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第3章 万年筆

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「あの、私の悩みは……」
「知っている。小説家になりたいのだろう」
「えっ」

 赤松さんは驚愕し、目を見開きました。何故知っているのかと聞きたそうに。

「大学ノートに毎日書いていたのを知っている。表紙には敢えて自習ノートと書いて他者に見られぬよう守っていた。3ヶ月に1作のペースで書き上げていた。驚異的な速さだったな。それほど好きなのだろう」

 赤松さんはポカンと口を開けていました。ずばり言い当てられたようです。
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