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第4章 ブレスレット
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私は美雲丸に今までの想いをぶつけました。
「あなたに恋しないよう、他の人を好きになったの!」
沈黙も反論も質問も怖くて、私は言葉を乱射します。
「分からない? 何故急に好きな人が出来たか。忘れたい事があるからだよ。報われないって分かってる恋心を失くすために、他の人を……竹内くんを好きになろうとしたの。途中から……本気で……好きだったよ」
胸が苦しくて、声が詰まりました。
「もう……自分が……嫌だよ。竹内くんは……既に付き合っている人がいるのに、告白して困らせちゃった。仲の良い先輩に取られたという事実も、やっぱり悔しい。そもそも付喪神に恋なんかする私が馬鹿だ。自分が辛いのも、周りの人達を悩ませるのも、全部私が悪いの」
「こがねちゃん……」
フクが隣に来て、寄り添ってくれました。フクが人間だったら、この手を握って慰めてほしいのに。
「あなたに恋しないよう、他の人を好きになったの!」
沈黙も反論も質問も怖くて、私は言葉を乱射します。
「分からない? 何故急に好きな人が出来たか。忘れたい事があるからだよ。報われないって分かってる恋心を失くすために、他の人を……竹内くんを好きになろうとしたの。途中から……本気で……好きだったよ」
胸が苦しくて、声が詰まりました。
「もう……自分が……嫌だよ。竹内くんは……既に付き合っている人がいるのに、告白して困らせちゃった。仲の良い先輩に取られたという事実も、やっぱり悔しい。そもそも付喪神に恋なんかする私が馬鹿だ。自分が辛いのも、周りの人達を悩ませるのも、全部私が悪いの」
「こがねちゃん……」
フクが隣に来て、寄り添ってくれました。フクが人間だったら、この手を握って慰めてほしいのに。
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