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学院編15 エピローグ?
588 悪役令嬢と拗ねる恋人
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「……帰っていい?」
「ダメだ」
――即答!?
マシューの低い声が耳朶をくすぐる。近すぎるのが問題だ。
「皆に何て言われてるか知ってる?」
「知っている」
「だったら、少しくらい配慮してくれてもいいじゃない」
「断る」
長い腕がエミリーの身体を背後から包んだ。脇腹に骨ばった指が食い込むほど強く抱きしめられる。
「……腕、きついんだけど?こんなんじゃ、魔法書なんて読めない。ページが捲れないわ」
「……」
フッと笑った気配がして、目の前のテーブルに置かれた魔法書がふわりと宙に浮いた。嫌味なくらいにゆっくりとページが捲られる。
「どうだ?読めるだろう?」
「読めるけど……読みたくない」
ドキドキしすぎてそれどころではない、とは絶対に言いたくない。新学期が始まってから、すっかりマシューのペースになっているのが許せないのだ。彼は今日もやりたい放題だ。魔法実技の授業だというのに、授業が始まるや否やエミリーを拉致同然に自分の部屋へ連れてきて、膝の上に抱き抱えて魔法書を読ませている。呪文以外の部分を声に出して読み上げさせ、間違うと耳たぶを啄んだり、首筋にキスをしたりする。先日はキスマークができてしまい、寮で姉達に散々からかわれたのだ。
「……嫌か?」
マシューの魔力から不穏な気配を感じ、エミリーは内心大きく溜息をついた。
「すぐ拗ねるんだから。……嫌がってないの、知ってるくせに」
自分の魔力の波動を肌で感じているなら、彼はとっくにエミリーの気持ちを知っているはずだ。それなのにわざと拗ねて見せている。年上なのに少し面倒くさい。
「誰かに何か言われたのか?」
「実習の度に、私達がどこかへ消えるから……」
「誰に言われた?エンウィか?」
顔を見上げると、マシューの赤い左目が光った。まずい兆候だ。
「キースはそんなこと言ってない。誰かに言われるかもって話!」
「言われたらすぐに教えるんだ。……分かったな?」
エミリーは返事をしなかった。仮に魔法科教師の誰かに訊かれても、マシューに言ったら翌日に死体で見つかりそうだ。
「マシュー……先生は、他の先生に何か言われないの?学院長先生とか、メーガン先生とか」
「言われないな。お前の飛び級を打診したら、反対されたくらいで……」
「飛び級!?……何それ」
聞いていない、とエミリーは青ざめた。水面下で何をしているのだ、この男は。
「お前の魔法は、王立学院で習得できるレベルを超えている。卒業するに十分な能力を備えていると言った」
「勝手に進めないで。自分が教師を辞められるからって」
「……魔導師団長になってから、独身の女性教師や女生徒がやたらと俺の周りに来るようになった」
「え……」
魔導師団長の職に就くと同時にマシューは爵位と領地を賜った。それがエンフィールド家の領地なのは皮肉だが、平民だったマシューが突然モテだしたのはその辺りに理由がある。今までは彼を恐れ、単なる黒ずくめの不気味な男扱いするか、恐れて遠巻きにしていたのに。
「俺が欲しいのはお前だけだ、エミリー。他は要らない」
「……!」
――ここでそんなこと言う!?
「王宮に……魔導師団の詰所にいれば、少しはマシになるだろう。エミリー、宮廷魔導士になってくれ」
「試験があるし、まだ学生だし……」
「合否を判定するのは俺だ。問題ない」
実力抜きに合格にされそうな勢いで言われた。コネ採用もいいところだ。
「……学校にいたいの。入学するのは嫌だったけど、この頃は少し楽し……」
「何故?」
マシューはエミリーの身体を自分の方に向かせ、魔力を滾らせた瞳で見つめた。
「とっ、友達もでき……」
「男か?」
「ち、ちが……」
「エンウィか?」
「キースじゃな……」
「何人と話した?この唇で囁いて、何人の男を虜にしたんだ?」
虜にするなんてあり得ない、と反論する間もなく、マシューの手が顎にかかる。親指の腹で下唇を撫でられたかと思うと、性急に唇を塞がれた。
バシュ!
弱い結界が破れる音がした。
「はーい、そこ!授業中に何してんのよ!」
赤紫色の髪を掻き上げ、腰に手を当てたロン先生が部屋に入って来た。マシューが張った結界を破れるのは、校内でも彼しかいない。
「……勝手に入るな」
「あのねえ、あたしは好きであんたのお目付け役をやってるんじゃないのよ?学院長先生と、ハーリオン侯爵様に頼まれて、仕方なく」
「……侯爵様が?」
「お父様が」
二人の声が重なった。
「そ。侯爵様は心配なさってるのよ。娘が無事に卒業できるかどうか。卒業前に誰かさんに手籠めにされちゃうんじゃないかって」
「手籠め……」
――何言ってんの、お父様!あり得ない!
真っ赤になってマシューから離れようとするが、腕の力が強くて離れられない。
「放して!」
「侯爵様はあんたを認めてないわけじゃないの。魔導師団長になって、平民から爵位持ちになったから、エミリーの夫として身分は十分でしょ。ただねえ……」
「ロン先生……?」
「近頃はある噂にお悩みなの。社交界では『ハーリオン家の娘は魔性』と言われてね」
「魔性って……」
悪役を通り越して悪魔になってしまったのか。エミリーは青ざめた。
「知らないの?まあ、学院の中だとそうよね。マリナは連日、殿下からの求婚を断ってるでしょ。アリッサは薔薇園で毎日レイモンドとイチャイチャしてるのを目撃されて、宰相様にも報告が行ってるって」
マリナとセドリックのやり取りは、毎日の挨拶のようなものだとエミリーは思っていたが、傍から見れば王太子を手玉に取る悪女にも見えなくない。レイモンドの溺愛ぶりは今に始まったことではないが、卒業すれば二年間アリッサと会えないからか、以前にも増して濃密な時間を過ごすようになっている。
「ジュリアもジュリアよ。末は騎士団長かと噂される婚約者がいるのに、王太子殿下を救った救国のヒーローともいい感じだもの。そりゃあ、やっかみも酷くなるってものよね」
「やっかみ、ですか?」
「知らないの?レナード、すごく人気があるのよ。前から人好きのする子ではあったのだけど、見た目も実力もあるし、何より確実に騎士になれそうってところもあって。知り合いの女の子は脈があると思っていたのね。でも、皆、彼から距離を置かれてるって。あたしのところに恋愛相談に来るの」
「当然だろうな。俺もエミリー以外とは距離を置いている」
「あんたは少し社会性を身につけなさい。男子生徒にも教えてやりな。給料もらってんだから」
「……」
トントン、とマシューの腕を叩き、ロン先生はエミリーを椅子から立たせた。同時にチャイムの音がした。
「行きましょう、エミリー。授業はおしまい。次の授業に遅れちゃう」
「はい」
「行くな」
「エミリーを留年させる気?」
鋭い視線で睨まれ、マシューは渋々恋人の手を離した。
「ダメだ」
――即答!?
マシューの低い声が耳朶をくすぐる。近すぎるのが問題だ。
「皆に何て言われてるか知ってる?」
「知っている」
「だったら、少しくらい配慮してくれてもいいじゃない」
「断る」
長い腕がエミリーの身体を背後から包んだ。脇腹に骨ばった指が食い込むほど強く抱きしめられる。
「……腕、きついんだけど?こんなんじゃ、魔法書なんて読めない。ページが捲れないわ」
「……」
フッと笑った気配がして、目の前のテーブルに置かれた魔法書がふわりと宙に浮いた。嫌味なくらいにゆっくりとページが捲られる。
「どうだ?読めるだろう?」
「読めるけど……読みたくない」
ドキドキしすぎてそれどころではない、とは絶対に言いたくない。新学期が始まってから、すっかりマシューのペースになっているのが許せないのだ。彼は今日もやりたい放題だ。魔法実技の授業だというのに、授業が始まるや否やエミリーを拉致同然に自分の部屋へ連れてきて、膝の上に抱き抱えて魔法書を読ませている。呪文以外の部分を声に出して読み上げさせ、間違うと耳たぶを啄んだり、首筋にキスをしたりする。先日はキスマークができてしまい、寮で姉達に散々からかわれたのだ。
「……嫌か?」
マシューの魔力から不穏な気配を感じ、エミリーは内心大きく溜息をついた。
「すぐ拗ねるんだから。……嫌がってないの、知ってるくせに」
自分の魔力の波動を肌で感じているなら、彼はとっくにエミリーの気持ちを知っているはずだ。それなのにわざと拗ねて見せている。年上なのに少し面倒くさい。
「誰かに何か言われたのか?」
「実習の度に、私達がどこかへ消えるから……」
「誰に言われた?エンウィか?」
顔を見上げると、マシューの赤い左目が光った。まずい兆候だ。
「キースはそんなこと言ってない。誰かに言われるかもって話!」
「言われたらすぐに教えるんだ。……分かったな?」
エミリーは返事をしなかった。仮に魔法科教師の誰かに訊かれても、マシューに言ったら翌日に死体で見つかりそうだ。
「マシュー……先生は、他の先生に何か言われないの?学院長先生とか、メーガン先生とか」
「言われないな。お前の飛び級を打診したら、反対されたくらいで……」
「飛び級!?……何それ」
聞いていない、とエミリーは青ざめた。水面下で何をしているのだ、この男は。
「お前の魔法は、王立学院で習得できるレベルを超えている。卒業するに十分な能力を備えていると言った」
「勝手に進めないで。自分が教師を辞められるからって」
「……魔導師団長になってから、独身の女性教師や女生徒がやたらと俺の周りに来るようになった」
「え……」
魔導師団長の職に就くと同時にマシューは爵位と領地を賜った。それがエンフィールド家の領地なのは皮肉だが、平民だったマシューが突然モテだしたのはその辺りに理由がある。今までは彼を恐れ、単なる黒ずくめの不気味な男扱いするか、恐れて遠巻きにしていたのに。
「俺が欲しいのはお前だけだ、エミリー。他は要らない」
「……!」
――ここでそんなこと言う!?
「王宮に……魔導師団の詰所にいれば、少しはマシになるだろう。エミリー、宮廷魔導士になってくれ」
「試験があるし、まだ学生だし……」
「合否を判定するのは俺だ。問題ない」
実力抜きに合格にされそうな勢いで言われた。コネ採用もいいところだ。
「……学校にいたいの。入学するのは嫌だったけど、この頃は少し楽し……」
「何故?」
マシューはエミリーの身体を自分の方に向かせ、魔力を滾らせた瞳で見つめた。
「とっ、友達もでき……」
「男か?」
「ち、ちが……」
「エンウィか?」
「キースじゃな……」
「何人と話した?この唇で囁いて、何人の男を虜にしたんだ?」
虜にするなんてあり得ない、と反論する間もなく、マシューの手が顎にかかる。親指の腹で下唇を撫でられたかと思うと、性急に唇を塞がれた。
バシュ!
弱い結界が破れる音がした。
「はーい、そこ!授業中に何してんのよ!」
赤紫色の髪を掻き上げ、腰に手を当てたロン先生が部屋に入って来た。マシューが張った結界を破れるのは、校内でも彼しかいない。
「……勝手に入るな」
「あのねえ、あたしは好きであんたのお目付け役をやってるんじゃないのよ?学院長先生と、ハーリオン侯爵様に頼まれて、仕方なく」
「……侯爵様が?」
「お父様が」
二人の声が重なった。
「そ。侯爵様は心配なさってるのよ。娘が無事に卒業できるかどうか。卒業前に誰かさんに手籠めにされちゃうんじゃないかって」
「手籠め……」
――何言ってんの、お父様!あり得ない!
真っ赤になってマシューから離れようとするが、腕の力が強くて離れられない。
「放して!」
「侯爵様はあんたを認めてないわけじゃないの。魔導師団長になって、平民から爵位持ちになったから、エミリーの夫として身分は十分でしょ。ただねえ……」
「ロン先生……?」
「近頃はある噂にお悩みなの。社交界では『ハーリオン家の娘は魔性』と言われてね」
「魔性って……」
悪役を通り越して悪魔になってしまったのか。エミリーは青ざめた。
「知らないの?まあ、学院の中だとそうよね。マリナは連日、殿下からの求婚を断ってるでしょ。アリッサは薔薇園で毎日レイモンドとイチャイチャしてるのを目撃されて、宰相様にも報告が行ってるって」
マリナとセドリックのやり取りは、毎日の挨拶のようなものだとエミリーは思っていたが、傍から見れば王太子を手玉に取る悪女にも見えなくない。レイモンドの溺愛ぶりは今に始まったことではないが、卒業すれば二年間アリッサと会えないからか、以前にも増して濃密な時間を過ごすようになっている。
「ジュリアもジュリアよ。末は騎士団長かと噂される婚約者がいるのに、王太子殿下を救った救国のヒーローともいい感じだもの。そりゃあ、やっかみも酷くなるってものよね」
「やっかみ、ですか?」
「知らないの?レナード、すごく人気があるのよ。前から人好きのする子ではあったのだけど、見た目も実力もあるし、何より確実に騎士になれそうってところもあって。知り合いの女の子は脈があると思っていたのね。でも、皆、彼から距離を置かれてるって。あたしのところに恋愛相談に来るの」
「当然だろうな。俺もエミリー以外とは距離を置いている」
「あんたは少し社会性を身につけなさい。男子生徒にも教えてやりな。給料もらってんだから」
「……」
トントン、とマシューの腕を叩き、ロン先生はエミリーを椅子から立たせた。同時にチャイムの音がした。
「行きましょう、エミリー。授業はおしまい。次の授業に遅れちゃう」
「はい」
「行くな」
「エミリーを留年させる気?」
鋭い視線で睨まれ、マシューは渋々恋人の手を離した。
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