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学院編 14
560 悪役令嬢はワインにさざ波を立てる
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治癒魔法の気配を感じ、キースはゆっくりと瞳を開けた。
「ん……?」
「気が付いたか」
「はっ!ここ、こ、ここ、こ。コーノック先生!?」
鶏のような声を上げ言葉に詰まった。跳ね起きて、知らないうちに寝かせられていたベッドの上に正座する。
「……ビビりすぎ」
「ぼ、僕……生きて……?」
自分の身体を掌で確かめる。よかった、まだ五体満足だ。首と身体は繋がっていると実感し、キースは大きく息を吐いた。
「殺意は湧いたが殺していない」
「は、はい……」
「怖い言い方はやめて。キースが可哀想でしょ」
「……可哀想?」
ゆらり、とマシューの背後に紫色の霧が立ちこめる。エミリーは慌てて彼の手を取り、
「とにかく、魔法で人を傷つけるのはよくないと思う」
とフォローした。マシューの赤い瞳が妖しく光る。
「え、ええと……先生は、どうして……」
「どうして脱獄したか、聞きたいか?」
答えは知っているだろうと言わんばかりにキースを睨む。仮にも魔法科の教師が、教え子の一人をこんなに威嚇していいものだろうか。
「……マシュー。キースは私を連れ出してくれたの。さっき言わなかった?」
「聞いたが、許さない」
ギロリ。赤い瞳がキースを射抜く。
「ヒイッ」
「キースがいなかったら、私、エンウィ家に閉じ込められていたのよ。魔導師団長は敵かもしれないけど、キースは私達の味方だわ」
「どこへ行くつもりだった?」
「エンウィ家の土地はダメだから、うちの領地……エスティアに行こうかって話をしていたの。他は王家直轄になって、騎士や魔導士がウヨウヨいるし」
「……成程。だが、俺がエスティアに行ったことが知られれば、ハーリオン家が脱獄を手伝ったと誤解されるだろう。侯爵の無実を証明するには、俺の存在が邪魔になる」
「じきにエンウィ家や魔導師団の一部が、僕達を追って来るでしょう。朝一番にはここから離れなければ危険です。エスティアのように、騎士や魔導士が追って来にくい場所に……」
「そうか。……要するに、入れなければいいのか」
マシューはフッと笑った。
「……何?」
「騎士団も、宮廷魔導士も、そうそう入れない場所があるだろう?」
「謎かけはやめて」
「馬車で行けるところでしょうか」
「エンウィ家の目を眩ませるために、ここまで来た馬車をエスティアへ行かせる。俺達は別のところに転移しよう」
「転移……どこへ行くのですか?まさか、国外に出るつもりで?」
魔法に自信がないキースの顔が曇る。
「僕がいては、足でまといになるだけでは……」
「とんでもない。一緒に来てもらうぞ」
「だから、どこに行くのよ?」
アメジストの瞳に睨まれ、マシューは得意げに唇の端を上げた。
◆◆◆
「まぁいっ……たなあ……」
頭の後ろに手を組んだジュリアが長椅子に身を投げ出す。ほんの数分前に、王都の邸から届いた魔法伝令便は、マリナ達四人の動きを完全に止めていた。
「ジョンがいい加減なことを書いて寄越すはずはないわ。きっと本当なのよ。……ハロルド・ハーリオンが中央神殿に籠城しているって話は」
「兄様がそんなことするかなあ?」
「偽物でも本物でも、誰かは中央神殿にいる。ハロルドの名を騙ってね」
「俺も信じられんな。こう言っちゃなんだが、ハロルドは地味……と、真面目で根く……おとなしい好青年だぞ」
「小父様、フォローになってないよ」
「コホン。そうね。お兄様は自分から何か行動を起こす性格ではないわね。反乱軍を指揮できるだけの戦略を持ち合わせているとも思えないし。まるで、お兄様の名前だけあればいいみたい」
「ハロルドは足が悪いんだろう?剣の稽古もしていないんじゃないのか?」
ヴィルソード侯爵はハロルドの脚が魔法で治療されたことを知らないのだ。マリナははっとした。
「そうだわ!」
「ん?」
ジュリアが腹筋を使って起き上がる。
「お兄様の脚が治ったことは、私達家族やレイモンドのような親しい友人しか知らないはずよ。社交の場にはほとんど出ていないけれど、脚を理由にダンスをしないことは知れ渡っているから、誰かがお兄様になりすましているのなら、その人物はうまく歩けないふりをしているでしょうね」
「だから?」
「確かめてもらうのよ。遠目にはお兄様でも、偽物かどうかをね。軍を指揮するのに足をかばってはいられない」
「ハロルドなら問題なく歩くってことか?」
侯爵の質問に、マリナは静かに頷いた。
「ええ。本当は、間近で顔を確認できればいいのだけれど……反乱軍の本拠地に行かせるなんて危険な真似を、アリッサにさせるのは忍びないわ」
「だよねえー」
ジュリアは再び椅子に転がり、マリナは魔法伝令便への返事を認めた。
◆◆◆
姉達の心配はある意味的中していた。
アリッサはレイモンドと二人、中央神殿の一室で暇を持て余していた。神殿の奥へ入ったことなどないはずなのに、部屋の内装に既視感を覚える。
――どこかの神殿と似ているのかしら?だいたい同じような造りなのかも……。
レイモンドを見れば、彼は一人掛けの椅子に座り優雅に脚を組んでいる。肘置きに頬杖をついている気怠げな姿も、アリッサの瞳には一枚の絵のように美しく映る。
「レイ様……お兄様、遅いですね」
「そうだな。総大将ともなれば忙しいのは分かるが、放っておかれている感がある。もしくは、俺達を王家側の人間だと警戒して、あえて接触を先延ばしにしているのか……」
「私達はお兄様の味方です。でも、武力で要求を通すのは間違っていると思います」
胸の前で握りこぶしを作って力説すると、レイモンドはその様子を見て微かに笑った。
「……何を笑っているんですか?」
「いや。愛らしいと思って」
「あいっ……!?」
途端に顔が真っ赤になる。緊迫した事態なのに、彼は随分と余裕のようだ。
「なな、なに、を……」
ノックの音が響いた。
「どうぞ」
「俺達が許可する立場ではないと思うがな」
若い兵士がトレイを持って入って来た。瓶が一つとグラスが二つだ。
「ハロルドはまだ時間が取れないのか」
「申し訳ございません。お詫びと言っては何ですが、こちらをお持ちしました。私はよく知りませんが、いい果実酒らしいですよ」
トレイをテーブルの上に置き、そばかすが散った頬をぽりぽりと指先で掻きながら、若い兵士はあか抜けない笑顔を見せた。レイモンドは一瞬目を眇めて兵士を見ると、礼を言って退出させた。
椅子から立ち上がり、レイモンドはテーブルの上の瓶に手を伸ばした。ラベルを確認して栓を抜き、二つのグラスに赤い液体を注ぐ。
――あ!
アリッサの脳裏に、かつて見たバッドエンドの夢が蘇る。
「あの兵士が言った通り、最高級品だ。ハロルドはいつ来るか分からない」
「……」
夢の結末を思い出し、アリッサは言葉が出なかった。
「少し飲むといい」
差し出したグラスに震える指が触れ、中の液体が小さく波打った。
「ん……?」
「気が付いたか」
「はっ!ここ、こ、ここ、こ。コーノック先生!?」
鶏のような声を上げ言葉に詰まった。跳ね起きて、知らないうちに寝かせられていたベッドの上に正座する。
「……ビビりすぎ」
「ぼ、僕……生きて……?」
自分の身体を掌で確かめる。よかった、まだ五体満足だ。首と身体は繋がっていると実感し、キースは大きく息を吐いた。
「殺意は湧いたが殺していない」
「は、はい……」
「怖い言い方はやめて。キースが可哀想でしょ」
「……可哀想?」
ゆらり、とマシューの背後に紫色の霧が立ちこめる。エミリーは慌てて彼の手を取り、
「とにかく、魔法で人を傷つけるのはよくないと思う」
とフォローした。マシューの赤い瞳が妖しく光る。
「え、ええと……先生は、どうして……」
「どうして脱獄したか、聞きたいか?」
答えは知っているだろうと言わんばかりにキースを睨む。仮にも魔法科の教師が、教え子の一人をこんなに威嚇していいものだろうか。
「……マシュー。キースは私を連れ出してくれたの。さっき言わなかった?」
「聞いたが、許さない」
ギロリ。赤い瞳がキースを射抜く。
「ヒイッ」
「キースがいなかったら、私、エンウィ家に閉じ込められていたのよ。魔導師団長は敵かもしれないけど、キースは私達の味方だわ」
「どこへ行くつもりだった?」
「エンウィ家の土地はダメだから、うちの領地……エスティアに行こうかって話をしていたの。他は王家直轄になって、騎士や魔導士がウヨウヨいるし」
「……成程。だが、俺がエスティアに行ったことが知られれば、ハーリオン家が脱獄を手伝ったと誤解されるだろう。侯爵の無実を証明するには、俺の存在が邪魔になる」
「じきにエンウィ家や魔導師団の一部が、僕達を追って来るでしょう。朝一番にはここから離れなければ危険です。エスティアのように、騎士や魔導士が追って来にくい場所に……」
「そうか。……要するに、入れなければいいのか」
マシューはフッと笑った。
「……何?」
「騎士団も、宮廷魔導士も、そうそう入れない場所があるだろう?」
「謎かけはやめて」
「馬車で行けるところでしょうか」
「エンウィ家の目を眩ませるために、ここまで来た馬車をエスティアへ行かせる。俺達は別のところに転移しよう」
「転移……どこへ行くのですか?まさか、国外に出るつもりで?」
魔法に自信がないキースの顔が曇る。
「僕がいては、足でまといになるだけでは……」
「とんでもない。一緒に来てもらうぞ」
「だから、どこに行くのよ?」
アメジストの瞳に睨まれ、マシューは得意げに唇の端を上げた。
◆◆◆
「まぁいっ……たなあ……」
頭の後ろに手を組んだジュリアが長椅子に身を投げ出す。ほんの数分前に、王都の邸から届いた魔法伝令便は、マリナ達四人の動きを完全に止めていた。
「ジョンがいい加減なことを書いて寄越すはずはないわ。きっと本当なのよ。……ハロルド・ハーリオンが中央神殿に籠城しているって話は」
「兄様がそんなことするかなあ?」
「偽物でも本物でも、誰かは中央神殿にいる。ハロルドの名を騙ってね」
「俺も信じられんな。こう言っちゃなんだが、ハロルドは地味……と、真面目で根く……おとなしい好青年だぞ」
「小父様、フォローになってないよ」
「コホン。そうね。お兄様は自分から何か行動を起こす性格ではないわね。反乱軍を指揮できるだけの戦略を持ち合わせているとも思えないし。まるで、お兄様の名前だけあればいいみたい」
「ハロルドは足が悪いんだろう?剣の稽古もしていないんじゃないのか?」
ヴィルソード侯爵はハロルドの脚が魔法で治療されたことを知らないのだ。マリナははっとした。
「そうだわ!」
「ん?」
ジュリアが腹筋を使って起き上がる。
「お兄様の脚が治ったことは、私達家族やレイモンドのような親しい友人しか知らないはずよ。社交の場にはほとんど出ていないけれど、脚を理由にダンスをしないことは知れ渡っているから、誰かがお兄様になりすましているのなら、その人物はうまく歩けないふりをしているでしょうね」
「だから?」
「確かめてもらうのよ。遠目にはお兄様でも、偽物かどうかをね。軍を指揮するのに足をかばってはいられない」
「ハロルドなら問題なく歩くってことか?」
侯爵の質問に、マリナは静かに頷いた。
「ええ。本当は、間近で顔を確認できればいいのだけれど……反乱軍の本拠地に行かせるなんて危険な真似を、アリッサにさせるのは忍びないわ」
「だよねえー」
ジュリアは再び椅子に転がり、マリナは魔法伝令便への返事を認めた。
◆◆◆
姉達の心配はある意味的中していた。
アリッサはレイモンドと二人、中央神殿の一室で暇を持て余していた。神殿の奥へ入ったことなどないはずなのに、部屋の内装に既視感を覚える。
――どこかの神殿と似ているのかしら?だいたい同じような造りなのかも……。
レイモンドを見れば、彼は一人掛けの椅子に座り優雅に脚を組んでいる。肘置きに頬杖をついている気怠げな姿も、アリッサの瞳には一枚の絵のように美しく映る。
「レイ様……お兄様、遅いですね」
「そうだな。総大将ともなれば忙しいのは分かるが、放っておかれている感がある。もしくは、俺達を王家側の人間だと警戒して、あえて接触を先延ばしにしているのか……」
「私達はお兄様の味方です。でも、武力で要求を通すのは間違っていると思います」
胸の前で握りこぶしを作って力説すると、レイモンドはその様子を見て微かに笑った。
「……何を笑っているんですか?」
「いや。愛らしいと思って」
「あいっ……!?」
途端に顔が真っ赤になる。緊迫した事態なのに、彼は随分と余裕のようだ。
「なな、なに、を……」
ノックの音が響いた。
「どうぞ」
「俺達が許可する立場ではないと思うがな」
若い兵士がトレイを持って入って来た。瓶が一つとグラスが二つだ。
「ハロルドはまだ時間が取れないのか」
「申し訳ございません。お詫びと言っては何ですが、こちらをお持ちしました。私はよく知りませんが、いい果実酒らしいですよ」
トレイをテーブルの上に置き、そばかすが散った頬をぽりぽりと指先で掻きながら、若い兵士はあか抜けない笑顔を見せた。レイモンドは一瞬目を眇めて兵士を見ると、礼を言って退出させた。
椅子から立ち上がり、レイモンドはテーブルの上の瓶に手を伸ばした。ラベルを確認して栓を抜き、二つのグラスに赤い液体を注ぐ。
――あ!
アリッサの脳裏に、かつて見たバッドエンドの夢が蘇る。
「あの兵士が言った通り、最高級品だ。ハロルドはいつ来るか分からない」
「……」
夢の結末を思い出し、アリッサは言葉が出なかった。
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