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第2章 手帳
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「えっ?」
「何か?」
夫婦は足を止め、振り返ります。
ふたり共、上品で、髪に白いものが混じりつつも老人なんて言葉はまだ似合わない容貌でした。
男性の方は、少し大きめのダボっとしたグレーのスーツを着ています。高そうな腕時計は左手首で輝いていました。
女性の方は藍色のワンピースに白いカーディガンを羽織っており、胸元で蝶のブローチが煌めいています。薄化粧ですが、眉がしっかり引かれていて、なんだか強気そうな印象です。
「あの……」
呼び止めたものの、何と言えば良いのでしょう。声を失ったかのように、何も言えません。
あなたは料亭にピンクの手帳を忘れましたが、付喪神は何故か手元に戻る事を望んでおらず、失くし物屋のあかり堂まで来て欲しいと言っています。なんて言う訳にもいきません。
「何か?」
夫婦は足を止め、振り返ります。
ふたり共、上品で、髪に白いものが混じりつつも老人なんて言葉はまだ似合わない容貌でした。
男性の方は、少し大きめのダボっとしたグレーのスーツを着ています。高そうな腕時計は左手首で輝いていました。
女性の方は藍色のワンピースに白いカーディガンを羽織っており、胸元で蝶のブローチが煌めいています。薄化粧ですが、眉がしっかり引かれていて、なんだか強気そうな印象です。
「あの……」
呼び止めたものの、何と言えば良いのでしょう。声を失ったかのように、何も言えません。
あなたは料亭にピンクの手帳を忘れましたが、付喪神は何故か手元に戻る事を望んでおらず、失くし物屋のあかり堂まで来て欲しいと言っています。なんて言う訳にもいきません。
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