新年1発目に王子の股間を揉みしだく話

やわらかうさぎ

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カイル様との記憶

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回避的思考。

わたしは昔から危ないことを避けてきた。

いかにも悪そうな集団を見れば、道を変えて遠回りをした。
人の悪口が始まりそうな会話は、そこから離れるようにした。
やるべきことがうまく行かないときは部屋の掃除をして、気を紛らわせた。

わたしはそれが普通だと思っていたが、どうもそうではないみたいだ。

「シア。ボーっとしてどうしたんだ?」

フィリシア国第二王子のカイル様に話しかけられた。
この人はどうして平民のわたしを気にかけるのだろう?

「すみません。むかしのことを思い出していました」
「そうか。なんだか遠くを見ていたから心配したよ」

心配してくれてる?嘘だとしても、こころが暖かくなる。カイル様に気にかけていただけるとは思ってなかったから。

「カイル様、どうしてここに?」
「ああ、仕事の合間で買い物でもしようと思ってね」
「ふふ。王子様でもそういうことするのですね」

思わず笑ってしまった。

「あ、すみません。わたしったら笑ってしまって」
「はは。今日は天気がいいからね。表情が穏やかになるんだろう」
「それって関係あるんですか?」
「あるよ。今日のシアはすごくキレイに見えるから」

突然の告白に驚いてしまった。

「お上手ですね。カイル様。わたしのような平民にも優しいのですね」
「はは。冗談じゃないよ。それに、シアは自分のことをよく分かってないと思う」

わたしのことをよく分かってない?

「どういうことでしょう?」
「シアは思ってるより、気高く強い子だと思う」
「え…?」
「君は自分がずっと逃げてると思ってるよね?」

…たしかに
ずっとそう思ってる。でもどうしてわかったんだろう?

「なぜ、そう思うのですか?」
「だって、僕はシアのことを見てきたから」
「……」
「本当は怖いんだろう?僕と話すのが。いや、人と関わるのが…かな?」
「…カイル様にはすべてがお見通しなのですね」

わたしの性分を見透かされたのが、
少しだけ嫌だったので
彼の股間を掴んだ。

「ぐっ…」
「カイル様、どうか許してください」
「何をするんだシア」
「ごめんなさい、カイル様。手が止まらないのです」

わたしは彼の股間を揉みしだいた。
王子の王子は
まだ戦闘状態ではなく
服の上からは大きさを感じない。

しかし、彼を包む袋は
とても大きく感じた。
これは…

「カイル様の、大きいですね…」
「ぐっ…シア、人前でそんなことやめてくれ」
「ダメです。左手が勝手に動くのです…」

王子のモノは
少しずつ膨張する。
服の上からでもわかるそれが、
わたしの手に心酔してゆく。


「シア。ひと思いにやってくれ!俺はもう駄目みたいだ…」
「カイル様…どうか諦めないでください」
「くっ…」
「わたしはカイル様がいつも民のために尽力していると知っています」
「……」
「そんなカイル様ならこの苦難も乗り越えられると信じています」
「しかしこれは…」
「覚えてますか?わたしたちが初めて会ったときのことです」
「うっ…」
「わたしが野良猫にエサをあげていたとき、カイル様がふと現れたのです」
「いくっっっっぅ……!!」


カイル様がからだをうねらせた。
手には脈打つ感覚があるが、
服の上からはそれしか伝わらない。

しかし、カイル様の表情を見ると
きっと天にも登るようなお気持ちなのだろう…。

「あの時と同じですね…」
「そうだな」
「わたしカイル様が好きだと思います」
「…そうか」


王子は遠くを眺めていた。
わたしが初めにしていた目と
同じ目をしていると感じた。

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