330 / 794
学院編 7 学院祭、当日
174 悪役令嬢は容疑者を知る
しおりを挟む
「絵が……?」
講堂に戻り、レイモンドはセドリックにそっと近寄り耳打ちした。
「ああ。学院長が陛下と長話をしていて助かった。いい時間稼ぎになった」
横を見ると、国王夫妻と学院長は学生時代の思い出話に花を咲かせているようだった。エルノー伯爵も若い頃に王立学院へ留学した経験があり、変わらない校舎を懐かしそうに眺めている。もうしばらくは引き留められそうだ。
「どうするのさ。講堂で音楽が始まるまで、少し時間がかかるよ?まだ別室で練習をしているんだ」
「最初の出演者は?すぐに呼びに行く」
「つい今しがた講堂を出て行ったばかりだよ。管楽器が温まるまで、少しは音出しさせてあげないと」
「困ったな、誰かいないか。一時間……出演者は二人か三人、場を繋いでもらえれば、その間にアリッサが展示を立て直せるんだが」
「うーん。僕はピアノが弾けないしなあ……。短剣を投げて頭の上の果物を割るってのはどうかな?」
セドリックの提案に、レイモンドはがっくりと項垂れた。
「言っておくが俺は的にはならないぞ」
「じゃあ、僕が的?」
「馬鹿を言うな。王太子に向かって短剣を投げられるわけがない」
「僕が正直に……父上と母上に話してみるよ。任せて」
「ああ、頼んだ。俺は警備の責任者と話してくる」
◆◆◆
王宮内の魔導士独身寮では、エミリーがロンの額に浮き出た汗を拭いていた。
「うっ……ダメだ!行くなっ……うわぁあああ……」
はっきりとした寝言を言い、ロンは時折呻き声を上げている。身体の傷はステファニーにより完全に回復していたが、精神的なショックで目覚めないようだった。
「また叫んでる……悪夢を見ているみたいね」
ステファニーはリチャードに頼まれて、毎日ロンの様子を見に来ていた。身体を洗うことができないため、浄化の魔法を全身にかけていく。
「行くな、っていつも言うんです」
「リックに聞いたけど、彼も昔、ここで働いていたみたいね。何か理由があって辞めて、学院の治癒魔導士になったって。……きっとつらい思いをしたんだわ」
「単なるオネエじゃなかった……」
「おねえ?」
「いや、こっちの話です」
ロンは完治不可能だと言われたハロルドの脚を治したと聞いた。スタンリーの酷い怪我もその日のうちに治した凄腕の治癒魔導士だ。王宮にいて騎士団の魔物討伐に参加しても不思議はない。
「……っ、くっ、行くな!……あ、ああ……」
――これってもしかして。
「どこにも行かない。ここにいるから、安心して!」
気まぐれでエミリーはロンの寝言に返事をしてみた。
「エミリー、今の……」
「行くな行くなってウザいから、つい」
「……あら?」
「あ……」
ロンは寝言で絶叫するのをやめ、静かに寝息を立てはじめた。
「言葉が通じたんじゃない?やったわね!」
「……やった、なの?」
まじまじとロンの顔を見る。眉間に皺を寄せていた先ほどまでとは一変し、艶っぽいイケメンがそこに寝ていた。
「気持ちよさそうに寝てる……」
「これだけ寝れば、魔力も十分に回復したでしょうよ。ナントカっていう奴に仕返ししてやるには」
「ドウェインです」
「そうそう、それ。……ん?ドウェイン……あ!」
ステファニーは少女のような小さな手を口に当てた。
「ロンに怪我させたその男、昨日の夜に捕まったらしいわ」
――何だって?
「魔導士が関係する事件は、こっちにも情報が入ってくるのよ。事件の捜査に駆り出されるしね。何でも、自分の部屋に侍女を連れ込んで乱暴しようとしたとか。最低の輩ね」
「捕まって、どうなったんですか?」
「学院内に置いておいても、魔法で逃走されかねないから、すぐに魔導士用の牢に送られたって噂よ。だから、学院に戻っても、仕返しをしたい相手はいないってこと」
ステファニーが嬉々として話す後ろから、リチャードが部屋に入ってきた。
「そうだね。君達が学院に戻っても、牢に入れられないってことだ」
「コーノック先生……」
リチャードはロンの様子を覗った。大人しく寝ているのを見て、嬉しそうに目を細め、ステファニーと顔を見合わせた。
「悪夢から解放されたか」
「ええ。彼女のおかげよ」
「本当かい?すごいな、エミリーは。どんな魔法を使ったんだい?」
目をきらきらさせているリチャードを、笑いを堪えているステファニーがバシッと叩いた。
「本当にすごいのよ?」
「……寝言に返事をしただけです」
「エミリー、君は学院に戻るかい?ロンは数日で目が覚めるだろうから心配ないよ。何より、今日からは学院祭だ。一年生の時の学院祭の想い出が、ロンの看病だなんて可哀想すぎる。君さえよければ、転移魔法で送ってあげるよ」
正直、学院祭に出るのは面倒だ。
隙があれば寝ていたいエミリーとしては、『一致団結』して『頑張る』イベントは大嫌いだ。
しかし、自分が戻らなければ、劇に穴が開いてしまうだけではなく、姉達に何かあった時に助けることができない。
「……戻りたい、けど……」
「スタンリーを襲った犯人が分からないから、不安なの?」
「はい。事件の捜査は進んでいるんですか?」
「重傷を負わせるくらいの雷撃を、瞬時に繰り出せる光魔法の使い手は、学院内にもそうそういなくてね。同僚が校内で調査をしている時に、気になる証言を得てきたんだけれど、うちの魔導師団としては不本意なものでね」
アイリーンが捕まっても、魔導師団は不本意ではない。というより、アイリーンの存在自体を知らないはずだ。
「どういう意味……」
「事件が発生したと思われる時間帯に、スタンリーが見つかった場所の近くを、魔法科の制服を着た紫色の髪の少年が歩いていたと、ある生徒が証言したんだ」
椅子に座ったリチャードは、テーブルの上に肘をつき、組んだ手に額を当てて溜息をついた。
講堂に戻り、レイモンドはセドリックにそっと近寄り耳打ちした。
「ああ。学院長が陛下と長話をしていて助かった。いい時間稼ぎになった」
横を見ると、国王夫妻と学院長は学生時代の思い出話に花を咲かせているようだった。エルノー伯爵も若い頃に王立学院へ留学した経験があり、変わらない校舎を懐かしそうに眺めている。もうしばらくは引き留められそうだ。
「どうするのさ。講堂で音楽が始まるまで、少し時間がかかるよ?まだ別室で練習をしているんだ」
「最初の出演者は?すぐに呼びに行く」
「つい今しがた講堂を出て行ったばかりだよ。管楽器が温まるまで、少しは音出しさせてあげないと」
「困ったな、誰かいないか。一時間……出演者は二人か三人、場を繋いでもらえれば、その間にアリッサが展示を立て直せるんだが」
「うーん。僕はピアノが弾けないしなあ……。短剣を投げて頭の上の果物を割るってのはどうかな?」
セドリックの提案に、レイモンドはがっくりと項垂れた。
「言っておくが俺は的にはならないぞ」
「じゃあ、僕が的?」
「馬鹿を言うな。王太子に向かって短剣を投げられるわけがない」
「僕が正直に……父上と母上に話してみるよ。任せて」
「ああ、頼んだ。俺は警備の責任者と話してくる」
◆◆◆
王宮内の魔導士独身寮では、エミリーがロンの額に浮き出た汗を拭いていた。
「うっ……ダメだ!行くなっ……うわぁあああ……」
はっきりとした寝言を言い、ロンは時折呻き声を上げている。身体の傷はステファニーにより完全に回復していたが、精神的なショックで目覚めないようだった。
「また叫んでる……悪夢を見ているみたいね」
ステファニーはリチャードに頼まれて、毎日ロンの様子を見に来ていた。身体を洗うことができないため、浄化の魔法を全身にかけていく。
「行くな、っていつも言うんです」
「リックに聞いたけど、彼も昔、ここで働いていたみたいね。何か理由があって辞めて、学院の治癒魔導士になったって。……きっとつらい思いをしたんだわ」
「単なるオネエじゃなかった……」
「おねえ?」
「いや、こっちの話です」
ロンは完治不可能だと言われたハロルドの脚を治したと聞いた。スタンリーの酷い怪我もその日のうちに治した凄腕の治癒魔導士だ。王宮にいて騎士団の魔物討伐に参加しても不思議はない。
「……っ、くっ、行くな!……あ、ああ……」
――これってもしかして。
「どこにも行かない。ここにいるから、安心して!」
気まぐれでエミリーはロンの寝言に返事をしてみた。
「エミリー、今の……」
「行くな行くなってウザいから、つい」
「……あら?」
「あ……」
ロンは寝言で絶叫するのをやめ、静かに寝息を立てはじめた。
「言葉が通じたんじゃない?やったわね!」
「……やった、なの?」
まじまじとロンの顔を見る。眉間に皺を寄せていた先ほどまでとは一変し、艶っぽいイケメンがそこに寝ていた。
「気持ちよさそうに寝てる……」
「これだけ寝れば、魔力も十分に回復したでしょうよ。ナントカっていう奴に仕返ししてやるには」
「ドウェインです」
「そうそう、それ。……ん?ドウェイン……あ!」
ステファニーは少女のような小さな手を口に当てた。
「ロンに怪我させたその男、昨日の夜に捕まったらしいわ」
――何だって?
「魔導士が関係する事件は、こっちにも情報が入ってくるのよ。事件の捜査に駆り出されるしね。何でも、自分の部屋に侍女を連れ込んで乱暴しようとしたとか。最低の輩ね」
「捕まって、どうなったんですか?」
「学院内に置いておいても、魔法で逃走されかねないから、すぐに魔導士用の牢に送られたって噂よ。だから、学院に戻っても、仕返しをしたい相手はいないってこと」
ステファニーが嬉々として話す後ろから、リチャードが部屋に入ってきた。
「そうだね。君達が学院に戻っても、牢に入れられないってことだ」
「コーノック先生……」
リチャードはロンの様子を覗った。大人しく寝ているのを見て、嬉しそうに目を細め、ステファニーと顔を見合わせた。
「悪夢から解放されたか」
「ええ。彼女のおかげよ」
「本当かい?すごいな、エミリーは。どんな魔法を使ったんだい?」
目をきらきらさせているリチャードを、笑いを堪えているステファニーがバシッと叩いた。
「本当にすごいのよ?」
「……寝言に返事をしただけです」
「エミリー、君は学院に戻るかい?ロンは数日で目が覚めるだろうから心配ないよ。何より、今日からは学院祭だ。一年生の時の学院祭の想い出が、ロンの看病だなんて可哀想すぎる。君さえよければ、転移魔法で送ってあげるよ」
正直、学院祭に出るのは面倒だ。
隙があれば寝ていたいエミリーとしては、『一致団結』して『頑張る』イベントは大嫌いだ。
しかし、自分が戻らなければ、劇に穴が開いてしまうだけではなく、姉達に何かあった時に助けることができない。
「……戻りたい、けど……」
「スタンリーを襲った犯人が分からないから、不安なの?」
「はい。事件の捜査は進んでいるんですか?」
「重傷を負わせるくらいの雷撃を、瞬時に繰り出せる光魔法の使い手は、学院内にもそうそういなくてね。同僚が校内で調査をしている時に、気になる証言を得てきたんだけれど、うちの魔導師団としては不本意なものでね」
アイリーンが捕まっても、魔導師団は不本意ではない。というより、アイリーンの存在自体を知らないはずだ。
「どういう意味……」
「事件が発生したと思われる時間帯に、スタンリーが見つかった場所の近くを、魔法科の制服を着た紫色の髪の少年が歩いていたと、ある生徒が証言したんだ」
椅子に座ったリチャードは、テーブルの上に肘をつき、組んだ手に額を当てて溜息をついた。
0
お気に入りに追加
752
あなたにおすすめの小説
ヤンデレお兄様に殺されたくないので、ブラコンやめます!(長編版)
夕立悠理
恋愛
──だって、好きでいてもしかたないもの。
ヴァイオレットは、思い出した。ここは、ロマンス小説の世界で、ヴァイオレットは義兄の恋人をいじめたあげくにヤンデレな義兄に殺される悪役令嬢だと。
って、むりむりむり。死ぬとかむりですから!
せっかく転生したんだし、魔法とか気ままに楽しみたいよね。ということで、ずっと好きだった恋心は封印し、ブラコンをやめることに。
新たな恋のお相手は、公爵令嬢なんだし、王子様とかどうかなー!?なんてうきうきわくわくしていると。
なんだかお兄様の様子がおかしい……?
※小説になろうさまでも掲載しています
※以前連載していたやつの長編版です
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
死んだはずの悪役聖女はなぜか逆行し、ヤンデレた周囲から溺愛されてます!
夕立悠理
恋愛
10歳の時、ロイゼ・グランヴェールはここは乙女ゲームの世界で、自分は悪役聖女だと思い出した。そんなロイゼは、悪役聖女らしく、周囲にトラウマを植え付け、何者かに鈍器で殴られ、シナリオ通り、死んだ……はずだった。
しかし、目を覚ますと、ロイゼは10歳の姿になっており、さらには周囲の攻略対象者たちが、みんなヤンデレ化してしまっているようで――……。
盲目のラスボス令嬢に転生しましたが幼馴染のヤンデレに溺愛されてるので幸せです
斎藤樹
恋愛
事故で盲目となってしまったローナだったが、その時の衝撃によって自分の前世を思い出した。
思い出してみてわかったのは、自分が転生してしまったここが乙女ゲームの世界だということ。
さらに転生した人物は、"ラスボス令嬢"と呼ばれた性悪な登場人物、ローナ・リーヴェ。
彼女に待ち受けるのは、嫉妬に狂った末に起こる"断罪劇"。
そんなの絶対に嫌!
というかそもそも私は、ローナが性悪になる原因の王太子との婚約破棄なんかどうだっていい!
私が好きなのは、幼馴染の彼なのだから。
ということで、どうやら既にローナの事を悪く思ってない幼馴染と甘酸っぱい青春を始めようと思ったのだけどーー
あ、あれ?なんでまだ王子様との婚約が破棄されてないの?
ゲームじゃ兄との関係って最悪じゃなかったっけ?
この年下男子が出てくるのだいぶ先じゃなかった?
なんかやけにこの人、私に構ってくるような……というか。
なんか……幼馴染、ヤンデる…………?
「カクヨム」様にて同名義で投稿しております。
義弟の為に悪役令嬢になったけど何故か義弟がヒロインに会う前にヤンデレ化している件。
あの
恋愛
交通事故で死んだら、大好きな乙女ゲームの世界に転生してしまった。けど、、ヒロインじゃなくて攻略対象の義姉の悪役令嬢!?
ゲームで推しキャラだったヤンデレ義弟に嫌われるのは胸が痛いけど幸せになってもらうために悪役になろう!と思ったのだけれど
ヒロインに会う前にヤンデレ化してしまったのです。
※初めて書くので設定などごちゃごちゃかもしれませんが暖かく見守ってください。
悪役令嬢の生産ライフ
星宮歌
恋愛
コツコツとレベルを上げて、生産していくゲームが好きなしがない女子大生、田中雪は、その日、妹に頼まれて手に入れたゲームを片手に通り魔に刺される。
女神『はい、あなた、転生ね』
雪『へっ?』
これは、生産ゲームの世界に転生したかった雪が、別のゲーム世界に転生して、コツコツと生産するお話である。
雪『世界観が壊れる? 知ったこっちゃないわっ!』
無事に完結しました!
続編は『悪役令嬢の神様ライフ』です。
よければ、そちらもよろしくお願いしますm(_ _)m
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる