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第5章 ロケット

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 この人達、何でもかんでも私のせいにする気だ。どこまでも自分が可愛いんだ。

 私の性別にまで、いちゃもん付けてくるとは!

 本気で相手にしていられず、夜琴叔父さんの後を追いました。

 この家の人達はみんな狂ってると、遅すぎますが実感が湧いて来ました。だから、真実を突き付けて和が乱れても、これで良いんだと思えました。



 玄関に繋がる廊下の曲がり角に、夜琴叔父さんはいました。こちらに背中を向けています。

「美雲丸」

 叔父さんに聞こえないように、私は呼びました。

 美雲丸は最初から待っていたかのように、私の横にすぐ現れました。

「そこで見ていて」

 それだけ言っておきます。美雲丸はこくりと頷きました。
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