14 / 128
序章
13
しおりを挟む
(おかしい、どうしてこうなった?)
前世を思い出し、リオが来てから早6年の月日が流れていた。
木の枝の上だというのに器用に私の腰に腕を回しべったりとくっついて膝の上で眠るリオがそこにいた。
この6年間、リセットを繰り返しまるっと無視してきたはずなのに今では完全に自分にべったりのリオが出来上がっていた。
(あー足が痺れてきた、早くどいてくれないかなー)
図体もデカくなったリオの頭を本の隙間からちらりと見下ろす。
あの思いっきり殴られた日を境にリオの急成長ぶりには目を見張った。
あっという間に屋敷全体の位置の把握から、人々の動き全てを瞬時に感じ取り、それぞれの趣向から癖まで更にはお手伝いさんの家の事情まで全ての情報を把握し、私が必要だと思ったものは、いや思う前に机の上に置かれていた。
あの日以来、殴られるとか見つかったことが一度もない。
お陰で義理の家族やお手伝いさん達からも、完全に諦められ忘れ去られていた。
(うーん、これはこれでぐーたら生活とも言えなくもないか…)
春の木漏れ日とそよそよ注ぐ春の風を感じながらふとそう思うが、ふるふると頭を横に振る。
(いやいや、こんな生活ではダメだわ)
やせ細った腕を見る。
平和だと言えど、結局たいした食糧も得られないままだ。
今の季節はいいけれど、特にあの寒い冬なんか隙間風だらけのあの屋根裏部屋で過ごさないといけない。
一生こんな生活だなんて絶対に嫌だ。
(いい加減、徴現れろってのですよ)
ちょっと手を翳してみるも、やはり魔法なんて出てこない。
あれから少しずつ貯めたお金も家を買うまでの仕事や宿を探す準備期間用の資金分は溜まった。
後は魔法が使えるようになる徴だけなのだ。
「はぁ~、そろそろいい加減、こんな家ともおさらばしたいのに」
肩を落とし、またいつものように本の文字に目を落とした。
そう思った数日後の事だ。
リオが手に入れてくれた鏡を手にする。
前の鏡の切れ端と違い、小さいながらも前よりも見やすくて重宝している。
そしてその鏡を手にしながら台の上にある櫛を持つ。
これもリオが器用に木の板で作ってくた櫛だ。
リセットしていても便利なモノはちゃっかり貰ってしまっている相変わらずクズ志向のリディアだった。
その櫛で鏡を見ながら髪を梳く。
梳き終わった櫛と鏡を置こうとして手が止まる。
「ん?」
鏡を置こうと傾けた時に何やら変なものが映った気がする。
改めて鏡を自分の顔から徐々に首元へと落とした瞬間、瞳孔が見開く。
「お、おお、おおおおおおおっっ」
首の根元に何やら紋章が浮かび上がっていた。
「こ、これはっっ!!」
何度も何度も確認するように鏡を覗き込む。
どう見ても間違いない。
「キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!」
思わず絶叫する。
「ね、姉さま!?」
そしてハッと口を押える。
(しまった、つい、絶叫してしまったわ)
「大丈夫、今は屋敷に誰もいないよ、この後半時もしないうちに戻ってくると思うから、そろそろ移動準備はじめて、姉さま」
リオの言葉にホッと胸をなぜ下す。
6年ぶりに見つかるかと思ったが、大丈夫のようだ。
「こうしちゃいられないわ!」
「姉さま?」
ベットの下から次々と物を取り出す。
「ど、どうしたの?姉さま??」
そして奥の方にしまっていた袋を取り出す。
ジャリっと音を鳴らしながら中身を確認する。
(うん、これだけあれば暫くは大丈夫よね)
少しずつ少しずつ貯めたお金の袋を鞄にしまう。
「姉さま、そんな大金どうするの?」
もちろん、リセット状態は今も変わらないリオの質問に答える気もさらさらなかった。
「あとは…」
「姉さま?!」
ベットのマットをずらし出したリディアにリオが更に怪訝な表情を作る。
ずらした奥のマットの端からマットの中へ手を突っ込む。
「お、あった、あった!」
「!それは…」
ベットのマットから、とても綺麗な紋章の入った小さな護身用のナイフを取り出す。
業突く張りなこの義家族に見つかると絶対取られると隠していたナイフだ。
「…その紋章、それにローズ… もしかして姉さまのお母様の形見?」
一瞬で見破るリオ。
ピクッと肩が反応するも、一瞬でリセットする。
すぐさまリセットはすでに体に染みついていた。
(流石リオね、恐るべし)
そう思いつつ、その護身用ナイフを胸元にしまう。
そう、これは父が母に贈ったもので、父の男爵家の紋章と母の名前が入った綺麗なきめ細やかな細工が施された護身用ナイフだ。
これから先、違う意味での危険が付き物だ。
この先の生活はどういったものになるかも全然解らない。
しかも戦乱は落ち着いてきたもののその影響はまだ大きく、また魔物の出現というのもあり、安定していない環境なため不逞な輩も結構居る。
護身用ナイフと言えずっと仕舞っていたので使ったことはないが、もしもを思えば持っておくに越したことはない。
それにナイフは色々と役に立つ。
「あとは…」
「姉さま」
ベットの下に手を伸ばしかけたその腕を不意に掴まれる。
「姉さま、この家を出ていくの?」
「!」
リディアはフリーズした。
今まで本を読んでいるときや寝ているときに抱き着いたりという事はあっても、リディアが行動するときには邪魔をする事は一度もなかった。
だから瞬時にどんな時でもリセットしてリオの存在を消すことが出来たのだ。
完全に腕を掴まれ初めてリセットできない状況に陥り、リディアの頭はパニックし思考が停止する。
「なら僕も連れて行って!」
「!」
(ど、どうしよう・…)
これはどう考えてもリオと会話をしなければならない状況だ。
今や大人と変わらない18歳になったリオの腕をほどくことは不可能。
(これはフラグか?ねぇねぇ、フラグか?!)
リディアの脳が急速回転し始める。
(考えろぅ考えろぅ思い出せぇ思い出せぇー)
乙女ゲームのここはまだ序盤のはず。
この日のために一生懸命思い出していたものを、もう一度頭で整理するために脳裏に浮かばせる。
(確か…)
徴が出た後、しばらくして城からの使いと称する者がやってくるはず。
義妹達に徴が出ているか確認しにくるのだ。
その後私ことリディアが街にお使いを頼まれ行く途中、人とぶつかるイベント発生。それがまぁ詰まる所、攻略男子2号で確かこの国の第一王子だっけか?そんな感じだったはず。
そこで確かぶつかった拍子にちらりと見えた徴に探していた聖女かもとかになって、そこで攻略男子3号が現れて、2号は3号に連れてかれてリディアを見失うといった感じなはず。
その後、何かでこの家にもう一人娘が居ると知って、そこで私が見つかるんだよね、確か。
(しかし、うーん)
リオがその時どうなったかは、すっかり覚えていない。
まぁでも、大体なんやかんやで付いてきたパターンだと思うんだ。うん。
(あの乙ゲー、よくあるパターンのオンパレードだったしね…)
あの序盤でリオとの選択肢ってあったかなー?と必死に思い出そうとするも、やっぱり思い出せない。
(てことは会話してもフラグは問題ない?)
「姉さま?」
(いやいやちょっと待て、それよりもよ)
徴が出た後、城の使いの訪れがあった後に外に出るのはまずいよね。
ということは、訪れる前にこの家を出ないといけない。
でないと、街であらうっかりぶつかっちゃったー!テヘペロイベントが発生してしまう。
(ということは、今すぐ出ていく方が得策)
徴が出た後、どれぐらいでこの家に訪れるかは解らないのだ。
とにかく早く出ないとやばいという事だけは確かだ。
「お願い、姉さま、僕、絶対足手まといなんかにならないから」
(問題は、あとはリオよね)
リオを連れていくかどうか。
ほっといてもついてきそうな気もするが、一応私に従順な彼だ。
「来るな」と言えば来ないかもしれない。
でも「来るな」という会話が発生してしまう。
(ここでの問題は、フラグだわ)
序盤の会話でもフラグを用意されているモノも乙女ゲームにはある。
もし本来のゲーム内でこの会話がなければフラグは立たない。
でももしもあったならば、フラグが関わる。
だが、序盤だとフラグが立たないパターンも多い。
(ここは掛けるしかないか…)
一つ息を吐くと、決意を決める。
そして、振り向こうとした瞬間、
――――― パタンッ
ドアの開く音。
「しまった…気を取られて気づくの遅れた!ごめんなさい、姉さま、下の義妹が帰ってきたみたい」
「!」
(義妹が帰ってきた…てことは…外に出られない?)
いつもより早く帰ってきた義妹に焦る。
義妹に見つかって殴られるとかよりも、外に出られない間に城からの使いが来る方がヤバイ。
窓の外を見る。
そこには裏の木の先の方が見える。
リオはこの木に器用に飛び移り、よく外に出ていく。
だけど私には到底無理だ。
しばらく義妹の様子を見て、外に出られるチャンスを待とうかと思った時だった。
―――― パタンっバタバタ…
「今日はもう一人の義妹も帰ってきたようです」
「! ダメだわ…」
「?」
私の脳裏に一つのシーンが浮かび上がる。
城からの使いと義妹二人が会話しているシーンが。
(ふたりが揃っているという事は、もしかしたら…)
”まもなく、城からの使いがやってくるかもしれない!”
「リオ」
「! は、はいっ」
私は初めて彼の名を呼ぶ。
「あの木に私を抱いて飛び移れる?」
「!…も、もちろん!」
「そのまま外に出るのも可能?」
「大丈夫!絶対成功させてみせるよ!」
「そう…」
6年間まともに見たことがないリオに振り返る。
リオの目がキラキラと輝くように大きく見開く。
「今すぐ、私を外に連れ出して」
前世を思い出し、リオが来てから早6年の月日が流れていた。
木の枝の上だというのに器用に私の腰に腕を回しべったりとくっついて膝の上で眠るリオがそこにいた。
この6年間、リセットを繰り返しまるっと無視してきたはずなのに今では完全に自分にべったりのリオが出来上がっていた。
(あー足が痺れてきた、早くどいてくれないかなー)
図体もデカくなったリオの頭を本の隙間からちらりと見下ろす。
あの思いっきり殴られた日を境にリオの急成長ぶりには目を見張った。
あっという間に屋敷全体の位置の把握から、人々の動き全てを瞬時に感じ取り、それぞれの趣向から癖まで更にはお手伝いさんの家の事情まで全ての情報を把握し、私が必要だと思ったものは、いや思う前に机の上に置かれていた。
あの日以来、殴られるとか見つかったことが一度もない。
お陰で義理の家族やお手伝いさん達からも、完全に諦められ忘れ去られていた。
(うーん、これはこれでぐーたら生活とも言えなくもないか…)
春の木漏れ日とそよそよ注ぐ春の風を感じながらふとそう思うが、ふるふると頭を横に振る。
(いやいや、こんな生活ではダメだわ)
やせ細った腕を見る。
平和だと言えど、結局たいした食糧も得られないままだ。
今の季節はいいけれど、特にあの寒い冬なんか隙間風だらけのあの屋根裏部屋で過ごさないといけない。
一生こんな生活だなんて絶対に嫌だ。
(いい加減、徴現れろってのですよ)
ちょっと手を翳してみるも、やはり魔法なんて出てこない。
あれから少しずつ貯めたお金も家を買うまでの仕事や宿を探す準備期間用の資金分は溜まった。
後は魔法が使えるようになる徴だけなのだ。
「はぁ~、そろそろいい加減、こんな家ともおさらばしたいのに」
肩を落とし、またいつものように本の文字に目を落とした。
そう思った数日後の事だ。
リオが手に入れてくれた鏡を手にする。
前の鏡の切れ端と違い、小さいながらも前よりも見やすくて重宝している。
そしてその鏡を手にしながら台の上にある櫛を持つ。
これもリオが器用に木の板で作ってくた櫛だ。
リセットしていても便利なモノはちゃっかり貰ってしまっている相変わらずクズ志向のリディアだった。
その櫛で鏡を見ながら髪を梳く。
梳き終わった櫛と鏡を置こうとして手が止まる。
「ん?」
鏡を置こうと傾けた時に何やら変なものが映った気がする。
改めて鏡を自分の顔から徐々に首元へと落とした瞬間、瞳孔が見開く。
「お、おお、おおおおおおおっっ」
首の根元に何やら紋章が浮かび上がっていた。
「こ、これはっっ!!」
何度も何度も確認するように鏡を覗き込む。
どう見ても間違いない。
「キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!」
思わず絶叫する。
「ね、姉さま!?」
そしてハッと口を押える。
(しまった、つい、絶叫してしまったわ)
「大丈夫、今は屋敷に誰もいないよ、この後半時もしないうちに戻ってくると思うから、そろそろ移動準備はじめて、姉さま」
リオの言葉にホッと胸をなぜ下す。
6年ぶりに見つかるかと思ったが、大丈夫のようだ。
「こうしちゃいられないわ!」
「姉さま?」
ベットの下から次々と物を取り出す。
「ど、どうしたの?姉さま??」
そして奥の方にしまっていた袋を取り出す。
ジャリっと音を鳴らしながら中身を確認する。
(うん、これだけあれば暫くは大丈夫よね)
少しずつ少しずつ貯めたお金の袋を鞄にしまう。
「姉さま、そんな大金どうするの?」
もちろん、リセット状態は今も変わらないリオの質問に答える気もさらさらなかった。
「あとは…」
「姉さま?!」
ベットのマットをずらし出したリディアにリオが更に怪訝な表情を作る。
ずらした奥のマットの端からマットの中へ手を突っ込む。
「お、あった、あった!」
「!それは…」
ベットのマットから、とても綺麗な紋章の入った小さな護身用のナイフを取り出す。
業突く張りなこの義家族に見つかると絶対取られると隠していたナイフだ。
「…その紋章、それにローズ… もしかして姉さまのお母様の形見?」
一瞬で見破るリオ。
ピクッと肩が反応するも、一瞬でリセットする。
すぐさまリセットはすでに体に染みついていた。
(流石リオね、恐るべし)
そう思いつつ、その護身用ナイフを胸元にしまう。
そう、これは父が母に贈ったもので、父の男爵家の紋章と母の名前が入った綺麗なきめ細やかな細工が施された護身用ナイフだ。
これから先、違う意味での危険が付き物だ。
この先の生活はどういったものになるかも全然解らない。
しかも戦乱は落ち着いてきたもののその影響はまだ大きく、また魔物の出現というのもあり、安定していない環境なため不逞な輩も結構居る。
護身用ナイフと言えずっと仕舞っていたので使ったことはないが、もしもを思えば持っておくに越したことはない。
それにナイフは色々と役に立つ。
「あとは…」
「姉さま」
ベットの下に手を伸ばしかけたその腕を不意に掴まれる。
「姉さま、この家を出ていくの?」
「!」
リディアはフリーズした。
今まで本を読んでいるときや寝ているときに抱き着いたりという事はあっても、リディアが行動するときには邪魔をする事は一度もなかった。
だから瞬時にどんな時でもリセットしてリオの存在を消すことが出来たのだ。
完全に腕を掴まれ初めてリセットできない状況に陥り、リディアの頭はパニックし思考が停止する。
「なら僕も連れて行って!」
「!」
(ど、どうしよう・…)
これはどう考えてもリオと会話をしなければならない状況だ。
今や大人と変わらない18歳になったリオの腕をほどくことは不可能。
(これはフラグか?ねぇねぇ、フラグか?!)
リディアの脳が急速回転し始める。
(考えろぅ考えろぅ思い出せぇ思い出せぇー)
乙女ゲームのここはまだ序盤のはず。
この日のために一生懸命思い出していたものを、もう一度頭で整理するために脳裏に浮かばせる。
(確か…)
徴が出た後、しばらくして城からの使いと称する者がやってくるはず。
義妹達に徴が出ているか確認しにくるのだ。
その後私ことリディアが街にお使いを頼まれ行く途中、人とぶつかるイベント発生。それがまぁ詰まる所、攻略男子2号で確かこの国の第一王子だっけか?そんな感じだったはず。
そこで確かぶつかった拍子にちらりと見えた徴に探していた聖女かもとかになって、そこで攻略男子3号が現れて、2号は3号に連れてかれてリディアを見失うといった感じなはず。
その後、何かでこの家にもう一人娘が居ると知って、そこで私が見つかるんだよね、確か。
(しかし、うーん)
リオがその時どうなったかは、すっかり覚えていない。
まぁでも、大体なんやかんやで付いてきたパターンだと思うんだ。うん。
(あの乙ゲー、よくあるパターンのオンパレードだったしね…)
あの序盤でリオとの選択肢ってあったかなー?と必死に思い出そうとするも、やっぱり思い出せない。
(てことは会話してもフラグは問題ない?)
「姉さま?」
(いやいやちょっと待て、それよりもよ)
徴が出た後、城の使いの訪れがあった後に外に出るのはまずいよね。
ということは、訪れる前にこの家を出ないといけない。
でないと、街であらうっかりぶつかっちゃったー!テヘペロイベントが発生してしまう。
(ということは、今すぐ出ていく方が得策)
徴が出た後、どれぐらいでこの家に訪れるかは解らないのだ。
とにかく早く出ないとやばいという事だけは確かだ。
「お願い、姉さま、僕、絶対足手まといなんかにならないから」
(問題は、あとはリオよね)
リオを連れていくかどうか。
ほっといてもついてきそうな気もするが、一応私に従順な彼だ。
「来るな」と言えば来ないかもしれない。
でも「来るな」という会話が発生してしまう。
(ここでの問題は、フラグだわ)
序盤の会話でもフラグを用意されているモノも乙女ゲームにはある。
もし本来のゲーム内でこの会話がなければフラグは立たない。
でももしもあったならば、フラグが関わる。
だが、序盤だとフラグが立たないパターンも多い。
(ここは掛けるしかないか…)
一つ息を吐くと、決意を決める。
そして、振り向こうとした瞬間、
――――― パタンッ
ドアの開く音。
「しまった…気を取られて気づくの遅れた!ごめんなさい、姉さま、下の義妹が帰ってきたみたい」
「!」
(義妹が帰ってきた…てことは…外に出られない?)
いつもより早く帰ってきた義妹に焦る。
義妹に見つかって殴られるとかよりも、外に出られない間に城からの使いが来る方がヤバイ。
窓の外を見る。
そこには裏の木の先の方が見える。
リオはこの木に器用に飛び移り、よく外に出ていく。
だけど私には到底無理だ。
しばらく義妹の様子を見て、外に出られるチャンスを待とうかと思った時だった。
―――― パタンっバタバタ…
「今日はもう一人の義妹も帰ってきたようです」
「! ダメだわ…」
「?」
私の脳裏に一つのシーンが浮かび上がる。
城からの使いと義妹二人が会話しているシーンが。
(ふたりが揃っているという事は、もしかしたら…)
”まもなく、城からの使いがやってくるかもしれない!”
「リオ」
「! は、はいっ」
私は初めて彼の名を呼ぶ。
「あの木に私を抱いて飛び移れる?」
「!…も、もちろん!」
「そのまま外に出るのも可能?」
「大丈夫!絶対成功させてみせるよ!」
「そう…」
6年間まともに見たことがないリオに振り返る。
リオの目がキラキラと輝くように大きく見開く。
「今すぐ、私を外に連れ出して」
0
お気に入りに追加
294
あなたにおすすめの小説
どうやら私(オタク)は乙女ゲームの主人公の親友令嬢に転生したらしい
海亜
恋愛
大交通事故が起きその犠牲者の1人となった私(オタク)。
その後、私は赤ちゃんー璃杏ーに転生する。
赤ちゃんライフを満喫する私だが生まれた場所は公爵家。
だから、礼儀作法・音楽レッスン・ダンスレッスン・勉強・魔法講座!?と様々な習い事がもっさりある。
私のHPは限界です!!
なのになのに!!5歳の誕生日パーティの日あることがきっかけで、大人気乙女ゲーム『恋は泡のように』通称『恋泡』の主人公の親友令嬢に転生したことが判明する。
しかも、親友令嬢には小さい頃からいろんな悲劇にあっているなんとも言えないキャラなのだ!
でも、そんな未来私(オタクでかなりの人見知りと口下手)が変えてみせる!!
そして、あわよくば最後までできなかった乙女ゲームを鑑賞したい!!・・・・うへへ
だけど・・・・・・主人公・悪役令嬢・攻略対象の性格が少し違うような?
♔♕♖♗♘♙♚♛♜♝♞♟
皆さんに楽しんでいただけるように頑張りたいと思います!
この作品をよろしくお願いします!m(_ _)m
【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!
悪役令嬢は二度も断罪されたくない!~あのー、私に平穏な暮らしをさせてくれませんか?~
イトカワジンカイ
恋愛
(あれって…もしや断罪イベントだった?)
グランディアス王国の貴族令嬢で王子の婚約者だったアドリアーヌは、国外追放になり敵国に送られる馬車の中で不意に前世の記憶を思い出した。
「あー、小説とかでよく似たパターンがあったような」
そう、これは前世でプレイした乙女ゲームの世界。だが、元社畜だった社畜パワーを活かしアドリアーヌは逆にこの世界を満喫することを決意する。
(これで憧れのスローライフが楽しめる。ターシャ・デューダのような自給自足ののんびり生活をするぞ!)
と公爵令嬢という貴族社会から離れた”平穏な暮らし”を夢見ながら敵国での生活をはじめるのだが、そこはアドリアーヌが断罪されたゲームの続編の世界だった。
続編の世界でも断罪されることを思い出したアドリアーヌだったが、悲しいかな攻略対象たちと必然のように関わることになってしまう。
さぁ…アドリアーヌは2度目の断罪イベントを受けることなく、平穏な暮らしを取り戻すことができるのか!?
「あのー、私に平穏な暮らしをさせてくれませんか?」
※ファンタジーなので細かいご都合設定は多めに見てください(´・ω・`)
※小説家になろう、ノベルバにも掲載
転生少女の溺愛異世界旅
優羅
ファンタジー
転生した少女(見た目…6歳 中身…15歳)が溺愛されまくるお話です
⚠超亀更新
⚠ちょっと溺愛すぎかも…?
⚠R15は保険です
⚠これから⚠が増えていくかも知れません
問題有りだと思った方、Uターンをお勧め致します
ばっちこいと思ってくださった方、是非とも覗いてって下さい!
虐げられ続け、名前さえ無い少女は王太子に拾われる
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】以前の小説をリメイクして新しい小説として投稿しています。
名前も付けられずに公爵家の屋敷の埃の被った図書室の中で育った元聖国の王女は虐待で傷だらけで魔物の居る森に捨てられ、王太子に拾われて宰相の養女となり、王国の聖女と呼ばれ、波乱万丈の人生をおくるが王太子妃になり幸せになる。
チートスキルを貰って転生したけどこんな状況は望んでない
カナデ
ファンタジー
大事故に巻き込まれ、死んだな、と思った時には真っ白な空間にいた佐藤乃蒼(のあ)、普通のOL27歳は、「これから異世界へ転生して貰いますーー!」と言われた。
一つだけ能力をくれるという言葉に、せっかくだから、と流行りの小説を思い出しつつ、どんなチート能力を貰おうか、とドキドキしながら考えていた。
そう、考えていただけで能力を決定したつもりは無かったのに、気づいた時には異世界で子供に転生しており、そうして両親は襲撃されただろう荷馬車の傍で、自分を守るかのように亡くなっていた。
ーーーこんなつもりじゃなかった。なんで、どうしてこんなことに!!
その両親の死は、もしかしたら転生の時に考えていたことが原因かもしれなくてーーーー。
自分を転生させた神に何度も繰り返し問いかけても、嘆いても自分の状況は変わることはなく。
彼女が手にしたチート能力はーー中途半端な通販スキル。これからどう生きたらいいのだろう?
ちょっと最初は暗めで、ちょっとシリアス風味(はあまりなくなります)な異世界転生のお話となります。
(R15 は残酷描写です。戦闘シーンはそれ程ありませんが流血、人の死がでますので苦手な方は自己責任でお願いします)
どんどんのんびりほのぼのな感じになって行きます。(思い出したようにシリアスさんが出たり)
チート能力?はありますが、無双ものではありませんので、ご了承ください。
今回はいつもとはちょっと違った風味の話となります。
ストックがいつもより多めにありますので、毎日更新予定です。
力尽きたらのんびり更新となりますが、お付き合いいただけたらうれしいです。
5/2 HOT女性12位になってました!ありがとうございます!
5/3 HOT女性8位(午前9時)表紙入りしてました!ありがとうございます!
5/3 HOT女性4位(午後9時)まで上がりました!ありがとうございます<(_ _)>
5/4 HOT女性2位に起きたらなってました!!ありがとうございます!!頑張ります!
5/5 HOT女性1位に!(12時)寝ようと思ってみたら驚きました!ありがとうございます!!
異世界に来ちゃったよ!?
いがむり
ファンタジー
235番……それが彼女の名前。記憶喪失の17歳で沢山の子どもたちと共にファクトリーと呼ばれるところで楽しく暮らしていた。
しかし、現在森の中。
「とにきゃく、こころこぉ?」
から始まる異世界ストーリー 。
主人公は可愛いです!
もふもふだってあります!!
語彙力は………………無いかもしれない…。
とにかく、異世界ファンタジー開幕です!
※不定期投稿です…本当に。
※誤字・脱字があればお知らせ下さい
(※印は鬱表現ありです)
転生幼女具現化スキルでハードな異世界生活
高梨
ファンタジー
ストレス社会、労働社会、希薄な社会、それに揉まれ石化した心で唯一の親友を守って私は死んだ……のだけれども、死後に閻魔に下されたのは願ってもない異世界転生の判決だった。
黒髪ロングのアメジストの眼をもつ美少女転生して、
接客業後遺症の無表情と接客業の武器営業スマイルと、勝手に進んで行く周りにゲンナリしながら彼女は異世界でくらします。考えてるのに最終的にめんどくさくなって突拍子もないことをしでかして周りに振り回されると同じくらい周りを振り回します。
中性パッツン氷帝と黒の『ナンでも?』できる少女の恋愛ファンタジー。平穏は遙か彼方の代物……この物語をどうぞ見届けてくださいませ。
無表情中性おかっぱ王子?、純粋培養王女、オカマ、下働き大好き系国王、考え過ぎて首を落としたまま過ごす医者、女装メイド男の娘。
猫耳獣人なんでもござれ……。
ほの暗い恋愛ありファンタジーの始まります。
R15タグのように15に収まる範囲の描写がありますご注意ください。
そして『ほの暗いです』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる