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第一章 浅草十二階バラバラ殺人事件
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「兄上。どうします? 何か確認したい事は?」
「ない。鈴木巡査は?」
「自分も。あなた達が来る前に大まかな事情聴取は済ませましたし」
僕ら三人は部屋から出た。
出る直前、振り返る。小波津さんは最後の最後まで顔を上げなかった。
「顔に傷でもあるのでしょうか」
「さあな。化粧に失敗したとか?」
「前髪を自分で切って失敗したとか?」
「眉を整えようとしたら剃りすぎたとか?」
「口元は少し見えましたが」
「目は全く見えなかった」
「実は対人恐怖症とか?」
「実は目が見えなくて、今自分がどこを見ているか分からないとか?」
鈴木巡査が席を外している間、僕と次兄は意見交換をした。鈴木巡査は先程の聴取の内容を、他の警官を使って佐藤警部補に知らせるようだ。
次兄は再び手帳を開いた。
「お前、あのガキが沖塩氏について話す時の特徴、気付いたよな?」
僕は首をかしげた。何の事だろう。そう言えば次兄にやたら視線を送られたが。
「過去形だった。沖塩氏について話す時は必ず」
「えっ」
言われてみれば確かにそうだ。
「ない。鈴木巡査は?」
「自分も。あなた達が来る前に大まかな事情聴取は済ませましたし」
僕ら三人は部屋から出た。
出る直前、振り返る。小波津さんは最後の最後まで顔を上げなかった。
「顔に傷でもあるのでしょうか」
「さあな。化粧に失敗したとか?」
「前髪を自分で切って失敗したとか?」
「眉を整えようとしたら剃りすぎたとか?」
「口元は少し見えましたが」
「目は全く見えなかった」
「実は対人恐怖症とか?」
「実は目が見えなくて、今自分がどこを見ているか分からないとか?」
鈴木巡査が席を外している間、僕と次兄は意見交換をした。鈴木巡査は先程の聴取の内容を、他の警官を使って佐藤警部補に知らせるようだ。
次兄は再び手帳を開いた。
「お前、あのガキが沖塩氏について話す時の特徴、気付いたよな?」
僕は首をかしげた。何の事だろう。そう言えば次兄にやたら視線を送られたが。
「過去形だった。沖塩氏について話す時は必ず」
「えっ」
言われてみれば確かにそうだ。
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スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
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