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第2章 手帳

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こんな性格が悪い奴、大嫌いです。私が両親に逆らえないのは仕方ないとして、こいつの言いなりにはなりたくないと思っています。

 こんな下衆が鴫清の次期店主だなんて、世も末です。

「どいて下さい」
「あ?」
「私が嫌いなら放っておいて下さい。話しかけないで」

 強烈な痛みが左頬に走り、目の前がチカチカしました。何が起きたか一瞬分かりませんでした。

 どうやら、平手打ちを喰らったようです。

「なんだよその態度」

 凄まじい怒気を、兄が放ちます。
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