233 / 794
学院編 3 初めてのキスと恐怖の勉強会
81 悪役令嬢は黒衣の男と対峙する
しおりを挟む
美しい月夜だとセドリックが言ったのは本当だった。青く輝く月が浮かび、薄い雲がその形をおぼろげにしていた。
マリナは彼の言葉通り、手を引かれて中庭に連れ出されていた。
「……着いたよ」
振り返ったセドリックは、月光を横顔に浴びて美しく佇んでいる。
「震えていたのは、緊張からじゃないよね?」
――!
核心を突く質問にマリナが答えずにいると、彼は畳み掛けてきた。
「王宮に着いて、あの人……エンフィールド侯爵に会ってから、君は様子がおかしくなった。彼と何かあったの?」
腕を引かれて距離が縮まる。つないだままの手の甲にそっと口づけられ、優しく撫でられる。
「教えて。君を困らせているのは、何?」
青い瞳が、全てを知りたいと訴えている。
――話しても、いいの?
エンフィールド侯爵に王宮内で殺されかけたなどと、被害妄想の激しい女の戯言だと思われないだろうか。ハーリオン侯爵家の娘ではあるが、身分は侯爵の方が上である。彼が一言知らないと言えば、こちらが嘘つき呼ばわりされてしまう。セドリックは信じてくれるだろうか。
「私が話すことを、信じてくださいますか?」
揺らぐ感情を殺して静かに問う。
「信じるよ。マリナ」
――本当に?
ゲームの中では悪役令嬢の話を一言も信じなかった王太子なのに?
「……私、あの方に殺されそうになったんです」
「何だって!?」
セドリックがマリナの肩を掴む。
「セドリック様に呼ばれて、王宮に来ていた時でした。廊下で会った私を、空き部屋に……っ!」
強く抱きすくめられて、話の続きを遮られてしまった。少年の頃のセドリックとは違う、力強い腕がマリナの背中と腰に回されている。
「……ごめん」
――どうして謝るの?
「僕が、君を王宮に呼んだから……君を王太子妃にするって言ったから……君が危険な目に遭ったんだね。僕のせいだ」
「セドリック様のせいではありませんわ」
身じろぎすると見下ろすセドリックと視線が絡んだ。
「マリナを守りたい、笑顔にさせたいと思っているのに……」
失敗ばかりだと、美しい王太子は悲しげに自嘲する。
「いいえ……セドリック様が連れ出してくださらなかったら、私……」
彼が無理を言って晩餐会を抜け出させてくれたから、身体の震えが止まっているのだ。マリナを中座させるために、セドリックは皆が呆れるような振る舞いをした。次期国王があれでは、と眉を顰める者もいたのに。
「私のせいで、セドリック様が悪く言われてしまいますわ。申し訳なくて……」
日頃はつれなくしているのに、彼はこうして助けてくれた。マリナは心苦しくて仕方がなかった。
「王太子の我儘はいつものことだ。今日の招待客は、小さい頃から僕を知っている人ばかりだからね。泣き虫我儘王太子がまたやらかしたとでも思うさ」
「そんな……」
「僕の評判なんか気にしなくていいよ、マリナ。……そうだね、どうしても僕にお礼がしたいの?君と僕は婚約者なのに?」
「当たり前です。親しい間柄だからこそ、こういうことはきちんと……」
セドリックはキラキラした笑顔を向けた。
「なら、僕の誕生日に、君を独占する権利をくれないかな」
――一日デートってこと?
「構いませんけど、そんなことで、よろしいんですか?」
「うん。学院は祝日が休みで、僕の誕生日は祝日だからね」
確かにその通りで、この世界の暦では、王族の誕生日は祝日になっている。ステファン国王とアリシア王妃、セドリック王太子、幼いブリジット王女の四人が王家のメンバーであり、誕生日に由来する祝日は年に四日あった。
「祝日には王宮のバルコニーから手を振らなければいけませんわよ」
「うん。それもある。だからね、マリナには前の晩から王宮に泊まってほしいんだ」
――ん?
「どこかに、お出かけ、する、のでは……」
――嫌な予感がするんだけど。
マリナはゆっくりと噛みしめるように言葉を吐いた。
「出かける?どうして?僕の部屋で一日一緒に過ごそう。……折角君を独占できるんだから」
嬉しそうにふにゃりと笑い、セドリックはマリナを抱きしめる腕に力を込めた。
「ええと、その……お部屋はちょっと……」
一日お部屋デートは危険すぎる。マリナに嫌われたくないと言いながらも、セドリックの身体的接触が増えてきているのは事実だ。
「どうするかは話し合って決めようか。必ず僕と一緒に過ごしてくれるね……約束だよ?」
セドリックがマリナの頬に口づけた時、彼の後方の茂みが一瞬揺れ動いた気がした。
◆◆◆
――危ない!
咄嗟にジュリアの足が動いていた。
「馬鹿!来るな!」
アレックスの身体を受け止め、転がるようにして彼の前に出た。武器はないが、相手を視線で威嚇する。少しでも時間稼ぎができればいい。
「……っ!」
黒ずくめの男は手元の剣を収めると、風のように走り去り闇にまぎれた。警備員達は男が走り去った方向へ追いかけていった。
剣が地面に落ちた音がして、ジュリアは背中から強く抱きしめられた。
「……アレックス?」
耳に赤い髪が触れる気配がし、肩に彼の頭の重みがかかった。
「嬉しかった……でも、もうやめてくれ、な?」
呻くような囁きにたまらず吹き出すと、
「笑うな!」
と頬をつままれた。
――やられたら、やり返せ、だよね。
すぐにアレックスの首をくすぐる。
「うぅ、やめろってば」
しばらくお互いに頬をつねったり、首をくすぐったりしていたが、ふと、視線を感じた。
「……やっと、気づいたか」
恐る恐る振り向くと、腕組みをして冷たい視線を向けているバイロン先生の姿があった。
「こんな時間に、何をしている?寮の門限は夕食の前だろう。とうに過ぎているぞ。……最近の生徒は、中庭だけでは足らず、こんな校舎裏で逢引するのか」
「あ、逢引!?」
アレックスが声を上げた。ジュリアの脳裏には、スーパーに売られていたひき肉が浮かんだ。
「門限破りだけなら見逃してやらんでもないが、門限を破った理由が問題だな。両侯爵家に連絡し、お越しいただかなくては。処分は、数日の謹慎で済むかどうか……」
――何だって?うちに連絡!?
学校で何か問題を起こして親が呼ばれた経験は、ジュリアの前世にもなかった。自分のために父ハーリオン侯爵が学院に呼ばれるのだ。
「ま、待ってください!」
「アレックス?」
「俺が、ジュリアを誘ったんです。ここで待ち合わせしていたら、黒い服の男が来て、戦う羽目になって……ジュリアが警備員さんを呼びに行かなかったら、俺はやられていたかもしれないんです」
バイロン先生は、怜悧な藍色の瞳で瞬き一つせずにアレックスを見つめていた。
説明が下手な彼なりに、頑張って自分を守ろうとしているのが分かり、ジュリアはぎゅっとアレックスの袖を握った。
「そうか。ではますます問題だな。一人で不審者に立ち向かうなど、危険だとは思わなかったのか。男を追いかけず、二人で警備員を呼びに行ってもよかったはずだ。夜中に乱闘騒ぎを起こすつもりだったのか」
「うっ……」
「言い訳は不要だ。二人ともひとまず職員室に来なさい」
バイロン先生に気づかれないように、ジュリアはアレックスの手に指を絡ませる。驚いたアレックスと視線が合い、声を出さずに小さく笑った。
マリナは彼の言葉通り、手を引かれて中庭に連れ出されていた。
「……着いたよ」
振り返ったセドリックは、月光を横顔に浴びて美しく佇んでいる。
「震えていたのは、緊張からじゃないよね?」
――!
核心を突く質問にマリナが答えずにいると、彼は畳み掛けてきた。
「王宮に着いて、あの人……エンフィールド侯爵に会ってから、君は様子がおかしくなった。彼と何かあったの?」
腕を引かれて距離が縮まる。つないだままの手の甲にそっと口づけられ、優しく撫でられる。
「教えて。君を困らせているのは、何?」
青い瞳が、全てを知りたいと訴えている。
――話しても、いいの?
エンフィールド侯爵に王宮内で殺されかけたなどと、被害妄想の激しい女の戯言だと思われないだろうか。ハーリオン侯爵家の娘ではあるが、身分は侯爵の方が上である。彼が一言知らないと言えば、こちらが嘘つき呼ばわりされてしまう。セドリックは信じてくれるだろうか。
「私が話すことを、信じてくださいますか?」
揺らぐ感情を殺して静かに問う。
「信じるよ。マリナ」
――本当に?
ゲームの中では悪役令嬢の話を一言も信じなかった王太子なのに?
「……私、あの方に殺されそうになったんです」
「何だって!?」
セドリックがマリナの肩を掴む。
「セドリック様に呼ばれて、王宮に来ていた時でした。廊下で会った私を、空き部屋に……っ!」
強く抱きすくめられて、話の続きを遮られてしまった。少年の頃のセドリックとは違う、力強い腕がマリナの背中と腰に回されている。
「……ごめん」
――どうして謝るの?
「僕が、君を王宮に呼んだから……君を王太子妃にするって言ったから……君が危険な目に遭ったんだね。僕のせいだ」
「セドリック様のせいではありませんわ」
身じろぎすると見下ろすセドリックと視線が絡んだ。
「マリナを守りたい、笑顔にさせたいと思っているのに……」
失敗ばかりだと、美しい王太子は悲しげに自嘲する。
「いいえ……セドリック様が連れ出してくださらなかったら、私……」
彼が無理を言って晩餐会を抜け出させてくれたから、身体の震えが止まっているのだ。マリナを中座させるために、セドリックは皆が呆れるような振る舞いをした。次期国王があれでは、と眉を顰める者もいたのに。
「私のせいで、セドリック様が悪く言われてしまいますわ。申し訳なくて……」
日頃はつれなくしているのに、彼はこうして助けてくれた。マリナは心苦しくて仕方がなかった。
「王太子の我儘はいつものことだ。今日の招待客は、小さい頃から僕を知っている人ばかりだからね。泣き虫我儘王太子がまたやらかしたとでも思うさ」
「そんな……」
「僕の評判なんか気にしなくていいよ、マリナ。……そうだね、どうしても僕にお礼がしたいの?君と僕は婚約者なのに?」
「当たり前です。親しい間柄だからこそ、こういうことはきちんと……」
セドリックはキラキラした笑顔を向けた。
「なら、僕の誕生日に、君を独占する権利をくれないかな」
――一日デートってこと?
「構いませんけど、そんなことで、よろしいんですか?」
「うん。学院は祝日が休みで、僕の誕生日は祝日だからね」
確かにその通りで、この世界の暦では、王族の誕生日は祝日になっている。ステファン国王とアリシア王妃、セドリック王太子、幼いブリジット王女の四人が王家のメンバーであり、誕生日に由来する祝日は年に四日あった。
「祝日には王宮のバルコニーから手を振らなければいけませんわよ」
「うん。それもある。だからね、マリナには前の晩から王宮に泊まってほしいんだ」
――ん?
「どこかに、お出かけ、する、のでは……」
――嫌な予感がするんだけど。
マリナはゆっくりと噛みしめるように言葉を吐いた。
「出かける?どうして?僕の部屋で一日一緒に過ごそう。……折角君を独占できるんだから」
嬉しそうにふにゃりと笑い、セドリックはマリナを抱きしめる腕に力を込めた。
「ええと、その……お部屋はちょっと……」
一日お部屋デートは危険すぎる。マリナに嫌われたくないと言いながらも、セドリックの身体的接触が増えてきているのは事実だ。
「どうするかは話し合って決めようか。必ず僕と一緒に過ごしてくれるね……約束だよ?」
セドリックがマリナの頬に口づけた時、彼の後方の茂みが一瞬揺れ動いた気がした。
◆◆◆
――危ない!
咄嗟にジュリアの足が動いていた。
「馬鹿!来るな!」
アレックスの身体を受け止め、転がるようにして彼の前に出た。武器はないが、相手を視線で威嚇する。少しでも時間稼ぎができればいい。
「……っ!」
黒ずくめの男は手元の剣を収めると、風のように走り去り闇にまぎれた。警備員達は男が走り去った方向へ追いかけていった。
剣が地面に落ちた音がして、ジュリアは背中から強く抱きしめられた。
「……アレックス?」
耳に赤い髪が触れる気配がし、肩に彼の頭の重みがかかった。
「嬉しかった……でも、もうやめてくれ、な?」
呻くような囁きにたまらず吹き出すと、
「笑うな!」
と頬をつままれた。
――やられたら、やり返せ、だよね。
すぐにアレックスの首をくすぐる。
「うぅ、やめろってば」
しばらくお互いに頬をつねったり、首をくすぐったりしていたが、ふと、視線を感じた。
「……やっと、気づいたか」
恐る恐る振り向くと、腕組みをして冷たい視線を向けているバイロン先生の姿があった。
「こんな時間に、何をしている?寮の門限は夕食の前だろう。とうに過ぎているぞ。……最近の生徒は、中庭だけでは足らず、こんな校舎裏で逢引するのか」
「あ、逢引!?」
アレックスが声を上げた。ジュリアの脳裏には、スーパーに売られていたひき肉が浮かんだ。
「門限破りだけなら見逃してやらんでもないが、門限を破った理由が問題だな。両侯爵家に連絡し、お越しいただかなくては。処分は、数日の謹慎で済むかどうか……」
――何だって?うちに連絡!?
学校で何か問題を起こして親が呼ばれた経験は、ジュリアの前世にもなかった。自分のために父ハーリオン侯爵が学院に呼ばれるのだ。
「ま、待ってください!」
「アレックス?」
「俺が、ジュリアを誘ったんです。ここで待ち合わせしていたら、黒い服の男が来て、戦う羽目になって……ジュリアが警備員さんを呼びに行かなかったら、俺はやられていたかもしれないんです」
バイロン先生は、怜悧な藍色の瞳で瞬き一つせずにアレックスを見つめていた。
説明が下手な彼なりに、頑張って自分を守ろうとしているのが分かり、ジュリアはぎゅっとアレックスの袖を握った。
「そうか。ではますます問題だな。一人で不審者に立ち向かうなど、危険だとは思わなかったのか。男を追いかけず、二人で警備員を呼びに行ってもよかったはずだ。夜中に乱闘騒ぎを起こすつもりだったのか」
「うっ……」
「言い訳は不要だ。二人ともひとまず職員室に来なさい」
バイロン先生に気づかれないように、ジュリアはアレックスの手に指を絡ませる。驚いたアレックスと視線が合い、声を出さずに小さく笑った。
0
お気に入りに追加
751
あなたにおすすめの小説
婚約破棄をいたしましょう。
見丘ユタ
恋愛
悪役令嬢である侯爵令嬢、コーデリアに転生したと気づいた主人公は、卒業パーティーの婚約破棄を回避するために奔走する。
しかし無慈悲にも卒業パーティーの最中、婚約者の王太子、テリーに呼び出されてしまうのだった。
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
転生したら攻略対象者の母親(王妃)でした
黒木寿々
恋愛
我儘な公爵令嬢リザベル・フォリス、7歳。弟が産まれたことで前世の記憶を思い出したけど、この世界って前世でハマっていた乙女ゲームの世界!?私の未来って物凄く性悪な王妃様じゃん!
しかもゲーム本編が始まる時点ですでに亡くなってるし・・・。
ゲームの中ではことごとく酷いことをしていたみたいだけど、私はそんなことしない!
清く正しい心で、未来の息子(攻略対象者)を愛でまくるぞ!!!
*R15は保険です。小説家になろう様でも掲載しています。
婚約破棄ですか。ゲームみたいに上手くはいきませんよ?
ゆるり
恋愛
公爵令嬢スカーレットは婚約者を紹介された時に前世を思い出した。そして、この世界が前世での乙女ゲームの世界に似ていることに気付く。シナリオなんて気にせず生きていくことを決めたが、学園にヒロイン気取りの少女が入学してきたことで、スカーレットの運命が変わっていく。全6話予定
【完結】死がふたりを分かつとも
杜野秋人
恋愛
「捕らえよ!この女は地下牢へでも入れておけ!」
私の命を受けて会場警護の任に就いていた騎士たちが動き出し、またたく間に驚く女を取り押さえる。そうして引っ立てられ連れ出される姿を見ながら、私は心の中だけでそっと安堵の息を吐く。
ああ、やった。
とうとうやり遂げた。
これでもう、彼女を脅かす悪役はいない。
私は晴れて、彼女を輝かしい未来へ進ませることができるんだ。
自分が前世で大ヒットしてTVアニメ化もされた、乙女ゲームの世界に転生していると気づいたのは6歳の時。以来、前世での最推しだった悪役令嬢を救うことが人生の指針になった。
彼女は、悪役令嬢は私の婚約者となる。そして学園の卒業パーティーで断罪され、どのルートを辿っても悲惨な最期を迎えてしまう。
それを回避する方法はただひとつ。本来なら初回クリア後でなければ解放されない“悪役令嬢ルート”に進んで、“逆ざまあ”でクリアするしかない。
やれるかどうか何とも言えない。
だがやらなければ彼女に待っているのは“死”だ。
だから彼女は、メイン攻略対象者の私が、必ず救う⸺!
◆男性(王子)主人公の乙女ゲーもの。主人公は転生者です。
詳しく設定を作ってないので、固有名詞はありません。
◆全10話で完結予定。毎日1話ずつ投稿します。
1話あたり2000字〜3000字程度でサラッと読めます。
◆公開初日から恋愛ランキング入りしました!ありがとうございます!
◆この物語は小説家になろうでも同時投稿します。
悪役令嬢の居場所。
葉叶
恋愛
私だけの居場所。
他の誰かの代わりとかじゃなく
私だけの場所
私はそんな居場所が欲しい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※誤字脱字等あれば遠慮なく言ってください。
※感想はしっかりニヤニヤしながら読ませて頂いています。
※こんな話が見たいよ!等のリクエストも歓迎してます。
※完結しました!番外編執筆中です。
シナリオ通り追放されて早死にしましたが幸せでした
黒姫
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました。神様によると、婚約者の王太子に断罪されて極北の修道院に幽閉され、30歳を前にして死んでしまう設定は変えられないそうです。さて、それでも幸せになるにはどうしたら良いでしょうか?(2/16 完結。カテゴリーを恋愛に変更しました。)
えぇ、死ねばいいのにと思ってやりました。それが何か?
真理亜
恋愛
「アリン! 貴様! サーシャを階段から突き落としたと言うのは本当か!?」王太子である婚約者のカインからそう詰問された公爵令嬢のアリンは「えぇ、死ねばいいのにと思ってやりました。それが何か?」とサラッと答えた。その答えにカインは呆然とするが、やがてカインの取り巻き連中の婚約者達も揃ってサーシャを糾弾し始めたことにより、サーシャの本性が暴かれるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる