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第0章
思い出したけど、私は…
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「…アリス。愛している。」
「私もです、王子。」
二人の唇が重なり合い、熱い吐息が重なる。
体に沿う男らしくも細く大きい手も吐息と同じように
熱を持っていた。
その手が滑りこむのを羞恥で滲む瞳で追うと、
俺を見ろとばかりに美しく端正な顔立ちが近づいてきて
唇を奪う。されるままに、身を預けると
ずくり、と体の奥が疼くのが分かった。
それを感じ取ったのか、彼は手を腰へと這わせていく。
この藍色の瞳も、形のいい薄い唇から発される愛の言葉も
全部私に向けてくれたものなのだと、
私だけの物なんだと感じる。
これからすべてを彼に捧げていけるんだという喜びだけが心を染めた。
「…さ…ま」
「…?…なんて?」
どこからか、声が聞こえる。
なんといっているのかイマイチ分からず
聞き返すが、やはり何と言っているか分からない。
次の瞬間大きく視界が揺れた。
「お嬢様、起きてくださいませ」
「…!!!???
ひゃあああぁあああぁあっ」
「!!!??」
8歳の誕生日を迎えた朝。
寝起きからとんでもない声を上げたせいで、
起こしてくれた従僕は驚き手を止めた。
叫び声を聞きつけて、何事かとメイドたちがやってくるが
全く構っていられず私は深刻な表情で顔を青ざめさせた。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
従僕が心配そうに私に声を掛けてくれるが
それも構っていられなかった。
「ど、どうしよう…わ、私…」
あわあわと私の周りで慌て続けるメイド達には悪いが、
本当にそれどころではないのだ。
だって、ここは、、、乙女ゲームの世界だったんだもん!
ありきたりな言葉しか出てこないが、
それしか言えない。
人って混乱すると言葉が出てこないって
本当だったんだ、、、
そう、ここは、前世でやっていた乙女ゲームの世界だった。
タイトルは思い出せないけど、
何があったかはハッキリと覚えている。
さっき見た夢の内容そっくりそのまま乙女ゲームの内容だった。
大好きなゲームだったとはいえ、
あんなシーンを夢に見るとは恥ずかしい…
そして私は、
自分の容姿や今までの記憶を思い出して、
更に顔を顰める。
転生した私はまごうことなく…
ヒロインだったのだ!!
なんでよ!今流行ってるじゃん、悪役令嬢!
なんでヒロインの方なのよ!!
私は若干半べそを掻きながら布団に突っ伏し拳を握り震わせる。
恐らくメイド達はその姿に更に困惑の色を深め慌てるだろう。
然し、分からないながらも
そっ、と背を撫でてくれる従僕とメイド達はとてもやさしい。
後でお菓子差し入れしに行こう…
さて、話を戻して何が問題かというと
私が転生者ということは悪役令嬢ももしかしたら
転生者かもしれないということだ。
私が居た前世の世界では【悪役令嬢】の物語が大いに流行っていた。
売婦なヒロインを悪役令嬢がぶっ飛ばし幸せになるという物語だった。
私も例外なくドはまりしたし、
転生するなら
悪役令嬢のがよかったと
今でも思っている。
だって、更生していけばいい話で
本人の努力次第でいい方向に行けるじゃん!家柄もいい人多し!
でも、物語のヒロインってことは
何かしらを全うしてストーリーと同じように
進まなくちゃいけない役目があるかもしれない。
ヒロインは、この世界の中心になる様な
重要な役目な可能性があるし、
私がそれをしないと世界が滅びてしまうかもしれないのだから。
自由に生きられるかは分からない所だ。
頑張るけど!!
私は布団に突っ伏しながら
再度自分が何者なのか確認するように
顔をぺたぺたと触る。
ん~、やっぱりどう足掻いても
私はヒロインだなぁ。
正直、今の私は誰が見ても天使。
蜂蜜色の動くたびに絹のように広がる緩くウェーブかかった髪に、
宝石のような美しい光を放つ薄い淡藤色と桜色のグラデーションの瞳、
愛らしくふっくらとした紅色の唇に、同い年の子たちと比べても一回り小さい身長。
あぁぁ、天使!!
このゲームのヒロイン見た時
本当に可愛いって思ってたけど、
可愛く産んでくれてありがとう!!パパ、ママ!
もう亡くなってていないけど!
…思い出すと辛いから、
あまり思い出したくないけど、
アリス・ランファーリは養女だった。
伯爵令嬢として今は、ランファーリ家に引き取られているが
前は、ランファーリの分家だったが父母の意向で平民として暮らしていた。
そんなヒロイン、いや、私、アリス・ランファーリは
伯爵家の一人娘で、16歳の誕生日に王都にある王立学園に入学し、
数々の偶然が重なり複数の男性に迫られ、
なんやかんや伝説の力を手に入れ、その中の一人と結婚し
幸せに暮らすという物語だ。
でも、このゲームの中にも悪役令嬢が存在していた。
ライザ・グリモア。侯爵家の令嬢だ。
漆黒の黒羽色の髪に、赤い瞳に切れ長ビューティーな吊り目。
我儘で放漫な性格で社交界では悪評しかたって居なかったはずだが、
この貴族社会でそんな噂は聞かない。
無意識に体が震える。
恐らく、悪役令嬢も転生者だと思う。
ヒロインの断罪劇を小説で楽しんできたうちの一人だ。きっと!
確実ではないけど!
…用心するに越したことはない。
とにかく自分がヒロインであるということを思い出してよかった。
ほっ、息を付いたことで
背を撫でていた手が離れた。
色んな悪役令嬢の小説はあるが、
ヒロインと仲良くやってくれる人はあまり見たことない。
大体ヒロインが糞な性格をしている事が多いから、
結局断罪せざるを得ないんだと思う。
私も転生者だけど、ほかのヒロイン達のように
そんなあざといことはしたくないなぁ…
あぁ~、…やだなぁ。
私争いとかしたくないんだけどなぁ、、、
出来れば平和に何にもなく
愛する人と結婚して終わりたい。
あっ!待ってそういえば…
一つ喜ばしいことがあった。
今の地位は伯爵令嬢だということだ。
大体のヒロインは平民から来ている為
マナーなどは全然学べず、学園に入り
習ったばかりの仕来りなどを忘れて王子達に接してしまう。
そして、どの貴族からも疎まれてしまう。
だけど、今の私は伯爵令嬢!
ということは、申し分なく貴族社会や情勢について学べる!
勉強はあまり好きではないし、
この伯爵家自体がかなり放任主義で自分の好きなことを存分に伸ばしなさいっていう
貴族らしくない家なので、
アリスは甘えて森で遊んだり
庭でサッカーもどきをしたり、
動物たちと戯れたりして居た。
それもあってか、魔法も今の歳にしては結構使える…筈。
今後の悪役令嬢の出方によっては勉強していないと後々困ることになるのは自分だし、
政治的な事も含めて令嬢として必要な事、
それから、王族に必要なこととかも知っておこう!
今からでも遅くないし、
今日の誕生日プレゼントのお願いは、
家庭教師にしようと思う。
さてとっ、
心が固まったところで…
待たせている従僕たちに謝らなくちゃ、と顔を上げる。
そこには本気で心配している皆の顔が
覗き込むように私を囲んでいた。
本当にいい人たちだ。
一人一人にお礼を言い、大丈夫なことを伝えて下がってもらう。
従僕だけはそのまま残り、私の朝食の用意を始めた。
私は朝ご飯を自室で取る事が多かった。
伯爵夫婦は外交で外に居ることが多く、
なかなか屋敷に居ないから広間で一緒に食べる必要がないのだ。
紅茶のいい香りが鼻を擽ってきたところで
そういえば…と、大事なことを思い出した。
紹介し忘れていたが、従僕をしてくれている4歳年上の男の子。
レイル・ラウスについて何も話していなかった。
彼も乙女ゲームの攻略対象である。
ヒロインのお兄さん的立ち位置におり、
二人きりの時はよく敬語を外して話してくれる。
優しくて気のいいお兄ちゃんって感じ。
普段はどこかおちゃらけた雰囲気があるが、
人前では冷静沈着で常に完璧な執事で居られるように訓練された男爵家の次男で、この歳にして中級魔法まで使える天才だ。
歩くたびに、金色がかった白髪は柔らかく揺れ
少したれ目気味だが細長く透き通った瞳と高く形の整った鼻は
それだけで端正な顔立ちだとわかるくらいに均等がとれている。
体系も細身だがしっかりと筋肉が付き始めており、
幼いながらも執事服を着こなしていて、
優雅な仕草で紅茶を入れる様は美男子としか言いようがない!
まさに攻略対象ですね!ありがとう!
ほぅ、とその姿に見惚れていると
レイルは振り返りにやり、と口元を吊り上げた。
「私もです、王子。」
二人の唇が重なり合い、熱い吐息が重なる。
体に沿う男らしくも細く大きい手も吐息と同じように
熱を持っていた。
その手が滑りこむのを羞恥で滲む瞳で追うと、
俺を見ろとばかりに美しく端正な顔立ちが近づいてきて
唇を奪う。されるままに、身を預けると
ずくり、と体の奥が疼くのが分かった。
それを感じ取ったのか、彼は手を腰へと這わせていく。
この藍色の瞳も、形のいい薄い唇から発される愛の言葉も
全部私に向けてくれたものなのだと、
私だけの物なんだと感じる。
これからすべてを彼に捧げていけるんだという喜びだけが心を染めた。
「…さ…ま」
「…?…なんて?」
どこからか、声が聞こえる。
なんといっているのかイマイチ分からず
聞き返すが、やはり何と言っているか分からない。
次の瞬間大きく視界が揺れた。
「お嬢様、起きてくださいませ」
「…!!!???
ひゃあああぁあああぁあっ」
「!!!??」
8歳の誕生日を迎えた朝。
寝起きからとんでもない声を上げたせいで、
起こしてくれた従僕は驚き手を止めた。
叫び声を聞きつけて、何事かとメイドたちがやってくるが
全く構っていられず私は深刻な表情で顔を青ざめさせた。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
従僕が心配そうに私に声を掛けてくれるが
それも構っていられなかった。
「ど、どうしよう…わ、私…」
あわあわと私の周りで慌て続けるメイド達には悪いが、
本当にそれどころではないのだ。
だって、ここは、、、乙女ゲームの世界だったんだもん!
ありきたりな言葉しか出てこないが、
それしか言えない。
人って混乱すると言葉が出てこないって
本当だったんだ、、、
そう、ここは、前世でやっていた乙女ゲームの世界だった。
タイトルは思い出せないけど、
何があったかはハッキリと覚えている。
さっき見た夢の内容そっくりそのまま乙女ゲームの内容だった。
大好きなゲームだったとはいえ、
あんなシーンを夢に見るとは恥ずかしい…
そして私は、
自分の容姿や今までの記憶を思い出して、
更に顔を顰める。
転生した私はまごうことなく…
ヒロインだったのだ!!
なんでよ!今流行ってるじゃん、悪役令嬢!
なんでヒロインの方なのよ!!
私は若干半べそを掻きながら布団に突っ伏し拳を握り震わせる。
恐らくメイド達はその姿に更に困惑の色を深め慌てるだろう。
然し、分からないながらも
そっ、と背を撫でてくれる従僕とメイド達はとてもやさしい。
後でお菓子差し入れしに行こう…
さて、話を戻して何が問題かというと
私が転生者ということは悪役令嬢ももしかしたら
転生者かもしれないということだ。
私が居た前世の世界では【悪役令嬢】の物語が大いに流行っていた。
売婦なヒロインを悪役令嬢がぶっ飛ばし幸せになるという物語だった。
私も例外なくドはまりしたし、
転生するなら
悪役令嬢のがよかったと
今でも思っている。
だって、更生していけばいい話で
本人の努力次第でいい方向に行けるじゃん!家柄もいい人多し!
でも、物語のヒロインってことは
何かしらを全うしてストーリーと同じように
進まなくちゃいけない役目があるかもしれない。
ヒロインは、この世界の中心になる様な
重要な役目な可能性があるし、
私がそれをしないと世界が滅びてしまうかもしれないのだから。
自由に生きられるかは分からない所だ。
頑張るけど!!
私は布団に突っ伏しながら
再度自分が何者なのか確認するように
顔をぺたぺたと触る。
ん~、やっぱりどう足掻いても
私はヒロインだなぁ。
正直、今の私は誰が見ても天使。
蜂蜜色の動くたびに絹のように広がる緩くウェーブかかった髪に、
宝石のような美しい光を放つ薄い淡藤色と桜色のグラデーションの瞳、
愛らしくふっくらとした紅色の唇に、同い年の子たちと比べても一回り小さい身長。
あぁぁ、天使!!
このゲームのヒロイン見た時
本当に可愛いって思ってたけど、
可愛く産んでくれてありがとう!!パパ、ママ!
もう亡くなってていないけど!
…思い出すと辛いから、
あまり思い出したくないけど、
アリス・ランファーリは養女だった。
伯爵令嬢として今は、ランファーリ家に引き取られているが
前は、ランファーリの分家だったが父母の意向で平民として暮らしていた。
そんなヒロイン、いや、私、アリス・ランファーリは
伯爵家の一人娘で、16歳の誕生日に王都にある王立学園に入学し、
数々の偶然が重なり複数の男性に迫られ、
なんやかんや伝説の力を手に入れ、その中の一人と結婚し
幸せに暮らすという物語だ。
でも、このゲームの中にも悪役令嬢が存在していた。
ライザ・グリモア。侯爵家の令嬢だ。
漆黒の黒羽色の髪に、赤い瞳に切れ長ビューティーな吊り目。
我儘で放漫な性格で社交界では悪評しかたって居なかったはずだが、
この貴族社会でそんな噂は聞かない。
無意識に体が震える。
恐らく、悪役令嬢も転生者だと思う。
ヒロインの断罪劇を小説で楽しんできたうちの一人だ。きっと!
確実ではないけど!
…用心するに越したことはない。
とにかく自分がヒロインであるということを思い出してよかった。
ほっ、息を付いたことで
背を撫でていた手が離れた。
色んな悪役令嬢の小説はあるが、
ヒロインと仲良くやってくれる人はあまり見たことない。
大体ヒロインが糞な性格をしている事が多いから、
結局断罪せざるを得ないんだと思う。
私も転生者だけど、ほかのヒロイン達のように
そんなあざといことはしたくないなぁ…
あぁ~、…やだなぁ。
私争いとかしたくないんだけどなぁ、、、
出来れば平和に何にもなく
愛する人と結婚して終わりたい。
あっ!待ってそういえば…
一つ喜ばしいことがあった。
今の地位は伯爵令嬢だということだ。
大体のヒロインは平民から来ている為
マナーなどは全然学べず、学園に入り
習ったばかりの仕来りなどを忘れて王子達に接してしまう。
そして、どの貴族からも疎まれてしまう。
だけど、今の私は伯爵令嬢!
ということは、申し分なく貴族社会や情勢について学べる!
勉強はあまり好きではないし、
この伯爵家自体がかなり放任主義で自分の好きなことを存分に伸ばしなさいっていう
貴族らしくない家なので、
アリスは甘えて森で遊んだり
庭でサッカーもどきをしたり、
動物たちと戯れたりして居た。
それもあってか、魔法も今の歳にしては結構使える…筈。
今後の悪役令嬢の出方によっては勉強していないと後々困ることになるのは自分だし、
政治的な事も含めて令嬢として必要な事、
それから、王族に必要なこととかも知っておこう!
今からでも遅くないし、
今日の誕生日プレゼントのお願いは、
家庭教師にしようと思う。
さてとっ、
心が固まったところで…
待たせている従僕たちに謝らなくちゃ、と顔を上げる。
そこには本気で心配している皆の顔が
覗き込むように私を囲んでいた。
本当にいい人たちだ。
一人一人にお礼を言い、大丈夫なことを伝えて下がってもらう。
従僕だけはそのまま残り、私の朝食の用意を始めた。
私は朝ご飯を自室で取る事が多かった。
伯爵夫婦は外交で外に居ることが多く、
なかなか屋敷に居ないから広間で一緒に食べる必要がないのだ。
紅茶のいい香りが鼻を擽ってきたところで
そういえば…と、大事なことを思い出した。
紹介し忘れていたが、従僕をしてくれている4歳年上の男の子。
レイル・ラウスについて何も話していなかった。
彼も乙女ゲームの攻略対象である。
ヒロインのお兄さん的立ち位置におり、
二人きりの時はよく敬語を外して話してくれる。
優しくて気のいいお兄ちゃんって感じ。
普段はどこかおちゃらけた雰囲気があるが、
人前では冷静沈着で常に完璧な執事で居られるように訓練された男爵家の次男で、この歳にして中級魔法まで使える天才だ。
歩くたびに、金色がかった白髪は柔らかく揺れ
少したれ目気味だが細長く透き通った瞳と高く形の整った鼻は
それだけで端正な顔立ちだとわかるくらいに均等がとれている。
体系も細身だがしっかりと筋肉が付き始めており、
幼いながらも執事服を着こなしていて、
優雅な仕草で紅茶を入れる様は美男子としか言いようがない!
まさに攻略対象ですね!ありがとう!
ほぅ、とその姿に見惚れていると
レイルは振り返りにやり、と口元を吊り上げた。
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