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第5章 ロケット

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「真琴がどれほど無念だったか分かるか? どれほど悔しかったか。どれほど絶望したか。誰も信じてくれない。奴ら、今まで馬鹿みたいに期待してたくせに」

「……」

「美雲丸、てめぇだけは許せねぇ。なにが、何故今まで姿を現さなかった、だ。そのお言葉、そっくりそのままお返しするぜ。てめぇが付喪神として鴫野宮しぎのみや家の連中の前に姿を現し、真琴は無罪だと、一言言ってくれれば……真琴は助かった!」

 美雲丸はロイドの気迫に押されながらも、冷静に言い返しました。

「私の存在を信じてくれるか疑問だった」
「カッ! 付喪神じゃ胡散くせぇなら、幽霊でも神でも何とか言っとけ」
「それに、真琴殿はあの家を出た方が幸せだと思った」
「んな訳ねぇだろ。真琴はガキの頃から料亭の修行を積んでいたんだぞ。やっと報われる時だったんだ」
「もうひとつ。こがねがいた。こがねは、この家に縛られるべきではないと思った」

 急に自分の名が出て驚きましたが、私の出生については特に知りたかった事です。思い切って聞いてみましょう。

「私はその盗難事件の時には生まれていたの?」
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