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第2章 手帳
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私は店の戸に手をかけました。
鍵はかかっておらず、軽い力で開きました。
中は薄暗いです。広い土間は昨日と同じように、雑貨屋として棚や台に色々な物が並んでいます。
その奥。土間と居室を仕切るための障子は両側に寄せられ、畳の床が見えました。
その上でまた弦介さんが倒れています。今日もジャージズボンにTシャツ姿です。
「腹、減った……死ぬ」
やっぱり、こうなってましたか。
「弦介さん、こんにちは」
「こがねさん……?」
「また空腹で倒れてると思ってました。昨日、肉豆腐だけじゃ一時凌ぎにしかならなかったでしょう? 朝ごはんになる物は何も無いし」
「買う、金は、無いし……」
「このままじゃ本当に餓死しますよ」
「バイトしてたら、店を開く、時間が……」
消え入るような声で「なくなる」と弦介さんは呻きました。
鍵はかかっておらず、軽い力で開きました。
中は薄暗いです。広い土間は昨日と同じように、雑貨屋として棚や台に色々な物が並んでいます。
その奥。土間と居室を仕切るための障子は両側に寄せられ、畳の床が見えました。
その上でまた弦介さんが倒れています。今日もジャージズボンにTシャツ姿です。
「腹、減った……死ぬ」
やっぱり、こうなってましたか。
「弦介さん、こんにちは」
「こがねさん……?」
「また空腹で倒れてると思ってました。昨日、肉豆腐だけじゃ一時凌ぎにしかならなかったでしょう? 朝ごはんになる物は何も無いし」
「買う、金は、無いし……」
「このままじゃ本当に餓死しますよ」
「バイトしてたら、店を開く、時間が……」
消え入るような声で「なくなる」と弦介さんは呻きました。
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