【完結】失くし物屋の付喪神たち 京都に集う「物」の想い

第3章 万年筆

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「ねえ、美雲丸」

　私はヒソヒソと聞きました。

「付喪神の性格って何で決まるの？」
「環境だな。今まで周りにどんな人間がいたかだ」
「周りにいた人間に似るって事？」
「それもあるが、一番は『憧れ』だ。もし自分が人間になれたらどんな人間になりたいか、どんな人間が一番好きだったか、だよ」

　では、筆丸の周りには威厳のある人間が多かったという事でしょうか。呉服屋ですものね。

　そして美雲丸は、とても優しい人間が身近にいたのですね。そんな人間と巡り会えた事が、とても羨ましく思えました。