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サイコロジカル
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目隠しをされ、
ヘッドフォンをされる。
両手を縛られる。
耳からは
血流をゆさぶるような不規則な音が流れ、
わたしのからだは少しずつ
敏感さを増していく。
自由に動かせる足をもぞもぞさせながら、
わたしは声をあげる。
「シン君、わたしなにされるの?」
おどけた調子で尋ねてみたが、
なにも反応がない。
「ねえ?聞いてる?」
やはり、反応がない。
耳に聞こえる音がごわごわして、
暗闇につつまれた中、
見捨てられたのかと思い心配になってくる。
「シン君、いるよね?」
…
肌にはベッドの感触。
縛られた両腕に意識が集中する。
動かしてもガチガチして、
不安は増していく。
耳にひびく音は
脳を刺激して、
この暗闇がずっと続くようで
わたしの花びらは蜜を絞り出す。
「…っ!」
じわじわとにおいがしてくる。
脇から汗が出てきて、
恥の感覚がわたしのからだを
熱くさせてゆく。
「シン君…はやく…」
いくら懇願しても
無視される。
そもそも彼がここにいるのかすらわからない。
この空間にひとりぼっちで
空虚な静寂が身をつつんでいる。
脳をゆさぶる音が
恐怖を増加させ、五感の一つの触覚を
さらに鋭敏にさせる。
「シン君、どこ?怖いよ…」
…
…
やはり反応がない。
「ねぇ!!はやく!!あたまがおかしくなる!」
わたしはついに
足をバタバタとさせ、からだをくねらせる。
両手が痛い。
ベッドを踏む感覚が
寂しく反射してくる。
鼻を刺激し、
足がどう動いてるのかすら
わからなくなってくる。
……
どれくらい…
経ったのだろう?
10分?20分?
いや、すでに1時間はすぎたに違いない。
「……」
声は出てるのだろうか?
聞こえてるのかすらわからない。
足は力をなくし、
もはや抵抗の意味もないと悟った。
諦観をあらわにしたわたしは、
すでにこの場に退屈していた。
何もないのだ。
わたしには何もない。
だから彼に愛されることもない。
そうわかってしまったのだ。
もう…寝てしまおう。
わたしは深い眠りについた。
ヘッドフォンをされる。
両手を縛られる。
耳からは
血流をゆさぶるような不規則な音が流れ、
わたしのからだは少しずつ
敏感さを増していく。
自由に動かせる足をもぞもぞさせながら、
わたしは声をあげる。
「シン君、わたしなにされるの?」
おどけた調子で尋ねてみたが、
なにも反応がない。
「ねえ?聞いてる?」
やはり、反応がない。
耳に聞こえる音がごわごわして、
暗闇につつまれた中、
見捨てられたのかと思い心配になってくる。
「シン君、いるよね?」
…
肌にはベッドの感触。
縛られた両腕に意識が集中する。
動かしてもガチガチして、
不安は増していく。
耳にひびく音は
脳を刺激して、
この暗闇がずっと続くようで
わたしの花びらは蜜を絞り出す。
「…っ!」
じわじわとにおいがしてくる。
脇から汗が出てきて、
恥の感覚がわたしのからだを
熱くさせてゆく。
「シン君…はやく…」
いくら懇願しても
無視される。
そもそも彼がここにいるのかすらわからない。
この空間にひとりぼっちで
空虚な静寂が身をつつんでいる。
脳をゆさぶる音が
恐怖を増加させ、五感の一つの触覚を
さらに鋭敏にさせる。
「シン君、どこ?怖いよ…」
…
…
やはり反応がない。
「ねぇ!!はやく!!あたまがおかしくなる!」
わたしはついに
足をバタバタとさせ、からだをくねらせる。
両手が痛い。
ベッドを踏む感覚が
寂しく反射してくる。
鼻を刺激し、
足がどう動いてるのかすら
わからなくなってくる。
……
どれくらい…
経ったのだろう?
10分?20分?
いや、すでに1時間はすぎたに違いない。
「……」
声は出てるのだろうか?
聞こえてるのかすらわからない。
足は力をなくし、
もはや抵抗の意味もないと悟った。
諦観をあらわにしたわたしは、
すでにこの場に退屈していた。
何もないのだ。
わたしには何もない。
だから彼に愛されることもない。
そうわかってしまったのだ。
もう…寝てしまおう。
わたしは深い眠りについた。
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