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第5章 ロケット
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「本当だ」
美雲丸は肯定しました。
「真琴とはよく語らい合った。友達だったのだ」
「もっと早く言ってよ」
思わず、叔父が目の前にいるのに美雲丸に話しかけてしまいました。
叔父がギョッとして目を見開きます。
「何だ、今のは? 誰に向かって言った?」
「いや……」
「まさか、お前も……? 兄のように馬鹿な事を言うのか?」
「そんな、さっきのは……」
「付喪神などいる訳ないだろう。兄も、お前も、現実から逃げたくて空想の世界に縋ったのだ。やるべき事から目を背けるために。弱い人間だ。神だのあやかしだの、気持ちが悪い」
「付喪神は……いますよ」
反抗心でしょうか。美雲丸達を侮辱されて、黙っている訳にはいかないと思いました。
「あなたなんかより、何倍も価値のある存在です」
美雲丸は肯定しました。
「真琴とはよく語らい合った。友達だったのだ」
「もっと早く言ってよ」
思わず、叔父が目の前にいるのに美雲丸に話しかけてしまいました。
叔父がギョッとして目を見開きます。
「何だ、今のは? 誰に向かって言った?」
「いや……」
「まさか、お前も……? 兄のように馬鹿な事を言うのか?」
「そんな、さっきのは……」
「付喪神などいる訳ないだろう。兄も、お前も、現実から逃げたくて空想の世界に縋ったのだ。やるべき事から目を背けるために。弱い人間だ。神だのあやかしだの、気持ちが悪い」
「付喪神は……いますよ」
反抗心でしょうか。美雲丸達を侮辱されて、黙っている訳にはいかないと思いました。
「あなたなんかより、何倍も価値のある存在です」
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