穢れた、記憶の消去者

木立 花音

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最終章「七月七日夜七時」

第四話【記憶を消すという名の功罪(3)】

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「葉子の奴。またずいぶんと念入りにデータを隠してくれたものでな。おかげで、見つけるまでたいそう時間がかかってしまった。薫と葉子に感謝するんだな。このタイミングでデータが出てこなければ、お前は今頃この世界にいなかった。ちょいといろいろ知りすぎていた」

 おい、と浅野が顎で使うと、松橋さんが別室からノートパソコンを持ってきてデスクの上に置いた。メモリースティックを刺して中身の確認を始める。

「記憶技工士になりたいという雪奈の夢を継いでここまできたんだ。記憶消去方の脆弱性だかなんだか知らんが、くだらないことで邪魔などされてたまるか。僕が、この技術を継承していくことこそが、雪奈が生きていた証となるんだ」

 彼女が成そうとしていたことを、自らの手で実践していく。きっと、それが浅野なりの償いなのだろう。あるいは、そうしている間だけ、彼女の存在を身近に感じられるのかもしれない。
 故人に縛られている。狂っているとすら思う。けれど、その気持ちはどこかわかる気がした。

「そうだとしても、何も葉子さんまで殺すことはなかったんじゃないですか?」
「浅野が犯人だと、柚乃も知っていたのか?」
「ええ。浅野さんと雪奈さんとのつながりがわかった時点で、予測はついていました。あの日、どんなトリックが使われていたのかも、だいたいわかっています」
「そうか」

 トリックか。今さらそんなものに興味はない。それがわかったところで、葉子は帰ってこないのだから。

「殺す動機ならあるさ。……葉子は、教授の娘なのだから」
「え?」

 俺の声に、柚乃が目を丸くした。

「教授の血縁者だったから、手にかけたんだろう? 記憶消去方が軌道に乗っていくのを止められたくない、という名目の元」

「その通り」とほくそ笑んだ浅野の隣で、「あれ?」と松橋さんが首をひねった。

「ファイル、開かないんだけど」
「なんだって?」

 松橋さんを押しのけて、浅野がパソコンの前に座る。前のめりになってキーボードを叩いているその顔が、段々険しくなる。

「おい。パスワードってなんだ? パスワードを入力してくださいってメッセージが出て、そこからファイルが開かなくなるんだが」
「パスワード? なんのことかさっぱりわからないが」

 わからないだと、と浅野の声が苛立ち混じりになる。

「何か心当たりとかないのか?」

 パスワード、と考える振りをした。一秒、二秒、思考時間を長くする。

「そういえば、もうひとつファイルがあったな。葉子が俺に向けて残したメッセージのファイルが。もしかしたら、そっちにパスワードが書いてあるのかも」
「なんだと? そのファイルはどこにある?」
「自宅のリビングに置いてあるパソコンの中だよ。ここにくる前に流し読みした程度だから、確かなことは言えないけどな」
「くそったれ」

 おい、と浅野が松橋さんを呼んだ。

「薫のマンションに行って見てこい。それっぽいファイルがあったら、このパソコンに送信しろ」

 わかったと短く言葉を残し、松橋さんが部屋を出て行く。
 よし。これでしばらく時間が稼げる、この間に、どうにかして状況を好転させないと。
 その後も浅野はパソコンと睨めっこをしていたが、やがて諦めたように天を仰いだ。

「ダメだ。パスワードを突破できない。さすがはIQ180の女。最後まで手抜かりがない。筧葉子の頭脳は、俺にとってずっと垂涎の的だったよ」
「IQ180って本当なんですか」と柚乃が耳打ちをしてくる。
「本当だよ。大学在学時から、葉子は天才としてもてはやされていたからね
「死してなお、俺の邪魔をしてくるとはな。本当にいけ好かない女だ」

 気持ちを静めるみたいに、浅野が煙草を取り出して火を点ける。
 この部屋には時計がない。いったい今は何時なのだろう。
 時だけが、ただ静かに流れていた。

「見つけた盗聴器をすべて外さずに、ひとつだけ残しておいたのはわざとか?」

 俺と目を合わせずに、浅野がそんなことを問う。

「そうだ。仕掛けた人間と、その目的を知るためにな。盗聴器を仕掛けたのは柚乃ではないだろうと、予測はしていたしな」

 意外なことに、盗聴行為を罰する法律は存在しない。盗聴と聞くと悪いイメージがあるが、行為そのものはただの録音だ。ボイスレコーダーを用いて録音する行為と、大差がないためだ。

「なるほどな。受信機との連携をただちに解いて正解だったかな。だが、盗撮されていることにまでは、気づけなかったようだな」
「そうだな」

 それに関しては、迂闊だった自分を呪う他ない。
 さてと、と呟き浅野が一度部屋を出ていく。ややあって、赤いポリタンクを片手に戻ってきた。
「それはなんなの?」という柚乃の問いに、「ガソリンだよ」と浅野が答えた。

「なんだって!?」
「安心しろ。すぐに殺したりはしねえ」

 咥えていた煙草を浅野が灰皿でもみ消した。
 ガソリンが蒸発すると爆発混合気が発生する。これに火がつくと、爆発的に燃焼するのだ。ガソリンの量にもよるが、この部屋くらいの空間なら軽く吹き飛んでしまうだろう。仮に焼死をまぬがれたとしても、燃焼後には有毒ガスが発生する。
 ガソリンを撒かれたら――万事休すだ。

「涼子から連絡があるまでは、ひとまず生かしておいてやる」
「ひどい人」
「どっちがだ」

 柚乃の非難を浅野が一蹴する。
 柚乃の出生の秘密を浅野が知らなかったのは不幸中の幸いだ。知っていたなら、それこそ前後の見境がなくなってしまいかねない。
 とはいえ、悠長に構えてもいられない。葉子の婚約者だった俺や、いろいろと知りすぎた柚乃を、生かしておくメリットが浅野に存在しない。遅かれ早かれ、俺たちは殺されてしまう運命だ。
 どうにかして脱出しなければ。先ほどから縄を解こうとして拳をねじったりしているのだが、一向に縄がゆるむ気配はない。
 どうする? 

「こうしているうちに刑事がくるかも? なんて思っているのかもしれないが、無駄だぞ」
「なんの話だ?」
「涼子の車のシートの隙間に、GPS発信機を仕込んだだろ?」
「……! 気づいていたのか」

 これには歯がみしてしまう。まさか気づかれていたなんて。

「こちらから呼び出したんだ。お前がなんらかの策を講じてくるだろうことは織り込み済みだ」

 松橋さんの車に乗ってすぐ、助手席のシートの隙間に小型の発信機を取り付けた。緊急時に備えて刑事さんから預かっていたものだ。

「車を遠くまで移動させ、発信機を除去してから涼子に再び神社に戻らせた。今頃、空地にぽつんと落ちている発信機を見て、刑事が地団駄を踏んでいるかもな」
「……」
「それに、確かに警察に通報はしなかったが、神社に向かうという情報はもらしたよな?」
「まさか」
「やはりビンゴか? あの日、盗聴器を除去していく過程で、新たに一個設置していただろう? ”警察に、情報を流すためだけの物”を。だから口にしたのだろう? 神社に向かうとき、目的地の名前をわざわざ」

 図星だった。裏で糸を引いている人間がいるであろうことに気づき、あの日刑事さんに相談して設置したのだ。完全に腹の内を読まれていたとはな。

「恐れ入ったよ。完全にお手上げだ」

 車がパンクしていた時点で色々とひっかかりはあったのだが。これで、講じた策のすべてが無駄になってしまった。

「神社の境内でお前を気絶させたあと、追手がいないのを確認した上で、車を変えてここまで運んできたんだ。そう簡単に足はつくまい」

 柚乃の顔が絶望の色に染まった。
 こうなれば自力でどうにかするしかない。縄を切ることができないか、爪でこするなど地道に試しているが、まったく手ごたえがない。どうにか縄を切れさえすれば……。
 縄を切るための物を探しているのだろう。柚乃が視線を巡らしている。だが、この殺風景な部屋には、あいにく刃物の代わりになりそうな物はない。
 そのとき浅野のスマホに着信があった。電話に応じた浅野が、「ふむ」と頷きながらパソコンの前に座る。
 どうやら、俺の部屋に松橋さんが到着したらしい。

「あ~……ちゃんと届いているぜ。このファイルだな? ん、ごくろう」

 真剣な顔で、浅野がキーボードを叩き始める。ファイルを開いて、表示された文面を上から読んでいく。

「なあ浅野」と俺は言った。
「なんだ?」
「親友のよしみとしてさ、今見た内容は胸に秘めたままにしておいてもらえないだろうか?」
「どれのことだよ? ……というかあらたまってどうした? 今さら親友ごっこでもあるまいし」

 薄笑いを浮かべていた浅野の顔が急に引き締まる。「こいつは驚いた」と呟く。

「……とんでもねえ野郎だなあ」

 葉子と姉妹なのはともかくとして、我妻教授が父親であることを柚乃は知らないほうがいいんだ。絶対に。それだけは、今口にしてほしくない。
 ニヤけていた浅野の顔が、今度は不愉快そうに歪んだ。「おい」と苦々しい声を出す。

「最後まで読んだが、パスワードらしきものなんてないぞ? どうなってんだ」
「そんなばかな」

 手招きされたので、何食わぬ顔でパソコンの前に座る。「マウス操作できないんだけど?」と縄を解いてほしい旨をアピールしてみたが、ワイヤレスのマウスを手に握らされた。ホイールを回して読め、ということだ。やはりそううまくはいかない。

 パスワードならわかっている。メッセージの後半部分に、縦読みが仕込んであるんだ。俺に向けたメッセージや手紙の中に、葉子は縦読みを仕込むのが好きだったから。俺が一番最初に気づくようにと、葉子が仕込んだんだ。
 んーとこれみよがしに唸りながらマウスを操作していく。最後まで読み、再び一番最初まで戻る。
「おい、まだわかんねえのか」と痺れを切らしたように浅野が怒鳴る。

「そう焦るなよ。たぶん、どこかにパスワードを解くヒントがあると思うんだが」

 浅野の顔が段々赤くなってくる。あと何分稼げるだろうか。状況が、どうにか変わるまで……。

「もういい」

 つかつかと足音を響かせて、浅野が壁際に向かう。そこにあったのは、ガソリンが入ったポリタンクだ。

「お、おい」
「もう少し生かしておいてやろうと思っていたが気が変わった。焼き殺してやる」

 目が血走っている。嘘だろ、おい。「やめろ」と声を掛けるが、聞く耳を持たない。彼の手がポリタンクに触れた。

「ねえ。私、トイレに行きたいんだけど」

 時間を稼ぐための口実かそれとも本心か。身をよじらせながら柚乃が言う。

「トイレだあ?」
「うん。死ぬ前にトイレくらい行かせてほしい。逃げたりなんかしないからさ。なんだったら、トイレまで着いてきてもいいよ」
「そんな言葉で騙されると思っているのか?」

 ショートパンツから伸びている柚乃の白い太ももを、浅野が見た。何かに気づいたように、下卑た顔で舌なめずりをする。

「だったらよ。ここでしたらいいじゃないか。大丈夫。ちゃんと見ててやるからさ」

 柚乃が怯えた表情をするのと浅野が動くのは同時だった。
 浅野が柚乃を押し倒して馬乗りになった。足をばたつかせ、柚乃が必死に抵抗を試みるが、両手を縛られている上に体格からして違いすぎる。とてもじゃないが振りほどくことはできない。

「これで最期なんだ。いい思いをさせてやるよ。抵抗せずにじっとしていたら、気持ちよくなれるからよ」
「やめてッ……!」

 浅野が柚乃の口を手で塞ぎ、空いているもう一方の手でブラウスの胸元を引きちぎった。下着が露わになったことで柚乃が大声を出そうとすると、抵抗の意思を削ぐように、彼女の側頭部を拳で思い切り殴った。
 二度、三度と。

「やめろ」

 このままでは柚乃が殺されてしまう。覚悟を決めて立ち上がった。
 こちらに気づいた浅野が柚乃を解放し、立ち上がって俺と対峙した。
 柚乃は仰向けになって喘いでいるだけで、とても動けそうにない。
 どうする? ――視線を左右に走らせる。
 武器になりそうな物は何もない。
 両手の自由も効かない。
 使えそうな物といえば――そうか、これだ。

「柚乃にこれ以上手を出すな。さもなくば、このパソコンを壊すぞ」

 いつでもパソコンを蹴り飛ばせるぞ、とアクションをして示す。

「はあ? そのパソコンを壊したところでどうなる?」
「葉子が残した研究データは、ここと、俺の自宅にあるパソコンとの二ヵ所にしかない」
「そうだ。それがどうかしたか?」
「俺の部屋にあるパソコンは、現在、『Starfestival』という名の特殊なマルウェアによって起動されている。このマルウェアは、今日の〇時に活動を終了して、葉子のデータごと眠りにつく。次に起動するのは来年の七月七日だ。さながら、七夕の夜だけ出会える織姫と彦星のようにな。……わかりやすく言おう。ここにあるパソコンを壊すと、来年の七月七日まで、データを見ることができなくなるんだよ」
「なんだと?」

 浅野がスマホで時刻を確認する。

「あと十九分しかないじゃないか」
「そして、このウイルスを除去できるのは、製作者である俺しかいない」

 これは少々ハッタリだ。
 除去できる人間は、探せば他にもいるだろう。除去するのに、ひと手間かかるようにしてあるので、相当骨が折れるとしてもな。

「俺の命はどうなってもいい。せめて柚乃だけでも逃がしてやってくれないか?」

 俺は警察と繋がっていた。浅野の罪を全部知った。浅野に、俺を生かしておく理由はない。同じように柚乃にも。

「柚乃の、今日一日分の記憶を全部消せば、それでどうにかなるだろう? 頼むよ。なんとか柚乃だけでも」

 ふむ、と浅野が両手を広げてみせた。

「僕だって、好き好んで女、子どもに手をかけるほど鬼畜なわけじゃない」

 喘ぎながら上体を起こした柚乃の隣に、浅野がしゃがみ込む。

「だが、勘違いするなよ?」

 浅野はスーツのポケットからナイフを取り出すと、振りかぶって柚乃の太ももに突き立てた。
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