ノアの箱庭~Noah's Ark Garden~
【その日、世界の命運は一人の少女の命に委ねられた】
哘乃蒼(さそうのあ)が死んだ。
自分をかばって彼女だけが死んでしまったことを、主人公である長濱立夏(ながはまりっか)はずっと後悔していた。
そんな立夏の前に、死んだはずの乃蒼が再び現れる。
死んだはずの乃蒼がなぜここにいるのかはわからず、また彼女も、なぜ自分がここにいるのかわからないのだという。乃蒼が死んだあの日から、彼女の記憶は飛んでいるらしい。
何か未練を残していることによって、乃蒼がここにやってきたのだとしたら、それを解消するべきなんじゃないのか。そう考えた立夏は、二人でかつて書いていた、未完成のままになっている小説を二人で完成させよう、と提案する。
小説の完成が間近に迫ったある夏の日。二人の元に木田(きだ)と名乗る女性がやってくる。
「哘乃蒼は生きている」と木田に告げられ、向かった先の病院で、二人は衝撃的な光景を目にする。
見えてきた世界の秘密。乃蒼の正体。
世界の命運か。それとも彼女の命か。
二人は、厳しい選択を迫られることになるのだった。
タイムリミットは、彼女の命日である十一月三日。
哘乃蒼(さそうのあ)が死んだ。
自分をかばって彼女だけが死んでしまったことを、主人公である長濱立夏(ながはまりっか)はずっと後悔していた。
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何か未練を残していることによって、乃蒼がここにやってきたのだとしたら、それを解消するべきなんじゃないのか。そう考えた立夏は、二人でかつて書いていた、未完成のままになっている小説を二人で完成させよう、と提案する。
小説の完成が間近に迫ったある夏の日。二人の元に木田(きだ)と名乗る女性がやってくる。
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2話まで読ませていただきました。引き込まれる冒頭で続きが気になります。シーンが鮮明に思い浮かぶ言葉選びも好きです。
物語の全体像が見えるようなプロローグと、すぐ本題にはいっていく一話目を目指して執筆しました。
感想をいただきまして、ありがとうございます!
※ネタバレ要素が多い返信です。未読の方はご注意願います。
・世界はどうして存続できたのか
たぶん、これがもっとも解釈のわかれるところかなと。
立夏だけが乃蒼のことを忘れなかった理由については、「体験したことに応じて小説の原稿を修正したから」、であると考えています。
創作の内容が現実に寄せられることによって(繰り返し原稿に向き合っていく中で)、記憶が強固になったのだろうと。あるいは、世界の定着にも一役買っているのかもしれませんが。
ですが世界の存続を決定的にしたのは、「世界の記録」を乃蒼が残したからだと考えています。
目覚めてすぐに乃蒼が執筆を始めたことによって、夢という名の空想が終わって終焉するはずだった世界は、再度構築されることになったのです。
小説の中の世界として乃蒼が想像し、記録を残すことによって、ですね。
ちなみに、ふたつの世界で時間軸にズレが生じているのは、世界が構築されるまでに相応のタイムラグがあったせいでした。
本作のテーマとなっていたのは、中心となっている二人の「心の成長」と、「家族との向き合い方の変化」でしょうか。
成長に観点を絞ってみると特に顕著なのは立夏の方で、「失恋」をし「後悔」をし「無気力」になっていた彼が、「告白」をして「罪を精算」して「夢を見る(将来を見据える)」ことができているのですからね。
彼を変化させたのは、まちがいなく乃蒼です。
一時的にでも彼と両想いになって、告白できなかった彼の未練を解消し、共同作業で新人賞に応募することによって、生きるための目標を与えたのですからね。
二人の人生はこの先もう二度と交わりません。
同時に、二人はお互いのことを決して忘れません。それは決して心の傷としてではなく、いい思い出となってお互いの心に残り続けるんじゃないかなと思っています。
改めまして、読了していただきまして、ありがとうございました。
まずは、感想ありがとうございました。
この物語にまっすぐ向き合ってくださったとわかる考察で、本当に感謝が絶えません。
物語の本質部分は作中であまり明白にしておらず、読者の判断にすべて委ねるとの方針をとっていたのですが、ここでは自分なりの「考え」をまじえながら返信をさせていただきます。
※ここから、だいぶネタバレ要素が多くなります。未読の方はご注意願います。
・終盤で乃蒼が姿を消した理由について
「自分のことを忘れてほしい(立夏に独り立ちしてほしいから)」
「彼のそばにいると辛いから(忘れなくてはならないから)」
表向きとしてはこうです。
ですが、本音と建て前の狭間で心理が揺れた結果、相反する行動を一部で取っています。
(考察していただいている、イド、エゴといった心理学の通りかなと)
本心としては「忘れたくない」し「忘れてほしくない」ので、一夜で関係を深めようとしていますし、「立夏のことをよろしくね」と朝香に懇願しながらも納得できていません。
立夏が福岡まで来てくれることを、本心では期待していたのだと思います。
こうして考えると、「よくやった、立夏」となります。
(続きます)
まさかまさかで最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます。
ネタバレありにしているから大丈夫よね――と思いながら書いてきますが、どうやって始まったのか。どうして消失しなかったのか、等々、詳細は(こうであろう)と示しながらも全て読者に判断をゆだねました。――が、おっしゃる通り二つの世界線が存在しているという解釈であっています。
立夏の告白、そこから繋がっていく展開と心情描写には力を入れた部分でしたので、そこに触れてくださりありがとうございます。
乃蒼と立夏と、二人の行く末に、いろいろ思いを馳せていただけましたら、幸いです。
「穢れた~」も感情のベクトルが向く先は相互ではないのだけれど、コンセプトは同じですからね。
二人はもう触れ合うことができず、触れあった日々の記憶を他の誰とも共有できない。それでも、きっと明るく前向きに、生きていってくれるのだろうなと思います。
双方の世界で朝香の立ち位置が変わっているので、悩みながら彼女には再登場を願いました。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
完結お疲れ様でした。
寂しくて、でもお互いに前向きな最後でしたね。
今回はいつもよりもさらにSF色が強い作品でしたが、そこが一つの空気感を作り出していて、またいつもと違う読後感がありました。
楽しませていただきました。
少し寂しい結末ではありますが、二人とも親と向き合うことができて、お互いの気持ちを確かめあうこともできたので、後悔はないのだと思います。
今回は、能力だけではなくて、世界観としてもSF要素があったので、よりSF色が強くなったのかもです。
最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
途中でちょっぴり乃蒼の視点を挟んではいましたが、最後くらいはめいっぱい彼女の想いを語ってもらおうと思いまして。
わりとよくやる手法なのですが、最後だけヒロイン視点にしてみました。
どちらの結末も完全なるハッピーエンドとは言えないのですが、両方の行く末を示したことで、救いはあったのではないかなと。
読了していただきまして、ありがとうございました。
退会済ユーザのコメントです
冒頭は小説の顔なので、わかりやすくて衝撃的なものにしてみました。感想、お気に入り登録、ありがとうございます。
最新話まで拝読いたしました。
【並行世界】から話がぐっと動き出したように感じます。これから二人の運命がどうなるのか、引き続き拝読させていただきます。
小説のこと。三角関係のこと。さまざまな仕込みが終わって、ここから物語が大きく動き出します。この先の展開に、期待していただけますと幸いです。
6話まで読みました。
いなくなってしまうかもしれないという感覚が姿を薄くさせたのか。
それとも時間などの他の要因によるものなのか。
この先も気になります。
姿がうすく見えることについては、ちゃんと理由があるのですが、今はまだうまくコメントができないです。
二人の行動によって何かが変わってしまうのか。それとも、別の要因で変わるのか。いろいろ考えていただけますと幸いです。
過去からやってきた彼女が、いったい何者なのか。
そしてどうなっていくのか。続きも楽しみにしていますね。
どういった理屈で彼女はやってきたのか。正体は何者なのか。段階的に諸々明かしていきますので期待してくださると嬉しいですー
プロローグから衝撃的な始まりで、この先を想像せずにはいられないワクワク感があります。(ワクワク? いや、話が深刻なのでドキドキ?)
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青春と恋愛が絡まる今後の展開、とっても気になります。
木立さんの作品は最初から最後まで計算され、洗練されたストーリーなのが特徴であり、最高の魅力だと思っております。
これからどんどん投稿されるのを楽しみに読ませていただきます。
青春ボカロカップに出したいので、青春ジャンル一択でした。
ほ、褒めすぎではないでしょうか(震え)
なのですが、(まだこう、うまく言えないのですが)設定がかなり複雑なところのある作品なので、10万文字の中でまとめるのに苦心したのは確かです。苦心した分、良いものになったと思っているので、期待していただけると嬉しいです。
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