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第3章 万年筆
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「何かバイトでも始めたのかと思ったわ。特に三日ぐらい前から、急いで帰ってるみたいだし」
「それは、ちょっと、寄り道したい所があって」
「寄り道? どこに?」
「うーん……一言で言うなら、面白い所。料亭で嫌な事あっても忘れられる」
「素敵ね。鴫清の手伝いもあって多忙なあなたが時間割いてまで行きたい所なら、私も是非行ってみたいわ」
赤松さんは、私が鴫清でどんな目に遭っているか知りません。おそらく、厳しい修行を課せられながらも、後継者のひとりである愛娘として大事にされている……そう想像しているでしょう。
「赤松さんは、どうなの? 最近何か変わった事あった?」
「……ええ」
素っ気ない返事だったので深く聞かない方が良いかと思いましたが、五秒後には赤松さんは自ら話し始めました。
「ちょっと悲しい事があったの」
「それは、ちょっと、寄り道したい所があって」
「寄り道? どこに?」
「うーん……一言で言うなら、面白い所。料亭で嫌な事あっても忘れられる」
「素敵ね。鴫清の手伝いもあって多忙なあなたが時間割いてまで行きたい所なら、私も是非行ってみたいわ」
赤松さんは、私が鴫清でどんな目に遭っているか知りません。おそらく、厳しい修行を課せられながらも、後継者のひとりである愛娘として大事にされている……そう想像しているでしょう。
「赤松さんは、どうなの? 最近何か変わった事あった?」
「……ええ」
素っ気ない返事だったので深く聞かない方が良いかと思いましたが、五秒後には赤松さんは自ら話し始めました。
「ちょっと悲しい事があったの」
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