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第5章 ロケット

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「しろがねの……」

 声が掠れています。

 私は、何故か不安になって、自分で自分の手首を掴みました。

「しろがねの父親は……」

 ロイドは憐れむように私を見ました。



 一瞬、何を言われたか分かりませんでした。

 言葉が、知らない音のように聞こえて、意味が理解出来ませんでした。

「分かるか? つまり……」

 ロイドがさらに何か言おうとしましたが、

「言わなくていい」

 美雲丸が止めました。
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