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さぁ、はじめようか
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オズワルドが作ったシールドで魔物達が近づけない。
それを見て少し肩を撫で下ろす。
「すまない」
「問題は変わらない」
「解っている、こうしていてもお前の力が尽きれば終わりだ…」
皆の顔が曇り俯く。
全員が負傷し動けない状態で、この状態でどうにかしろと言うのはどう考えても無理な話だ。
(ここまでか‥‥)
ジークヴァルトがぐっと掌を握りしめた。
「やっと、再建できてきたというのに‥‥、いえ、この国だけでない、この世界はこれで終わり…ということですか、いえ、違いますね、遅かれ早かれこうなっていた‥‥は、はは‥‥私達は何のために頑張ってきたのでしょう…はなから無駄だったのですね…はっははははっ」
サディアスが埋め尽くす魔物達を見て自嘲気味に笑う。
封印が解かれなくても、魔物達が増えていき、いずれこうなっていただろう。
魔物を退くだけしかできない人間は滅びるしかなかったのだと思い知る。
「伝説の聖女はこれを消し去ったのか…?」
「まだ信じているのですか?あなたと言う人は…、まぁもし本当に存在してこれらを消し去ったのだとしても、リディア嬢が同等の力を持っているとは限りません」
「ああ…そうだな、流石にこれは無理か…」
「はは…まさかこんな終わりを迎えるとはな…」
ジークヴァルトも力なく笑う。
「もっと早くに…アナベルを…処刑しておくべきでした…いえ、処刑しても‥変わりませんね‥、こうなるのは…時間の‥問題だったのだから…」
地面に突っ伏しサディアスが息絶え絶えに呟く。
「ちが…私が…あの時リディアを…リディアを…逃がしていなければ…すみませ…ううっっ」
キャサドラの瞳から涙が溢れ出す。
「姉さま…、死ぬなら姉さまと一緒が良かった…姉さま…姉さま…」
リディアを思い浮かべるリオ。
「リディア様どうが…ご無事で…」
イザークが諦めたように片手を胸に当てる。
そして皆の手が悔しそうに地面を握りしめた。
そんな皆にゴールドのシールドの向こうに埋め尽くされる魔物達を見ながらジークヴァルトが悔しそうに声を絞り出した。
「すまぬ、お前たちを…国を守れなかった‥‥・ 無念」
その言葉に皆ぐっと喉を詰まらせ終わりを覚悟するように目を瞑った。
「勝手に終わらすな」
その言葉に皆がオズワルドを見る。
「こんな所で終わって堪るか!」
「オズワルド…」
「だが、もう策が…」
「とにかくここにいては袋叩きだ、地上に出る」
「でもどうやって…?」
「団長しか動けない状態で、どうやるんです?」
「シールドごと、上にあげる」
「なっ…」
皆が言葉を失う。
「そんな事…できるのか?」
「黙って見ていろ ――――ふんっっ」
オズワルドが踏ん張るように地面を踏みしめると、シールドが丸ごとゆっくりと持ち上がる。
「うわっ」
「す、凄い‥‥」
目を見張る中、そのまま上に飛び上がろうとした時だった。
大きな魔物が飛び出してきてシールドにぶち当たる。
「くっ」
「うぅ‥‥」
シールドが解け皆がまた地面に叩きつけられ、痛みに顔を歪ませる。
「まずいっ」
押し迫る大きな魔物に強張らせる。
「!」
間一髪でゴールドのシールドで防がれた。
それと同時に荒れ狂う風が大きな魔物を吹き飛ばす。
「す、すごい、あの大きな魔物を…」
「何という威力…」
「はぁ~危なかった…」
「助かったぁ…」
皆がホッと肩を撫で下ろす。
そんな中、オズワルドが片膝を付く。
「ぜぇ…ぜぇ・‥‥ぜぇ‥‥‥っ‥‥・」
ゴールドのシールドが微かにぶれる。
「団長…もしかして魔力が…?」
「今の攻撃に加え、さっきの持ち上げる事でかなり消耗したのでしょう」
「それに皆を守るだけのシールド、これだけの魔力を使い続けているのです、当然の結果でしょう…」
「よくやってくれた…もういい、オズワルド」
ジークヴァルトが渇いた笑みを浮かべる。
「まだだ」
勢いに任せ立ち上がろうとするも身体が崩れ地に手を付く。
「団長っ!」
「私達の事は、もぉよろしい、十分です」
「もうどうあがいても結果は変わらん」
「うっ‥‥う‥‥」
キャサドラが悔し涙を流す。
「ここまでよくやってくれた、礼を言う」
「違う!」
オズワルドが叫ぶ。
「お前達など問題ではない!この世界だって滅んだって構わん!」
「え…?」
「はっ、俺は本当に何をやっているんだ?」
「オズワルド?」
逃げるのは今の自分でも簡単だ。
だけど足が身体がこの場を立ち去るのを拒否る。
こんな奴らなど、どうでもいいのに。
こんな腐った世界など、どうでもいいのに。
沸き上がる焦燥感と怒りに身体が震える。
そして今、その焦燥感と怒りの奥底で感じる深い悲しみに戸惑う。
「なぜここでお前らなんかを守って戦っているかは自分でも解らん…が、ただ一つだけ解る事がある」
「?」
何とかボロボロの体で立ち上がる。
―――どうして俺はここにいる?
―――このつまらない世界にいる意味は何だ?
「俺は、弱い自分が断じて許せんっっ!!!!!」
「?!」
「 ウォオオオオオオオオオオオオッッッ 」
最後の力を振り絞り出すゴールドのオーラが辺り一帯をゴールドで埋め尽くしていく。
辺りは一瞬にして魔物が消え去る。
「な…消えた?!」
「嘘だろ‥退けるのではなく消した?!」
「この男の力…これほどとは…」
属性を考えれば魔物を消し去るのは不可能。
光魔法でしか消せない魔物を力で強引に消した去ったオズワルドの力に驚愕する。
だが喜ぶのも束の間、すぐに魔物で埋め尽くされた。
まだまだどんどんと魔界の入り口から魔物が噴出していく。
「っ‥‥」
全ての力を使い果たしオズワルドが地面に崩れるように倒れる。
「オズワルド!!」
「団長ぉぉっっ」
ボロボロになったオズワルドを目で確認する。
「あ…あ‥‥団長が… あの団長が…嘘… こんなの見たくない!」
キャサドラの瞳からドバっと涙が溢れ出す。
「オズ…ワルド……」
「これで…終わりですね」
皆が諦め最後の時を待つように目を閉じた。
完全に消えたオズワルドのシールド。
魔物が一斉に襲ってくる気配を感じる。
その気配に死を覚悟した。
「――――たくっっ!!!!!」
その瞼が眩しい光を感じる。
皆がハッとし、バッと目を開けその光を発した主を見る。
「リディア?!」
「姉さま!!!!」
皆が驚き見る先にリディアが眉間に皺を寄せ不機嫌そうに立っていた。
ここまで来るのに大変だったろうあとがうかがえる。
服はボロボロ、髪もボサボサで肩で息をしながら息巻く。
「やっと終わったと思ったのに!!!!!」
ずかずかずかと魔物達を光で消し去りながら皆の中央に立つ。
「リュカを閉じ込めイザークルート攻略完了でここは完了じゃないの?!てなるとやっぱこれが最後のイベント?ああもう、勘弁してよ」
訳解らない事を叫ぶリディアに皆がきょとんと見上げる。
「リュカ?」
「攻略完了??」
「はぁ~~~~~~」
大きなため息を吐くリディア。
「やっぱりこれしないと大団円成立しないってことは解ったわ」
「大団円???」
「もぉ、こーなっちゃったらやるしかないじゃない!!!」
叫ぶリディア。
皆が戸惑う中、リディアが両手を空に上げる。
「えーと?アグダスをイメージ…いや違う、この世界全部でないと意味ないわね」
ブツブツと何やら呟く。
「おい、どうするつもりだ?」
「あなたの力で魔物を消し去っても、その扉を閉めなければ意味がありません」
「!そうだった、この魔物の多さに忘れてたわ、先にこっちね」
そこで指さされた岩を見る。
「これね」
翳していた両手を降ろすと岩に近づく。
するとリディアが離れたことでまた皆に向かって魔物達が襲ってきた。
「あーもー!うっとおしい!!」
リディアが自分のポケットに詰めたガラス玉を掴むと皆の方へ投げた。
すると魔物達がまた慌てて去っていく。
「これは…」
「リディア様の力を閉じ込めたお守りです」
「なるほど、それで魔物達が退いたのですね」
「さてと」
そこで改めて岩の前に立つ。
「オズワルドと俺でも動かせなかった、無駄だ、折角来てくれたがお前も死ぬ前にここを去れ」
「姉さまは安全な場所に逃げて!」
「リディア様、もうこうなってしまった以上どうしようもございません、私たちの事は切り捨て自分の身の安全のみをお考え下さい!」
「そうです、ここにいても無駄死にするだ―――――っっ?!」
皆の心配を他所にまたブツブツリディアが呟くと岩が動きだしあっという間にその穴を閉じる。
「な‥‥」
「岩が?!」
皆唖然とする。
「呪文が同じでよかったわ」
「お前っ呪文を?!」
「さてと」
改めて両手を空に翳す。
「さっさと終わらすわよ」
そう言うとリディアの身体が美しい光に包まれる。
「!!」
光がどんどんと強まる。
リディアの体が宙に浮かぶ。
「美しい‥‥」
誰かがそう呟いたその時リディアの唇が動く。
「行け」
刹那――――
世界が光に包まれる。
「っっ」
その眩しさに皆目を固く閉じた。
その強く眩しい光が落ち着いたのを感じて、皆はゆっくり目を開く。
「!」
天に一面の光が覆う。
「聖女のシールド‥‥これが‥‥伝説の――――」
皆が何度も瞬き見上げる。
あれだけいた魔物が一匹残らず消えていた。
「あっ消えていく」
光が天に溶け込む様に消えていく。
するとそこから清々しい青空が広がった。
「体が…」
誰かが口にしたその言葉に皆が自分の体を見る。
「元通りに治ってる!?」
起き上がり自分の体を確認する。
「凄い…」
皆が愕然としながら奇跡を実感する。
「や、やったの?」
「世界は救われた……あの伝説の様に」
全員がリディアを見る。
「これが‥‥伝説の聖女」
唖然とそのリディアの背を見る。
「上手くいったみたいね…よかった」
そうポツリと呟く。
「ああ、お前のお陰だ、礼を言う」
ジークヴァルトの言葉に皆が胸に手を宛て敬礼する。
そんな皆に黙って突っ立つリディア。
「リディア様?」
イザークが名を呼ぶ。
「流石に…疲れた…」
そう呟くと体がふらりと倒れ込む。
「おいっ」
「姉さま!」
皆が慌ててリディアに駆け寄ろうとした時だった。
―――――― グサッ
鈍い音を聞く。
「え…?」
リディアが朦朧とする目で見降ろした先に見知った女の顔があった。
「フェリ…シ・‥‥?」
そして自分の胸を見る。
そこには深く刺されたナイフがあった。
「リディア様ぁぁあああ!!!」
「姉さま!!!!!」
「リディアっっ」
皆が自分の名を叫ぶ声が遠のく。
「まさか…こんな終わりなん…て―――――」
(こんなデッドエンドがあるなんて聞いてない―――‥‥)
リディアが倒れ見事に心臓に刺さったナイフを中心に血が滲んでいく。
「こんな事って‥‥」
イザークがリオが皆が必死に名を呼ぶ。
目を開けてと叫ぶ。
「何てことを…伝説の聖女を…我が国の…いえ世界の光を‥‥・」
唖然と未だ起きたことを受け止められないで佇む者達の耳に女が歓喜の声が響いた。
「やったわ!ついに私やったわ!!私がこの世の悪を倒したの!!!」
女が飛び跳ねて喜ぶ。
「これで皆正気に戻るわ!!この城の兵とお茶をした帰りにアナベル様の話を偶然聞いて、絶対リディアがここに来ると思ったのよ!だからアナベル様の後をついてこんなすごーく怖い所でものすごーく怖かったけど一生懸命我慢して隠れていたの!!私凄く凄ーく頑張ったんです!!」
嬉しそうに捲し立てる。
「皆のために、私頑張ったの!これでもう安心です!ああ皆を助けられて本当に、本当に良かった!!!」
そう言って皆を潤んだ瞳で見上げた女の顔が強張る。
皆が怒りに満ちた目で女、フェリシーを睨んでいた。
「あ、あれ…?ああそうか、まだ術が解けきってないのかしら?心配しないで、すぐにリディアの術が解けますわ!彼女を私が殺したんだもの、ああ、本当に怖かった、す―――っごく勇気がいったんですよ、ずっと体も震えて…でも皆を助けたくて、ものすごく怖かったのを我慢して私頑張ったんです」
そう言って周りをもう一度見渡すも、変わらず黙り睨む皆に少し怯む。
「な、なんで…まだ解けないの?おかしいわ…、もしかしてイザークも殺さないといけなかったの?でもリディアを殺したから魔物との契約も終わったはずだわ」
ブツブツと呟くと閃いたという様にパンっと一つ手を叩く。
「そっか!今まで誑かされていた事に気づいて怒りが込み上げてきているのね、でも大丈夫です、全てはリディアのせい、皆は何も悪くありません、神も許してくださいます」
そう言ってニッコリと優しい笑みを浮かべる。
「心の傷も私が全て受け止めます、だから安心してください、もう大丈夫、皆の世界は救われたんです」
フェリシーがゆっくりとジークヴァルトに歩み寄るとその手を取り握りしめる。
「もう救われたんです、さぁ目を覚まして」
「お前は今何を見ていた?」
「え‥‥?」
きょとんとフェリシーが首を傾げる。
「お前が世界を救った?違う、リディアが今目の前で世界を救った奇跡をその眼でしっかりと見ていただろう?」
首を傾げていたフェリシーが突然クスクスと笑い出す。
「あれもリディアの術に決まっているじゃないですか!あんなに魔物が空を埋め尽くしたりするはずないですよ、それにリディアが世界を救えるはずがないでしょう?彼女は落ちこぼれだったもの、だから私がいつも守ってあげてたのだけど、まさかこんな悪い子だなんて知らなくて‥‥」
「この世界の魔物すべて消えた、その奇跡を目の前で見てそれもお前はまやかしと断言するのか?」
ジークヴァルトがフェリシーの目を見、問う。
「はい、それもリディアのした事、ああ、そうか、この世の魔物もリディアが作り出した幻影だったんだわ!だとしたら皆だけでなく私はこの世界全てを救ったのね!これでこの世界は平和になるんだわ!!良かったですね!ジークヴァルト殿下!もう大丈夫です、さ、目を覚ましてください」
「‥‥」
そこに複数の足音を聞く。
「これはっ?!」
「陛下!ご無事で?!」
兵達が駆け寄ってくる。
「この女を牢へ連れていけ!」
ジークヴァルトが叫ぶ。
「なっ、ジークヴァルト殿下?!――――っきゃっ」
「こらジッとしろ!!」
「殿下っっ目を覚ましてください!!早く!!でないとあなたが目覚めた時私を閉じ込めた事、後悔いたしますわ!!」
「連れていけ」
「はっ」
「離しなさい!!私は世界を救ったのよ!!」
暴れるフェリシーが連行されていく。
「愚かな女よ」
フェリシーの叫び声が遠く消えるのを確認すると、改めて皆、息絶えたリディアを見、重い足取りでリディアの周りに跪く。
「何で‥‥何で… 世界を救ってくれたリディアが殺されないといけないの!!リディアぁあああっっ!!!」
キャサドラが泣き崩れる。
「悔やんでも仕方ないと解っていますが、あの時、あの女を殺しておくべきでした…、こんなに後悔と懺悔の念にとらわれたのは二度目です…もう過ちを繰り返さないと心に堅く誓っていたのに…くっ」
サディアスの拳が震える。
「リディア様‥‥」
イザークがただ茫然と座り込み紅い瞳から次々と涙がこぼれ落ちていく。
そのイザークの前の遺体に抱き着き全身を震わせ泣く男がキッとジークヴァルトを睨み上げた。
「お前のせいだ!!お前が姉さまを殺した!!ここに連れて来なければ姉さまは今頃僕と一緒に幸せに田舎でのんびり暮らしていたんだ!!」
リオがジークヴァルトに飛び掛かる。
「ジーク様っっ」
ジークヴァルトはそれを受け止めるかのように動かない。
―――― キンッ
リオの持っていた小刀がくるくると回転し地面に刺さる。
「っ、邪魔するな!!」
キッとリオが睨んだ先にオズワルドがジークヴァルトの前で剣を翳していた。
「ジークヴァルトを守れと言われている、よって邪魔をする」
「お前だって姉さまに救われたくせに!お前が姉さまの居場所をさっさと吐けば姉さまは死ななかったんだ!!!」
「よしなさいっ!!」
リオがオズワルドに飛び掛かろうとした背で突然光を感じ、焦り振り返る。
「リディアの体が…」
眩く温かい光がリディアの体を包み込む。
「姉さま!!!!」
リオが慌ててリディアに抱き着こうとしたその手がリディアの体を通り抜けて地面へつく。
「?!」
「これは…」
リディアの体がどんどんと透けていく。
「姉さまぁああ!!!!」
「リディア様!!消えてはいけません!!!私をっ私を連れて行ってくださると言ったではありませんか!!!あれは嘘だったのですかっっ」
イザークが悲痛な声で叫ぶ。
だがその声も虚しくあっという間にリディアの体は光に包まれ消えてなくなった。
その光が落ち着き、目の前にはただの地面だけが何事もなかったように静寂にそこにあった。
「消えた…」
キャサドラが消えた場所の地面をペタペタと触る。
「一体何が起きたんだ?」
ジークヴァルトの言葉にサディアスが首を横に振る。
皆呆然としてその今居たリディアの地面をただただ眺め降ろすのだった。
それを見て少し肩を撫で下ろす。
「すまない」
「問題は変わらない」
「解っている、こうしていてもお前の力が尽きれば終わりだ…」
皆の顔が曇り俯く。
全員が負傷し動けない状態で、この状態でどうにかしろと言うのはどう考えても無理な話だ。
(ここまでか‥‥)
ジークヴァルトがぐっと掌を握りしめた。
「やっと、再建できてきたというのに‥‥、いえ、この国だけでない、この世界はこれで終わり…ということですか、いえ、違いますね、遅かれ早かれこうなっていた‥‥は、はは‥‥私達は何のために頑張ってきたのでしょう…はなから無駄だったのですね…はっははははっ」
サディアスが埋め尽くす魔物達を見て自嘲気味に笑う。
封印が解かれなくても、魔物達が増えていき、いずれこうなっていただろう。
魔物を退くだけしかできない人間は滅びるしかなかったのだと思い知る。
「伝説の聖女はこれを消し去ったのか…?」
「まだ信じているのですか?あなたと言う人は…、まぁもし本当に存在してこれらを消し去ったのだとしても、リディア嬢が同等の力を持っているとは限りません」
「ああ…そうだな、流石にこれは無理か…」
「はは…まさかこんな終わりを迎えるとはな…」
ジークヴァルトも力なく笑う。
「もっと早くに…アナベルを…処刑しておくべきでした…いえ、処刑しても‥変わりませんね‥、こうなるのは…時間の‥問題だったのだから…」
地面に突っ伏しサディアスが息絶え絶えに呟く。
「ちが…私が…あの時リディアを…リディアを…逃がしていなければ…すみませ…ううっっ」
キャサドラの瞳から涙が溢れ出す。
「姉さま…、死ぬなら姉さまと一緒が良かった…姉さま…姉さま…」
リディアを思い浮かべるリオ。
「リディア様どうが…ご無事で…」
イザークが諦めたように片手を胸に当てる。
そして皆の手が悔しそうに地面を握りしめた。
そんな皆にゴールドのシールドの向こうに埋め尽くされる魔物達を見ながらジークヴァルトが悔しそうに声を絞り出した。
「すまぬ、お前たちを…国を守れなかった‥‥・ 無念」
その言葉に皆ぐっと喉を詰まらせ終わりを覚悟するように目を瞑った。
「勝手に終わらすな」
その言葉に皆がオズワルドを見る。
「こんな所で終わって堪るか!」
「オズワルド…」
「だが、もう策が…」
「とにかくここにいては袋叩きだ、地上に出る」
「でもどうやって…?」
「団長しか動けない状態で、どうやるんです?」
「シールドごと、上にあげる」
「なっ…」
皆が言葉を失う。
「そんな事…できるのか?」
「黙って見ていろ ――――ふんっっ」
オズワルドが踏ん張るように地面を踏みしめると、シールドが丸ごとゆっくりと持ち上がる。
「うわっ」
「す、凄い‥‥」
目を見張る中、そのまま上に飛び上がろうとした時だった。
大きな魔物が飛び出してきてシールドにぶち当たる。
「くっ」
「うぅ‥‥」
シールドが解け皆がまた地面に叩きつけられ、痛みに顔を歪ませる。
「まずいっ」
押し迫る大きな魔物に強張らせる。
「!」
間一髪でゴールドのシールドで防がれた。
それと同時に荒れ狂う風が大きな魔物を吹き飛ばす。
「す、すごい、あの大きな魔物を…」
「何という威力…」
「はぁ~危なかった…」
「助かったぁ…」
皆がホッと肩を撫で下ろす。
そんな中、オズワルドが片膝を付く。
「ぜぇ…ぜぇ・‥‥ぜぇ‥‥‥っ‥‥・」
ゴールドのシールドが微かにぶれる。
「団長…もしかして魔力が…?」
「今の攻撃に加え、さっきの持ち上げる事でかなり消耗したのでしょう」
「それに皆を守るだけのシールド、これだけの魔力を使い続けているのです、当然の結果でしょう…」
「よくやってくれた…もういい、オズワルド」
ジークヴァルトが渇いた笑みを浮かべる。
「まだだ」
勢いに任せ立ち上がろうとするも身体が崩れ地に手を付く。
「団長っ!」
「私達の事は、もぉよろしい、十分です」
「もうどうあがいても結果は変わらん」
「うっ‥‥う‥‥」
キャサドラが悔し涙を流す。
「ここまでよくやってくれた、礼を言う」
「違う!」
オズワルドが叫ぶ。
「お前達など問題ではない!この世界だって滅んだって構わん!」
「え…?」
「はっ、俺は本当に何をやっているんだ?」
「オズワルド?」
逃げるのは今の自分でも簡単だ。
だけど足が身体がこの場を立ち去るのを拒否る。
こんな奴らなど、どうでもいいのに。
こんな腐った世界など、どうでもいいのに。
沸き上がる焦燥感と怒りに身体が震える。
そして今、その焦燥感と怒りの奥底で感じる深い悲しみに戸惑う。
「なぜここでお前らなんかを守って戦っているかは自分でも解らん…が、ただ一つだけ解る事がある」
「?」
何とかボロボロの体で立ち上がる。
―――どうして俺はここにいる?
―――このつまらない世界にいる意味は何だ?
「俺は、弱い自分が断じて許せんっっ!!!!!」
「?!」
「 ウォオオオオオオオオオオオオッッッ 」
最後の力を振り絞り出すゴールドのオーラが辺り一帯をゴールドで埋め尽くしていく。
辺りは一瞬にして魔物が消え去る。
「な…消えた?!」
「嘘だろ‥退けるのではなく消した?!」
「この男の力…これほどとは…」
属性を考えれば魔物を消し去るのは不可能。
光魔法でしか消せない魔物を力で強引に消した去ったオズワルドの力に驚愕する。
だが喜ぶのも束の間、すぐに魔物で埋め尽くされた。
まだまだどんどんと魔界の入り口から魔物が噴出していく。
「っ‥‥」
全ての力を使い果たしオズワルドが地面に崩れるように倒れる。
「オズワルド!!」
「団長ぉぉっっ」
ボロボロになったオズワルドを目で確認する。
「あ…あ‥‥団長が… あの団長が…嘘… こんなの見たくない!」
キャサドラの瞳からドバっと涙が溢れ出す。
「オズ…ワルド……」
「これで…終わりですね」
皆が諦め最後の時を待つように目を閉じた。
完全に消えたオズワルドのシールド。
魔物が一斉に襲ってくる気配を感じる。
その気配に死を覚悟した。
「――――たくっっ!!!!!」
その瞼が眩しい光を感じる。
皆がハッとし、バッと目を開けその光を発した主を見る。
「リディア?!」
「姉さま!!!!」
皆が驚き見る先にリディアが眉間に皺を寄せ不機嫌そうに立っていた。
ここまで来るのに大変だったろうあとがうかがえる。
服はボロボロ、髪もボサボサで肩で息をしながら息巻く。
「やっと終わったと思ったのに!!!!!」
ずかずかずかと魔物達を光で消し去りながら皆の中央に立つ。
「リュカを閉じ込めイザークルート攻略完了でここは完了じゃないの?!てなるとやっぱこれが最後のイベント?ああもう、勘弁してよ」
訳解らない事を叫ぶリディアに皆がきょとんと見上げる。
「リュカ?」
「攻略完了??」
「はぁ~~~~~~」
大きなため息を吐くリディア。
「やっぱりこれしないと大団円成立しないってことは解ったわ」
「大団円???」
「もぉ、こーなっちゃったらやるしかないじゃない!!!」
叫ぶリディア。
皆が戸惑う中、リディアが両手を空に上げる。
「えーと?アグダスをイメージ…いや違う、この世界全部でないと意味ないわね」
ブツブツと何やら呟く。
「おい、どうするつもりだ?」
「あなたの力で魔物を消し去っても、その扉を閉めなければ意味がありません」
「!そうだった、この魔物の多さに忘れてたわ、先にこっちね」
そこで指さされた岩を見る。
「これね」
翳していた両手を降ろすと岩に近づく。
するとリディアが離れたことでまた皆に向かって魔物達が襲ってきた。
「あーもー!うっとおしい!!」
リディアが自分のポケットに詰めたガラス玉を掴むと皆の方へ投げた。
すると魔物達がまた慌てて去っていく。
「これは…」
「リディア様の力を閉じ込めたお守りです」
「なるほど、それで魔物達が退いたのですね」
「さてと」
そこで改めて岩の前に立つ。
「オズワルドと俺でも動かせなかった、無駄だ、折角来てくれたがお前も死ぬ前にここを去れ」
「姉さまは安全な場所に逃げて!」
「リディア様、もうこうなってしまった以上どうしようもございません、私たちの事は切り捨て自分の身の安全のみをお考え下さい!」
「そうです、ここにいても無駄死にするだ―――――っっ?!」
皆の心配を他所にまたブツブツリディアが呟くと岩が動きだしあっという間にその穴を閉じる。
「な‥‥」
「岩が?!」
皆唖然とする。
「呪文が同じでよかったわ」
「お前っ呪文を?!」
「さてと」
改めて両手を空に翳す。
「さっさと終わらすわよ」
そう言うとリディアの身体が美しい光に包まれる。
「!!」
光がどんどんと強まる。
リディアの体が宙に浮かぶ。
「美しい‥‥」
誰かがそう呟いたその時リディアの唇が動く。
「行け」
刹那――――
世界が光に包まれる。
「っっ」
その眩しさに皆目を固く閉じた。
その強く眩しい光が落ち着いたのを感じて、皆はゆっくり目を開く。
「!」
天に一面の光が覆う。
「聖女のシールド‥‥これが‥‥伝説の――――」
皆が何度も瞬き見上げる。
あれだけいた魔物が一匹残らず消えていた。
「あっ消えていく」
光が天に溶け込む様に消えていく。
するとそこから清々しい青空が広がった。
「体が…」
誰かが口にしたその言葉に皆が自分の体を見る。
「元通りに治ってる!?」
起き上がり自分の体を確認する。
「凄い…」
皆が愕然としながら奇跡を実感する。
「や、やったの?」
「世界は救われた……あの伝説の様に」
全員がリディアを見る。
「これが‥‥伝説の聖女」
唖然とそのリディアの背を見る。
「上手くいったみたいね…よかった」
そうポツリと呟く。
「ああ、お前のお陰だ、礼を言う」
ジークヴァルトの言葉に皆が胸に手を宛て敬礼する。
そんな皆に黙って突っ立つリディア。
「リディア様?」
イザークが名を呼ぶ。
「流石に…疲れた…」
そう呟くと体がふらりと倒れ込む。
「おいっ」
「姉さま!」
皆が慌ててリディアに駆け寄ろうとした時だった。
―――――― グサッ
鈍い音を聞く。
「え…?」
リディアが朦朧とする目で見降ろした先に見知った女の顔があった。
「フェリ…シ・‥‥?」
そして自分の胸を見る。
そこには深く刺されたナイフがあった。
「リディア様ぁぁあああ!!!」
「姉さま!!!!!」
「リディアっっ」
皆が自分の名を叫ぶ声が遠のく。
「まさか…こんな終わりなん…て―――――」
(こんなデッドエンドがあるなんて聞いてない―――‥‥)
リディアが倒れ見事に心臓に刺さったナイフを中心に血が滲んでいく。
「こんな事って‥‥」
イザークがリオが皆が必死に名を呼ぶ。
目を開けてと叫ぶ。
「何てことを…伝説の聖女を…我が国の…いえ世界の光を‥‥・」
唖然と未だ起きたことを受け止められないで佇む者達の耳に女が歓喜の声が響いた。
「やったわ!ついに私やったわ!!私がこの世の悪を倒したの!!!」
女が飛び跳ねて喜ぶ。
「これで皆正気に戻るわ!!この城の兵とお茶をした帰りにアナベル様の話を偶然聞いて、絶対リディアがここに来ると思ったのよ!だからアナベル様の後をついてこんなすごーく怖い所でものすごーく怖かったけど一生懸命我慢して隠れていたの!!私凄く凄ーく頑張ったんです!!」
嬉しそうに捲し立てる。
「皆のために、私頑張ったの!これでもう安心です!ああ皆を助けられて本当に、本当に良かった!!!」
そう言って皆を潤んだ瞳で見上げた女の顔が強張る。
皆が怒りに満ちた目で女、フェリシーを睨んでいた。
「あ、あれ…?ああそうか、まだ術が解けきってないのかしら?心配しないで、すぐにリディアの術が解けますわ!彼女を私が殺したんだもの、ああ、本当に怖かった、す―――っごく勇気がいったんですよ、ずっと体も震えて…でも皆を助けたくて、ものすごく怖かったのを我慢して私頑張ったんです」
そう言って周りをもう一度見渡すも、変わらず黙り睨む皆に少し怯む。
「な、なんで…まだ解けないの?おかしいわ…、もしかしてイザークも殺さないといけなかったの?でもリディアを殺したから魔物との契約も終わったはずだわ」
ブツブツと呟くと閃いたという様にパンっと一つ手を叩く。
「そっか!今まで誑かされていた事に気づいて怒りが込み上げてきているのね、でも大丈夫です、全てはリディアのせい、皆は何も悪くありません、神も許してくださいます」
そう言ってニッコリと優しい笑みを浮かべる。
「心の傷も私が全て受け止めます、だから安心してください、もう大丈夫、皆の世界は救われたんです」
フェリシーがゆっくりとジークヴァルトに歩み寄るとその手を取り握りしめる。
「もう救われたんです、さぁ目を覚まして」
「お前は今何を見ていた?」
「え‥‥?」
きょとんとフェリシーが首を傾げる。
「お前が世界を救った?違う、リディアが今目の前で世界を救った奇跡をその眼でしっかりと見ていただろう?」
首を傾げていたフェリシーが突然クスクスと笑い出す。
「あれもリディアの術に決まっているじゃないですか!あんなに魔物が空を埋め尽くしたりするはずないですよ、それにリディアが世界を救えるはずがないでしょう?彼女は落ちこぼれだったもの、だから私がいつも守ってあげてたのだけど、まさかこんな悪い子だなんて知らなくて‥‥」
「この世界の魔物すべて消えた、その奇跡を目の前で見てそれもお前はまやかしと断言するのか?」
ジークヴァルトがフェリシーの目を見、問う。
「はい、それもリディアのした事、ああ、そうか、この世の魔物もリディアが作り出した幻影だったんだわ!だとしたら皆だけでなく私はこの世界全てを救ったのね!これでこの世界は平和になるんだわ!!良かったですね!ジークヴァルト殿下!もう大丈夫です、さ、目を覚ましてください」
「‥‥」
そこに複数の足音を聞く。
「これはっ?!」
「陛下!ご無事で?!」
兵達が駆け寄ってくる。
「この女を牢へ連れていけ!」
ジークヴァルトが叫ぶ。
「なっ、ジークヴァルト殿下?!――――っきゃっ」
「こらジッとしろ!!」
「殿下っっ目を覚ましてください!!早く!!でないとあなたが目覚めた時私を閉じ込めた事、後悔いたしますわ!!」
「連れていけ」
「はっ」
「離しなさい!!私は世界を救ったのよ!!」
暴れるフェリシーが連行されていく。
「愚かな女よ」
フェリシーの叫び声が遠く消えるのを確認すると、改めて皆、息絶えたリディアを見、重い足取りでリディアの周りに跪く。
「何で‥‥何で… 世界を救ってくれたリディアが殺されないといけないの!!リディアぁあああっっ!!!」
キャサドラが泣き崩れる。
「悔やんでも仕方ないと解っていますが、あの時、あの女を殺しておくべきでした…、こんなに後悔と懺悔の念にとらわれたのは二度目です…もう過ちを繰り返さないと心に堅く誓っていたのに…くっ」
サディアスの拳が震える。
「リディア様‥‥」
イザークがただ茫然と座り込み紅い瞳から次々と涙がこぼれ落ちていく。
そのイザークの前の遺体に抱き着き全身を震わせ泣く男がキッとジークヴァルトを睨み上げた。
「お前のせいだ!!お前が姉さまを殺した!!ここに連れて来なければ姉さまは今頃僕と一緒に幸せに田舎でのんびり暮らしていたんだ!!」
リオがジークヴァルトに飛び掛かる。
「ジーク様っっ」
ジークヴァルトはそれを受け止めるかのように動かない。
―――― キンッ
リオの持っていた小刀がくるくると回転し地面に刺さる。
「っ、邪魔するな!!」
キッとリオが睨んだ先にオズワルドがジークヴァルトの前で剣を翳していた。
「ジークヴァルトを守れと言われている、よって邪魔をする」
「お前だって姉さまに救われたくせに!お前が姉さまの居場所をさっさと吐けば姉さまは死ななかったんだ!!!」
「よしなさいっ!!」
リオがオズワルドに飛び掛かろうとした背で突然光を感じ、焦り振り返る。
「リディアの体が…」
眩く温かい光がリディアの体を包み込む。
「姉さま!!!!」
リオが慌ててリディアに抱き着こうとしたその手がリディアの体を通り抜けて地面へつく。
「?!」
「これは…」
リディアの体がどんどんと透けていく。
「姉さまぁああ!!!!」
「リディア様!!消えてはいけません!!!私をっ私を連れて行ってくださると言ったではありませんか!!!あれは嘘だったのですかっっ」
イザークが悲痛な声で叫ぶ。
だがその声も虚しくあっという間にリディアの体は光に包まれ消えてなくなった。
その光が落ち着き、目の前にはただの地面だけが何事もなかったように静寂にそこにあった。
「消えた…」
キャサドラが消えた場所の地面をペタペタと触る。
「一体何が起きたんだ?」
ジークヴァルトの言葉にサディアスが首を横に振る。
皆呆然としてその今居たリディアの地面をただただ眺め降ろすのだった。
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