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学院編 13 悪役令嬢は領地を巡る
410 悪役令嬢は領地をかき回す エスティア編1
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様子を見ていた少年セドリックは、濃厚な魔法の気配に身震いした。これほど強い魔力を持つ者に出会ったことはなかった。思わず「すげえ」と声を漏らした。
エミリーが捕縛の魔法を使った相手は、鋤や斧を持った町の人々ではなく、彼らに「始末」を指示していた執事だった。
「う……ぐ……」
声を出すこともままならず、ジャイルズは直立不動のまま人形と化した。そのまま床へバタンと倒れた。
「何だ……?」
「どうなってるんだ?」
「あの人、死んじまったのか?」
町のツワモノ共が口々に呟き、互いに顔を見合わせる。表情は青ざめて、エミリーを盗み見る視線は怯えている。
「死んでないわ。……動けないだけ」
「エミリーちゃん、どうするの?」
アリッサがおろおろして妹に耳打ちをした。二人の様子を見ていたセドリックが、群衆の前に躍り出た。
「お集まりの皆さん。こんばんは」
にっこり。極上の王子様スマイルが炸裂した。邪気はないように見せているが、どこか黒い影を漂わせている。
「こ、こんばんは……」
「皆さんは、こちらの執事に呼ばれてきたのですね?」
「は、はあ……」
「来なきゃ、息子を売り飛ばすって言われたんだよ」
キラーン。
セドリックの青い瞳が輝いた。
「そうか……脅されて?」
「あたしだってそうだよ。店を潰すって言われてさ」
「なるほど……かなりの悪人なのですね」
後ろを振り返り、床に倒れている男を一瞥する。
「もう心配はいりません。私達はあなた方を助けに来たのです!」
両腕を上げ、ランナーがゴールするようなポーズを取った。
「ひゃあ、あんなこと言っちゃったよぉ」
「グ●コ……?」
やけに大きく出たなとエミリーは眉を顰めた。
「私、やめるようにお話ししてくるね」
アリッサがトタトタと狭い歩幅で走って行き、セドリックの肩を叩いた。何を言うのかと聞き耳を立てたエミリーの足元に、ジャイルズの手が迫る。
「……あ」
――まずい、魔法緩くしてた。
「この、小娘がぁっ!」
力を振り絞り、ジャイルズはエミリーの脚を掴もうとした。
が。
ドウッ!
突如巻き起こった突風が執事を跳ね飛ばし、邸の壁に打ち付けた。勢いが強く、壁は丸く凹んでいる。
――マシューの防御、鉄壁すぎるわ。
エミリーは感謝するのを忘れて呆れた。そこまでして自分に男を近づけさせたくないのか。過保護にもほどがある。
「うわあ」
アリッサがとぼけた声を上げた。
「ご覧になりましたか、皆さん。彼女は全能神の加護を受けているのです!」
「ええっ!?」
町の人々よりも早くアリッサが驚いた。セドリックは気を良くして適当な説明を始めた。
「神の御加護だって?」
「本当かよ?」
「でも見ただろ、今の」
「ああ、あの子は何もしなくても、ジャイルズは弾け飛んだぞ」
人々が驚くのを見て、王太子はうんうんと頷く。
「ジャイルズは領主を呼んだようです。私達は彼に会ってみたいと思っています」
「侯爵様がいらっしゃるのか?」
「ここ何年とお姿を見ていないぞ」
「お忙しい方だから、ハロルド様に全てお任せなんだろう?」
聞き覚えのある名前に、アリッサが手を挙げた。
「あ、あのっ……ハロルドって」
「領主様の息子だよ。元はここの領地管理人の一人息子でさ。ブラッドフォード様とセイディ様が、馬車ごと谷へ落ちて……本家のお邸に引き取られたんだ」
「ハロルド……さんが、ここに来ているのですか?」
「この頃はいつもね」
「いつからかな?」
「三年くらい前だよ」
「三年……」
セドリックは俯いた。アリッサが彼の袖を引き、耳元に唇を寄せる。
「おかしいです。お兄様は学院に……」
「うん。滅多に外出しないって聞いたよ」
「家にも帰りませんでした。……ここに来ているお兄様は、一体誰なのです?」
マリナと同じアメジストの瞳に見つめられ、セドリックは力が湧いてきた。マリナのことを思うだけで何でもできそうな気がしてくる。
「私達は領主に会いたい。ですが、私達が生きていると知れば、私達を殺さなかったあなた方を領主は責めるでしょう」
「そうだ!どうすりゃいいんだ?」
斧を持った男が叫んだ。
「皆さんは、領主の……管理人の指示で、私達を殺めようとなさっているのですね。本意ではないのに」
「そうさ。俺達だって……やりたくねえんだ。だけど……あんた達は花を知りたがった。通り過ぎるだけならいい。でも、花はダメだ。秘密を知っちまったら、後戻りはできねえ」
「わざわざ花を見に来るなんておかしいし、何か知ってるんだろ?」
アリッサはセドリックと顔を見合わせた。この町で作ったピオリの種をユーデピオレとして売っているのではないか、毒性のある赤ピオリを育てているのではないかと、彼らに尋ねてもいいものだろうか。
「花の秘密を知ったら、どうなるんですか?」
「殺す以外の方法はないのかな?」
「ないね。やらなきゃ、あたしらの誰かが代わりに殺されちまうんだ。前に、偶然花畑を見つけた旅の男がいてさ、うちの娘も気に入ってたし、いい奴だから俺達は皆で逃がそうとしたんだ」
「一度は逃げたんだが、その話をジャイルズが告げ口しやがった。旅の男はすぐに見つかって、エスティアに連れてこられた」
一瞬、沈黙が流れた。
「そ、それで?」
「……見せしめに、広場の中央に吊るされた」
「ひでぇ有様だったよ」
「お前さんの娘は、毎日通っていたな」
「……」
女将は俯いて唇を噛んだ。
「管理人の男は、どうして指示通りに殺さなかったのかと、俺達を問い詰めた。誰も何も言わないでいたら、ロージーが前に出て言ったんだ。……『私が彼を逃がすように町の皆にお願いしたんです』ってな」
「管理人の男は、領主の命令に背いた罰だと、ロージーに剣を渡して……」
「やめて!」
リーダー格の男の話は、隣の女性、食堂の女将の悲鳴でかき消された。さめざめと泣く女将の背中を撫でながら、酒場で見た男が続けた。
「……ロージーは、吊るされた男の足元で、自分の胸を突いて死んだんだ。……だから」
アリッサの視界が歪んだ。涙が止まらない。
「俺達は、花の秘密を調べに来たあんたら三人を、殺さなくちゃならねえんだ」
「そんなことはないよ」
セドリックが間髪おかずに言い放った。
「皆さんは私……僕達を殺したことにすればいい」
「どうやって?」
「ジャイルズの指示通り、僕達をこの玄関ホールで殺した。……鶏の血でも撒いておけばいいんじゃないかな。一通り掃除をしたように見せかけて、血の跡を残しておくんだよ」
「あんた達はどうするんだい?」
「そうだなあ……どうしようか?」
「何も考えてなかったのに言っちゃったんですか?」
「うん」
「ええと……私達は、お邸の使用人のふりをします」
「それがいいね。あの通り、ジャイルズは再起不能だから、彼が僕達を雇ったことにすればいいよ。僕が新しい執事、君達二人は侍女としてね。皆さんも、どうかな?」
にっこり。
輝くばかりの王太子のアルカイックスマイルに悩殺され、町の人々はただ黙って頷いた。
エミリーが捕縛の魔法を使った相手は、鋤や斧を持った町の人々ではなく、彼らに「始末」を指示していた執事だった。
「う……ぐ……」
声を出すこともままならず、ジャイルズは直立不動のまま人形と化した。そのまま床へバタンと倒れた。
「何だ……?」
「どうなってるんだ?」
「あの人、死んじまったのか?」
町のツワモノ共が口々に呟き、互いに顔を見合わせる。表情は青ざめて、エミリーを盗み見る視線は怯えている。
「死んでないわ。……動けないだけ」
「エミリーちゃん、どうするの?」
アリッサがおろおろして妹に耳打ちをした。二人の様子を見ていたセドリックが、群衆の前に躍り出た。
「お集まりの皆さん。こんばんは」
にっこり。極上の王子様スマイルが炸裂した。邪気はないように見せているが、どこか黒い影を漂わせている。
「こ、こんばんは……」
「皆さんは、こちらの執事に呼ばれてきたのですね?」
「は、はあ……」
「来なきゃ、息子を売り飛ばすって言われたんだよ」
キラーン。
セドリックの青い瞳が輝いた。
「そうか……脅されて?」
「あたしだってそうだよ。店を潰すって言われてさ」
「なるほど……かなりの悪人なのですね」
後ろを振り返り、床に倒れている男を一瞥する。
「もう心配はいりません。私達はあなた方を助けに来たのです!」
両腕を上げ、ランナーがゴールするようなポーズを取った。
「ひゃあ、あんなこと言っちゃったよぉ」
「グ●コ……?」
やけに大きく出たなとエミリーは眉を顰めた。
「私、やめるようにお話ししてくるね」
アリッサがトタトタと狭い歩幅で走って行き、セドリックの肩を叩いた。何を言うのかと聞き耳を立てたエミリーの足元に、ジャイルズの手が迫る。
「……あ」
――まずい、魔法緩くしてた。
「この、小娘がぁっ!」
力を振り絞り、ジャイルズはエミリーの脚を掴もうとした。
が。
ドウッ!
突如巻き起こった突風が執事を跳ね飛ばし、邸の壁に打ち付けた。勢いが強く、壁は丸く凹んでいる。
――マシューの防御、鉄壁すぎるわ。
エミリーは感謝するのを忘れて呆れた。そこまでして自分に男を近づけさせたくないのか。過保護にもほどがある。
「うわあ」
アリッサがとぼけた声を上げた。
「ご覧になりましたか、皆さん。彼女は全能神の加護を受けているのです!」
「ええっ!?」
町の人々よりも早くアリッサが驚いた。セドリックは気を良くして適当な説明を始めた。
「神の御加護だって?」
「本当かよ?」
「でも見ただろ、今の」
「ああ、あの子は何もしなくても、ジャイルズは弾け飛んだぞ」
人々が驚くのを見て、王太子はうんうんと頷く。
「ジャイルズは領主を呼んだようです。私達は彼に会ってみたいと思っています」
「侯爵様がいらっしゃるのか?」
「ここ何年とお姿を見ていないぞ」
「お忙しい方だから、ハロルド様に全てお任せなんだろう?」
聞き覚えのある名前に、アリッサが手を挙げた。
「あ、あのっ……ハロルドって」
「領主様の息子だよ。元はここの領地管理人の一人息子でさ。ブラッドフォード様とセイディ様が、馬車ごと谷へ落ちて……本家のお邸に引き取られたんだ」
「ハロルド……さんが、ここに来ているのですか?」
「この頃はいつもね」
「いつからかな?」
「三年くらい前だよ」
「三年……」
セドリックは俯いた。アリッサが彼の袖を引き、耳元に唇を寄せる。
「おかしいです。お兄様は学院に……」
「うん。滅多に外出しないって聞いたよ」
「家にも帰りませんでした。……ここに来ているお兄様は、一体誰なのです?」
マリナと同じアメジストの瞳に見つめられ、セドリックは力が湧いてきた。マリナのことを思うだけで何でもできそうな気がしてくる。
「私達は領主に会いたい。ですが、私達が生きていると知れば、私達を殺さなかったあなた方を領主は責めるでしょう」
「そうだ!どうすりゃいいんだ?」
斧を持った男が叫んだ。
「皆さんは、領主の……管理人の指示で、私達を殺めようとなさっているのですね。本意ではないのに」
「そうさ。俺達だって……やりたくねえんだ。だけど……あんた達は花を知りたがった。通り過ぎるだけならいい。でも、花はダメだ。秘密を知っちまったら、後戻りはできねえ」
「わざわざ花を見に来るなんておかしいし、何か知ってるんだろ?」
アリッサはセドリックと顔を見合わせた。この町で作ったピオリの種をユーデピオレとして売っているのではないか、毒性のある赤ピオリを育てているのではないかと、彼らに尋ねてもいいものだろうか。
「花の秘密を知ったら、どうなるんですか?」
「殺す以外の方法はないのかな?」
「ないね。やらなきゃ、あたしらの誰かが代わりに殺されちまうんだ。前に、偶然花畑を見つけた旅の男がいてさ、うちの娘も気に入ってたし、いい奴だから俺達は皆で逃がそうとしたんだ」
「一度は逃げたんだが、その話をジャイルズが告げ口しやがった。旅の男はすぐに見つかって、エスティアに連れてこられた」
一瞬、沈黙が流れた。
「そ、それで?」
「……見せしめに、広場の中央に吊るされた」
「ひでぇ有様だったよ」
「お前さんの娘は、毎日通っていたな」
「……」
女将は俯いて唇を噛んだ。
「管理人の男は、どうして指示通りに殺さなかったのかと、俺達を問い詰めた。誰も何も言わないでいたら、ロージーが前に出て言ったんだ。……『私が彼を逃がすように町の皆にお願いしたんです』ってな」
「管理人の男は、領主の命令に背いた罰だと、ロージーに剣を渡して……」
「やめて!」
リーダー格の男の話は、隣の女性、食堂の女将の悲鳴でかき消された。さめざめと泣く女将の背中を撫でながら、酒場で見た男が続けた。
「……ロージーは、吊るされた男の足元で、自分の胸を突いて死んだんだ。……だから」
アリッサの視界が歪んだ。涙が止まらない。
「俺達は、花の秘密を調べに来たあんたら三人を、殺さなくちゃならねえんだ」
「そんなことはないよ」
セドリックが間髪おかずに言い放った。
「皆さんは私……僕達を殺したことにすればいい」
「どうやって?」
「ジャイルズの指示通り、僕達をこの玄関ホールで殺した。……鶏の血でも撒いておけばいいんじゃないかな。一通り掃除をしたように見せかけて、血の跡を残しておくんだよ」
「あんた達はどうするんだい?」
「そうだなあ……どうしようか?」
「何も考えてなかったのに言っちゃったんですか?」
「うん」
「ええと……私達は、お邸の使用人のふりをします」
「それがいいね。あの通り、ジャイルズは再起不能だから、彼が僕達を雇ったことにすればいいよ。僕が新しい執事、君達二人は侍女としてね。皆さんも、どうかな?」
にっこり。
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