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学院編 14
534 悪役令嬢と饒舌な死体
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薄暗い部屋の中で、柱時計の振り子が揺れる音だけが響いている。
「……いかがいたしましょうか、旦那様」
しゃがれ声の執事が、主人の答えを待ちきれずに促した。彼の主は書斎の机に向かい、顔の前で手を組んだまま答えない。
「シェリンズ男爵令嬢は、もう……」
「待て」
「はっ」
「あの娘は置いておけ。放っておけば自滅する。シェリンズ家と当家の関係を疑われるようなものは全て処分しろ」
「既に手は打っております。シェリンズ家に送り込んだ小間使いが、手紙の類を焼き捨てました」
「よろしい。その者は近日中に呼び寄せ、町に出たところで処理しろ」
「御意。ところで、エンウィ魔導師団長から手紙が届いておりましたが、お読みになられましたか」
「読まずとも分かっている。あの強欲爺は伯爵の位では不満なのだ。私にとりなしてくれと言うのだろう?」
「王宮に入っている者から、エンウィ伯爵が捕らえられたとの情報が届いております。真偽を確認中ですが、ご自身の身の危険を感じていらっしゃったのではないかと存じます」
「危険と知って近寄る馬鹿がどこにいる?罪状は?」
「魔道具の輸出に関わった咎です。ビルクール港の海運会社が、エンウィ伯爵の関係者から魔道具を仕入れていたと証拠を示したらしく、騎士団が調査しておりました」
「騎士団か……」
男は目を眇めて机の片隅にあったチェス盤を見つめた。
「前副団長の息子はどうなった?」
「分かりません。王族の住まう区域で治療を受けているらしく、兵士の身分では、近づくこともできないそうです。生死も不明です」
「死ぬならハーリオンとの関係を話してからにしてもらいたいものだが」
足音がし、部屋のドアがノックされる。
「入れ」
若い兵士が入ってくる。全てにおいて余裕がなく、とても焦った様子だ。
「お話中、失礼いたします。王宮より連絡がありました。光魔法を受けて重傷を負ったレナード・ネオブリーが、先ほど息を引き取ったそうです」
「……ほう。死んだか」
「うわ言のように、ハーリオン侯爵に会いたいと申していたと、王宮内で噂になっております」
「こちらの指示通りやり遂げたようですね」
執事と視線を合わせ、男は満足して椅子の背に身体を預けた。
◆◆◆
「さあて、じっくり治療させてもらうわよ」
腕まくりをしたロン先生は、新鮮な食材を目の前にした料理人のように、瞳を輝かせて手のひらに魔力を滾らせた。
「ま、待ってください。先生。俺、だいたい良くなったんで……」
言い知れぬ危険を感じたレナードは、腹筋を使って起き上がり防御の姿勢を取った。
「痛っ……!」
「無理しちゃダメだよ、レナード!」
ジュリアがレナードをベッドに押し戻す。優しく触っているつもりでも、彼は少し顔を顰めている。傷が痛むのだろうか。
「ほら、痛そうな顔して」
「痛くないです。先生の見間違いですよ。俺……見た目より頑丈なのに」
「そうねえ。あの子の光魔法を真正面から受けて生きてるなんて、頑丈なのね。あそこにいた全員が、あんたは死んだって思っちゃうくらい、激しい魔法だったものね」
ロン先生が治癒魔法をかけながら振り返る。宮廷魔導士がレナードを宙に浮かせて運び出す際、集まった貴族の多くは彼のために祈っていた。
「先生、レナードを死んだことにするって、本当なの?」
ベッドの脇に丸椅子を置いて座ったジュリアは、治療に影響が出ないようにタイミングをはかって問いかけた。
「そ。死んだことにすれば、誰ももう一度殺そうなんて思わないでしょ」
「ってことは、生きてるって分かれば狙われるの?」
「多分ね。王族を殺せなんて命令した奴が、しくじった手駒を生かしておくと思う?うっかり実家に帰したりしたら、家族全員殺されかねないわ。暗殺は失敗したけれど、相手は織り込み済みでしょう。指示されたとおり、ハーリオン侯爵との関係は匂わせた。噂が広がり、陛下がハーリオン侯爵に不信感を抱いていらっしゃる……となれば、敵は機に乗じて畳み掛けてくるんじゃない?」
ふふんと笑って長い髪を弄ぶ。ロン先生は得意げだ。
「罠ですか?」
「『敵の望み通りになったと思わせろ』ってね。命令が出てるの」
自由気ままな彼を従わせられるのは、学院長か、あるいはもっと上の人間か。彼らの間でどんな話がされているのか、ジュリアには想像もつかない。
「とにかく、レナード。あんたはここに残りなさい」
「王宮に!?」
「学院は常に誰かに覗かれているの。毎日、魔法の結界が破られてるって、フィービー先生が嘆いてるわ。……尤も、あんた達姉妹が家に帰ってからは、頻度が減ったらしいけど」
「私達を監視していたんですね?」
「そうかもね。同時期に王太子殿下やレイモンドも寮を離れているし、一概にあんた達だけが狙いとは言えない。可能性の一つよ」
「新学期、大丈夫かな……。私は平気だけど、マリナとエミリーは神経質だし、アリッサなんかビビッて学校行かないって言い出しそう」
「そうだよね。心配だなあ。俺、やっぱりジュリアちゃんの傍に……うっ!」
ロン先生の長い指先が、レナードの治りきっていない傷を的確に突いた。
「『死体』はおとなしく寝てなさい。大丈夫よ。あんたのお姫様には、もう一人優秀な騎士がいるでしょ?」
お姫様扱いされて不満そうなジュリアに目配せして、先生は薄い唇を歪ませにやりと笑った。
ガタガタと音がして、ドアが薄く開いてまた閉まる。隙間から白いものが見えた。
「ちょおっとぉ!少しは手伝いなさいよ!」
抱きかかえた白い布に埋もれるようにして、小柄な女性が入って来た。見た目は前世で言う小学生くらいだ。
「あらあら、ごめんねぇ?気づかなかった。運んでくれてありがとうね、ジェン。あんたってホント、いい子ねえ」
「頭撫でるのやめて!……っとに、子ども扱いしないでよ!」
「そうやってムキになって怒るから子供っぽいって言ってるの。怒ると可愛い顔が台無しよぉ?ジェニファーちゃん」
ジェニファーはいよいよむくれた。唇を尖らせると、ぶん、と腕を振った。
「ほら。ローブ。これでいいんでしょ?」
ばさりとロンの腕に投げ渡されたのは、大人用の白いローブだった。光魔導士が好んで着るデザインで、宮廷魔導士の支給品なのか、随所に金糸で刺繍が施されている。
「どうしたんですか、これ」
「あんたが使うのよ、ジュリア。この部屋に入ったところは見られていないけれどね、家に帰るまでに誰に会うか分かったもんじゃないでしょ?招待されていないハーリオン家の令嬢が勝手にもぐりこんでた、なんて悪い噂になりたくなかったら、つべこべ言わずに使うことね」
「魔導士が着るのを、私に?」
「ふふん。これはね、あたしが光魔法をかけた魔導具なの。人がこれを着用すると、その人の魔力に反応して、光を跳ね返さずに受け流してくれるってわけ。透明人間になれちゃうローブよ!」
――す、すごい!まさにファンタジーって感じ?……ん?待てよ?
「先生、私、魔力ゼロなんですけど」
「嘘!?」
「嘘じゃありません。小さい頃に魔法の家庭教師に呆れられたくらいで。着ても……効果はないかも」
ベッドに横たわるレナードとジェニファーが苦笑いをし、ロン先生は少し考え込んだ。
「そうねえ……あたしの魔力を注入しちゃう?車寄せでレイモンドが待ってるから、そこまでなら効果は出ると思う」
「先生、魔力の注入なんてできるんですか?さっき俺にやった治療みたいな?」
嫌な予感がしてレナードがロンの腕を引いた。
「剣技科の子は知らないのね。魔力は体液を通じて身体を巡るの。ジュリアちゃんがあたしの体液を取りこめば……」
「体液……?」
――なんだっけ、それ。理科は分かんないんだよなあ。
「ダメだ、ジュリアちゃん。変態の言うことを真に受けるな!……痛っ!」
「ほおら、死体は寝とけって言ったろ?」
一瞬男に戻ったロン先生がレナードの額を小突き、怪我人は呻いてベッドに倒れた。
「……いかがいたしましょうか、旦那様」
しゃがれ声の執事が、主人の答えを待ちきれずに促した。彼の主は書斎の机に向かい、顔の前で手を組んだまま答えない。
「シェリンズ男爵令嬢は、もう……」
「待て」
「はっ」
「あの娘は置いておけ。放っておけば自滅する。シェリンズ家と当家の関係を疑われるようなものは全て処分しろ」
「既に手は打っております。シェリンズ家に送り込んだ小間使いが、手紙の類を焼き捨てました」
「よろしい。その者は近日中に呼び寄せ、町に出たところで処理しろ」
「御意。ところで、エンウィ魔導師団長から手紙が届いておりましたが、お読みになられましたか」
「読まずとも分かっている。あの強欲爺は伯爵の位では不満なのだ。私にとりなしてくれと言うのだろう?」
「王宮に入っている者から、エンウィ伯爵が捕らえられたとの情報が届いております。真偽を確認中ですが、ご自身の身の危険を感じていらっしゃったのではないかと存じます」
「危険と知って近寄る馬鹿がどこにいる?罪状は?」
「魔道具の輸出に関わった咎です。ビルクール港の海運会社が、エンウィ伯爵の関係者から魔道具を仕入れていたと証拠を示したらしく、騎士団が調査しておりました」
「騎士団か……」
男は目を眇めて机の片隅にあったチェス盤を見つめた。
「前副団長の息子はどうなった?」
「分かりません。王族の住まう区域で治療を受けているらしく、兵士の身分では、近づくこともできないそうです。生死も不明です」
「死ぬならハーリオンとの関係を話してからにしてもらいたいものだが」
足音がし、部屋のドアがノックされる。
「入れ」
若い兵士が入ってくる。全てにおいて余裕がなく、とても焦った様子だ。
「お話中、失礼いたします。王宮より連絡がありました。光魔法を受けて重傷を負ったレナード・ネオブリーが、先ほど息を引き取ったそうです」
「……ほう。死んだか」
「うわ言のように、ハーリオン侯爵に会いたいと申していたと、王宮内で噂になっております」
「こちらの指示通りやり遂げたようですね」
執事と視線を合わせ、男は満足して椅子の背に身体を預けた。
◆◆◆
「さあて、じっくり治療させてもらうわよ」
腕まくりをしたロン先生は、新鮮な食材を目の前にした料理人のように、瞳を輝かせて手のひらに魔力を滾らせた。
「ま、待ってください。先生。俺、だいたい良くなったんで……」
言い知れぬ危険を感じたレナードは、腹筋を使って起き上がり防御の姿勢を取った。
「痛っ……!」
「無理しちゃダメだよ、レナード!」
ジュリアがレナードをベッドに押し戻す。優しく触っているつもりでも、彼は少し顔を顰めている。傷が痛むのだろうか。
「ほら、痛そうな顔して」
「痛くないです。先生の見間違いですよ。俺……見た目より頑丈なのに」
「そうねえ。あの子の光魔法を真正面から受けて生きてるなんて、頑丈なのね。あそこにいた全員が、あんたは死んだって思っちゃうくらい、激しい魔法だったものね」
ロン先生が治癒魔法をかけながら振り返る。宮廷魔導士がレナードを宙に浮かせて運び出す際、集まった貴族の多くは彼のために祈っていた。
「先生、レナードを死んだことにするって、本当なの?」
ベッドの脇に丸椅子を置いて座ったジュリアは、治療に影響が出ないようにタイミングをはかって問いかけた。
「そ。死んだことにすれば、誰ももう一度殺そうなんて思わないでしょ」
「ってことは、生きてるって分かれば狙われるの?」
「多分ね。王族を殺せなんて命令した奴が、しくじった手駒を生かしておくと思う?うっかり実家に帰したりしたら、家族全員殺されかねないわ。暗殺は失敗したけれど、相手は織り込み済みでしょう。指示されたとおり、ハーリオン侯爵との関係は匂わせた。噂が広がり、陛下がハーリオン侯爵に不信感を抱いていらっしゃる……となれば、敵は機に乗じて畳み掛けてくるんじゃない?」
ふふんと笑って長い髪を弄ぶ。ロン先生は得意げだ。
「罠ですか?」
「『敵の望み通りになったと思わせろ』ってね。命令が出てるの」
自由気ままな彼を従わせられるのは、学院長か、あるいはもっと上の人間か。彼らの間でどんな話がされているのか、ジュリアには想像もつかない。
「とにかく、レナード。あんたはここに残りなさい」
「王宮に!?」
「学院は常に誰かに覗かれているの。毎日、魔法の結界が破られてるって、フィービー先生が嘆いてるわ。……尤も、あんた達姉妹が家に帰ってからは、頻度が減ったらしいけど」
「私達を監視していたんですね?」
「そうかもね。同時期に王太子殿下やレイモンドも寮を離れているし、一概にあんた達だけが狙いとは言えない。可能性の一つよ」
「新学期、大丈夫かな……。私は平気だけど、マリナとエミリーは神経質だし、アリッサなんかビビッて学校行かないって言い出しそう」
「そうだよね。心配だなあ。俺、やっぱりジュリアちゃんの傍に……うっ!」
ロン先生の長い指先が、レナードの治りきっていない傷を的確に突いた。
「『死体』はおとなしく寝てなさい。大丈夫よ。あんたのお姫様には、もう一人優秀な騎士がいるでしょ?」
お姫様扱いされて不満そうなジュリアに目配せして、先生は薄い唇を歪ませにやりと笑った。
ガタガタと音がして、ドアが薄く開いてまた閉まる。隙間から白いものが見えた。
「ちょおっとぉ!少しは手伝いなさいよ!」
抱きかかえた白い布に埋もれるようにして、小柄な女性が入って来た。見た目は前世で言う小学生くらいだ。
「あらあら、ごめんねぇ?気づかなかった。運んでくれてありがとうね、ジェン。あんたってホント、いい子ねえ」
「頭撫でるのやめて!……っとに、子ども扱いしないでよ!」
「そうやってムキになって怒るから子供っぽいって言ってるの。怒ると可愛い顔が台無しよぉ?ジェニファーちゃん」
ジェニファーはいよいよむくれた。唇を尖らせると、ぶん、と腕を振った。
「ほら。ローブ。これでいいんでしょ?」
ばさりとロンの腕に投げ渡されたのは、大人用の白いローブだった。光魔導士が好んで着るデザインで、宮廷魔導士の支給品なのか、随所に金糸で刺繍が施されている。
「どうしたんですか、これ」
「あんたが使うのよ、ジュリア。この部屋に入ったところは見られていないけれどね、家に帰るまでに誰に会うか分かったもんじゃないでしょ?招待されていないハーリオン家の令嬢が勝手にもぐりこんでた、なんて悪い噂になりたくなかったら、つべこべ言わずに使うことね」
「魔導士が着るのを、私に?」
「ふふん。これはね、あたしが光魔法をかけた魔導具なの。人がこれを着用すると、その人の魔力に反応して、光を跳ね返さずに受け流してくれるってわけ。透明人間になれちゃうローブよ!」
――す、すごい!まさにファンタジーって感じ?……ん?待てよ?
「先生、私、魔力ゼロなんですけど」
「嘘!?」
「嘘じゃありません。小さい頃に魔法の家庭教師に呆れられたくらいで。着ても……効果はないかも」
ベッドに横たわるレナードとジェニファーが苦笑いをし、ロン先生は少し考え込んだ。
「そうねえ……あたしの魔力を注入しちゃう?車寄せでレイモンドが待ってるから、そこまでなら効果は出ると思う」
「先生、魔力の注入なんてできるんですか?さっき俺にやった治療みたいな?」
嫌な予感がしてレナードがロンの腕を引いた。
「剣技科の子は知らないのね。魔力は体液を通じて身体を巡るの。ジュリアちゃんがあたしの体液を取りこめば……」
「体液……?」
――なんだっけ、それ。理科は分かんないんだよなあ。
「ダメだ、ジュリアちゃん。変態の言うことを真に受けるな!……痛っ!」
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