればよろしい」
これが学徒動員というやつなのだろうか。
嫌な時代になったものだ。
なんだよレオ。
俺にとっちゃ姉さんは姉さんであって、
教官だろうと姉さんなんだよ。
教官と呼ばない俺にお咎めは無かったが、
レオの恨めしそうな視線が俺を咎めに来る。
知ったこっちゃなかったが。
「それじゃ今日も 仮想で夜まで模擬戦ね♪
大丈夫、一応尿瓶も用意しておくけど休憩はとるから♪」
そう言って教官は俺たちに、メダーラケーブルの装着を促す。
今日日、尿瓶なんて単語を姉さんの口から聞くとは思わなかった。
そもそも事の発端は、このノリノリの教官に扮した姉さんの提案にある。
自分も夏休み中は手が空くから、訓練に付き合えると申し出があった。
久々に姉さんと訓練できるとなれば、入学後の成長を見せられる。
良い機会だと思ってGOサインを出したが最後、後の祭りだった。
レオに補習があるとわかれば、
夏休み開始2週間で終わらせるハードスケジューリング。
その間俺とジェナスは、自身の宿題とレオの宿題の消化を、
同じく2週間の期限付きで命じてきた。
教官の命令は絶対である。
学長に夏休み期間のコンソール貸し切りに始まり。
上位権限に手を加え、いつもは無機質な 出発地点が、
瞬時に日差しの照り付ける、真夏の海へと変貌していった。
ついでにリミッターの制限を一部解除して、致命傷以外のダメージは、
戦場のそれと同義に変更されている。
何が恐ろしいって、その全てが正式な手順で申請され、
全てに許可が下りていることにある。
今更姉さんの権力に驚くことは無かったが、
行使している権力の方向性には、一考の余地があると思う。
いや、余地しかないか。
まあ色々言いたいことはあるが、訓練を見てもらえるのは有難い。
「暑すぎない?」
確かに、と二人も頷いている。
接続が終わり、 出発地点に下り立った4人。
燦燦と降り注ぐ太陽の光は、 現実と遜色の無い刺激を与えてくる。
目の前に広がる広大な海。照りつける光。そよぐ風。
自分に与えられるすべての情報が、 仮想と感じさせない。
視界の右上に点滅する 接続中の文字が無ければ、
現実と間違えても不思議はなかった。
そんな中、姉さんはパラソルやらビーチベッドを、木陰の辺りに生成していた。
――― 擬人化―――
3人が 擬人装甲を纏う。
「それじゃ昨日の続きね。二人共、殺すつもりでやっちゃっていいわよ♪」
茶目っ気たっぷりで殺意を促す教官殿。
昨日の続きとは、
ジェナスとレオがコンビを組み、
俺を殺しにかかるというものだった。
「それくらいの気概でやらないと、逆にこっちが殺されちゃうからね」
「力量差があるのは分かってます。いつでも本気ですよ俺は!」
少し困った顔で、語気から本気モードを伝えてくるジェナス。
レオもあの一件以降俺達と仲良くなり、すっかり訓練仲間が定着している。
猪突猛進、ワンパターンなのも改善の兆しが見え、
バリエーションが出てきている。
「あたしは向こうで日光浴してるから。
休憩の合図が出るまで手を休めちゃだめよ?」
姉さんの衣服はあっという間に際どいビキニへ。
水着のチョイスといい年齢にそぐわないスタイルといい、
本当にこの教官がアラフォーなのか。疑問だ。
「ムルト君?何か言ったかしら?」
・・・化け物め。思考まで読めるのか?
「何も言ってないよ、早めに休憩くれよな」
姉さんは返事はせず、ニヤリとして木陰に歩いて行った。
一時の間をもって 擬人装甲を纏っていない姉さんの安全を確認する。
「さて、やりますか」
言いながら二人に対して構えると、即座にスタート。
猛ダッシュからの足払いを仕掛けたのはレオ。
しゃがんだレオの後ろには、ジェナスが渾身の右ストレートを放ってくる。
昨日組んだばかりの即席コンビだと言うのに、そこそこ息は合っている。
右ストレートの軌道から離脱しつつ、レオの払ってきた足を片手で受け止める。
そのまま足を掴み後方に投げ捨てる。うん、良い飛距離だ。
肉壁が消えたジェナスは、俺の反撃を警戒してガードを選択。
いくら硬いジェナスの 擬人装甲と言えど、
関節の装甲が薄いのは人体のそれと同じだ。
ガードしているジェナスの視界から、
消えるように後方へ回り込み、膝裏への回し蹴り。
金属同士がぶつかり合う鋭い音。流石に硬いが、問題ない。
膝が折れ、背後からの攻撃に対応しようと振り向くジェナス。
俺の打点まで落ちてきたジェナスの顎は、
下から突き上げる掌底を諸に喰らい、10m程浮いた。
後方ではうまく着地したレオが、また猛ダッシュで接近中だ。
ダッシュしているのに両手を俺に向けている。おかしい。
次の瞬間、両手が光ったと思うとレオは3mほどの棒を手にしていた。
具現化使えんのかよ。
銃器じゃないからまだましだが。
肉体強化に続き先を越されたという疎外感が、
俺に精神的ダメージを与える。
接近したレオは連続突きに足技を絡めてきたが、
ぎこちない棒術とそこそこの足技が中途半端な攻めになり、全く脅威に感じられなかった。
これなら体術だけのほうが、ましだと思える。
連続突きの合間を縫って打ち込んできた右足を難なく掴み、
先程同様今度は海へ投げ飛ばす。
おお! 仮想と言えどしっかり再現されている。
海上で石ころのように2、3度跳ねたレオは、大の字になって浮かんでいる。
二人とも 気絶したようだ。
「ふぅ」
二人の攻めを難なく往なせたのは確かだが、そもそもの経験値に差がある。
これだとあまり俺の訓練になってない気がする。
まずレオは 肉体強化していると言っても、基礎値が低い。
1を1.2倍したところでたかが知れている。
ただ試合形式の訓練を結構な数こなしていたようで、
ある程度の試合勘は持ち合わせているようである。
基本はまっすぐな攻めしかしないくせに、時折突拍子もない事をしてくる。
その普段とのギャップを活かせればレオの強みになる。
棒術は・・・無くても問題ないだろう。
使えるに越したことはないが、体術程のセンスは感じられない。
総評として、全体的な伸びしろはあると思う。
対するジェナスはその性格も、習得してきた近接戦闘も、
共に護身に特化している。
それに強力な 肉体強化を持っている。
折角レオというアタッカーがいるのだ。
レオの隙をカバーする戦い方のほうが、
ジェナスの強みである護りを活かせるはずだ。
そしてジェナスは大きな弱点、というか爆弾を抱えている。
彼はレオと違って実戦に近い訓練はしていなかったようで、
トリッキーな攻撃への対応がどうしても一歩遅れる。
そしてその攻撃すらも補う装甲が、逆に弱点になってしまっている。
本人は気づいていないが、無意識のうちに装甲に頼った動きになり、
いざという時、装甲を貫く火力に対応できなかった時。
ジェナスは死ぬ。
先程顎にヒットさせた掌底は、ジェナスの頭部を吹き飛ばすような威力じゃない。
むろん 肉体強化もできない俺の火力じゃ、そんな芸当は出来ない。
そんな低火力だから、一時的な脳震盪で済んだのだ。
姉さんや親父辺りだったら、今頃頭だけその辺に転がっているだろう。
ジェナスは将来、軍に入りたいとも言っていた。
それを否定する気はいない。
だがせめて、自身だけでも守る力は付けてほしい。
考え事に耽っていると、いつの間にかジェナスとレオが立ち上がっていた。
少し息を切らせてはいたが、まだまだやれる!そんな覇気が感じられた。
「次、いくか?」
静かに発した掛け声を後に、砂塵が舞う。
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