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第2章 手帳

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「……感謝しているわ。手帳は、いらない」

 彼女はそれだけ言って、ゆっくり店から出て行ってしまいました。

 おそらく、二度と会う事は無いでしょう。

 店の戸が閉まる音で、さらに現実に帰って来たと実感しました。

「お疲れ様」

 弦介さんが私に声をかけました。
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