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第3話 そりゃ驚くよな
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不良達が去っていった後、周りにいたお客さん達から拍手をされていた。
「兄ちゃんやるな」
「格好良かった・・・」
「お腹大丈夫か?」
「ウホ」
周りのお客さん達から色々声を掛けられた。なんか変なのもいるみたいだ。
これはちょっと目立ってて恥ずかしい。早くこの場を去りたい気分だ。
「いえいえ、俺は特には・・・これは店長さんのお陰ですよ」
あの怖い顔で怒られたら誰だって逃げると思う。
俺だったら悪い事をして無くても迫られたら逃げる自信がある。
「お兄さん方、先程はありがとうございました。たまにああいう連中が来るんですが、俺1人だと対応できないときがあるので大変助かりやした。次来たらただじゃ済ましません」
敬語で話されると凄い違和感があるし、やした?その筋の人かな?隠せて無いですよ。
・・・と余計な事を考えるのは止めておこう。
「いえいえ、店長さんも大変なんですね・・・程々にしてくださいね」
「今回のお詫びとして、これをもらってくだせい」
「スゥ~・・・ありがとうございます」
強面店長に大量のメダルを頂いてしまった。良いのかな?良いんだよな。
なんか袖の下みたいな感じでちょっと受け取りにくい。こっちは特に悪いことしてないけど。
「昇、なんか大変だったな~」
「あ~そうだな。メダルも大量にもらっちゃったしな」
「あれな。あれがあれば、ずっと遊べるぞ。ラッキーだな」
たけは親指を立てて、ニコニコしている。
ポジティブなのか能天気なのか。こいつの良いところだ。
「ラッキーか。そう思うことにしよう・・・今日はパンチングマシーンの勝負はお預けにしておこう」
「まぁ、そうだな。次までに鍛えておくぜ」
「じゃあ、カフェにいくか」
このまま遊ぶ気分になれなかったので、もらったメダルを預けて、店を出ようとするとさっきのおじいさんが声を掛けてきた。
「さっきは助かりました。ありがとうございます。お腹にパンチを受けていたみたいですけど大丈夫ですか?」
「あ、全然大丈夫ですよ。本当に全然痛くなかったので」
「なら良かった。君は鍛えてるようには見えなかったけど度胸があるな。関心、関心」
パシン、パシン
おじいさんに背中を叩かれた。
これは褒められてるんだよね。鍛えてるように見えないって俺ってそんなにひょろひょろに見えるのかな?中学まで合気道を習っていたから、周りよりは鍛えてる自信があったんだけど。
さっきの店長みたいにムキムキまでは要らないけど、少しは筋肉が欲しい。
「いえいえ、それにしてもおじいさんも災難でしたね。変なやつに絡まれて・・・」
「本当に・・・。久しぶりにゲームセンターに来てみれば変なやつに絡まれるし。最近孫が高校に入ってから中々一緒に出掛けられなくて寂しい・・・」
なんかおじいさんの悲しいスイッチが入っちゃった。
分からないけど、孫と遊べないのは寂しいよな。
「そうなんですね・・・次またアイツらに絡まれたら、すぐに店員に連絡が良いと思いますよ。それでは~」
「名前を聞いていいですか?今度お礼をしますから」
「堂道です。お礼は結構ですから~。それでは~。たけ行くぞ」
おじいさんはなにか言っていたみたいだが、聞こえないふりをして、店を出ていった。
「昇良かったのか?お礼するって言ってたけど」
「あのおじいさん、不良に絡まれて、お礼してって大変じゃん。俺は特になにも要らないから大丈夫だ」
「まぁお前ならそう言うって思ってたけどな」
俺達はカフェに向かった。
* * *
駅近くのおしゃれなカフェに着いた。男二人でカフェに入るのは少し悲しいが。
今日は金曜日なのにお客さんが少ないみたいで、待たずに座れたのはラッキーだ。
「で、俺に話したいことってなんだ?」
「早速だな」
「うだうだやっててもしょうがないじゃん。ちょっと気になってたし」
「まぁな、じゃあ結論から言うと、彼女に浮気された」
「え、マジ?」
たけは口を開けたまま固まってしまった。
「ああ、マジだ。証拠見るか?」
俺はスマホを取り出し、彩花と知らない男がキスしている動画をたけに見せた。
「な?本当だろ?」
「菊池がそんな事するようなやつに見えなかったけど、この動画があるなら本当なんだろうな。普通にこいつ嫌いになったわ。来週から態度に出そうで怖いわ」
「俺はちょっとなにかやるとは思ってたんだけどな」
「ん?なんで?」
「バレてると思うけど、ここ数ヶ月くらい俺疲れ気味だったろ?あれな。彩花の仕事を俺がやらされてたんだよ。クラスの仕事からその他諸々も。最近は、彩花が俺に向けてる感情って、便利なやつくらいだったのかなって」
自分で言って悲しくなってきたぞ。
「あ~。確かにお前疲れてたな。いつか言ってくれると思ってたから聞かなかったけど。そうだったんだな。それは辛かったな・・・もうあいつのイメージ最悪だわ」
「今思うと馬鹿だったと思うよ。初めて彼女が出来たから浮かれてたんだと思う。恋人が出来て分かったけど、結構俺は人に尽くすのが好きだったみたいだ」
「誰だって恋人が出来たら、浮かれるのはしょうがないよ。ていうか良く動画を残そうと思ったな。嫌じゃなかったのか?はっきり言って寝取られだぞ」
「そうなんだけど、彩花のことが嫌になりすぎて別になんとも思わないレベルまできてたな。逆にラッキーとまで思ってたよ」
「マジかぁ・・・そこまでキツかったんだな。で、これからどうするん?聞くまでも無いけど」
「まっ、当然別れようかなって。あとはゆっくりしたい」
「まぁそうだよな。とりあえずお疲れ様」
たけに話が出来たことで俺の気持ちもよりスッキリした。
====================
ここまで読んで頂きありがとうございます。
次話、明日の12時頃、更新します。
良かったら「お気に入り登録」「感想」を頂ければ、書くモチベーションが上がりますので、宜しくお願いします。
コメントも頂けると嬉しいです。できるだけ返信しようかと思ってます。
ただし、あまり強い言葉ですと、コメントを消すかもですのでご了承ください。
「兄ちゃんやるな」
「格好良かった・・・」
「お腹大丈夫か?」
「ウホ」
周りのお客さん達から色々声を掛けられた。なんか変なのもいるみたいだ。
これはちょっと目立ってて恥ずかしい。早くこの場を去りたい気分だ。
「いえいえ、俺は特には・・・これは店長さんのお陰ですよ」
あの怖い顔で怒られたら誰だって逃げると思う。
俺だったら悪い事をして無くても迫られたら逃げる自信がある。
「お兄さん方、先程はありがとうございました。たまにああいう連中が来るんですが、俺1人だと対応できないときがあるので大変助かりやした。次来たらただじゃ済ましません」
敬語で話されると凄い違和感があるし、やした?その筋の人かな?隠せて無いですよ。
・・・と余計な事を考えるのは止めておこう。
「いえいえ、店長さんも大変なんですね・・・程々にしてくださいね」
「今回のお詫びとして、これをもらってくだせい」
「スゥ~・・・ありがとうございます」
強面店長に大量のメダルを頂いてしまった。良いのかな?良いんだよな。
なんか袖の下みたいな感じでちょっと受け取りにくい。こっちは特に悪いことしてないけど。
「昇、なんか大変だったな~」
「あ~そうだな。メダルも大量にもらっちゃったしな」
「あれな。あれがあれば、ずっと遊べるぞ。ラッキーだな」
たけは親指を立てて、ニコニコしている。
ポジティブなのか能天気なのか。こいつの良いところだ。
「ラッキーか。そう思うことにしよう・・・今日はパンチングマシーンの勝負はお預けにしておこう」
「まぁ、そうだな。次までに鍛えておくぜ」
「じゃあ、カフェにいくか」
このまま遊ぶ気分になれなかったので、もらったメダルを預けて、店を出ようとするとさっきのおじいさんが声を掛けてきた。
「さっきは助かりました。ありがとうございます。お腹にパンチを受けていたみたいですけど大丈夫ですか?」
「あ、全然大丈夫ですよ。本当に全然痛くなかったので」
「なら良かった。君は鍛えてるようには見えなかったけど度胸があるな。関心、関心」
パシン、パシン
おじいさんに背中を叩かれた。
これは褒められてるんだよね。鍛えてるように見えないって俺ってそんなにひょろひょろに見えるのかな?中学まで合気道を習っていたから、周りよりは鍛えてる自信があったんだけど。
さっきの店長みたいにムキムキまでは要らないけど、少しは筋肉が欲しい。
「いえいえ、それにしてもおじいさんも災難でしたね。変なやつに絡まれて・・・」
「本当に・・・。久しぶりにゲームセンターに来てみれば変なやつに絡まれるし。最近孫が高校に入ってから中々一緒に出掛けられなくて寂しい・・・」
なんかおじいさんの悲しいスイッチが入っちゃった。
分からないけど、孫と遊べないのは寂しいよな。
「そうなんですね・・・次またアイツらに絡まれたら、すぐに店員に連絡が良いと思いますよ。それでは~」
「名前を聞いていいですか?今度お礼をしますから」
「堂道です。お礼は結構ですから~。それでは~。たけ行くぞ」
おじいさんはなにか言っていたみたいだが、聞こえないふりをして、店を出ていった。
「昇良かったのか?お礼するって言ってたけど」
「あのおじいさん、不良に絡まれて、お礼してって大変じゃん。俺は特になにも要らないから大丈夫だ」
「まぁお前ならそう言うって思ってたけどな」
俺達はカフェに向かった。
* * *
駅近くのおしゃれなカフェに着いた。男二人でカフェに入るのは少し悲しいが。
今日は金曜日なのにお客さんが少ないみたいで、待たずに座れたのはラッキーだ。
「で、俺に話したいことってなんだ?」
「早速だな」
「うだうだやっててもしょうがないじゃん。ちょっと気になってたし」
「まぁな、じゃあ結論から言うと、彼女に浮気された」
「え、マジ?」
たけは口を開けたまま固まってしまった。
「ああ、マジだ。証拠見るか?」
俺はスマホを取り出し、彩花と知らない男がキスしている動画をたけに見せた。
「な?本当だろ?」
「菊池がそんな事するようなやつに見えなかったけど、この動画があるなら本当なんだろうな。普通にこいつ嫌いになったわ。来週から態度に出そうで怖いわ」
「俺はちょっとなにかやるとは思ってたんだけどな」
「ん?なんで?」
「バレてると思うけど、ここ数ヶ月くらい俺疲れ気味だったろ?あれな。彩花の仕事を俺がやらされてたんだよ。クラスの仕事からその他諸々も。最近は、彩花が俺に向けてる感情って、便利なやつくらいだったのかなって」
自分で言って悲しくなってきたぞ。
「あ~。確かにお前疲れてたな。いつか言ってくれると思ってたから聞かなかったけど。そうだったんだな。それは辛かったな・・・もうあいつのイメージ最悪だわ」
「今思うと馬鹿だったと思うよ。初めて彼女が出来たから浮かれてたんだと思う。恋人が出来て分かったけど、結構俺は人に尽くすのが好きだったみたいだ」
「誰だって恋人が出来たら、浮かれるのはしょうがないよ。ていうか良く動画を残そうと思ったな。嫌じゃなかったのか?はっきり言って寝取られだぞ」
「そうなんだけど、彩花のことが嫌になりすぎて別になんとも思わないレベルまできてたな。逆にラッキーとまで思ってたよ」
「マジかぁ・・・そこまでキツかったんだな。で、これからどうするん?聞くまでも無いけど」
「まっ、当然別れようかなって。あとはゆっくりしたい」
「まぁそうだよな。とりあえずお疲れ様」
たけに話が出来たことで俺の気持ちもよりスッキリした。
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ここまで読んで頂きありがとうございます。
次話、明日の12時頃、更新します。
良かったら「お気に入り登録」「感想」を頂ければ、書くモチベーションが上がりますので、宜しくお願いします。
コメントも頂けると嬉しいです。できるだけ返信しようかと思ってます。
ただし、あまり強い言葉ですと、コメントを消すかもですのでご了承ください。
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