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第2章 手帳
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「どうして? そんなの困る! 私、さっき、手帳が無い事に気付いて……あちこち探したのよ。あれがあれば、あの子をもっと理解出来る」
「あなたは祐美に依存している。手帳を使って、祐美を理解したいのではなく、支配したいだけでしょ。そうしないと、独りになってしまうから。旦那さんから愛されていないから、自分には娘しかいないって思い込んでいるの」
私から見たら明子さんはしっかりした、気の強そうな女性ですけど、それは初対面だからでしょう。一部分しか知らないからでしょう。
ずっと見ていたモモコからしたら、危機感を持つほどだったのです。
娘への一方通行な愛は、最早狂信的だと。
「祐美さんとを大事に想う事は悪い事じゃない。反対も否定もしないの。ただ、過干渉だから祐美に嫌われた。それだけは言わなきゃいけないの。祐美は自由になりたいから東京に行ったの」
「な、何よ……勝手に悲しめば良いじゃない。あなたに私の気持ちが分かるの? 子供を想う親の気持ちが。分かり合いたいのは当前でしょ。娘が心配なのよ。あの子がいなくなってから、何も楽しくない!」
「だけど、私の今の持ち主はあなただから……あなたの幸せを願わずにはいられない」
「どういう意味? やめて。話しても無駄よ。あなたの言い分も分かるけど、だからって、今すぐ生き方を変えるのは無理よ。だって……祐美がいなくなって、寂しすぎる。何をしても虚しく感じるの」
「そうは言っても、慣れなきゃいけないの」
「……出来る事なら、あの子が成長しないでほしかった。大人にならないでほしかったわ」
泣きそうな声で、明子さんはそう呟きました。
「あなたは祐美に依存している。手帳を使って、祐美を理解したいのではなく、支配したいだけでしょ。そうしないと、独りになってしまうから。旦那さんから愛されていないから、自分には娘しかいないって思い込んでいるの」
私から見たら明子さんはしっかりした、気の強そうな女性ですけど、それは初対面だからでしょう。一部分しか知らないからでしょう。
ずっと見ていたモモコからしたら、危機感を持つほどだったのです。
娘への一方通行な愛は、最早狂信的だと。
「祐美さんとを大事に想う事は悪い事じゃない。反対も否定もしないの。ただ、過干渉だから祐美に嫌われた。それだけは言わなきゃいけないの。祐美は自由になりたいから東京に行ったの」
「な、何よ……勝手に悲しめば良いじゃない。あなたに私の気持ちが分かるの? 子供を想う親の気持ちが。分かり合いたいのは当前でしょ。娘が心配なのよ。あの子がいなくなってから、何も楽しくない!」
「だけど、私の今の持ち主はあなただから……あなたの幸せを願わずにはいられない」
「どういう意味? やめて。話しても無駄よ。あなたの言い分も分かるけど、だからって、今すぐ生き方を変えるのは無理よ。だって……祐美がいなくなって、寂しすぎる。何をしても虚しく感じるの」
「そうは言っても、慣れなきゃいけないの」
「……出来る事なら、あの子が成長しないでほしかった。大人にならないでほしかったわ」
泣きそうな声で、明子さんはそう呟きました。
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