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第3章 万年筆
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何かおかしい。ここで過ごして、ずっと感じて来た違和感。女だからって、ここまで酷い仕打ちを受けるのは何故? 料亭の跡継ぎの片割れなのに、こんなに大事にされないのは何故?
私もこの人達の家族なのに、どうして愛されないの……?
混乱していたため、兄の二撃目に反応が遅れました。靴べらは私の左腕にも当たりましたが、先端が頬を掠りました。
「痛っ」
「その程度の痛みで済んで幸せだ。俺達はお前が生まれてから、ずっと苦しめられてんだ。俺なら罪悪感で死にたくなるね」
兄はポイっと靴べらを床に捨てました。これで終わりのようです。安心しましたが、息が上手く出来ず、私はその場に座り込みました。
「あと、お前」
容赦なく兄が私の髪を引っ張り膝立ちにさせました。
「は、離して!」
痛くて抵抗しましたが、兄の次の言葉で凍りつきました。
「……変なものが見えるんだろ?」
私もこの人達の家族なのに、どうして愛されないの……?
混乱していたため、兄の二撃目に反応が遅れました。靴べらは私の左腕にも当たりましたが、先端が頬を掠りました。
「痛っ」
「その程度の痛みで済んで幸せだ。俺達はお前が生まれてから、ずっと苦しめられてんだ。俺なら罪悪感で死にたくなるね」
兄はポイっと靴べらを床に捨てました。これで終わりのようです。安心しましたが、息が上手く出来ず、私はその場に座り込みました。
「あと、お前」
容赦なく兄が私の髪を引っ張り膝立ちにさせました。
「は、離して!」
痛くて抵抗しましたが、兄の次の言葉で凍りつきました。
「……変なものが見えるんだろ?」
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