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第一章 浅草十二階バラバラ殺人事件
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展望台で次兄と二人きりで色々話したが、やはり気になるのは小波津さんだ。
「小波津さんは、沖塩氏と口論していたのですかね? 大串の話に出て来た男が氏と確定した訳ではありませんが」
「沖塩氏だったとして、給仕のガキと何を揉めるんだよ。原因は何だ?」
「僕にも分かりませんよ」
全体図が見えてこない。政治高官の沖塩氏、給仕の小波津さん、清掃員の中嶋、警備員の大串。彼らはこの事件にどう関わって来るのだろうか。
そして、正体不明の鵶も関与しているのか。
ふと、展望台の隅にある物置のような小屋に目が留まった。
「あれは何でしょう。掃除用具置き場ですか?」
次兄が鼻で笑った。
「言っても信じられないだろうが、あれが我が倉橋探偵事務所。つまり舞助兄上の拠点さ」
「えっ」
素っ頓狂な声が出た。あの立派な長兄が、今はこんなボロ小屋で働いているなんて……父上が知ったら気絶してしまうかもしれない。
「でも警察を含め、結構依頼人が来るんだぞ。見た目で判断しちゃいけねぇ」
「はぁ、そうですか。とは言え、浅草十二階でこんな大事件が起きてしまって、これから来訪者が減るでしょうね」
「かもな。ま、兄上なら何とかなるだろう」
僕よりも次兄の方が、長兄の事を信頼してるようだ。
「小波津さんは、沖塩氏と口論していたのですかね? 大串の話に出て来た男が氏と確定した訳ではありませんが」
「沖塩氏だったとして、給仕のガキと何を揉めるんだよ。原因は何だ?」
「僕にも分かりませんよ」
全体図が見えてこない。政治高官の沖塩氏、給仕の小波津さん、清掃員の中嶋、警備員の大串。彼らはこの事件にどう関わって来るのだろうか。
そして、正体不明の鵶も関与しているのか。
ふと、展望台の隅にある物置のような小屋に目が留まった。
「あれは何でしょう。掃除用具置き場ですか?」
次兄が鼻で笑った。
「言っても信じられないだろうが、あれが我が倉橋探偵事務所。つまり舞助兄上の拠点さ」
「えっ」
素っ頓狂な声が出た。あの立派な長兄が、今はこんなボロ小屋で働いているなんて……父上が知ったら気絶してしまうかもしれない。
「でも警察を含め、結構依頼人が来るんだぞ。見た目で判断しちゃいけねぇ」
「はぁ、そうですか。とは言え、浅草十二階でこんな大事件が起きてしまって、これから来訪者が減るでしょうね」
「かもな。ま、兄上なら何とかなるだろう」
僕よりも次兄の方が、長兄の事を信頼してるようだ。
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